こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2022年のアニメ感想(7月~9月)その9

 日本の役者はレベルが高いと思う。アニメやゲームが好きな私は、それらの作品の中で日常的に役者の芝居を楽しんでいる。出役俳優の芝居ももちろん良いが、趣味的にボイスオンリーで勝負する声優の芝居の方をたくさん楽しむことになる。私は声優が大好きなのだ。

 ジャパニメーションをしゃぶり尽くせば、アニメと同時に良き声優の芝居も楽しめる。アニメと芝居はセットで楽しむに限る。

 

 で、声優って本当に凄いし偉いって思うのだ。なんであろうが与えられた役は必ずやりきる。たかがアニメだろ?と軽視するヤツもそりゃいるだろうさ。でもそこでも役者は手を抜かないのだ。

 

 昨今は一週間に放送するアニメの本数が非常に多くなった。全体数が増えると、自然とハズレ作品を見つけちゃう確率も増えてきてしまう。昨今はダメなアニメも少なくない数生まれている。

 

 そこを崩されたらどうしようもならない原作からサボっている、原作が大丈夫でも絵をサボっている、そんなクソアニメに続く道が完備された困ったプロジェクトもある。これには時間や金の都合も関係するのだろうが、それにしてもやっつけ仕事が過ぎて酷いという作品が短いスパンで上がってきすぎる。

 

 原作を見て、台本を見て、勘が鋭く働く場合には制作会社を知った段階からも、次に自分が出る作品はクソになる。そのように危機を察知したことがある声優も多くいるだろう。

 シナリオも絵も死んでいるクソアニメをたくさん見て来たけど、その中で芝居までが終わっていたという作品はそうそうない。日本には良い役者がいるので、よっぽどの手抜かりでもない限り芝居だけはちゃんとしたアニメというクオリティに押し留めることが出来る。

 だから声優って偉い。クソアニメなのに無駄に声優の芝居が良いパターンは結構ある。彼らは内容がどうであろうが、もらった本の中にある自分の役をしっかりとやり遂げるのだ。その姿はまるで、沈む船の上であっても最後まで戦う海の戦士ようだ。声優は素敵で格好良いのだ。

 

 そんな素晴らしき声優達の芝居が見れた今期アニメをプレイバック。

 

 

リコリス・リコイル

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 おおっ!今年の大型新人枠だ。一貫して秀逸な作りのオリジナル作品だった。忙しいオタクは縮めて「リコリコ」と呼ぶらしい。

 

 軽くネット検索すると、今期作品の中では世間的に大変ウケが良いと分かる。がしかし、そこはそもそも評価者の身元や鑑識眼の質も怪しいので、鵜呑みにはしない。己で全話見た物しか私は推し上げないのだ。そんな私が色眼鏡無しの究極視力を誇る裸眼で全部見たところ、多くから良い評価を得るだけの事はある。しっかり良かった。

 

 これまで面白いを享受しすぎたゆえ、面白いの新星を素直に受け取っても手放しで楽しめないというある種の壁にぶつかった状態だった。快楽追求者なら皆がどこかでこの手の壁や天井にぶつかり、今一度「楽しいとは?」を自問する段階に入る。そこから抜け出た者が真に楽しいの天才だ。私は抜けたぞ。

 そんなやり手オタの私に、新しくも心地よい風を運んでくれた良き作品だった。ありがとう。

 

 まずはキャラが良い。まじでヤバいくらいパーフェクトに可愛い。メインのバディヒロインのビジュが良すぎる。キービジュオンリーで美が満開の綺麗な世界だと分かったので安心して突入出来た。

 キービジュから不安になる作品も多いので、ナビゲートの最初手となるココで合格を出すのも何気に難しいのが現代アニメの事情なのだ。

 

ガンスリンガーガール」「ノワール」あたりで開拓した美少女がバンバン銃を撃つのが楽しいという我が趣味にマッチする秀逸なバンバンアニメだった。このガンアクションがガンガンに格好良いのだ。学生鞄が実はシールドだったというのも格好良い。見た目が制服美少女なのにやり手のヒットマンという一見ミスマッチな要素にハマる。

 

 メインのちさと、たきなは当然だが、敵キャラも含めた周囲のキャラが皆生きている。これが素晴らしい。キャラが生きているなんて作家ならそう設定出来て当たり前と思うだろうが、それが出来ない者も少なくない数いる。つまり簡単な事ではない。だからキャラが死んでおらず、皆が活き活きしているだけでも高く評価出来る。それを強く感じるだけで逞しいスピリットを持った質の高い作品だといえよう。

 メインの二人よりもややアダルトなミズキ、ずっとチビのクルミと、ヒロインは年齢と属性が良い感じにバラけたベストな布陣となっている。

 ここでも久野美咲がチビ役で出ている。ホント、今期はチャンネルを合わせた先で彼女と出会うことが多い。良い事だ。

 時には逞しいおっさんも楽しみたい。そんな珍味好きになっていく段階を経た者には、ごつくて格好良いおっさんのミカが救いの一枠となる。ミカも良いぞ。

 

 キャラ同士のユニーク且つ軽快テンポな会話劇も良い。これは語彙が豊富でトークスキルに長ける者でないと作れないセリフ構成だ。役者の問題でなく、そもそもセリフが下手に作られたアニメに触れたことも多くあることから、この点にも注目してしまう。

 特にちさとのすっ惚けたキャラ性が更に活きるコミカルなセリフ運びは聴いて爽快なものだった。ちさとめっちゃ可愛い。

 

 ちさと役の安済知佳の芝居はさすが。「ぐらんぶる」という終始ふざけたアニメ(←大好きなので悪口でなく褒めている)のツンデレヒロイン役で見た時から素晴らしいと思っていたが、ここへ来てまた違う方向の芝居で弾けたな。

