今年の夏もそろそろ終わりを迎えつつある。暑すぎて腹が立ったこともあったがいざ終わるとなれば何かしみじみとした想いに浸るではないか。季節の移り変わりにこうして物悲しさを感じてメランコリーに浸るなんて歳のせいかもしれないね。
そんな色々あった夏が過ぎていくのを惜しみ、夏を感じるアニメをちょっくら拝見したわけである。
それがコレ!
電撃文庫原作アニメ「イリヤの空、UFOの夏」である。このDVD第6巻のジャケットはええのぉ~。
2005年に全6話のOVA作品としてリリースした。もう12年前の作品だ。
あらすじ
中学2年生の浅羽直之は夏休み最後の夜にプールに忍び込んだ。そこには見たことがない先約様がいた。それがヒロインの伊里野加奈(いりや かな)である。こんな名前の人日本にいるのかしらと思って見ていた。
翌日、イリヤは転校生として学校へやって来る。言動がミステリアスなイリヤの正体はなんと謎の異星人のUFOを撃退するべく戦闘機を駆るパイロットであった。異星人の侵略に対抗する戦闘機は特殊な機体で現在の地球ではイリヤただ一人しか乗ることが出来ない。華奢な少女の身ひとつに地球人類の未来がかかっているのだ。
浅羽とイリヤの一夏の青春を描くSF青春ラブストーリーである。
感想
不思議なSFアニメだった。全話見てもちょっとわからないという所もあったりなかったり。
絵は綺麗でキャラクターも可愛らしい。イリヤはすごくかわいい。かわいいヒロインなのによく鼻血を吹くのが印象的である。ヒロインの出血シーンにはショッキング。
一人の少女に地球の運命がかかっていて過酷な運命に追い込まれていくというとんでも設定な欝展開は「最終兵器彼女」「ほしのこえ」などと似ていると感じた。
ヒロインをなんとか救ってあげたいと主人公が奮闘するも問題が世界規模なのでなんとも出来ないのが切なかった。これぞ所謂セカイ系アニメの厳しさ。
基本的に学校では無感情でミステリアスな雰囲気のイリヤだが、ちょこちょこ盗んで集めた浅羽の文房具などを闘いに赴くにあたってお守りとして持っている不器用な乙女の恋心に萌えた。純たる想いの下に行ったとしても他人の物を盗むのはいけないことだけどね。
現代日本を舞台にしながら日本は戦争状態であり、物語内では報道管制により日々配布される新聞が薄くなり広告が入らなくなる、燃料確保のために交通機関の運行を取りやめるなどリアルに危険で緊迫した情勢を描いている。学校での防空訓練のシーンもあった。現実の日本は平和でよかったと改めて思える。
第3話がクセがある作りで場面が全体的に日陰にあたっていて画面が暗い。止め画も多かった気がする。仕組んでのことか予算を抑えるためかわからないが3話の作りはなんだか違和感があった。
浅羽の所属する新聞部の部長 水前寺邦博の変人っぷりがおもしろい。喧嘩においては例え婦女子でも容赦はしないというバトルポリシーを掲げ浅羽の妹と河の中でガチバトルするシーンが楽しかった。
切ないストーリーと過ぎ行く夏の切なさが重なって心に響いた作品であった。イリヤを演じた野中藍の声は可愛かった。
そして永遠の夢見るロマンティック坊ちゃんの私はどこまでもUFOの存在を信じいつかは乗れるものと思っている。
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