「降魔霊符伝イヅナ」は2006年に発売したニンテンドーDSソフト。
最初に注意して欲しいのが「イズナ」ではなく「イヅナ」であること。
結構前に発売したゲームで好評につき二作目も発売している。シリーズものになっているのに割と最近まで存在を知らなかった。
今夏からDSゲームを遊ぼうと思い、色々ネットで調べているとこのゲームの情報がたまたま出てきた。気になることは様々あったが、まず一番に目が行ったのは中古価格。なんと本作、なかなかのレアゲーらしく、今となってはメーカー希望の定価でゲットするのはまず無理と行った状態になっている。
こちらの作品は好評につき、その後廉価版も発売された。そちらは「降魔霊符伝イヅナ ぐっどぷらいす」と銘打たれた。現在はオリジナル版、廉価版、揃ってかなり高額となり、なんなら某サイトで見ると元値が安い廉価版の方が中古値が高くなっている。そんなレアゲーだけど、いやレアゲーとされるからこそ欲しい、やりたい、と思い頑張ってゲットした。
今回私がプレイしたのは後発の「ぐっどぷらいす」版。多分オリジナル版の半額くらいで新品は売られたいたのだと思う。私が買った物の詳しい額は伏せるが、とりあえず全然グッドなプライスではなかった。バッドだった。
こんな感じで中古値が定価と同等、あるいは余裕で突破するようなレアなものを見た時ばかりは、タイムマシンに乗って発売当時に戻り、爆買して今の世界で転売したいという「SF×悪」の妄想も浮かぶ。
ちなみに中身はオリジナル版もぐっどぷらいす版も一緒みたい。こちらの商品はジャケットがリバーシブルになっていて、購入後に色んな角度から眺めてやっと気づいた。気が利いている。イヅナとシノの二人のヒロインの内どちらを表にするか考えるのも楽しい。
レア度、高額ソフト、ということを抜きにしてもジャケット絵の良さに惹かれた。やはりずっと昔から男子が好きなピンク髪ヒロインの姿がデカデカとジャケットにあり、格好は和装だし、タイトルを見てもそれっポイということで「女剣士アスカ」を思い出した。私の好きなアスカを感じるということもあってかなり欲しくなった。
妙な縁で、このソフトの存在もロクに知らなければ、ゲーム内容はもっと知らないままに手に取ってプレイしたらびっくり。すぐに思った「風来のシレンやないか」と。
そう、このゲームの正体はいわゆるローグライクゲームというジャンルのもので、要するにシレンやトルネコの仲間ということである。今年に入って「風来のシレン」の一作目を久しぶりに遊んで再びハマったこともあり、この手のジャンルは大好物である。結果、この作品は私と大変相性が良かった。とても面白い。キャラ絵が綺麗で可愛い。ヒロインキャラは皆推せる。
イヅナ達忍者は、かつてお城のお殿様に仕えていたが、世が泰平となるとそんな物騒な仕事はお呼びでないということになり、いわゆるリストラの憂き目に合う。いつの世も需要のないマーケットは閉じるべくして閉じるわな、ということが伺える。現代で言うと犯罪者がゼロなら警察屋さんはいらないみたいな感じかな。とりあえずコミカルにして分かりやすい導入が敷かれていた。
そんな訳で城にさよならした忍者一行が流れ着いた隠れ里がカミアリ村。ここが物語の主な舞台となる。リストラした忍者達はとりあえずここで静かに暮らすことになる。しかしイヅナが色々と余計なことをした結果、荒神様を怒らせることになる。
荒神様の祟りにより、仲間の忍者達や村の人々がおかしくなってしまう。これらの怪奇現象をなんとかするためイヅナが立ち上がるのである。
ダンジョンに潜って神様達と戦い、村人とのイベントの中で人知れず悩み解決なんかも行って緩く楽しく物語は進む。
まずイヅナが可愛いしピンク髪だしおっぱいもデカいということで目の保養になる。ジャケット写真のイメージだとイヅナはもっとクールな感じだと思ったが、本編のイヅナは結構はっちゃけた感じの元気ガールで、色仕掛けとかもたまに使っちゃうことがあるキャラだった。ちんちくりんだがこれの姉弟子になるシノも推せるヒロインだ。
