こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

格好良いぞ!三位一体の勇姿「機甲戦記ドラグナー」

機甲戦記ドラグナー」は、1987年2月から1988年1月まで放送された全48話のテレビアニメ。

 

 作品のヒット感でいうと微妙な功績だったらしいが、個人的には思い入れもあって好きな作品。普通に面白いし出てくるロボットも格好良い。

 

 同じサンライズのヒット作「ガンダム」の影に隠れて扱いがちょこっと不遇だったとか。放送が終わって長らく全話パッケージ化が叶わなかったとも聞く。なので長らくリアタイ勢以外はなんのこっちゃなロボアニメだったわけである。

 

 しかしそこに光を照らした現代コンテンツがスパロボとかその他ロボ系ゲームだった。確かにこの私もスパロボで本作を知った口だ。

 チャンスを掴みそこねた大昔の作品に光を、となるコンテンツたるスパロボ自体が素敵なコンテンツだと思う。それからスパロボはちょっと前に30周年だったというので少し遅れておめでとうを言いたい。ジャパンロボアニメ文化よバンザイ!(話が逸れました)

 

 かなり沼りこんで遊んだスパロボAでは序盤からドラグナー勢が元気に登場し、かなり優遇されていた。完全にコレきっかけで作品に興味を持った。そういう人がわんさかいたことだろうと思う。

 ドラグナーは3機共フルマックス改造したぜ。恐怖のトリプルアタックという技名は微妙にダサくて気に入った。

 3機のドラグナー機はそれぞれ格好良い。ライバル機のファルゲンも美しい。強い敵のグン・ジェムとその傘下の四天王、めちゃムカつくドルチェノフも印象深い。

 

 というわけで最寄りのゲオでDVDを借りたのが10年ちょっと前のこと。

 

 それからもっと時が経ち、昨年ドラグナーは35周年を迎えた。ハッピーなタイミングで無事BD化が叶った。良かったぜ。ドラグナーのBD化をかなり前から待っていた。

 後はロボアニメといえばエルガイムをBD化して欲しい。なんでコレがBDにならんのだ?名作なのによぉ、といつまでも思う日々が続くのは良くないからマジで早くして。

 

 ドラグナーがBDになったらもう一回みるしかない!ということで今になって再視聴を決め込んだ。

 

 だいたい一週間で全部見た感想とかを書き殴って行くぜ。

 

EMOTION the Best 機甲戦記ドラグナー DVD-BOX

 

内容

 時は2087年。人類は月を本拠地に置くギガノス帝国、地球連合に別れて大戦争を繰り広げていた。

 

 そんな中、地球連合軍は戦況をひっくり返す重要なカード「D兵器」を手にした。通称ドラグナーと呼ばれる計3機の秘密兵器に、ケーン、タップ、ライトの若者3人がなりゆき任せに乗り込むことになる。

 最初に乗り込んだ者以外は操作出来ないロックがかけられ、3人はそのまま兵隊としてドラグナーの操縦者になり、強敵ギガノス帝国と戦うのだ。

 

感想

 久しぶりに見たけど作画が元気で良い。

 やはり登場ロボットのデザインセンスが抜群に良い。同じロボでもドラグナーとギガノスのロボだとかなりデザインセンスが異なっている。幅広いロボデザイン感が楽しめて良い。

 

 主役機の3機は作品の看板だからやはり秀逸デザインだ。

 ドラグナー1は龍の感じが見える格好良いデザインだ。ワタルの龍神丸っぽいな。早々に逝ってしまう補助ユニットのキャバリアーも渋みがあって良かった。

 1は機動性の良さを活かした白兵戦、2は長距離射撃、3はレーダー索敵と各機に得意分野があり、役割分担してベストな作戦を展開する。パイロット三人の関係性、ロボの性能的にも三位一体感があって良い。

 

 特に3号機のレーダーがクルクルする頭部のデザインはマニア心をくすぐる。アレは格好良い。全部のロボの中でだとこの3号機とファルゲンのどちらかがマイベストドラグナーロボ1位かな。

 1と2は汎用性があることからそれぞれの性能が量産型兵器ドラグーンに活かされている。でも3号機はクセのある複雑設計から量産型が難しいと本編で言及されていた。おおっ!お気にの3号機のみにあるこのレアリティ感は嬉しい。これを聞いてライトがちょっと得意げになっているのも印象深い。次が作れないことで3だけは分解予定がなかったし。

 

 ギガノス側のロボットもセンスが弾けている。

 割りとザコ機のゲバイ、ドラウあたりはボトムズのロボ感があって硬派。

 バイクとロボが合体したガンドーラの発想はユニーク。

 鎧武者を模したギルガザムネのまさかのデザインセンスも良い。スパロボAだと装甲が硬いし攻撃力もあるから撃破にかなり困った。

 

