こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2022年のアニメ感想(7月~9月)その7

 先日聴いた話だが、PS5が値上がりしたらしい。普通ならこの手のゲームって発売から少し経ったら廉価版が出て買い求めやすくなるじゃん。それが逆に高くなるって世が末に向かっていく入り口ゲートをくぐってしまったのかな?と何か不安になる。

 

 というかPS5って未だに現物を見たことがないんだけど。買う気はないけど、とにかく見たい、触りたいと思って近所のショップを覗きに行くのだが、在庫が入っていない。私からすると都市伝説が産んだオーパーツの認識なんだけど。

 

 そんな未だにPS3もまだなPSPの止まりの私でもアニメなら無課金で最新作が楽しめる。レトロゲーマーが見る最新アニメ感想をどうぞ。

 

 

組長娘と世話係

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 今度はヤクザと楽しむ「であいもん」の解禁である。

「極主夫道」「ゴクドルズ」「ヒナまつり」など、昨今ではポップなヤクザものが増えてきた。その最たる物が「瀬戸の花嫁」だったろう。そんなわけで、楽しいヤクザもの系譜に仲間入りを果たした最新作もしっかり楽しむ。

 

 心優しいヤクザと幼女が関係することで生まれるほっこりな人情ドラマが楽しめた。

 ヤクザ共の中にいる八重花の存在が光っている。可愛いチビだ。

 キャラ絵が良い。ヤクザ達にはイケメンが多く女子キャラは可愛かった。

 

 荒くれ者だった霧島が、組長の娘の八重花の世話係を行う中で丸くなり、人の温もりを知っていく。そんなハートフルな毎度の流れが愛しい。八重花が霧島を喜ばせようといろいろやってくれる優しい幼女な点には萌える。

 一回だけ大人の事情で皆がユーチューバーになるおかしな回があった。ヤクザでユーチューバーをやるのは確かに注目されそう。ユーチューバー回はあんまり面白くないっす。

 

 一流職人からニートまで、人の肩書は様々である。その中のひとつであるヤクザだって当然人間、むしろ霧島らのように人より濃い人生を送っている者は余計に「人間」をしている。

 今一度思い返してみよう。オーソドックスな社会の歯車から反社のお友達まで、皆が人の子として共通しているのだ。であれば、皆が人の温もりを知る機会を得て何の不思議もない。だからヤクザの中にも温もりを持つ者がいくらかいる。それが霧島なのだ。

 人は人と関係してその温もりを知った時、真に心の強さを身につける。霧島のヤクザライフを通してそんな悟りが得られる一作でした。

 

ちみも

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 かなへいがキャラデザを担当した今期の強い癒やし枠。だいぶ可愛いんだけど。

 そういえばかなへいって随分前に流行ったよな。ペンケースとかその他日常用品にかなへいのイラストが入ったあれこれのグッズがギャルの間で流行ったとか聴いたことがあるようなないような。やっぱりよく覚えていない。

 

 ちみもというウルトラ可愛いプニプニを引き連れ、地獄からの使者の地獄さんが鬼神三姉妹の家にやって来る。この世界観になんだかおじゃる丸っぽいものを感じる。

 地上を地獄化するという規模の広いミッションを背負ってやってきた地獄さんだが、基地となる鬼神家の屋外倉庫から外に向けて全く地獄化は進まない。

 

 基本的に三姉妹と地獄さんとちみもで展開する愉快なファミリーコメディが楽しめる。たまにむつみ姉さんの会社での厄介なストレス問題をテーマにするなど、微妙に社会派な要素も見えた。

 楽しく癒される三姉妹モノということから、ちょっとだけ「みなみけ」的な要素も感じた。

 

 地獄さんがエロ本として自由の女神像の写真集を楽しんでいるのはレベルが高すぎる。ダ・ヴィンチ画集のモナリザの指を見て股間をエレクトロさせた吉良吉影に並ぶ芸術肌な性的嗜好が見えた。地獄さんの趣味は面白い。

 

