「ファイヤーマン」は1973年に放送された全30話の特撮テレビドラマ。
円谷プロ創立10周年記念番組として製作された。
とりあえず言っておきたい。円谷プロは何も「ウルトラマン」だけの会社ではない。
創立10週年にふさわしい良きデザインでしょ~。ちょいダサだね。
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ファイヤーマンと言えば、カプコン名作ゲーム「ロックマン」に登場するボスキャラの一人を先に思い出す。(個人的に)
しかしこちらのファイヤーマンも負けてはいない。
目が大きく、どことなくウルトラマンぽい。ヒーローよりはウルトラシリーズに出てくる敵のうんたら星人って感じ。こんな見た目の星人がいたような気もする。
ウルトラマンが私達の住む地球よりずっと上の世界の宇宙人なのに対して、今回のファイヤーマンはもっともっと下の地下の世界出身者である。ファイヤーマンは地下にあるアバン帝国からやって来た平和の使者。
ウルトラマンと共通するのはファイヤーマンも活動限界が三分ということ。カラータイマーのワードも作中に登場する。
地底人だけど飛んで宇宙にもいける。
中盤でファイヤーマンは一回死ぬけど、アバン帝国の長老の命をもらって復活する。その時には新必殺技の「ファイヤーダッシュ」を会得している。このファイヤーダッシュが「ウルトラマンタロウ」のウルトラダイナマイトぽい。
第一話で海に赤い巨大な球が落ち、海水温度が異常に上がり、そのため海底で冬眠していた恐竜が目覚めて暴れる。一話で赤い球が落ちるとかいうのも、ベムラーを追って地球に降りたウルトラマン第一話の例のアレと共通している。
地球に危機が迫り、海が発光すると赤き人が現れる的なことを変なじいさんが話し、その話通りにファイヤーマンが現れる。第一話から気合が入っていて、まさかの次週に渡って連続する物語展開となった。こういうのってだいたいは一話完結で行くのに第一話から週を跨いで話がつづくのは珍しい。
ファイヤーマンに変身する岬大介は、地球科学特捜隊SAF(SCIENTIFIC ATTACK FORCE)に所属し、その後も怪獣と戦うこととなる。
主人公岬大介が強面でVシネ感があるなと想って見ていたら、なんとゴレンジャーでアカレンジャーに変身する海城剛の人だった。ゴレンジャーをやる前に巨大ヒーローをやっていたのか。
SCIENTIFIC ATTACK FORCEなんてチームの活躍がメインで描かれるから、最初の方は起きる事件も結構科学的なものが多く、子供が見るには小難しい理論なんかも出てきた。後半ではそういう難しいことは無しにして、普通に怪獣が出て暴れる感じだった。
SAF隊員の水島三郎は、特撮ものならあちこちで顔を見る岸田森が演じた。岸田森がやっぱり良い。どっちも名字みたいな組み合わせの名前だよなって思う。
役者の彼が脚本を書いた第12話の「地球はロボットの墓場」は変化球な回で、オチがトラウマチックだった。宇宙人が人間をちょっとずつ殺して、それらそっくりのロボットと入れ替えるみたいな侵略を計画する話で、最後にはSAFが助け出した少女も実はロボだったと分かる。ラストシーンではそのロボ少女がバグったように歌の「かわいそう」という歌詞部分を繰り返して終わる。怖かった。
SAF隊員紅一点の葉山マリ子は美人さんだったが、顔が若い割に声がちょっとおばさんぽかったと記憶している。
物語後半では、70年代にしても田舎すぎる所を舞台とした話が目立ったのが印象的だった。馬に荷車を引かしているシーンも出てきてノスタルジーとかよりも牧歌的だった。
ダムで埋まった村の話とかがあって、「ひぐらしのなく頃に」的な村が出てきた。
SAFの千葉隊員の地元で展開する物語があり、その時にはそこの子どもたちが語尾に「ずら」をつけて話している。語尾が「ずら」といえば「ラブライブ!サンシャイン!!」の国木田花丸を思い出す。あの子と千葉隊員は地元が一緒らしい。
古き良き時代を映した作品であった。
最終回でファイヤーマンは、爆弾が乗った宇宙船を宇宙まで持って行って爆発してしまう。多分死んだんだと思う。「鉄腕アトム」の最終回もこんな感じだったな。
話としては個人的には嫌いではない。しかし、ヒーローが少々ダサめなデザイン、そして怪獣も間抜け面だったり、ちょっとキモかったりした。そのために視聴率が伸びなかったらしく30回ていう変な所で放送が終わってしまった。
「帰ってきたウルトラマン」に出てくる怪獣ツインテールに足が生えたみたいな怪獣がいたのが印象的だった。
子門真人が担当するOP曲がガチ格好良いと思う。大好きでここ最近はこれを聞いている。無駄に熱い、演奏まで格好よい曲である。
Fireman Abertura 1973 Tsuburaya
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