こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

多様化する犯罪に立ち向かう魂の兄弟達「特捜エクシードラフト」

 「特捜エクシードラフト」は1992年から1993年にかけて放送した全49話の特撮テレビドラマ。 

 

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 栄光の「メタルヒーローシリーズ」第11作目にして、その中でも「特警ウインスペクター」「特救指令ソルブレイン」に続くレスキューポリスシリーズ三部作の最終作にあたる作品である。

 

 捜査も行えばレスキューも行う警察内部のスーパーチーム「特別救急捜査隊エクシードラフト」の活躍を描く。

 今回もやはり主に現場で活躍するのは三人。

 レスキューポリスシリーズ前二作で見られたロボ隊員は廃止され、レッター、ブルース、キースの三人のヒーローは皆男性警察官である。名前に色が入っていて子供でも覚えやすいのが良い。

 

 レッターの叶隼人、ブルースの村岡耕作はちょっと強面だが、キースの大熊拳は少年感も抜けきらない可愛い系の顔をしている。

 私の勤める会社の主任と叶隼人の顔がよく似ている。いつかそれを言ってやりたい気もするが、今更エクシードラフトの話題を出されても困るだろうと思う。

 一話のOP動画の村岡耕作の顔が怖い。前髪バックで銃を構える耕作は警察よりもヤクザに見えたと記憶している。このためなのかどうかは分からないが、割と早い段階でOP動画が変わっている。変更後OPの耕作は前髪を下ろしていて、こっちなら精悍な男性に見える。安心した。

 

 死の幼稚園バス

 

 メイン三人は「実装」の掛け声でトライジャケットを身にまとった姿に変身する。「ウインスペクター」「ソルブレイン」のスーツは使用者の肉体にかなりの負担がかかることで活動限界時間が設けられていた。エクシードラフトでは開発技術もアップしてか、活動限界がどうのこうのという話は出てこなかった。

 

 前二作同様に仕事終わりはヘルメットを脱ぐが、前二作程汗をかいて「かぁあ~~」と言ってお疲れ感をあらわすことはない。多分スーツの性能が上がり、前シリーズ程使用して疲れないし、風通しも良くなっているのだと想う。

 

 今作のスーツのスゴイところは「ターボユニット」という加速装置が付いていること。これを発動すれば車よりも速く走れてすばしっこい悪党共を捕まえるのも可能となる。

 第一話で「ターボユニット」を使用した時には、三人が駆け抜けた後に起きた強風で近くにいた女児とご婦人方のスカートがめくれてパンツが拝めるというシーンがあった。

 我々なら加速装置といえば「サイボーグ009」を思い出すのだが、最近の子なら加速するといえば「機動戦士ガンダム00」のトランザムを思い出すだろう。

 

 組織で「シム」という人工衛星を持っていて、それから得られる情報を活用して悪党共を捕まえていた。すごい。

 

 エクシードラフトの本部長は桂木重吉というベテラン臭がすごいおじさん。放送初期でいきなりパリに行ってしばらく出てこないことがあった。後に合流し、最終回まで出演した。

 

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 今回も基本はリアル路線で行くため、敵も基本的には人間の犯罪者共で、レギュラーで登場する敵組織はない。時に少年がちょっとした悪さをしたり、今となっては決して少なくない警察内部から星が上がる事件もあった。車に箱乗りしているチンピラが出て来たのは印象的だった。箱乗りとか久しぶりに見た。今の時代ならあれの撮影はNGになるのかもしれない。

 

 レスキューポリスシリーズ前二作はドラマ性に優れていた分、かなりヘビーで子供向けとは思えないストーリー回も少なくなかった。そのことを考慮してか、今作では放送中盤くらいから少しずつリアル路線を脱した物語展開も行われた。

 宇宙から来た捜査官デビット秋葉の存在に、タイムマシン回、後半ではヨハネ黙示録やノストラダムスの予言を絡めた神と悪魔の闘いを描くなどSFやオカルトの要素を含んだ展開もなされた。

  ノストラダムスの予言にある1999年がそろそろ近づいたと感じた作り手がこの設定を盛り込んだのだと思う。あの予言についてはマジで外れてよかったと思う。

 

