こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

一味違う世界観のシレン「不思議のダンジョン 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫」

不思議のダンジョン 風来のシレン3 からくり屋敷の眠り姫」は、2008年に発売したWiiソフト。2010年にはPSPに移植した。

 

 今回私がプレイしたのはPSP版である。

 

 先月スーファミシレンシリーズ一作目をプレイしてから「もっとダンジョンに潜りたい」と思うようになり、次は「シレン2」もやりたくなった。しかし2はニンテンドー64ソフトである。まず本体が倉庫のめっちゃ奥にあるし、我が家に何本とある64ソフトの中からシレン2一本を探すのが面倒だ。ていうかテレビゲームがそもそも面倒。いろいろと設置するのがだるい。こうなったら寝間で転んででもすぐに出来る携帯ゲームが良い。そんなわけで、コロナ給付10万円の中から数百円出して買ったのが本作「風来のシレン3」である。断言出来る、PSPはまだまだ現役で行けるのだと。

 

不思議のダンジョン 風来のシレン3 ポータブル - PSP

 

ざっくりとした内容

 シレンは叔父のセンセーから謎の鍵を受け取り、伝説のカラクリ城を目指す旅に出る。センセーはシレンの母の弟にあたる。

 旅の中でカラクリ城の謎に迫り、その過程でシレンの両親、それよりもっと前の先祖にも迫っていく展開となる。

 時を遡ること千年や二千年前から続く壮大な物語が描かれる。かぐや姫や竹取の翁などが登場し、おとぎ話、日本神話の設定も盛り込んだ荒唐無稽な展開となって行く。

 

感想

 まず本作だが、プレイ前からも結構な不評を耳にしている。過去シリーズとは色々と違った試みが見られる挑戦の一作だったが、それが裏目に出て往年のユーザーからは非難が集まったようだ。

 

 階段を上り下りした時、人の家に入った時の画面切り替えが遅いのは、プレイヤーにストレスを与える要素として目立つ。この指摘をする者は多いだろう。しかし私はちょっとの間にもキレるような辛抱のない性分ではないので、それくらいはゆっくり待って楽しんだ。後半は難易度高めだったりしたが、やはりシレンシリーズなので結果的には楽しめた。ハマる要素は十分にある。

 

 今回のシレンは見た目が随分大人。チビ表記のドット絵ではなく、リアル等身キャラデザになっている。なんだかモンスターハンターみたい。

 シリーズおなじみの敵モンスター連中もリアルな感じでちょっと変な感じがする。リアル描写のマムルは可愛かった。ちびキャラでないシレンシリーズという点にはちょっとだけ違和感を覚えた。

 美麗なグラフィックで装いも新たに参上したキャラクター達には結構な量のセリフがあるが、そこはファンの持つイメージのズレなどを考慮してか、PSPWiiになってもキャラボイスがない。がっかりなようで、これはこれで安心できる良い判断だったのかもしれない。

 

 大きくなったシレンはイケメンである。シレンの助っ人で参戦する女剣士アスカも24歳のリアル等身デザインで登場する。色々言われた作品だったらしいが、大きくなって大人っぽいアスカが見れたのには感動。チビ時代から時を経て美しくなっている。今作のアスカは可憐で華があり、そしてちょっとばかしエロい。今作のアスカにはドキドキする。今作の感想においてとにかく言いたい良かった点はアスカが可愛いということ。大人になったということで、昔の「ござる」口調は黒くくすんだの暦1ページとして封印されてしまっている。まぁ良いんだけど、人によってはその変更はもはや別人では?と思うこともあるかもしれない。

 

 シレンの他にアスカとセンセーも操作が可能になっている。私は推しヒロインのアスカをとにかく使いたいのでこの機能は嬉しかった。お供キャラを操作出来るのは良いが、ファーストのようにシレンが生き残っていれば他が死んでもセーフのルールは無くなり、誰か一人でも死んだらゲームオーバーになるのがキツイ。二人で旅に出るのに慣れると、戦力的には増したはずなのに三人操作の旅が意外と面倒に感じる。仲間キャラ操作がちょっとやっかいでもあった。

 

 ドラマ性をもたせるため、設定にこだわっているというのは分かる。シナリオを読んで行く展開も多い。しかし、ぶっちゃけ言うと、かぐやとかイザナミとかのことはどうでも良いのでさっさとダンジョンの旅を楽しみたいと思うのが風来人の性である。

 後半でシレンとアスカがタイマンでやり合うところは「なんでやねん!」と思い、とにかくアスカを殴るのに胸が傷んだ。

 

 RPGのように村の者からまぁまぁな時間をかけて聞き込みをするパート、要所に入るスキップ出来ないムービーなどは、悪いものではないがサクサク進める旅のペースを乱すものだった。一回死んでからの戻し作業でもまた長いムービーを見ないといけないのはちょっとイライラした。

 

