こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

元祖スーパーロボット「マジンガーZ」

マジンガーZ」は、1972年12月から1974年9月まで放送された全92話のテレビアニメ。

 

 スーパーロボット大戦を遊んでいれば、マジンガーはもはやシリーズの顔とも言える看板ロボットだと分かる。この春シリーズ30周年を迎えたスパロボ第一作目から登場した日本を代表するロボットがマジンガーZだ。

 そんなマジンガーだが、そういえばちゃんとアニメを見たことがない。スパロボでしか知らない。じゃあ見よう!

 という流れになったので全92話を大体二週間で視聴した。

 

 これがスーパーロボットアニメの金字塔か。とにかく古い作品であり、正直途中でダレる箇所もあったりなかったりしたが、やはりアニメ史において歴史的価値ある良い作品だった。

 

 後にも劇場版、OVAマジンガーアニメは出たわけだが、今回は一番最初のテレビアニメ版を楽しんだ振り返りを行おう。

 

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 光子力を原動力とし、とにかく堅く丈夫な超合金Zのボディを持つスーパーロボットマジンガーZ」が、世界征服を企むDr.ヘルの放つ機械獣と戦う物語が描かれる。

 兜十蔵博士が開発したスーパーロボットマジンガーZは、孫の兜甲児に委ねられる。普段は学生をしている甲児、はマジンガーZの操縦を覚えて強敵な機械獣軍団と対峙する忙しい青春を送ることになる。兜甲児はイケメン。

 

 悪者がいて、主人公はロボットに乗ってそいつらを叩くというスーパー戦隊はじめ、その他特撮ものと同じような理解するには簡単な設定となっていて見やすい。でもこちらの方がスーパー戦隊シリーズよりも先輩なんだよな。特撮の音楽を多く担当した渡辺宙明がここでも作中音楽を担当しているので、あれこれの日本の特撮に慣れ親しんだ私からすると、初めて見ても音楽に親しみが持てた。

 基本的には一話完結のストーリーの連続となっている。お子様でも集中しやすいフォーマットになっている。

 

 アニメを見て、ずっと昔から知っているマジンガーZのデザインについて改めて格好良いと思えた。まず思ったことがコレだ。

 シンプルなようで全くそんなことはないしっかり練られた秀逸なデザインはやはり素晴らしい。なんだかんだ長い理屈なんて語る余地なく、直感で第一印象から格好良いと思えるのがマジンガーZだった。このデザインには死角無しの美がある。

 

 今ではなんでもやってしまうのがロボットだが、当時ならなかなか攻めたアイデアが詰まっていると思えるのはマジンガーの武器。

 とにかく高性能で強いマジンガーは、あれこれと外部に取っ付けなくとも強力な武器を内蔵しているというのが兜十蔵博士からの説明である。

 腕がぶっ飛んで敵を貫通するえぐいパンチを放って戻ってくる。シンプルだが夢がありすぎる武器がロケットパンチ。これに鋭利な刃を生やしたアイアンカッターも応用攻撃として登場する。こんなことでも最初に考えた人って夢あるアイデア職人だよな。

 熱で溶かしてぶっ壊すブレストファイヤー、目から出る光子力ビームには科学の威力が詰まっていてすごい。熱で攻めるのとは逆に冷凍光線も使える。

 途中から追加されるサザンクロスナイフや大車輪ロケットパンチにもアイデアが詰まっていて格好良い。

 シンプル設計に見えても攻撃の手数が多いため、アクションシーンには華がある。

 

 途中から飛行能力が達者な敵ロボットが登場し、それに対応するためマジンガーも空を飛ぶための装置ジェットスクランダーを装着する。空を舞うための紅の翼を初めて得たジェットスクランダー装着シーンは格好良い。良い歳をしてもマジンガーに翼が生えたあのシーンには胸が熱くなるものがあった。

 ジェットスクランダー開発の立役者が、のっそり、せわし、もりもりの三博士である。せわしは名前なんだろうけど、あとの二人は見た目や気質からついたあだ名になっている。第4次スパロボではジェットスクランダー装着ステージでしか登場しないコミカルな三人だったが、そこだけの登場にかかわらず私にも私の兄弟にも記憶されている名物キャラがこの三人だった。こんな感じの見た目でまさか休日には三人揃ってボーリングを楽しむ趣味があるとは意外だった。

 まさか後半でもりもり博士が逝ってしまうとは思わなかった。

 

 マジンガーを良く知る兜十蔵博士が口にした印象深いフレーズに、マジンガーの力は神にも悪魔にもなるというものがある。それを実感出来る確かな強さがマジンガーにはあった。神にも悪魔にもなる大いなる力という位置づけがとても格好良い。

 

  

 永井豪作品はヒロインが美しい。ということで本作ヒロインの弓さやかがとても可愛かった。古い作品だけど、色っぽさのあるキャラデザでさやかが可愛い。ファッションセンスも良いと思う。

 いわゆるお姫様カットのヒロイン。なんだかんだで昨今でもこの髪型のヒロインがいるくらいだから古典的にして現代にも通ずる流行りを抑えている。当時なら麻丘めぐみがこの髪型を流行らせたのではないかと思える。

 可愛いヒロインではあるが、かなりのじゃじゃ馬で男子の甲児とガチ喧嘩するシーンでは逞しさも見せている。女子に対して甲児がガチなのも印象的で、さやかを押し飛ばして後ろのガラスに突っ込ませるという激しいやり合いを見せている。結構体を張るヒロインだった。

 

 マジンガーZのサポートロボとして、ヒロインの弓さやかが乗り込むアフロダイA、途中で壊れて後継機のダイアナンAが登場する。仮面ライダーストロンガーとタックルみたいなコンビヒーロー感が見えて良い。 