 最終回では悪魔の手によってとりあえずの侵略が完了していて、地球のオゾン層が破壊されつつあり、街の治安は乱れ、まるで「北斗の拳」か「AKIRA」の世界くらいに退廃としか感じになっていた。最終回は「ソルブレイン」から連続する世界とはとても思えない程に世界が荒れていた。でも、ボスの大門を討ち取って地球は元通りになりました。

 ちなみに本作ラスボスの大門を演じたのは、今はリポーターをやっていて「事件です!」の決まり文句で有名な阿部祐二である。さすがにこの時は若い。

 

 久しぶりに視聴した「エクシードラフト」には印象的なゲスト出演者がちらほら見られた。

 まずは物語後半で、前二作にも登場した正木本部長が助っ人にやって来ること。演じた宮内洋はやはり格好良い。

 「仮面ライダーZO」で望月宏少年を演じた柴田翔平が出ていた。この顔は懐かしい。未だに覚えている。

 「鳥人戦隊ジェットマン」で結城凱を演じた若松俊秀も出演していた。大熊拳の学生時代の同級生で、青年実業家を名乗っただけの車両泥棒の役で出て来た。

 

 子役時代の高橋一生が登場する回があった。小学生くらいの時である。今ではすっかりおじさんになった彼の若き姿が見られた。出演回では、武器密輸組織の悪党共に病院送りにされるという酷い目にあっていた。

 「エンケンさん」の愛称で通っている若き日の遠藤憲一も出ていた。ヤクザから宝石を奪って高飛びを計るも最後は捕まる役で出演していた。泥棒だけど実は子供にやさしい良い奴だった。そういえばエンケンさんは「五星戦隊ダイレンジャー」にもロックをやるおかまみたいな見た目の怪人役で出ていたな。

 

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 やはりOP曲が格好良い。私のお兄ちゃんは今でもこの曲を覚えていた。

 「魂の兄弟たちよ」の歌詞は響きが良くて印象的だった。


Exceedraft - Abertura

 

 

レトロゲーム好きならではの感想

 本作で一番印象的だった回は第14話「遥かなる父の家路」。

 この回はゲーム好きなら思わず反応してしまう。

 

 この回ではスリ師を引退したお父さんが、子供にスーパーファミコンを買ってあげるために再びスリに手を染めてしまう。店のシーンで陳列されていたスーファミ本体が19800円、ソフトの「バトルコマンダー」は8500円の値がついていた。クソ高い。放送した1992年当時ではゲームはすごい高かった。これらは今ならすごい安く買える。

 

 バトルコマンダーは2000年くらいに中古店で100円で売られていたのを買って遊んだ。私がスーファミで遊ぶようになったのは、既に後継機の「ニンテンドー64」が発売した後のことであった。64が出たくらいから本体もソフトも安くなったので、ソフトを中古でまとめ買いしていた。ちなみにこの「バトルコマンダー」は私としてはまあまあ楽しく遊べたが、私のお兄ちゃんからは「クソ」と評されていた。

 

 この回でスリ師のお父さんの息子は、スーファミを持っていないということを学校の友達に笑われていた。当時の子供達の間で熱かったソフトが「ナイトガンダム物語」。子供達の「ナイトガンダム格好良い」「迫力がすごい」的な会話シーンを見ると、時代だな~と思える。

 ナイトガンダムはプラモがあったり、漫画にもなって我が家でも人気だった。これも中古が100円くらいに値下がった時に購入し、私のお兄ちゃんがすごいはまっていた。でもすぐにセーブが飛ぶので、その時お兄ちゃんは「マジで死ねや!くそがぁ!」と毒を吐いていた。何もかも皆懐かしい。

 

 この回の最後でお父さんはちゃんと息子に新品のスーファミ本体と「ナイトガンダム物語」を渡すことが出来た。評判が悪いバトルコマンダーではなく、ナイトガンダムで良かった。

 

特捜エクシードラフト VOL.5<完>【DVD】

 

 

特捜エクシードラフト VOL.1【DVD】

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バトルコマンダー

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SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語

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 増える傷を勲章にするスーパーヒーロー「特捜エクシードラフト」でした。

 

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