「太陽の王子 ホルスの大冒険」は1968年に上映されたアニメ映画。
いまではすっかり有名人になった高畑勲、宮崎駿がぺーぺーだったまでとは言わないにもまだまだ若かった頃に関わった作品である。
コイツは歴史的価値ある一本なので、アニメ好きにはもってこいだ。
丁寧なアニメーションで絵がヌルヌル動いている。ディズニーの「ピノキオ」や「白雪姫」なみに動きが良い。やはりアナログアニメは至福。
皆で楽しく歌うシーンとかもディズニー感が出ていた。あのミュージカル感はいいね。
主人公のホルスが悪者のグルンワルドをやっつけるファンタジー要素ありの冒険ものである。
ホルスはイケメン。ハンドアクスという職人感ある渋い武器をチョイスするあたり只者ではない。
ヒロインのヒルダを演じたのは「まんが日本昔ばなし」で語りから百姓から婆さんとか様々な役に声を当てることで有名な市原悦子であった。
どうしても「まんが日本昔ばなし」に引っ張られて婆さんの声をやる人のイメージが強かったのだが、若く可愛い正統派ヒロインの声をやってもイケル口であった。
元々グルンワルドの放った刺客であったヒルダが、ホルスと出会った影響で人間側につくかどうかと葛藤する点も見所。「ガラスの十代」のごとく光と影をいったりきたりのダークヒロイン要素も含んでいた。
初めてホルスとグルンワルドが会った時、グルンワルドからの俺の弟にならないかという申し出を普通に断ったホルスはグルンワルドに殺されかける。
こんなワケの分からない悪党から弟になれと言われたらそりゃ断るのが当たり前だろう。それで命を狙われるとか酷い話である。
ていうか何コイツ寂しいの?と謎が浮かんだ。
初っ端でホルスが岩の巨人に刺さった太陽の剣を引っこ抜く所は私の好きなディズニー作品五本指に入る名作「王様の剣」を髣髴とさせる。この岩の巨人が迫力があってカッコイイ。
ホルスが立ち寄った村では河で巨大カマスが暴れまわって漁が出来ないという困った問題を抱えていた。ホルスがカマスを討伐して問題は解決した。
ちょっと気にかかるのが、カマスという一般認知度の微妙なところの魚を使ったなという点である。もちろんカマスはおいしいし、私はたまにスーパーで半額のを買って好んで食っている程だ。しかし、カマスをボスキャラにした作品って珍しいな。ちょっと例を思いつかない。普通ならナマズとかサメとかを持ってくるところだろうな。
数ある魚の中でカマスをチョイスしたのは印象的であった。
また食べたくなったぜ。美味いけど細長くて食うところが少ない魚なんだよな。
最終決戦で初っ端に出会った岩の巨人が助っ人に来て、敵の氷のマンモスと取っ組み合う怪獣大決戦のような大バトルには興奮した。
グルンワルドが霊体化したような狼をとばして攻撃する異能力を発揮する。昔読んだ漫画の「RAVE」でも剣を振ったら霊対化した狼が出てきて、それを飛ばして攻撃をしてくるヤツがいたなと思い出した。この攻撃の演出は好き。
最後は闇に染まりそうになったヒルダの心を救い皆で無事ハッピーエンドを向かえる。ファンタジックで子供にもわかりやすい面白い映画であった。
今晩のメニューはカマスの塩焼きで決まり!
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