 あっちもこっちも含めてロボットが格好良いからそれだけでも楽しめた。

 

 OP曲の「夢色チェイサー」はイントロから上がる格好良い曲だ。これを書いている今も聴いている。

 後期OPを山瀬まみが担当したのは意外。喋りと歌で声がかなり違う。

 

 メインで登場するケーン、タップ、ライトのトリオ漫才のような仲良しなやり取りは楽しくて和む。

 ケーンはこの時代に流行ったのであろうチンピラのような頭をしていたが、軍に入ったタイミングで髪を切られてしっかり格好良くなった。ずっとあの不良ヘアーだったらちょっとイヤだったかも。

 主役機が3機でコンビネーションを組むあたり「忍者戦士飛影」の要素をちょっと思い出す。ケーン役の菊池正美、ライト役の堀内賢雄はあっちでもメインどころで出ていたな。

 

 ケーンのマイヒロインのリンダは昔見た時より今見た時の方が色っぽく見えて刺さる。金髪美女はやはりいつになっても良いものだ。

 リンダの美しい水着姿を見たケーン股間を元気にさせるシーンは久しぶりに見ても覚えていた。新兵の生活だとストレス、疲労、そして性にまつわる欲求も溜まるというものだ。

 中盤回でリンダがチャイナドレスを着るのも良かった。

 

 ケーンが恋するリンダが敵のエースの妹である点も話を盛り上げるポイント。親子、兄妹が敵味方の軍に分かれて争うシリアスさも描いている。ケーン達3人の学友がギガノスにいて争うことになった展開も印象的。戦争って悲しいぜ。

 

 新人のケーン達を見守る大人代表のルーニー軍曹や終始口うるさいジェームス隊長も結構良い味を出していた。

 大柄のおっさんの軍曹が結構ツンデレな点は良かった。この軍曹が好き。ケーンが意地を張って親父との和解を怠ろうとした時には、ちょっと早めに生まれた友達としてベストな意見を授けてくれた。あそこの軍曹は良いおっちゃんで愛せる。なんだかんだ最初から最後までケーン達のそばにいて話を盛り上げた名作キャラだったと思う。

 

 中盤からの強敵となったグン・ジェムと四天王も良い味をしていた。グン・ジェム隊とやりあう過程は楽しかった。

 グン・ジェムの登場でかつてないくらいドラグナーチームがボロボロになってピンチに追い込まれたのは印象的。こいつら全員ゲームでも強いから苦労させられたんだよなぁ。

 

 ジンは男前、ミンは野生味のある格好良いお姉さん。残りのグン・ジェム、ゴル、ガナンは人相が悪すぎて急に「北斗の拳」みたい。この5人はそれぞれ良いキャラで、5人のやり取りもなんか好きだった。悪の華のミンがいなかったら絵面が悪すぎる。

 

 あの見た目と横暴さをもっていながらメシを食うマナーが悪い、人の物を取る事は嫌いだと言って怒るグン・ジェムのキャラ性はちょっと謎。

 ビームソードでなくデカい青龍刀で戦うグン・ジェム機ゲイザムの設定は硬派で好き。スパロボAだとこいつも強かった。

 ゲバイ、ガンドーラ、ダイン、ダウツェン、それぞれをフルカスタムした四天王機も格好良い。腕にチェーンソーを仕込んだスタークダインの邪悪な改造センスは好み。

 

 久しぶりに見てグン・ジェムの印象が随分変わった。今見ると最終的には愛ある良い親父キャラにも見える。

 ゴルの事を叱り飛ばしていたのに、死んでしまえば息子を亡くしたように悲しんでいた。四天王の事は息子、娘のように可愛がっていた良いボスだったんだなと分かるとちょっとウルっとくる。ギルガザムネの暴走でジンを殺ってしまったのは酷いけど。

 可愛がっていた部下の敵を取るために奔走するグン・ジェムの親父を見ているとちょっと応援したくなった。これを見ると「ギガノスの汚物」という通り名が酷すぎる。マイヨの「ギガノスの蒼き鷹」と比べるとマジで品がない。色んなロボアニメで通り名のついたやり手軍人を見てきたが、かつてここまで酷い名前はなかったと思う。

 

 四天王を失って行く度、酒浸りが酷くなって荒れるグン・ジェムを心配するミンも意外と優しい。登場時はめっちゃヤバい軍団来た~と思ったけど案外血の通った人間な所も見えて来て良かった。 

 

 お嬢様のリンダとは違って芋臭さがあるミンも良きヒロインだった。荒れた世界でやって来た事で身についた強さと生命力が魅力的。ミンをただのワルからヒロイン枠に昇格させた後半展開は良い。ミンを死なせる展開でなくて良かった。後半はマイヨの男気に完全に惚れちまっていた。ミンを演じた島津冴子の色っぽい声がとても良い。

 