 満を持して登場した地獄さんの上司の地獄先輩が小松未可子ボイスのコギャルだったのは安心設定で良かった。もっとゴツイおっさんが来ると思ったら意外にも可愛かったので助かる。

 

 変なアニメばかり見た後にこの正統派な可愛い世界観に触れたら諸々浄化されて綺麗な人間になれた気がする。まあ元から汚れの少ない人間ではあるのだが。

 ふざけたネタ枠も多めだった今期の中では、まともな設定で可愛く綺麗にアニメを見せた今作が意外にも光って見えた。NHKで流しても問題ない作品だと思う。

 そんなわけで今期の楽しいダークホース枠だった。

 

シャドーハウス 2nd Season

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「人間っていいな!」という我々も常々思っているメッセージ性を伝えたOP曲を聴いたところで、怪しげなる物語第2章がスタートする。

 

 今回もとあるお屋敷の敷地内という閉鎖された空間の中で、次々と訳の分からない怪事件が展開する。毎度訳が分からないという感想が出てくるアニメなら同期放送作品の中にもいくつかあったが、今作の訳が分からないは、分からな過ぎるゆえに次が見たい面白さがある。他の訳が分からない作品については、別にそのまま分からないままでも良いと投げてしまうしょうもなさがあったが、こちらの作品は違う。人を惹き付けるだけの骨太なワケワカメ感が好きだった。

 他に類を見ない不思議なアニメだったな。「どんなアニメなの?」と人に尋ねられても簡単に答えられない訳の分からなさがある。てかここまで何回訳が分からないって言ったのだろう。そのくらい「謎である」という状態がどういうわけか心地よい作品なのだ。

 

 エミリコは新時代のチビロリヒロインの超新星。すごく可愛い。この曇り無き元気な命ですって感じが良い。やっぱり女は元気な方が良い。

 最初はうざいだけと思っていたジョンが2期まで付き合うと愛着が持ててなんか可愛いヤツに思えてくる。ジョンとケイトってなんだかんだで仲良しで相性が良いのではと思う。

 ケイトの塩対応と思いきや割りと構ってくれる態度を見ると、顔がないヒロインなのに萌えてきてしまうから不思議。

 

 ススの悪しき力のせいで普段は良い子なお友達が狂ったように暴れまわるシーンはこの作品らしいダークネスな描写で印象的。

 舞い上がるススを見ているとナルトのお友達の我愛羅の砂を思い出した。そこからもっとそれっぽいのは、同じくナルトのお友達のシノの黒い虫だなとも思った。

 

 結構人を選ぶ作風だとは思う。しかし、エミリコというキュートな看板が怪しげなる作風に突っ込んでいくハードルを下げてくれるので、いくらかはポップな仕様だと言えよう。この手の謎めいた怪しい話が好きな人ならかなりハマると思う。

 

 終始「不穏」が付きまとう物語の最後にケイトはシャドーハウスは悪だと判断する。そこでエンドとなり、不穏を取り払った先の物語の最終決着はまだまだ見えない。

 他と被らない稀有な存在感がある好みの作風だったので、三期も来るなら是非見たい。

 

ブッチギレ!

【Amazon.co.jp限定】「ブッチギレ! 」Blu-ray BOX 〔Amazon.co.jp限定特典:武井宏之描き下ろしA5キャラファイングラフ(一番星&羅生丸)付き〕

 現代人が大好きな新選組をテーマにした新星である。

「一番光れ」と書いて「ブッチギレ!」と発音するらしい。

 西川貴教が「ぶっちぎれぇえええ~!」を叫ぶ楽曲は、OPとして聴く分に景気が良い。

 

 新選組の戦士は死んでしまい、メインキャラはその替え玉というユニークな導入を敷いている。元々死刑囚だった替え玉共が新選組として働いて活躍するというもの。

 その魂を背負っただけでしっかり別人である。こうしてしまえばキャラを好き勝手いじってもオリジナルとは全くの別人だとフォローが効く。

 

