こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2022年のアニメ感想(7月~9月)その8

 今期は土曜後半から日曜日の終わりまでのアニメの本数が多すぎる。休日なのにそれらの消化に疲れるという幸せな悩みが発生した。今回に限らず、いつだって土日にアニメ放送は集中しがちなのだが、今期は前期以上に多くない?と思わずにはいられない。疲れるからもっと平日にもバラまいて良いバランスにして欲しい。

 

 たくさんあるのをこれだけ見ていると、もはや標準再生では人生が間に合わない。現代人が時短にこだわる理由も分かるというもの。

 アニメ全般が好きなのだが、それでも標準再生で見るのがきつい、そのまんまの時間を捧げるのが勿体ないというクソアニメも少なくない数ある。そういうのを見る時には完全に倍速再生で見てしまう。この機能がありがたい。最近の機器には当然のように備わっているから助かる。

 

 一番しょうもないと思える作品の場合には2倍速で見ている。クソアニメに吸われる時間が半分になり、人生の有効活用時間に空きが出来てよい。じゃあ最初から見るなよと自分で突っ込みをしたりもするが、クソアニメはクソアニメとしての楽しみ方があり、クソだけど見た時間が完全に無駄になることは少ない。なので見ない事を選択するのは何か嫌だ。クソアニメからだって逃げないのが私の真っすぐなアニメライフなのだ。しかし中には本当に見た事で後悔しか残らない頂点のクソアニメもあるからそこはギャンブルだ。

 

 こうして高速の世界に当たり前に身を浸していると、聞き取り能力に長けるようにもなる。そして早口に慣れたことで自分の話すペースも自然とアップしてくる。

 たまに年寄りと喋ると、早すぎてわかんないのでもっとゆっくりと注意される。ここで気づく。高速の世界は便利で居心地が良いけど、リアル世界ではリアルな時間しか流れていない。高速再生に慣れた高速喋りな若者が増えること、それは現代病が蔓延した状態なのかもしれない。

 高速ぶっ飛ばしでアニメを見る中で、リアルな時間の流れにも意識を向け、そちらの良さもしっかり味わって生きようと思うようになった。

 

 以上が、標準再生視聴が苦痛なクソアニメをサクッと見たいがために生まれた問題とそこから得た良き気づきである。

 

 自らを省みることで、素敵な二次元ライフor三次元ライフを実現しよう。

 

 というわけで、楽しかった今期のアニメライフをプレイバック!

 

 

 

 

アオアシ

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 無事2クール目も走り終えた。上出来なサッカーアニメだった。拍手を送ろう。

 まずは原作が良い。それをアニメとして綺麗に仕上げたNHKもさすが。なんだかんだでやっぱりNHKって優秀だよな。原作売り上げの貢献に足るプロモーション作品になっている。

 同じくサッカーをテーマにした同期放送作品「シュート」の新章とは全く違う出来だった。アオアシは物理的にはもちろん、知略戦としてもちゃんとサッカーをしている。これがシンプルにして最大の違い。

 サッカーアニメでちゃんとサッカーをするって当然のことだけど、その当然の達成が難しいのが世の真実である。そこを突破したアオアシは偉い。奇しくも両作品の現場に出入りしていた小野友樹は一体何を思うのだろうか。

 

 後半クールも葦人の青春に暇はない。まさかのディフェンダーへの転向を受けて一時はブルーになるが、てっぺんを取るなら少し下がったこの位置からしかないと覚悟を決めて成り上がっていく。

 なにも明日から野球選手になれと言われたわけでもなく、ちゃんと同じチームで試合に出れて、ちょっと守備位置が下がるだけのこと。サッカープレイヤーでない私はそんな風に軽く考えてしまったが、どうやら選手にとって守備変更のお知らせは爆弾投下並のありえない驚きらしい。

 

 めっちゃ落ち込む葦人にそれとなく寄り添っていくらか心を救ってくれた花の存在が尊い。二人の仲も深まったな。

 最終回後半の雨の中の逢瀬にはかなりキュンと来たぜ。花がハグからのデコキッスをかましてくるのにビックリ。こんなことされたら青春男のハートに大地震だろうな。

 

 花の持つ美少女感とボーイッシュさ加減がベストな割合のヒロイン性は良い。

 男共が球を蹴る汗臭くも熱い青春パートだってそりゃ良いさ。でもね、汗ばむ青春には少しの清涼剤も必要。それが花だった。良きヒロインである。

 花を演じた河瀬茉希は今期だと「リコリス・リコイル」で不良みたいな低い声で芝居をしていて、そっちが通常運転のイメージが強い。NHKヒロインだと爽やかな高い声で芝居をしている。この違いがなんかすごい。こっちの可愛い芝居も良いな。好きな声。

 

