こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

ゴーダム=ゴワッパー「ゴワッパー5 ゴーダム」

ゴワッパー5 ゴーダム」は、1976年4月から12月まで放送された全36話のテレビアニメ。

 

 コロナのため、そして外がめっちゃ暑いというダブルパンチを受けて、巣篭もりアニメ生活が捗る捗る。大体6日間で全話完走。

 

放送開始40周年記念企画 ゴワッパー5ゴーダム Blu-ray  Vol.1【想い出のアニメライブラリー 第77集】

 

 本作は皆大好きタツノコアニメ初のロボットアニメ。

 ガッチャマンのような戦隊もの要素に加え、人型巨大ロボットまでが登場するということで、よりスーパー戦隊シリーズぽさが強まった。

 

 主役として登場するのは、仲良しな男女五人組のお友達。彼ら5人のチーム名がゴワッパー5であり、主役ロボの名前がゴーダム。

 タイトルが意味するのは、戦隊名+ロボット名ということである。「電子戦隊デンジマン」で例えると、デンジマンダイデンジン、ということにある。

 

 五人の童(わらべ)がメインで、童のことをワッパとも呼ぶことから、チーム名はゴワッパーになったという。このネーミングには、安直なようで高いセンスを感じる。

 メインの子供達が暴れることから、企画段階ではアバレンジャーの仮題もあったという。これは後にスーパー戦隊で正式に使われたので、ここでアバレンジャーが通っていたら、後に爆竜戦隊は生まれなかったかもしれない。そんな運命の分かれ目を見る作品でもあった。

 

 主役ロボットのゴーダムは、鉄人28号ガリアンとロビンマスクの要素を合わせたような感じのデザイン。赤きボディの西洋騎士って感じで格好良い。結構ごつくて装甲はありそうだが、運動性は低そうに見える。

 ゴーダムだけでなく、メンバー5人それぞれに与えられた移動マシンにも、海洋生物を模した愛らしいデザインセンスが光っていて良かった。

 

 他に注目出来る点は、戦隊であるゴワッパー5のメンバー構成にある。

 スーパー戦隊シリーズだと、暑苦しい男連中に清涼さを出すため、紅一点として可愛い子ちゃんを端っこに添えがち。しかし今作では、その紅一点のメンバー洋子こそが最年長メンバーにしてセンターでリーダー。センターを飾るメンバーらしく洋子のメンバーカラーは赤。

 リーダーの洋子は、男共など押しのける男勝りな気質を持ち、リーダーとしての判断力と弁えの心得を持った良き女。豪気な女だがしっかり美人。普段着のファッションセンスや髪型にヤッターマンのアイちゃん的ものを感じる本作の萌え枠。今時だと絶滅危惧の一人称が「あたい」という洋子のキャラ設定には、令和時代だとよりありがたみを感じる

 女子がリーダーという点は、タツノコアニメに留まらず、ロボットアニメとしても初の試みだったとか。ええよな、女リーダーって。

 

 他の男子メンバーは豪、大吉、五右ヱ門、のり助、となんとも和風で逞しい感じの名前が揃っている。

 のり助は一番チビのガキでよく捕虜にされがち。のり助に懐いている二匹のアシカのキャラは作中のマスコットキャラで可愛いかった。

 

 

 内容としては、地下より地上制服を企む皇帝ジゴクダー率いる悪の軍団を、ゴワッパー5が、ゴーダムの力を借りて倒すというものである。

 

  作中のキーワードとして、オカルト理論の「地球空洞説」が登場する。

 これは、丸い地球の中身は空洞になっていて、そこには地下世界があり、地上と同じく太陽があって人が生活しているという内容を語った説である。荒唐無稽なようではるが、かといって実際に穴を掘って地下世界を目で確認したことはないので、そこのところはどうなのか分からないというオカルト理論である。

 この説については、同じくオタクがお世話になりガチな特撮ドラマ「アクマイザー3」で習った。アクマイザー3でもこの理論通り地下に住む悪者が地上に攻めてくる。まさか人生二回目の地球空洞説アニメに遭遇しようとは、本当に地球の中身ってどうなってんだよって話。

 

 で、こいつら地下にいる悪者共がとにかく悪い。

 地震、洪水、火事、雷、土砂崩れなど、天災めいた騒ぎを意図的に起こして地上に打撃を与えて来る。人類には防ぐのが難しい攻撃で着実に人工を減らし、土地を侵略してくる。これに加え、凶悪にして巨大な地底魔神を地上に放ってくる。

 子供向け番組にしては、被災者の描写がリアルだったり、結構えぐい殺され方もあって怖い。 

 

 ゴワッパー5達のユニークなキャラ性や楽しい青春をプッシュする展開がメインだが、敵がいかに凶悪かかが分かるシリアス展開やトラウマチックな後味の悪い展開も多分に用意されている。

 メンバーの豪の友達をピンチから助けたと思ったら、後日その友達が乗った飛行機が敵に襲われて墜落して死ぬ、豪のペンフレンドの女子が敵の作戦で殺されるなど、メンバーと年の変わらない子供までが殺される笑えない展開もいくつかある。

 

 地下帝国には粘土で出来たネンドロイドという戦闘員がいる。ネンドロイドといえば、初音ミクとかをちびキャラ化したフィギュアのことじゃないのかよとすぐに思ってしまうが、この言葉はこちらの方で既出のものだった。こちらのネンドロイドは初音ミクのように可愛くはなく、普通にブス。

 

 子供戦隊の割には、激戦に突っ込んで行く展開が印象的で、敵の幹部を倒し、敵のザコ兵製造基地をぶっ壊すなど、少しづつ着実に勝利に向かっていく進歩が見えたのも良かった。

 

 3クール目からはテコ入れということで、ゴーダムにそれまでなかった変形合体の機能が搭載される。というか、ここらで新たに発見する。

 構造パーツを入れ換えて別デザインのロボットになるというゲッターロボ的チェンジを見せてくれる。こちらの変形も複数モードが用意され、それぞれ格好良かったのだが、後半に迫ってのことであまり出番がなかった。

 一年もので行く予定だったらしいが、テコ入れをしても視聴率アップに間に合わず、3クールで終了となったということらしい。個人的には作風もキャラも好きだったので、もう1クール見たかった。

 

 

 そんなわけで、水木一郎が担当するOP曲でも繰り返し言われる「ゴーダムイコールゴワッパー」のフレーズがとても耳に残る好きなアニメだった。

 

 ものすごく古いアニメだが、タツノコアニメにはセンスと生命力があり、今見ても元気をもらえた。やっぱりタツノコアニメはたまらないぜ。

 

 

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