 主人公の一番星がバカ星と揶揄される通りバカうるさい。髪型やキャラ性に主人公らしからぬ三下感がある。

 演じている佐藤元は今期だと「よふかしのうた」「惑星のさみだれ」にも出演していて、それぞれを見てシャウトの芝居が印象的だった。ギャーギャーうるさい芝居に特徴がある。悪口ではなく、なんだろうが記憶に残る芝居をしているのだからむしろ良いってこと。

 

 一番星が闇落ちした弟を取り戻すために頑張るのが中盤から後半の見せ所になっていた。面倒臭いやり取りの中に見る確かな兄弟愛にちょっと感動。

 

 男前なヒロインのアキラは良かった。すみぺが男装のイケメンヒロインを演じるのはちょっと見所。

 戦場でアキラを口説く桂小五郎は良い存在感を出していた。

 

 キャラは面白い。作画も良かった。

 普通にチャンバラしているのを普通に見れるものだった。可もなく不可もなし。もっとぶっちぎってしまっても良かったのだぜ。

 

プリマドール

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 あのKEYがこの夏にお届けたした萌えとお歌を楽しむ新コンテンツである。

 

 ガンダムみたく電子のランドセルを背負ったロボヒロイン達が登場する。背面がゴツイけど、後は可愛いロボ萌えヒロインで良かった。

 元は戦闘向けだったロボヒロインが、現在は喫茶店で働いて歌謡ショーも行う。そんな点から「ごちうさ」や「サクラ大戦」の雰囲気が見えるものだった。

 

 絵柄は可愛く、ヒロインズもユニークかつ萌え萌えで良い。

 最初は可愛く楽しい。そして後半からは未だ燻ぶる戦争のあれこれの問題が絡んだシリアス展開に入って行った。ほっこりと緊張感、2つの要素が良い塩梅のKEYらしいテンションが楽しめた。

 

 接客の学習としてキャバレーで修行する回はユーモアとお色気があって楽しかった。胸に謎の板を挟んでいた。

 最終回では「そこまで流す?」ってくらい皆がボロボロ泣くから(ロボのくせに)、空気を読む力に長ける適正が反応してこちらも泣いてもうたやないか。

 

 振り切ってすごい、またはクソということはなく、老舗らしく「安定」の流れを見せてくれた。

 

 後半で暴走ロボが久野美咲声のチビをぶん殴って負傷させた事件を見た時には心が傷んだ。どうやら私にはチビを痛めつける趣味はなく、逆に痛めつけられているのを見ると己も心を痛めるという全うな人間の反応が出る事が確認出来た。最終回で怪我から復活したけど、あの子が気の毒で心が傷ついた。

 

 メイン5人のロボヒロインの担当声優が強い。 

 灰桜役の和気あずみは、今期だと「ハナビちゃん」に次いでロボのチビヒロインを演じている。彼女のチビロリ声には助かる。「みゅうみゅう」言ってる謎の鳴き声も可愛い。お供のロボとして自身よりも更に小さいピンク髪の初音ミクみたいなヤツを連れているのも可愛かった。

 月下役の富田美憂は、同期放送のすんすんアニメでも同じようなボソボソ言うちびキャラを演じていたな。

 一番お姉さんの見た目で設計されている鴉羽が一番良かった。

 

惑星のさみだれ

惑星のさみだれ 3巻 [Blu-ray]

 

 タイトルからなんとなく「宙のまにまに」を思い出したが、見てみると主人公男子が冴えないメガネという点は共通している事ことが確認出来た。

 

 なんと12年前の2010年に原作漫画は完結していたという。とっくの昔に終わってるやん。アニメを見るまで全然知らない作品だった。2010年といえば、仮面ライダーならオーズをやっていた時だ。あの日の子ども達も十分に老けたことだろう。

 

 地球の上に大きなトンカチがあり、これが落ちれば惑星ごと砕ける。バカが見ても明らかに危ない状況をなんとかするために戦士達は奔走する。

 面倒な口答での説明よりも、視覚的に地球がヤバいことになっているのを伝えたこの設定は大胆で面白くて笑える。地球の上にトンカチって怖いけどシュールすぎるだろ。

 