 相棒のたきな役の若山詩音も良かった。ボソボソ言っていじけた感じのキャラがマッチしている。

 思い返すと何気にダイナゼノンな二人が主演コンビを組んでいた。あちらの作品で若山詩音が「なんとかビーム」と言っていたのは未だにウケる。リコリコでは「さかな~」て言ってる間抜け可愛いシーンが最高に良い。

 

 シナリオはガンアクションらしく硬派に魅せる部分がメインだ。陰謀渦巻く大事件を解決に導く美少女達の戦いに燃えて萌える。火事も起きればその後は木々で生い茂って結果オーライな出来だ。

 こんなに可愛いギャル達が出てくる世界なのに、1話目冒頭では変にねじ曲がった謎のビルが出てきて、世界の治安が乱れているとすぐに分かっちゃう。萌えと不穏が同時にインプットされる意外性ある導入が良かった。

 

 松岡くんが最大限サイコパスさとヒール感を出して演技に臨んだボスの真島は、怖いけど良いキャラをしていた。後半の真島打倒までを描く戦いは怒涛過ぎて楽しかった。相棒のピンチに壁をぶち破って参上するたきなが超格好良い。

 

 永続する緊張感の中にあれば我々ポップな若者の心は簡単に疲れてしまう。そこを考慮した良い塩梅での箸休め、またはおふざけエピソードもありで楽しい。

 たきなのパンツ事情を描く回がお気に入り。うら若き乙女が色気ゼロの男物パンツで仕事をしているとか国民が揃って萎えるだろうが。スカート下にハーフパンツを穿くことで皆を萎えさせた御坂美琴の青春を思い出す。 

 たきな考案の喫茶店メニューの巻きグソデザートには受けた。無駄に料理作画が良いことで、余計にソレに見えて笑えた。確かにコレはコレでSNS受けすると思う。

 

 ちさと、たきなの凸凹コンビが出会って時間を経てどんどんラブラブになって行く展開が一生良い。純粋なユリ好きにもお勧め出来るってものだ。女の友情が素晴らしい。

 美少女なんだけど、どちらも男前のテンションなんだよな。言動がイケメンなのも見ていて気分が良い。時代はイケメンで心も格好良いギャルを求めているのだ。ヒロイン達は可愛いけど格好良さも持ち合わせている。

 ちさとがたきなを抱き上げるラブラブしたシーンが可愛い。最終回では海でもやっていたし。

 

 OPでもEDでも二人が色んな服を来ているシーンが見れて萌えた。OPアニメの最後で二人が仲良くケツをシバき合っているシーンも和む。これを見て自分のケツもシバいて欲しいと願った紳士諸君の事を私は決して罵倒しない。

 毎度のEDアニメに潜り込んでいくタイミングが良過ぎる。良い所で「花の塔」のイントロが来るから曲にも心を掴まれる。どっちの曲も良かった。今も「花の塔」を聴きながらコレを書いている。

 

 良き伝説として綺麗に閉じることが叶う良き最終回だった。これはこれでこのまま綺麗に伝説として心に残しておきたいことから、人気を得ても敢えてこれ以上先をやらないで欲しい。

 

 ジャパニメーションはまだ死んでいない。その唸りを上げたかのような勢いある良作だった。

 そんな感じのたっぷり愛せる作品だった。あの巻きグソスイーツはイベントでリアルなヤツも作れば良いんじゃないかなって思う。

 

シュート!Goal to the Future

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 これが第2の蒼き伝説か。とんでもねぇな。

  今期の怪物ネタ枠である。クソアニメハンターとしてはかなり満たされる。

 

 長い歴史と実績を持つ伝説の漫画と聞いている。我が家に本作のスーファミソフトがあるけど全くやったことがない。

 スーファミの頃からもあった往年の名作なのに、新章はまさかのネタ枠で攻めることになっていた。え、コレでいいの?オリジナルの作家に許可を取っているのか?と序盤から不安になる展開が襲ってくる。

 

 主人公の辻がウジウジして暗いし、第二のキャラの風間はそこと対照的にうるさすぎる。

 風間の情緒はどうしたんだ。一生懸命な良いヤツなんだろうけどバカみたいに見える。

 

 なんか最初からお話もキャラも絵も怪しいと思っていたが、ヤバいアニメとしての決定打を決めたのは、辻の幼馴染の小久保の登場にあった。こいつやべぇ。普通にキモイしそれ以上に怖い。辻に対してのヤンデレな態度がもうヤバい。

 小久保が登場した時点で、それまで見ていた皆さんがなんとなく抱いていた不安が確信に変わっただろう。そう、これはネタアニメである。そりゃ辻のシュートも入らなくなるわけだ。

 小久保の試合シーンはマジで笑った。演じた土屋神葉を高く評価したい。

 

 主人公の辻を演じた小林千晃は、今期だと例の賢者枠に続いて二つ目のネタ枠主演となった。せっかくの主役なのに引きが悪いな。まぁ考え方によっては美味しいのだけど。

 

 第3のキャラの黒川だが、こいつもとんでもない曲者で、実は風間ラブのBL要員った。なんだこれ。辻、風間、黒川で三角関係が始まったぞ。暗黒展開だな。

 この3人の揉め事の要素は全く予想しないもので意外性はあったが、サッカーにコレはいらん。

 BL三角関係騒動はネタ要素だったけど、風間と黒川の確かな友情が見えた展開だけは美しい。

 

 他にも基本的に毎度ふざけていて笑える。サッカーアニメなのにずっと笑えたというのはおかしいが、まぁ笑えるだけ良いってもの。

 風間、辻が二人でボールを蹴って二人でヘディングする試合シーンは面白い。

 梅原裕一郎が良い声で演じるクールなコーチだけはまともと思いきや、こいつも実はふざけている。別にいらなかった合宿回でそこのところが見えた。この回は作品の品位を落とすものであったが、でネタ要素としては美味しい。

