「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」は2016年~2017年にかけて発売された全8話のOVA作品である。
90年代初期には山程あったOVA作品だが、昨今ではかなり減ったよね。
今ではオタクな人、そうでない人の間でもすっかり有名となった小説家 西尾維新先生の記念すべきデビュー作のアニメ化ということである。
無事新世紀が明けてやれやれだぜと一息ついてから一年が経過した時期にあたる2002年に原作が書き始められた言う事で、随分時を置いてアニメ化された作品であるとわかる。
絶海の孤島「鴉の濡れ羽島」に5人の天才が招待され、その天才の内の一人玖渚 友(くなぎさ とも)のお供として島を訪れた凡人の主人公「ぼく」は首切り死体が上がる密室殺人に出くわす。個性的な天才達に埋もれて空気にならないよう事件解決に向けて凡人のぼくが頭を絞って謎解きを行う。というのが本作の内容である。
孤島に招待されて行ってみたらそこで殺人事件が起きるというストーリーはアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」を彷彿とさせる。私はミステリーマニアだとまでは言わないが、ミステリーに対する造詣の深さでは素人の域にはいないくらいにミステリーには慣れ親しんでいる。
西尾維新の作品では「物語シリーズ」「刀語」をチェックしている。まさか密室殺人モノを書いているとは知らなかった。
西尾維新の作品の特徴と魅力と言えば、言葉巧みで軽妙な会話劇、きっと後味引く個性の強いキャラなどがそうであると私は考える。
今作でも登場キャラはパンチが強いのがいる。そして会話でキャラの存在感が増すくらいにやはりキャラの会話劇が印象的である。
聞きなれないワードである本作のタイトルだが、その意味は犯人の殺人の手口がわかると実はネタバレになっていると後で気づく。
ヒロイン玖渚 友の自立度の低さが目立っていた。風呂嫌いのため風呂には主人公の手で入れられることになり、髪もくくってもらっているなどだらしない。女の子なのにお風呂嫌いとか何なのさと思ってしまった。五体満足なのに精神的要因によるものらしく一人では上下運動が出来ない。階段の上り下りは介添えを要するという設定は特殊であった。
私は声優川澄綾子のファンだが、彼女の演じたキャラが最初に殺されるのでそこは残念であった。
五人の天才の内の一人、占い師の姫菜真姫というキャラがお気に入りにであった。理由はポニテだから。西尾維新の描くS気質持ちのキャラによる罵倒セリフは確実に聞く者の心をえぐるような深い一撃になるというイメージがある。姫菜が主人公に対して結構キツめの言葉を浴びせるのが印象的。抑揚無く淡々と喋る中に打撃力の強い言葉をチョイスしてくるのが心に痛そうと思って見ていた。
本編にはちょっとしか出てこない人物である哀川潤が全話のオーディオコメンタリーに参加してめちゃめちゃ喋っているのが一番印象的だった。
本編では出番が少ないくせに作品の中で一番セリフが多いキャラかもしれない。それにしてもこのオーディオコメンタリーは聞いていて楽しいのだが、原作を知っていないと誰の何の話をしているのかもわからない。最終回では主人公を殴って車で連れまわして、一体何処走ってんだって思うくらいにくらいにどこだか分からない場所をドライブしていた。
OVAとしてじっくり作られたこともあって映像はとても綺麗であった。
声優も豪華でよかった。
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血生臭い密室殺人ものだけどキャラに萌えるので問題無し。
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