 死んだら即最初からのシリーズ一発目と違い、この作品ではいくつかに分けたステージごとにセーブが出来る。その点では優しいかもしれない。しかし、全体的なことを言うと難しい。シレンシリーズ自体が簡単なものではないが、それでも今回のはちょっと不親切な点もあったりする。

 ボスキャラが多く、奴らには杖や御札が効かない。そのくせ向こうは恐ろしいくらいに全体攻撃、全体ステータス異常技を使ってくる。敵が強いんだよな。よっぽど装備を強化していない限りは、アイテムを整えておくことが勝敗の鍵となる。

 

 中盤からのボスは特に意地悪だ。近づいても遠くまでぶっ飛ばすカラク火車、復活能力を持ち、全体を混乱させる能力もあるカラクリローズには手を焼いた。ステータス回復アイテムがない状態で全体混乱なんかになったらもう終わりだ。混乱状態が続くターン数も長い。

 これで殺されてまた長いステージを一階からとなると、戻し作業にうんざりする。でもやりたくなるから続けるのだけどね。

 

 敵とのやり取りの面でどうしても気になることがある。一度は自分の運がないだけ、気のせいではないかと思って飲み込んだ意見だが、どうやらその範疇も出ているようなので今一度飲み込んだものを吐き出そう。その吐き出した意見というのが「こちら側の攻撃、当たらなすぎじゃない?」ということである。同じことを感じたプレイヤーがもしかするとこの地球上に何人かいるかもしれない。今回のシレンはそのくらいにこちらの命中率が低いのか、向こうの回避力が異常に高いのかしてとにかく攻撃が当たりにくい。当たると予想してかかったものが当たらなかったから、当然のようにプチイライラがやって来る。チリが積もって山になるのは早い。結構序盤からも攻撃当たらない問題のイライラが積もり、本格的なオコへと変わる。これは嫌な要素だったな。あと、こっちこそは運の問題だろうが、階段が見つからないイライラも他シリーズ以上に感じた。てかマップ広くない?

 

 普通なら片手に盾を装備するところを、今回シリーズでは防御を捨てて二刀流スタイルで行けるのが爽快で良い。慎重な私ではあるが、時には防御のことは考えずに2倍攻め込むスタイルも取りたいと思っていた。攻撃のハズレが多い分の保険として二刀流を推すのが私流儀となった。

 最初こそ、「盾なんか使わん」と言って二刀流で行くセンセーの慎重さを欠いたやり口に異論を唱えた私だが、やっぱり男ならズバズバ切る二刀流だよなという結論に至った。

 二刀流は出来ないものの、片手武器以上に強力な攻撃力を持つ両手持ち武器を装備出来るアスカにも盾は持たせない方針で行った。

 守りを捨てて攻めることが出来るという今回作の大胆な仕様は良い。

 

 

 シナリオは結構長い。翁が竜になったくらいで、こいつを倒して終わりっぽいと思ったらまだ続く。結構引っ張るな。ちなみに私はラスボスのイザナミ完全体を見るには至ったが、残念なことに殺されてそこでドロップアウトした。

 ラスボスステージまで進めると、昔のステージに戻ってアイテム集めや武器強化が出来なくなる。イザナミに挑むにはかなり近回りして行ったため、アイテムやレベル、なによりも武器の強度が足らなかった。ここまで来るとザコキャラも強すぎて積み状態になった。情けないが、イザナミに殺られた後には再びそこまで登る戻し作業をする気力がなかった。というか、そろそろ次のゲームもしたいと思っていたし。

 

 悔しくも私が負けてしまったイザナミを見事倒してくれた者が、この地上に幾人か存在している。そしてそいつがYoutubeにその瞬間を捉えた動画をアップしてくれているではないか。気が利く上に暇な連中がいる者だ。彼らの上げたクリア動画視聴を諸々の補完とし、このゲームは仕舞うことにした。

 

 どこでもダンジョンやメインシナリオクリア後に開かれる新たな道など、おまけ要素は他にも様々あったのようだが、まぁメインシナリオは最後まで見たのでそこらのことは良いかって感じ。

 

  楽しい点、文句として上がる点様々あったが、結果シレンシリーズは面白い。十分に楽しめた。重ねて言うが、今作に出てくる大人のアスカがとても良かった。危険な長旅の中で目の保養となったぜ。

 

 女忍者のおぼろというキャラが、定職に就かない風来人などフラフラした根無し草みたいなものだと軽くディスって来ることがある。だが、逆に定職になど就いたら風来人の名折れだぜ。風来人である以上、根を張らずにあちこち漫遊すれば良し。私もそんな生き様に憧れながらシレン達の冒険を心のアルバムに刻むのであった。

 

不思議のダンジョン 風来のシレン3 ポータブル - PSP

不思議のダンジョン 風来のシレン3 ポータブル - PSP

  • 発売日: 2010/01/28
  • メディア: Video Game
 

 

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