 

 そもそもの話だが、あんまりサッカーをしていない。同期放送のアオアシがいかに優秀なサッカーアニメなのかがよく分かる。

 真面目にやって下手くそなのか、狙ってのネタ枠に作っているのか、どちらにも取れる間の完成度なのにウケる。

 

 最終回は結構超人サッカーをしていて笑えた。超人どうこう以前に普通にキモコワい小久保の暴走も面白過ぎた。辻のベッドを占領する嫁枠アピールで最後までヤンデレキモコワオモロサッカーマンぶりを見せていた。

  今思えば小久保のキャラ性って天才的アイデアだったのかもしれない。幅広い価値観に触れさせることで子供を感性豊かにを育てるのに向く現代においても、ここまでのハイブリッド超人なお子様はまず出て来ないだろう。

リコリス・リコイル」の素晴らしき最終回を見た後でこの方向性の全く異なるもう一つの素晴らしき最終回だからな。同じラストでもこのテンションの差よ。そこに笑える。

 

 ネタアニメだけどこれは愛せるバカさがあって私は好き。なんだかんだで変なキャラ達にも愛着が持てる。来週はどういうネタ要素があるのかと何気に放送を楽しみに待つ日々が続いた。

 迷作中の名作という出来に落ち着いた。狙って取れるポジではないのでこれはこれですごい。 

 

 話題になったEDのやる気ナッシンクネクネダンスからの「ア~ン」もマジウケる。

 

  無いとは思うが2期来ないかな。来たら面白いし絶対に見る。

 

Engage Kiss

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 今期はバトルヒロインが豊作である。

 戦場を駆ける可憐な一輪花を愛でるのが生きがいな人間は私だけに限らず地球の上にわんさかいることだろう。というわけで、可愛い子ちゃんが活き活きとバトルするこの作品は毎週の楽しみとなった。リコリコと本作は戦う女子が格好良い週末の良質アニメだった。

 

 まずは主人公青年のシュウくんに注目。悲しき運命を背負う楽しい紐男である。紐男を受け付けないという寛大さの足りない人間にはキツい一作かもしれない。こういうダメな男がモテるとは言わないが、少しくらいダメな男が良いという女は絶対に滅びず一定数がいつまでも生き残る。それが世の真実。

 そんなダメンズハンターのキサラ、アヤノの華やかなヒロインズが、シュウくんを真ん中において女子特有のバチバチをやり合うラブコメ展開が楽しい。

 

 キサラの献身的かつヤンデレな要素、アヤノの面倒見の良い健全なエロス持ちな要素、どちらも捨てキャラになるはずのない特大の魅力があって良かった。マジ可愛い。

 ピンク髪ヒロインならそれだけで問答少なく食いつくのが人として当たり前のリアクションなので、その点からはキサラが気になる。

 しかしアヤノのツンツンしてるくせに結構チョロインで可愛くて萌える感じも良い。Lynnのツンデレ芝居はやはり良い。「ぼくたちは勉強ができない」のツンデレ先生の芝居でハマった声優である。あの先生感も出たアヤノの芝居はとても良かった。

 ツインヒロインのどちらが良いのかで楽しい脳内会議が捗る良き作品だった。

 

 ここに遅れて合流する戦うシスターヒロインのシャロンもすごく良い。シスター枠はやはり癒やし。 

 後半には闇落ちした妹のカンナが登場。最終回で正気に戻ったはいいが、他の女子とシュウお兄ちゃんを取り合う新たなラブコメ要員になった模様。妹が追加したことでもっとややこしくなるシュウの青春も見たかった。

 

 キサラ役の会沢紗弥は去年に放送した「大正オトメ御伽話」のメインヒロインで初めて知った。あちらでも夫に尽くす良き乙女を演じたが、こちらでは尽くすは尽くすでも薄幸な女の負の感じもありだった。同じ尽くす女の芝居でもテンションの明暗が分かれるんだな。それぞれイメージの異なる良き芝居だった。

 

 契約悪魔とのキッスから始まる物語なら同期放送作品のヴェルメイさんもそうだが、同じ設定でも軍配が上がったのはEngage Kissの方だな。

 

 ご機嫌なアクションが楽しく格好良い。回を追うごとにシュウの過去を含めた世界を覆う謎が解明されていく。シナリオの作りとしてもかなりまともな出来で大きな文句がない。

 

 OPで誰彼マジスクランブルって言ってる歌は、一人で歌うとかなり疲れると思う。

 

koshinori.hatenablog.com

 

 

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2022年のアニメ感想(7月~9月)その8

 今期は土曜後半から日曜日の終わりまでのアニメの本数が多すぎる。休日なのにそれらの消化に疲れるという幸せな悩みが発生した。今回に限らず、いつだって土日にアニメ放送は集中しがちなのだが、今期は前期以上に多くない?と思わずにはいられない。疲れるからもっと平日にもバラまいて良いバランスにして欲しい。

 

 たくさんあるのをこれだけ見ていると、もはや標準再生では人生が間に合わない。現代人が時短にこだわる理由も分かるというもの。

 アニメ全般が好きなのだが、それでも標準再生で見るのがきつい、そのまんまの時間を捧げるのが勿体ないというクソアニメも少なくない数ある。そういうのを見る時には完全に倍速再生で見てしまう。この機能がありがたい。最近の機器には当然のように備わっているから助かる。

 

 一番しょうもないと思える作品の場合には2倍速で見ている。クソアニメに吸われる時間が半分になり、人生の有効活用時間に空きが出来てよい。じゃあ最初から見るなよと自分で突っ込みをしたりもするが、クソアニメはクソアニメとしての楽しみ方があり、クソだけど見た時間が完全に無駄になることは少ない。なので見ない事を選択するのは何か嫌だ。クソアニメからだって逃げないのが私の真っすぐなアニメライフなのだ。しかし中には本当に見た事で後悔しか残らない頂点のクソアニメもあるからそこはギャンブルだ。