 戦士達各員のお供としてしゃべる動物が登場。津田健次郎が喋るトカゲを演じている。微妙に間の抜けた喋りでトカゲにウケる。

 姫の元に全アニマルが集まるのを見ると、ちょっとアニメの「フルーツバスケット」みたく感じた。動物達のチョイスも十二支とかではなく、色んなものが混ざった意外性があってユニーク。

 戦士と動物はちょいちょい小出しにしていたのに、途中からペースを上げて一気出しになり、意外にもゾロゾロいることが判明。これは覚えるのが大変。ガキからギャル、おっさんまでいる充実のラインナップだった。

 馬は大きく格好良いから画として自然だが、亀や鶏が人の頭に乗っかっているのはややシュールでくすりと笑える。

 

 作画については「落書きみたいだ」と方々から酷評をもらっているようだが、まあいいじゃん。お話はシンプルに楽しめるもので好み。何気にOP曲も良い感じで好き。主人公くん、OPアニメだとバイクに轢かれてるやん。

 姫様のじゃじゃ馬ぶりも現代女子って感じで悪くない。大空直美の元気なチビの芝居は気持ちが良い。まぁメガネの氷雨姉ちゃんの方が好きだったけど。

 

 一応仲間になったぽいけど三日月くんがヤバいしキモイ。今期だと「黒の召喚士」の主人公と並んでバトルジャンキーすぎる。それにうるさいし。

 

 敵キャラは一見簡単に描いたようでいて、無機質極まるキモさとグロさがあることからデザイン性に際立つものがある。あれで強くて残酷な点はスリルがあって良し。

 

 ぶち抜き2クールで行くとのことなので、コロナ休止にならずに最後まで頑張れ。作風や空気感は好きなので応援するぜ。

 

それでも歩は寄せてくる

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 前情報無しでタイトルを見た段階だと、車で無理な幅寄せをしてくる困ったドライバーの事なのかと思ったが、当然そんなフザけた内容ではなく、マナー良き楽しい作品だった。

 

 高木さんと同じ人が原作のラブコメ。将棋部での活動をテーマにした上で男女のキュンキュンラブコメが楽しめるものだった。

 将棋ってマジでルールを知らないんだよな。でもルールなんて知らないでも楽しめるまるで将棋みたいなラブコメアニメだった。まるで将棋みたいな異世界アニメのスマホ太郎より8千倍は面白い正統派将棋ラブコメだった。

 

 高木さんとは逆で、今度は男子の歩くんの方からヒロインのうるしちゃんにかなり歩み寄って来る。うるしちゃんはチビでとても可愛い。この作家先生は可愛いチビを描く腕が秀逸。

 うるしの方から男子をドキドキさせる何かを仕掛けたと思えば、それを歩が天然で乗り越えて逆にうるしが面食らってドキドキする。このパターンが多く見られる点は、同期放送の怪しいメイドアニメとちょっと似ている。

 

 無表情で天然な言動に出る歩くんは「阿波連さん」に出てくるライドウくんっぽい。OPで無表情で踊っている彼は面白く、その隣で踊るうるしはとても可愛い。

 

 よくよく考えると、有能な剣道戦士達が順番にうるしちゃん率いるゆるりとした将棋部に流れてきている。これってもしかすると、幼い頃から育てて来た剣道の才能を枯らせているのかもしれない。

 

 歩とは幼馴染のタケル、桜子ペアのラブな関係性にもキュンと来て楽しめた。桜子が大人しめに見せて結構攻めたヒロイン性もありな点が楽しかった。催眠術師でもある女だった。

 

 駆け引きするならポーカーフェイスよっ!という盤上における勝負の鉄則を鬼可愛く歌った花澤香菜のOP曲にお耳が癒やされた。とても良い声。

 

 将棋も恋も攻めて守っての戦略性が面白みとなる。だから同時に楽しめばもっと楽しい。多分そういうことが言いたいアニメだったのだと思う。 

 というわけで、将棋もラブも駆け引きが重要だと分かる楽しいアニメだった。

 

koshinori.hatenablog.com

 

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