 本来なら資源開発用のアフロダイには高い戦闘能力はないが、自慢のおっぱいミサイルは、ロケットパンチに次いでこの作品の看板武器になっていると思う。マジンガーにまだジェットスクランダーがついていなかった時には、アフロダイの放ったおっぱいミサイルに捕まって飛行したこともあった。甲児はおっぱいミサイルの活用法が良く分かっている。

 

 さやかの乗るアフロダイを戦闘用に強化するかどうかという会議が光子力研究所で行われたことがあった。その際甲児は、フェミニズムもやや働いてのことだろうとは思うけど、女が前線に立つものではないと言ってアフロダイ強化計画却下の意志を示す。女性だって男性を押しのけて社会の場で活躍する今の世なら、このシーンは男性の優しさよりも女性を軽んじた点が目立っていると取ることが出来るのではないだろうか。時代だなぁと思える流れも見られる。

 その観点から言うと、古い作品ならではの現代ではアウトな表現も見られた。マジンガーZのモニターに油をぶっ掛けられて前が見えなくなった時には「めくら」になったと甲児が言うシーンがあり、他にも「きちがい」というセリフも登場する。現在では放送禁止用語になっているし、普通の生活でも今日日聞かない言葉が聞けた。古い作品だからこその気づきもある。

 

 ダイアナンに乗り込む時にさやかが乗っているバイクが、仮面ライダーの乗るサイクロンみたいだと思った。

 そういえば甲児、さやか、ボスにその部下たちと出てくる若者キャラは皆バイクに乗っている。免許を取るのもマシンの購入も人生の早い段階からなので、皆金を持っていたんだなぁ。

 

 マジンガーだけではない本作ならではの名物ロボットがボスボロットだった。操縦者のボスも不良だけど気さくで良いヤツ。大柄な不良のボスなのに、語尾が「~だわさ」といったオカマ口調な点がクセになるキャラだった。

 マジンガーが光子力、超合金Zといったビックリ科学で出来ているのに対し、ボスはスクラップで出来ているため諸々エコである。スパロボでは修理費10円という安すぎる出来のユニットなのが有名。

 完全にコミカル要員であり、ボスボロットはスカイライダーでいうところの「がんがんじい」的ポジの愛すべきロボットだった。登場は意外と遅く、放送2年目に入るくらいで追加されたロボットだった。

 

 敵側のロボットもなかなか秀逸なデザインが目立っていた。

 記念すべき第一話は、敵側の作戦が景気の良いものとなっていて、初っ端からロボットを二体も送り込んでくる。このサービスの良さはさすがマジンガーといったところ。

 Dr.ヘルが最初に放った二体がガラダK7、ダブラスM2の二体。これはスパロボ第一作目のファーストステージとセカンドステージのボスキャラなので想い出深い。

 マジンガーの敵ロボットといえば、初期のスパロボなら定番のボディ硬めで攻略が面倒なキャラとして記憶に残っている。

 アブドラU6、スパルタンK5、グロッサムX2、ジェノバM9、ラインX1がそうである。

 スパルタンはブレストファイヤーを耐え抜く丈夫さがあり、アニメでは向こうのミスで爆破されただけで、遂にマジンガーが倒すことが出来なかった一体になっていた。ジェノバはアニメ同様、ゲームでも恐ろしく遠くから狙撃してくる厄介な敵だった。スパロボの想い出と照らし合わせてアニメのオリジナルネタを確認すると色々楽しい。

 これに加え、空の要塞グール、海の要塞ブードも体力が高く、装甲も高いことからスパロボでは我々を苦しめる困ったユニットだった。

 

 敵側が送り込んで来た中で忘れられないのが、本来マジンガーのパートナーとして設計されたミネルバXの存在。デザインは女版マジンガーといった感じで、スパロボ第一作目では説得して味方につけることが可能だった。

 ロボットだけど、マジンガーが近づけば乙女な反応をし、甲児に言い責められると涙することもあった。マジンガーに膝枕をするロボット同士のデートシーンもありで、これはネタとしても、ロボものの可能性を広げる実験的な展開であったことからも伝説的なヤツになっていると思う。アニメの特番などでこのちょっと変わった展開がピックップされることもちょいちょいあったくらいだ。ミネルバも忘れられないロボットになった。

 

 なんと言っても伝説的だったのは、次作ヒーローであるグレートマジンガーとのバトンタッチを描いた最終回。最終回に次回作キャラを出して軽く紹介する流れは最近なら仮面ライダープリキュアでも見られるが、大昔でもこれがあったらやはり熱い。ギャバンの最終回でシャリバンがお助けに来るみたいな感じで胸アツだった。

 無敵のマジンガーがボコボコにされるラストはちょっと酷いと思えるものだった。甲児もその前の大戦で疲弊し、本調子でないところを追い詰められることになるのでシリアスだった。

 BD映像特典のスタッフインタビューを見ると、作り手側でも一度はマジンガーをボロカスに追い詰める展開をやりたかったと言ってた 。作った方としては満足なシーンだったとのこと。

 最終回でマジンガーを追い詰めた強敵が初期のスパロボで常連のグラトニオスだった。ドリル攻撃でかなりこちらの体力を削る嫌いな敵だったアイツが最後の敵だったのか、そしてグレートマジンガーにとっては最初の敵でもあった。

 なかなかの衝撃を受けた記憶に残る最終回だった。

 こうなるとグレートマジンガーも見たくなる。

 

 やはりいくら時が経っても私達のスーパーロボットといえばマジンガーZの名前が最初に上がる。改めてロボットアニメの歴史を振り返って思うのが、やはりロボものは熱いということだった。

 これからのロボアニメの発展を願おう。

 未来に向かってパイルダーオン!

 

 

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