 

 こうして高速の世界に当たり前に身を浸していると、聞き取り能力に長けるようにもなる。そして早口に慣れたことで自分の話すペースも自然とアップしてくる。

 たまに年寄りと喋ると、早すぎてわかんないのでもっとゆっくりと注意される。ここで気づく。高速の世界は便利で居心地が良いけど、リアル世界ではリアルな時間しか流れていない。高速再生に慣れた高速喋りな若者が増えること、それは現代病が蔓延した状態なのかもしれない。

 高速ぶっ飛ばしでアニメを見る中で、リアルな時間の流れにも意識を向け、そちらの良さもしっかり味わって生きようと思うようになった。

 

 以上が、標準再生視聴が苦痛なクソアニメをサクッと見たいがために生まれた問題とそこから得た良き気づきである。

 

 自らを省みることで、素敵な二次元ライフor三次元ライフを実現しよう。

 

 というわけで、楽しかった今期のアニメライフをプレイバック!

 

 

 

 

アオアシ

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 無事2クール目も走り終えた。上出来なサッカーアニメだった。拍手を送ろう。

 まずは原作が良い。それをアニメとして綺麗に仕上げたNHKもさすが。なんだかんだでやっぱりNHKって優秀だよな。原作売り上げの貢献に足るプロモーション作品になっている。

 同じくサッカーをテーマにした同期放送作品「シュート」の新章とは全く違う出来だった。アオアシは物理的にはもちろん、知略戦としてもちゃんとサッカーをしている。これがシンプルにして最大の違い。

 サッカーアニメでちゃんとサッカーをするって当然のことだけど、その当然の達成が難しいのが世の真実である。そこを突破したアオアシは偉い。奇しくも両作品の現場に出入りしていた小野友樹は一体何を思うのだろうか。

 

 後半クールも葦人の青春に暇はない。まさかのディフェンダーへの転向を受けて一時はブルーになるが、てっぺんを取るなら少し下がったこの位置からしかないと覚悟を決めて成り上がっていく。

 なにも明日から野球選手になれと言われたわけでもなく、ちゃんと同じチームで試合に出れて、ちょっと守備位置が下がるだけのこと。サッカープレイヤーでない私はそんな風に軽く考えてしまったが、どうやら選手にとって守備変更のお知らせは爆弾投下並のありえない驚きらしい。

 

 めっちゃ落ち込む葦人にそれとなく寄り添っていくらか心を救ってくれた花の存在が尊い。二人の仲も深まったな。

 最終回後半の雨の中の逢瀬にはかなりキュンと来たぜ。花がハグからのデコキッスをかましてくるのにビックリ。こんなことされたら青春男のハートに大地震だろうな。

 

 花の持つ美少女感とボーイッシュさ加減がベストな割合のヒロイン性は良い。

 男共が球を蹴る汗臭くも熱い青春パートだってそりゃ良いさ。でもね、汗ばむ青春には少しの清涼剤も必要。それが花だった。良きヒロインである。

 花を演じた河瀬茉希は今期だと「リコリス・リコイル」で不良みたいな低い声で芝居をしていて、そっちが通常運転のイメージが強い。NHKヒロインだと爽やかな高い声で芝居をしている。この違いがなんかすごい。こっちの可愛い芝居も良いな。好きな声。

 

 女子が絡む青春展開といえば、もう一人のヒロインの海堂杏里も後半クールから存在感を強めた。葦人の力に気づいて期待を寄せ、向こうから接触してくるようになる。一心不乱に練習する葦人を見てキュンと来て「可愛い」と漏らす仕草がまた可愛かった。やっぱり女子はキラキラしているヤツにときめくものだし、そのキラキラってのは一生懸命頑張っているヤツが放てるものなんだよな。というわけで、葦人がサッカー好きなお嬢様からモテるのも分かるってもの。

 

 サッカーチームの仲間達同士のいざこざ、そこから絆を深めてチームとして強くなっていく過程も楽しめた。やはり揉めて深まっての人間ドラマは楽しい。

 2クール目からは富樫の掘り下げに力を入れていた。こいつはチンピラだけど熱い一面もあって好き。その富樫と竹島が割とマジで揉める緊張の展開が印象的。竹島の覚悟の丸刈りには男を感じた。

 

 一見して激しくモブ顔の黒田が、イメージを覆す熱い一面を見せたのも良かった。

 古巣に馳せる複雑な思いがある橘の都合もまぁ分かる。

 主人公の周囲の仲間達の掘り下げも行っていて楽しかった。キャラが結構好き。

 

 激しくヒールキャラをやってくれた金田が後半のボスキャラになっていた。ヤツの撃退が完了してよかった。ヒールキャラはムカツクけど、いることで作品が盛り上がるから良い。

 

 あとはやっぱり望さんの顔が「るろ剣」の斎藤一に似過ぎて集中できない。コレって誰も気づいていないのか。そういえばさっき「るろ剣」の新アニメを来年やるってニュースを見たな。というわけでるろ剣もいいぞ。

 楽しかったのでアオアシの二期もあれば見る。

 

ラブオールプレー

ラブオールプレー Blu-ray Disc BOX Vol.2(完全生産限定版)

 作画に結構な疲れ具合が見えたな。キャラデザは元からあれだから問題ないのだが、女子が可愛くないな。男子もイケメンではない。各員を演じた声優の芝居は良し。

 各員のキャラ性と声優は結構好きだったけど、内容はまあ普通って感じで2クール連続の放送が無事終了した。

 

 遊佐さんと里佳姉ちゃんの男女強キャラコンビが好きだった。最初はムカつくクール&ヒールキャラだった遊佐さんが、姉ちゃんが絡む事で緩やかにキャラ崩壊を迎えていく。このペースが良く、最終的にとっても愛せるラスボスキャラになっていた。

 水嶋との対戦前には、100年かかっても勝てないと思わせるくらい派手に負かすとイキり宣言する遊佐の言動が見られる。ここは印象的。このシーンの谷原紀章の芝居が同期に配信されたバスタードのダークシュナイダーの芝居になっていると思えて笑える。この人の悪役っぽい喋りが良いな。

 

 水嶋達が進級したことで2クール目からは都合も変わってくる。部活を離れたクラスの親睦会の進行で困難する水嶋の日常回があった。クラスがなかなかまとまらないことで、委員長の水嶋が困難するのが気の毒だった。クラスで決めないといけない事がなかなか決まらないあのグダグダ感は結構リアル。

 

 今回もOP曲はJUMPが担当した。OP曲は良かったぞ。

 

てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!