 女子が絡む青春展開といえば、もう一人のヒロインの海堂杏里も後半クールから存在感を強めた。葦人の力に気づいて期待を寄せ、向こうから接触してくるようになる。一心不乱に練習する葦人を見てキュンと来て「可愛い」と漏らす仕草がまた可愛かった。やっぱり女子はキラキラしているヤツにときめくものだし、そのキラキラってのは一生懸命頑張っているヤツが放てるものなんだよな。というわけで、葦人がサッカー好きなお嬢様からモテるのも分かるってもの。

 

 サッカーチームの仲間達同士のいざこざ、そこから絆を深めてチームとして強くなっていく過程も楽しめた。やはり揉めて深まっての人間ドラマは楽しい。

 2クール目からは富樫の掘り下げに力を入れていた。こいつはチンピラだけど熱い一面もあって好き。その富樫と竹島が割とマジで揉める緊張の展開が印象的。竹島の覚悟の丸刈りには男を感じた。

 

 一見して激しくモブ顔の黒田が、イメージを覆す熱い一面を見せたのも良かった。

 古巣に馳せる複雑な思いがある橘の都合もまぁ分かる。

 主人公の周囲の仲間達の掘り下げも行っていて楽しかった。キャラが結構好き。

 

 激しくヒールキャラをやってくれた金田が後半のボスキャラになっていた。ヤツの撃退が完了してよかった。ヒールキャラはムカツクけど、いることで作品が盛り上がるから良い。

 

 あとはやっぱり望さんの顔が「るろ剣」の斎藤一に似過ぎて集中できない。コレって誰も気づいていないのか。そういえばさっき「るろ剣」の新アニメを来年やるってニュースを見たな。というわけでるろ剣もいいぞ。

 楽しかったのでアオアシの二期もあれば見る。

 

ラブオールプレー

ラブオールプレー Blu-ray Disc BOX Vol.2(完全生産限定版)

 作画に結構な疲れ具合が見えたな。キャラデザは元からあれだから問題ないのだが、女子が可愛くないな。男子もイケメンではない。各員を演じた声優の芝居は良し。

 各員のキャラ性と声優は結構好きだったけど、内容はまあ普通って感じで2クール連続の放送が無事終了した。

 

 遊佐さんと里佳姉ちゃんの男女強キャラコンビが好きだった。最初はムカつくクール&ヒールキャラだった遊佐さんが、姉ちゃんが絡む事で緩やかにキャラ崩壊を迎えていく。このペースが良く、最終的にとっても愛せるラスボスキャラになっていた。

 水嶋との対戦前には、100年かかっても勝てないと思わせるくらい派手に負かすとイキり宣言する遊佐の言動が見られる。ここは印象的。このシーンの谷原紀章の芝居が同期に配信されたバスタードのダークシュナイダーの芝居になっていると思えて笑える。この人の悪役っぽい喋りが良いな。

 

 水嶋達が進級したことで2クール目からは都合も変わってくる。部活を離れたクラスの親睦会の進行で困難する水嶋の日常回があった。クラスがなかなかまとまらないことで、委員長の水嶋が困難するのが気の毒だった。クラスで決めないといけない事がなかなか決まらないあのグダグダ感は結構リアル。

 

 今回もOP曲はJUMPが担当した。OP曲は良かったぞ。

 

てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!

てっぺんっ!!!① (ブシロードコミックス)

 

 去年も美少女漫才アニメがあったが、まさか今年も来るとはな。女子だってお笑いがしたい。それが現代の風潮。

 誰であろうが笑いを届けてくれる者なら歓迎。そんなハートフルオープン状態で視聴したアニメ。

 

 まず最初に人間が多い。初手から何人出るねん!

 3人一組のチームが5チームあって合計15人の女子がいきなり出てくる。さすがに多いぜ。

 

 伊藤彩沙大阪弁は良いよな。ミュークルドリーミーの時から良いと思っているので彼女の関西弁キャラは楽しむ。

 相良茉優が関西弁を話す役で出ているじゃないか。ラブライブ声優の関西喋りはレアだ。推している声優なのでここも注目してみる。彼女が演じるかなという女だが、だいぶおバカ面白くて良い。

 

 漫才のことはよく分からないが、なんか皆でわいわいやっていて面白い。退屈はなく楽しめた。

 最終回までしっかりふざけていたな。一貫して真面目にふざけたスピリットを評価する。

 

 漫才女子達が暮らす寮の管理人が安元洋貴ボイスのマッチョなオネエという点はユニーク。存在感あるマッチョ管理人だな。このマッチョの留守中に一同が寮を破壊して一旦更地にまで追い込んでしまう回が馬鹿すぎて好きだった。

 