村にいるチビ娘のヒナギク、三味線を習うイナ、イヅナと戦う神様の内の一人のフウカらも萌える。
村中の女に振られる男の忍者のミツモトもコミカル要員で好きだった。
知らなかったが、DSソフトもちょっとだけキャラボイスが出るんだな。本当におまけ程度くらいにキャラにセリフがついている。イヅナはそういうゲームではないけど、PSPのフルボイス美少女ゲームに慣れた頭で臨むと、ボイス無しセリフが多いのに違和感。
基本的にはシレンぽいゲームだが、こちらのオリジナル要素がタイトルに「降魔霊符伝」とあることから「霊符」を用いて戦うこと。と言ってもシレンでいう所の巻物のポジションみたいな物。ここぞって時に霊符を駆使して敵をやり過ごすのが醍醐味である。使用するとSPが持っていかれるから私は極力使わないけど。
霊符は普通に使う、敵に投げる、武器に貼るという3タイプの活躍の場を持っている。ここの戦略を考えるのが楽しいところだ。
こちらのゲームではシレンで言うところの腹減りメーターがない。焦っておにぎりを探し回るあの苦労と緊張感がない分リラックスして楽しめる。正直ここは嬉しい要素。代わりにSP値があり、敵から攻撃を受けるとこれが減っていく。SPが無くなっても死にはしないが、減ると攻撃力が落ちる。ここの回復を上手いことするのが味噌。
SPの「S」は寂しさのことらしく、寂しくなるとイヅナが弱る。乙女らしいメーターだ。作中の謎のアイドルポチの写し絵、母の写し絵を眺めることでSPが回復する。イヅナの母の写し絵がなんでダンジョンのそこら中に落ちてんのさと疑問に思うだろうが、アイテム説明を見ても「なんで落ちているのかは謎」とある。というか写し絵だからやはり文化が古い。あとイヅナの母も巨乳なのか、顔を見たいと思う。写し絵の拡大図はプレイヤーには見えないのでそこが歯痒い点である。
シレンと共通してプレイヤーをがっかりさせたりイラつかせたりするのがダンジョン内の罠の存在。罠の種類も色々ある。
そろばんの罠などはマジ最悪。そろばんを踏んだらそのままスケート靴を履いたようにまっすぐ壁に向かって走り出し、激突したら体力の半分が削られる。こいつにはがっかりするしイラつく。
ムレムレになる謎の罠もあり、これにかかるとムレてそれどころではないから装備が全て剥がされる。なんだろう、ちょっとマニアックで微なるエロスを感じたりもする。同じムカつく罠でもコミカルなものがあったりする。
こちらにも踏んだらモンスターが出てくるという普通に不幸な罠がある。これで何度殺されたか分からない。
それからコレは単純に私の運が悪いのかもしれないが、こちらの攻撃ミスが多くないか?と思うことが結構ある。シレンでもこれは思ったな。武器を鍛えると命中率もあがるらしい。
難易度はシレンシリーズよりもかなり優しいと思う。死んだらアイテム一掃で最初からやり直しなのはシレンシリーズと同じだが、今作ではレベルは継続のままスタート出来る。手ぶらでも基本値が上がった状態で再挑戦できるので、死んで強くなっていつかはクリアできる感じになっている。後半のダンジョンは結構難しく、死んで再挑戦を繰り返す内にレベル99にまで上がった。さすがに99まで上がるとボスも普通に勝てる。
メインシナリオクリア後に挑戦出来る最後のダンジョンだけはレベル1から開始となる不思議のダンジョンと同じ設定のものだった。これは難しい。フェイのダンジョンを思い出す。残念だがレベル継続無しのダンジョンだけは無理だった。きついわ。
2020年になるまで魅力に気づかなかったがイヅナは大変楽しくて可愛いゲームだった。ヒロインのイヅナにハマる。フィギュアとかないのかな、欲しいとか思う。
高額化して誰でもプレイできるものではないが、これはもっと世に売りたい商品だと思う。人知れず世界の端でレアゲーをしてテンションが上がった。
私はリストラ忍者たちの社会復帰を応援します。
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