てっぺんっ!!!① (ブシロードコミックス)

 

 去年も美少女漫才アニメがあったが、まさか今年も来るとはな。女子だってお笑いがしたい。それが現代の風潮。

 誰であろうが笑いを届けてくれる者なら歓迎。そんなハートフルオープン状態で視聴したアニメ。

 

 まず最初に人間が多い。初手から何人出るねん!

 3人一組のチームが5チームあって合計15人の女子がいきなり出てくる。さすがに多いぜ。

 

 伊藤彩沙大阪弁は良いよな。ミュークルドリーミーの時から良いと思っているので彼女の関西弁キャラは楽しむ。

 相良茉優が関西弁を話す役で出ているじゃないか。ラブライブ声優の関西喋りはレアだ。推している声優なのでここも注目してみる。彼女が演じるかなという女だが、だいぶおバカ面白くて良い。

 

 漫才のことはよく分からないが、なんか皆でわいわいやっていて面白い。退屈はなく楽しめた。

 最終回までしっかりふざけていたな。一貫して真面目にふざけたスピリットを評価する。

 

 漫才女子達が暮らす寮の管理人が安元洋貴ボイスのマッチョなオネエという点はユニーク。存在感あるマッチョ管理人だな。このマッチョの留守中に一同が寮を破壊して一旦更地にまで追い込んでしまう回が馬鹿すぎて好きだった。

 

 7月に起きた例のヤバい事件への配慮から、第2話は慎重に蔵に送ることとなった。初回放送の次週からもう放送がないので「どうしたんだ?」と思って調べてしまった。

 第2話では大統領暗殺をテーマにした漫才ネタが展開し、例の事件では大統領と似たような仕事をしていた人が被害を受けた。その関係から放送を見送ったと分かった。

 現実の問題がアニメの都合にも突っ込んでくるこの風潮は好ましくない。世の中よ、平和であれ。そう思って見る笑いがテーマの笑えるアニメだった。

 そんな2話も順番を入れ替えて後日ちゃんと放送されたので良かった。まぁ無茶苦茶なアニメなので放送順を入れ替えても別に問題無しだったな。

 

 何気にOP曲はお耳に心地よい完成度の高い曲だった。漫才女子だらけでやるヒプマイみたいな楽しい出来だった。

 

Extreme Hearts

Extreme Hearts Blu-ray vol.3

 

 なんだこれは。ぶっ飛び超人大運動会じゃないか。こんな物がこの夏に飛び込んで来るとは、前情報がないから何も知らない状態で見たらおったまげた。

  一年前にやっていた「大運動」の匂いもほんのり漂ってくるが、あちらよりも楽しかった。

 

 今期のスポーツ枠ならテニスの王子様もそうだけど、熱血とネタ枠要素はやるならどこまでも突っ切った方が面白い。この作品も振り切ったおバカ熱血ネタ枠で思った以上に楽しかった。どうせネタ枠で行くなら面白いくらいにファンタジーする方が笑えて楽しいのだ。今期の笑えるスポーツ枠はコレとテニプリとシュートの3つだった。

 

 何気にかなり楽しんで見た今期の怪作だった。こういう変なのが好きな人って一定数いるから、忘れた頃に新しいのを作れば割りと世にウェルカムされる。

 

 売れないシンガーが会社契約を切られて次に目指したのは、勝てば音楽ライブが出来るマジでなんでもありのスポーツ大会だった。ただの娘っ子がギターを弾いて歌っていた一話冒頭からこんなハチャメチャなことになるとは予想が出来なかった。

 元々音楽家だった主人公にただスマートに音楽をさせるのではなく、無理やりにでも大運動会の要素をぶっ込んでくる点がバカ面白い。

 何がどうなったらアーティスト契約終了後に超人スポーツ大会行きになるんだ。リアルという概念を完全に無視した心地よき創作世界が見えた。これがとても笑える。

 勝者がライブパフォーマンスを見せる点から何気にウマ娘やプラオレっぽい要素もあり。

 

 サッカー、野球、バレー、バスケなどなど、マジでなんでもやらされる美少女だらけの大運動会が展開する。チームの人間キャラの数が足りない場合には、都合よくモブロボットを出してきて数合わせを行う。この乱暴とも取れる帳尻合わせの仕方が一周して清々しい。話を考えている人間は思考がスマートでワイルドだな。

 そういえばウチの学校でも、各運動部の試合参加人数が足りないため、全運動部が合体してそれぞれの競技に全部出るという総員助っ人体制を敷いていた。本所属以外の他の競技にも全部参加するというあの状態を思い出すアニメだった。子供が少ないとこうなる。

 

 一時的にトランザム的な状態になれる超人タイムがあり、そいつの発動タイムを上手い事調整することで勝ち上がっていくみたいなコツがあった。サッカーでコレをやった時には女だらけのイナイレ状態だった。

 大変すぎるハイカロリーな美少女青春物語がとても楽しかった。

 リアルでもこんな大会を開いてテレビでやれば結構面白いかもしれない。

 