 7月に起きた例のヤバい事件への配慮から、第2話は慎重に蔵に送ることとなった。初回放送の次週からもう放送がないので「どうしたんだ?」と思って調べてしまった。

 第2話では大統領暗殺をテーマにした漫才ネタが展開し、例の事件では大統領と似たような仕事をしていた人が被害を受けた。その関係から放送を見送ったと分かった。

 現実の問題がアニメの都合にも突っ込んでくるこの風潮は好ましくない。世の中よ、平和であれ。そう思って見る笑いがテーマの笑えるアニメだった。

 そんな2話も順番を入れ替えて後日ちゃんと放送されたので良かった。まぁ無茶苦茶なアニメなので放送順を入れ替えても別に問題無しだったな。

 

 何気にOP曲はお耳に心地よい完成度の高い曲だった。漫才女子だらけでやるヒプマイみたいな楽しい出来だった。

 

Extreme Hearts

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 なんだこれは。ぶっ飛び超人大運動会じゃないか。こんな物がこの夏に飛び込んで来るとは、前情報がないから何も知らない状態で見たらおったまげた。

  一年前にやっていた「大運動」の匂いもほんのり漂ってくるが、あちらよりも楽しかった。

 

 今期のスポーツ枠ならテニスの王子様もそうだけど、熱血とネタ枠要素はやるならどこまでも突っ切った方が面白い。この作品も振り切ったおバカ熱血ネタ枠で思った以上に楽しかった。どうせネタ枠で行くなら面白いくらいにファンタジーする方が笑えて楽しいのだ。今期の笑えるスポーツ枠はコレとテニプリとシュートの3つだった。

 

 何気にかなり楽しんで見た今期の怪作だった。こういう変なのが好きな人って一定数いるから、忘れた頃に新しいのを作れば割りと世にウェルカムされる。

 

 売れないシンガーが会社契約を切られて次に目指したのは、勝てば音楽ライブが出来るマジでなんでもありのスポーツ大会だった。ただの娘っ子がギターを弾いて歌っていた一話冒頭からこんなハチャメチャなことになるとは予想が出来なかった。

 元々音楽家だった主人公にただスマートに音楽をさせるのではなく、無理やりにでも大運動会の要素をぶっ込んでくる点がバカ面白い。

 何がどうなったらアーティスト契約終了後に超人スポーツ大会行きになるんだ。リアルという概念を完全に無視した心地よき創作世界が見えた。これがとても笑える。

 勝者がライブパフォーマンスを見せる点から何気にウマ娘やプラオレっぽい要素もあり。

 

 サッカー、野球、バレー、バスケなどなど、マジでなんでもやらされる美少女だらけの大運動会が展開する。チームの人間キャラの数が足りない場合には、都合よくモブロボットを出してきて数合わせを行う。この乱暴とも取れる帳尻合わせの仕方が一周して清々しい。話を考えている人間は思考がスマートでワイルドだな。

 そういえばウチの学校でも、各運動部の試合参加人数が足りないため、全運動部が合体してそれぞれの競技に全部出るという総員助っ人体制を敷いていた。本所属以外の他の競技にも全部参加するというあの状態を思い出すアニメだった。子供が少ないとこうなる。

 

 一時的にトランザム的な状態になれる超人タイムがあり、そいつの発動タイムを上手い事調整することで勝ち上がっていくみたいなコツがあった。サッカーでコレをやった時には女だらけのイナイレ状態だった。

 大変すぎるハイカロリーな美少女青春物語がとても楽しかった。

 リアルでもこんな大会を開いてテレビでやれば結構面白いかもしれない。

 

 うむ、このアニメを見て得られたのは、既成概念に引っ張られている内には脳内革命は完成しないということ。時には「バカ過ぎんだろう~」と思えてしまいそうな新たな発想で新たな道をこじ開ける事で、人生は劇的に面白くなる。良いメッセージ性を伝えた熱血おバカアニメだった。この作品は22世紀にまで連れて行こう。

 

 主役のひよりを演じるのはウマ娘声優でもある野口瑠璃子。そういやサキ、スミカの初期メン三人ともウマの関係者だな。

 ウマのCDで野口瑠璃子演じるサクラチヨノオーのキャラソンを聴いたらすごいお耳とろけソングで驚いた。それで興味を持った声優でもある。テレビでちゃんと彼女の芝居を見るのは初だったので、その点は集中して見たぜ。

 

 変なアニメだったけど岡崎美保の元気なOP曲は良かった。

 それまで女ドあほう大運動会をやって来たテンションとはかなり異なる最終回の怒涛の音楽ライブも良い感じに盛り上がっていた。ライブ中に思わず女泣きするひよりの晴れ舞台にちょっとグッと来た。ライブ曲も良い感じの出来で楽しかった。

 総合的に好きな作品で、この夏の良い思い出になった。

 

koshinori.hatenablog.com

 

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