 それからグン・ジェムを倒すためにケーンが生身でたった3日の武者修行に出るのはリアルロボアニメ路線にしては漫画的で「ん?」ってなった。まぁ修行するアニメは嫌いではないのだけども。

 

 もうひとりの主役キャラだったのが、ギガノスの蒼き鷹の異名を取るマイヨ・プラート。

 ライバルキャラの妹がヒロインなのは、初代ガンダムガンダムWにも見る設定だな。

 このマイヨが格好良い。妹のリンダとセットで美しいキャラだ。マイヨの紫のパイロットスーツが格好良い。

 不良あがりのケーンよりもモテモテキャラのマイヨの方が現代作品だと主役級かも。にしてもマイヨは終始モテモテだった。

 妹、父から愛されているし、プラクティーズら若手、ギガノス反乱軍の若者にまで絶大な支持を受けていた。マイヨが反乱軍のリーダーになってくれないなら泣き崩れる連中もいて、どんだけ人気者やねんって思った。調子こきなプラクティーズの3人もマイヨには完全崇拝の態度でめっちゃ礼儀正しくなる。こいつらもマイヨの事好き過ぎだろ。ギガノスのボスのギルトール元帥には息子のように溺愛されているし、後半ではミンもマイヨに惚れ込む。

 総員がわっしょいするだけのことはある人間が出来たキャラだった。

 

 最初はスペースコロニー、そこから出て宇宙、地球に降りたらアメリカ、日本は青森、中国、最後にはまた宇宙に出る。このように舞台は割りと幅広くあっちこっちに行く。

 気になったのが序盤に登場したドラグナー輸送艦アイダホのデザインがガンダムSEEDのMAメビウス・ゼロによく似ていること。まぁどうでも事だけど、同じ事を思った人がいたらきっと私は嬉しくなるだろう。

 

 舞台が宇宙に戻ったラスト1クールはマイヨが主役みたいになっていた。これにはマイヨファンが唸ったことだろう。マイヨの物語も結構面白くて好き。

 マイヨを演じた小杉十郎太は、ワンピのアーロンさんみたいなド悪いキャラ声の印象も強いが、クールで落ち着いたイケメンボイスも綺麗で良いなぁ。ていうかこの人もこんなに昔から仕事をしていたのか。すげぇ。

 

 後半は反逆者のドルチェノフを討つために戦うマイヨのターンが多い。にしてもこのドルチェノフがマジでムカつく。ラスボスに置くには小悪党すぎる。嘘つきで卑怯で人相の悪いブスでカリスマ性がない。ケーンのママんを人質に取ってケーンを苦しめたこと、ダンを殺ったことはマジで許せん。

 ただ飯塚昭三の声で凄みが足されているからなんとかラスボスとして見れる感じ。飯塚昭三史上一番ムカつく嫌いなキャラだったかもしれない。でも飯塚昭三は、序盤に格好良いおっさん軍人チェホフを演じ、その役ではケーン達を兵隊として成長させる良いポジを担っていた。だから良い役者なんだよ。

 

 ドルチェノフを討てる機会は何度かあったが、悪運の強さで最終回の最後らへんまで生き残っていた。無駄にラッキーだなこのおっさん。

 ボスがこの悪党に変わってからは、当初地球の7割を支配していたギガノス優位の戦況がひっくり返り、地球軍が有利になる。ドルチェノフが機動要塞に立てこもった段階では、もうギガノスが降参宣言を出す方が良いだとろうという戦況になっていた。ギルトールと比べてダメダメと分かる。

 敵味方でギリギリの合戦をしてこそ盛り上がる戦争アニメなのに、後半では向こう側が疲弊しきって降参間近になっているというのも珍しい。

 ラスボスをもっと魅力的なカリスマにすると良かったかも。ライバルキャラのマイヨはラスボスにならず、ギガノスでも地球側でもない第3勢力で動くから最終的にはケーン達と共闘した。ケーン、マイヨが共闘してドルチェノフが乗り込むギルガザムネを討ったラストバトルはテンションがあがった。

 エルガイムのラストでダバとギャブレーが共闘したのもそうだけど、それまで敵対していた者同士がここ一番で力を合わせるのって燃えるよな。

 

 それからメインもモブもなんでも出来る汎用性がある役者ということから「島田兵」の通り名を持つ島田敏がここでも島田兵をしていた。カール、ジンで兼役を勤め、その他名前があったのかなかったのかも謎なモブの声もやっていた。全編に渡りあちこちで島田ボイスが聞けるアニメとしても重宝出来る。

 

 というわけで視聴後にはバーニングハートになる良いアニメだった。 

 サンライズ作品の中だとちょっと影に隠れた一作のポジションみたいだが、私はとても好きだ。これはもっと多くの人が知るほうが良い。なので知人に布教しようと思います。これがデッドヒートのアイラブユー。

 では筋トレの時間なのでサラバ。

 

 

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