 うむ、このアニメを見て得られたのは、既成概念に引っ張られている内には脳内革命は完成しないということ。時には「バカ過ぎんだろう~」と思えてしまいそうな新たな発想で新たな道をこじ開ける事で、人生は劇的に面白くなる。良いメッセージ性を伝えた熱血おバカアニメだった。この作品は22世紀にまで連れて行こう。

 

 主役のひよりを演じるのはウマ娘声優でもある野口瑠璃子。そういやサキ、スミカの初期メン三人ともウマの関係者だな。

 ウマのCDで野口瑠璃子演じるサクラチヨノオーのキャラソンを聴いたらすごいお耳とろけソングで驚いた。それで興味を持った声優でもある。テレビでちゃんと彼女の芝居を見るのは初だったので、その点は集中して見たぜ。

 

 変なアニメだったけど岡崎美保の元気なOP曲は良かった。

 それまで女ドあほう大運動会をやって来たテンションとはかなり異なる最終回の怒涛の音楽ライブも良い感じに盛り上がっていた。ライブ中に思わず女泣きするひよりの晴れ舞台にちょっとグッと来た。ライブ曲も良い感じの出来で楽しかった。

 総合的に好きな作品で、この夏の良い思い出になった。

 

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2022年のアニメ感想(7月~9月)その7

 先日聴いた話だが、PS5が値上がりしたらしい。普通ならこの手のゲームって発売から少し経ったら廉価版が出て買い求めやすくなるじゃん。それが逆に高くなるって世が末に向かっていく入り口ゲートをくぐってしまったのかな?と何か不安になる。

 

 というかPS5って未だに現物を見たことがないんだけど。買う気はないけど、とにかく見たい、触りたいと思って近所のショップを覗きに行くのだが、在庫が入っていない。私からすると都市伝説が産んだオーパーツの認識なんだけど。

 

 そんな未だにPS3もまだなPSPの止まりの私でもアニメなら無課金で最新作が楽しめる。レトロゲーマーが見る最新アニメ感想をどうぞ。

 

 

組長娘と世話係

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 今度はヤクザと楽しむ「であいもん」の解禁である。

「極主夫道」「ゴクドルズ」「ヒナまつり」など、昨今ではポップなヤクザものが増えてきた。その最たる物が「瀬戸の花嫁」だったろう。そんなわけで、楽しいヤクザもの系譜に仲間入りを果たした最新作もしっかり楽しむ。

 

 心優しいヤクザと幼女が関係することで生まれるほっこりな人情ドラマが楽しめた。

 ヤクザ共の中にいる八重花の存在が光っている。可愛いチビだ。

 キャラ絵が良い。ヤクザ達にはイケメンが多く女子キャラは可愛かった。

 

 荒くれ者だった霧島が、組長の娘の八重花の世話係を行う中で丸くなり、人の温もりを知っていく。そんなハートフルな毎度の流れが愛しい。八重花が霧島を喜ばせようといろいろやってくれる優しい幼女な点には萌える。

 一回だけ大人の事情で皆がユーチューバーになるおかしな回があった。ヤクザでユーチューバーをやるのは確かに注目されそう。ユーチューバー回はあんまり面白くないっす。

 

 一流職人からニートまで、人の肩書は様々である。その中のひとつであるヤクザだって当然人間、むしろ霧島らのように人より濃い人生を送っている者は余計に「人間」をしている。

 今一度思い返してみよう。オーソドックスな社会の歯車から反社のお友達まで、皆が人の子として共通しているのだ。であれば、皆が人の温もりを知る機会を得て何の不思議もない。だからヤクザの中にも温もりを持つ者がいくらかいる。それが霧島なのだ。

 人は人と関係してその温もりを知った時、真に心の強さを身につける。霧島のヤクザライフを通してそんな悟りが得られる一作でした。

 

ちみも

ちみも 上巻 豪華版 [Blu-ray](数量限定生産)(ぬいぐるみ付き)

 

 かなへいがキャラデザを担当した今期の強い癒やし枠。だいぶ可愛いんだけど。

 そういえばかなへいって随分前に流行ったよな。ペンケースとかその他日常用品にかなへいのイラストが入ったあれこれのグッズがギャルの間で流行ったとか聴いたことがあるようなないような。やっぱりよく覚えていない。

 

 ちみもというウルトラ可愛いプニプニを引き連れ、地獄からの使者の地獄さんが鬼神三姉妹の家にやって来る。この世界観になんだかおじゃる丸っぽいものを感じる。

 地上を地獄化するという規模の広いミッションを背負ってやってきた地獄さんだが、基地となる鬼神家の屋外倉庫から外に向けて全く地獄化は進まない。

 

 基本的に三姉妹と地獄さんとちみもで展開する愉快なファミリーコメディが楽しめる。たまにむつみ姉さんの会社での厄介なストレス問題をテーマにするなど、微妙に社会派な要素も見えた。

 楽しく癒される三姉妹モノということから、ちょっとだけ「みなみけ」的な要素も感じた。

 

 地獄さんがエロ本として自由の女神像の写真集を楽しんでいるのはレベルが高すぎる。ダ・ヴィンチ画集のモナリザの指を見て股間をエレクトロさせた吉良吉影に並ぶ芸術肌な性的嗜好が見えた。地獄さんの趣味は面白い。

 

 満を持して登場した地獄さんの上司の地獄先輩が小松未可子ボイスのコギャルだったのは安心設定で良かった。もっとゴツイおっさんが来ると思ったら意外にも可愛かったので助かる。

 

 変なアニメばかり見た後にこの正統派な可愛い世界観に触れたら諸々浄化されて綺麗な人間になれた気がする。まあ元から汚れの少ない人間ではあるのだが。

 ふざけたネタ枠も多めだった今期の中では、まともな設定で可愛く綺麗にアニメを見せた今作が意外にも光って見えた。NHKで流しても問題ない作品だと思う。

 そんなわけで今期の楽しいダークホース枠だった。

 

シャドーハウス 2nd Season

シャドーハウス 2nd Season 6(完全生産限定版) [DVD]

 

「人間っていいな!」という我々も常々思っているメッセージ性を伝えたOP曲を聴いたところで、怪しげなる物語第2章がスタートする。

 

 今回もとあるお屋敷の敷地内という閉鎖された空間の中で、次々と訳の分からない怪事件が展開する。毎度訳が分からないという感想が出てくるアニメなら同期放送作品の中にもいくつかあったが、今作の訳が分からないは、分からな過ぎるゆえに次が見たい面白さがある。他の訳が分からない作品については、別にそのまま分からないままでも良いと投げてしまうしょうもなさがあったが、こちらの作品は違う。人を惹き付けるだけの骨太なワケワカメ感が好きだった。

 他に類を見ない不思議なアニメだったな。「どんなアニメなの?」と人に尋ねられても簡単に答えられない訳の分からなさがある。てかここまで何回訳が分からないって言ったのだろう。そのくらい「謎である」という状態がどういうわけか心地よい作品なのだ。

 

 エミリコは新時代のチビロリヒロインの超新星。すごく可愛い。この曇り無き元気な命ですって感じが良い。やっぱり女は元気な方が良い。

 最初はうざいだけと思っていたジョンが2期まで付き合うと愛着が持ててなんか可愛いヤツに思えてくる。ジョンとケイトってなんだかんだで仲良しで相性が良いのではと思う。

 ケイトの塩対応と思いきや割りと構ってくれる態度を見ると、顔がないヒロインなのに萌えてきてしまうから不思議。

 

 ススの悪しき力のせいで普段は良い子なお友達が狂ったように暴れまわるシーンはこの作品らしいダークネスな描写で印象的。

 舞い上がるススを見ているとナルトのお友達の我愛羅の砂を思い出した。そこからもっとそれっぽいのは、同じくナルトのお友達のシノの黒い虫だなとも思った。

 

 結構人を選ぶ作風だとは思う。しかし、エミリコというキュートな看板が怪しげなる作風に突っ込んでいくハードルを下げてくれるので、いくらかはポップな仕様だと言えよう。この手の謎めいた怪しい話が好きな人ならかなりハマると思う。

 

 終始「不穏」が付きまとう物語の最後にケイトはシャドーハウスは悪だと判断する。そこでエンドとなり、不穏を取り払った先の物語の最終決着はまだまだ見えない。

 他と被らない稀有な存在感がある好みの作風だったので、三期も来るなら是非見たい。

 

ブッチギレ!

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 現代人が大好きな新選組をテーマにした新星である。

「一番光れ」と書いて「ブッチギレ!」と発音するらしい。

 西川貴教が「ぶっちぎれぇえええ~!」を叫ぶ楽曲は、OPとして聴く分に景気が良い。

 

 新選組の戦士は死んでしまい、メインキャラはその替え玉というユニークな導入を敷いている。元々死刑囚だった替え玉共が新選組として働いて活躍するというもの。

 その魂を背負っただけでしっかり別人である。こうしてしまえばキャラを好き勝手いじってもオリジナルとは全くの別人だとフォローが効く。

 

 主人公の一番星がバカ星と揶揄される通りバカうるさい。髪型やキャラ性に主人公らしからぬ三下感がある。

 演じている佐藤元は今期だと「よふかしのうた」「惑星のさみだれ」にも出演していて、それぞれを見てシャウトの芝居が印象的だった。ギャーギャーうるさい芝居に特徴がある。悪口ではなく、なんだろうが記憶に残る芝居をしているのだからむしろ良いってこと。

 

 一番星が闇落ちした弟を取り戻すために頑張るのが中盤から後半の見せ所になっていた。面倒臭いやり取りの中に見る確かな兄弟愛にちょっと感動。

 

 男前なヒロインのアキラは良かった。すみぺが男装のイケメンヒロインを演じるのはちょっと見所。

 戦場でアキラを口説く桂小五郎は良い存在感を出していた。

 

 キャラは面白い。作画も良かった。

 普通にチャンバラしているのを普通に見れるものだった。可もなく不可もなし。もっとぶっちぎってしまっても良かったのだぜ。

 

プリマドール

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 あのKEYがこの夏にお届けたした萌えとお歌を楽しむ新コンテンツである。

 

 ガンダムみたく電子のランドセルを背負ったロボヒロイン達が登場する。背面がゴツイけど、後は可愛いロボ萌えヒロインで良かった。

 元は戦闘向けだったロボヒロインが、現在は喫茶店で働いて歌謡ショーも行う。そんな点から「ごちうさ」や「サクラ大戦」の雰囲気が見えるものだった。

 

 絵柄は可愛く、ヒロインズもユニークかつ萌え萌えで良い。

 最初は可愛く楽しい。そして後半からは未だ燻ぶる戦争のあれこれの問題が絡んだシリアス展開に入って行った。ほっこりと緊張感、2つの要素が良い塩梅のKEYらしいテンションが楽しめた。

 

 接客の学習としてキャバレーで修行する回はユーモアとお色気があって楽しかった。胸に謎の板を挟んでいた。

 最終回では「そこまで流す?」ってくらい皆がボロボロ泣くから(ロボのくせに)、空気を読む力に長ける適正が反応してこちらも泣いてもうたやないか。

 

 振り切ってすごい、またはクソということはなく、老舗らしく「安定」の流れを見せてくれた。

 

 後半で暴走ロボが久野美咲声のチビをぶん殴って負傷させた事件を見た時には心が傷んだ。どうやら私にはチビを痛めつける趣味はなく、逆に痛めつけられているのを見ると己も心を痛めるという全うな人間の反応が出る事が確認出来た。最終回で怪我から復活したけど、あの子が気の毒で心が傷ついた。

 

 メイン5人のロボヒロインの担当声優が強い。 

 灰桜役の和気あずみは、今期だと「ハナビちゃん」に次いでロボのチビヒロインを演じている。彼女のチビロリ声には助かる。「みゅうみゅう」言ってる謎の鳴き声も可愛い。お供のロボとして自身よりも更に小さいピンク髪の初音ミクみたいなヤツを連れているのも可愛かった。

 月下役の富田美憂は、同期放送のすんすんアニメでも同じようなボソボソ言うちびキャラを演じていたな。

 一番お姉さんの見た目で設計されている鴉羽が一番良かった。

 

惑星のさみだれ

惑星のさみだれ 3巻 [Blu-ray]

 

 タイトルからなんとなく「宙のまにまに」を思い出したが、見てみると主人公男子が冴えないメガネという点は共通している事ことが確認出来た。

 

 なんと12年前の2010年に原作漫画は完結していたという。とっくの昔に終わってるやん。アニメを見るまで全然知らない作品だった。2010年といえば、仮面ライダーならオーズをやっていた時だ。あの日の子ども達も十分に老けたことだろう。

 

 地球の上に大きなトンカチがあり、これが落ちれば惑星ごと砕ける。バカが見ても明らかに危ない状況をなんとかするために戦士達は奔走する。

 面倒な口答での説明よりも、視覚的に地球がヤバいことになっているのを伝えたこの設定は大胆で面白くて笑える。地球の上にトンカチって怖いけどシュールすぎるだろ。

 

 戦士達各員のお供としてしゃべる動物が登場。津田健次郎が喋るトカゲを演じている。微妙に間の抜けた喋りでトカゲにウケる。

 姫の元に全アニマルが集まるのを見ると、ちょっとアニメの「フルーツバスケット」みたく感じた。動物達のチョイスも十二支とかではなく、色んなものが混ざった意外性があってユニーク。

 戦士と動物はちょいちょい小出しにしていたのに、途中からペースを上げて一気出しになり、意外にもゾロゾロいることが判明。これは覚えるのが大変。ガキからギャル、おっさんまでいる充実のラインナップだった。

 馬は大きく格好良いから画として自然だが、亀や鶏が人の頭に乗っかっているのはややシュールでくすりと笑える。

 

 作画については「落書きみたいだ」と方々から酷評をもらっているようだが、まあいいじゃん。お話はシンプルに楽しめるもので好み。何気にOP曲も良い感じで好き。主人公くん、OPアニメだとバイクに轢かれてるやん。

 姫様のじゃじゃ馬ぶりも現代女子って感じで悪くない。大空直美の元気なチビの芝居は気持ちが良い。まぁメガネの氷雨姉ちゃんの方が好きだったけど。

 

 一応仲間になったぽいけど三日月くんがヤバいしキモイ。今期だと「黒の召喚士」の主人公と並んでバトルジャンキーすぎる。それにうるさいし。

 

 敵キャラは一見簡単に描いたようでいて、無機質極まるキモさとグロさがあることからデザイン性に際立つものがある。あれで強くて残酷な点はスリルがあって良し。

 

 ぶち抜き2クールで行くとのことなので、コロナ休止にならずに最後まで頑張れ。作風や空気感は好きなので応援するぜ。

 

それでも歩は寄せてくる

【Amazon.co.jp限定】それでも歩は寄せてくる 下巻(全巻購入特典:「全巻収納BOX」引換デジタルシリアルコード付) [Blu-ray]

 

 前情報無しでタイトルを見た段階だと、車で無理な幅寄せをしてくる困ったドライバーの事なのかと思ったが、当然そんなフザけた内容ではなく、マナー良き楽しい作品だった。

 

 高木さんと同じ人が原作のラブコメ。将棋部での活動をテーマにした上で男女のキュンキュンラブコメが楽しめるものだった。

 将棋ってマジでルールを知らないんだよな。でもルールなんて知らないでも楽しめるまるで将棋みたいなラブコメアニメだった。まるで将棋みたいな異世界アニメのスマホ太郎より8千倍は面白い正統派将棋ラブコメだった。

 

 高木さんとは逆で、今度は男子の歩くんの方からヒロインのうるしちゃんにかなり歩み寄って来る。うるしちゃんはチビでとても可愛い。この作家先生は可愛いチビを描く腕が秀逸。

 うるしの方から男子をドキドキさせる何かを仕掛けたと思えば、それを歩が天然で乗り越えて逆にうるしが面食らってドキドキする。このパターンが多く見られる点は、同期放送の怪しいメイドアニメとちょっと似ている。

 

 無表情で天然な言動に出る歩くんは「阿波連さん」に出てくるライドウくんっぽい。OPで無表情で踊っている彼は面白く、その隣で踊るうるしはとても可愛い。

 

 よくよく考えると、有能な剣道戦士達が順番にうるしちゃん率いるゆるりとした将棋部に流れてきている。これってもしかすると、幼い頃から育てて来た剣道の才能を枯らせているのかもしれない。

 

 歩とは幼馴染のタケル、桜子ペアのラブな関係性にもキュンと来て楽しめた。桜子が大人しめに見せて結構攻めたヒロイン性もありな点が楽しかった。催眠術師でもある女だった。

 

 駆け引きするならポーカーフェイスよっ!という盤上における勝負の鉄則を鬼可愛く歌った花澤香菜のOP曲にお耳が癒やされた。とても良い声。

 

 将棋も恋も攻めて守っての戦略性が面白みとなる。だから同時に楽しめばもっと楽しい。多分そういうことが言いたいアニメだったのだと思う。 

 というわけで、将棋もラブも駆け引きが重要だと分かる楽しいアニメだった。

 

koshinori.hatenablog.com

 

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