こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

異なる進化を遂げた人間同士の戦い「DETONATORオーガン」

DETONATORオーガン」は、1991年から1992年にかけて発売されたOVA作品。

 1話約50分サイズの全3話の物語となっている。

 

 今更になってニンテンドーDSスパロボWをプレイしている。このゲームの発売が10年以上前の事なのだが、それよりもっと前に世に出たオーガンがこのゲームに参戦している。 

 長いことアニメ好きとして古今東西のアニメを楽しんできたが、このオーガンはスパロボWを遊ぶまで知らなかった。

 何だコレは、テッカマンブレードではないのか?と思ってしまうくらいメカデザから設定の一部までもが似ている。とにかく気になったのでこの作品をチェックすることにした。全3話ということで見やすく、内容としても結構満足な出来だった。

 

DETONATORオーガン幡池裕行 polydor ポスター B2判 デトネイター アニメ 1990年代 邦画M16

 

 物語の舞台は西暦2292年の日本。発売からだいぶ経った今見てもまだまだ遠い未来の物語だ。

 劇中では指パッチンで家電のオン、オフが可能となっている。音声や振動とかの認識でメカが反応する進んだ文明が見える。便利で良さそう。

 悩める若き少年主人公 真道トモルは、日々同じ夢に苦しめられる。夢に出てくるのは化け物やら麗しきヒロインやらで、後にそれは現実となっていく。トモルって名前が良いよな。

 夢に出てきた戦士オーガンと魂を重ねることによってトモルはオーガンに変身し、破壊と再生を繰り返して宇宙をさまよう民「イバリューダー」との激戦を展開する。ていうのが大体の内容。

 

 お話はそこまで難しいこともなく、全3話で大きな問題なくまとまっていたと想う。

 イバリューダー勢力から放たれる戦士達は、見た目が虫っぽいデザインでオーラーバトラー感もあった。人間の要素ゼロだと思ったイバリューダーの正体に迫っていく展開があり、その先でなんと進化の過程が異なるだけで、こちらも元は人間だったことが分かる。人間と異星人の戦争かと思いきや、進化の異なる人間同士のガチ抗争だったという儚き物語が見える。

 

 ロボットものではなく、メカメカしい鎧に身を包んで戦う変身ヒーローものに分類される作品だった。

 シュッとしていて、それでいてずっしりメカ感もあるオーガンのデザインは格好良い。

 オーガンのデザインはテッカマンブレードぽいし、テッカマンと同じようなランスを持っていて、ボルテッカのような火力強めな攻撃も撃ち出す。変身することによって身体に負荷がかかる点も似通っている。

 地球人側が有する可変型戦闘機バードマンのデザインもイカすもので美しい。

 バトルシーンは迫力があって楽しめた。

 

 急に大きすぎる力を持ったことに戸惑い恐怖し、戦いから逃げようとうしたトモルが、やがては守るもののためにしっかり戦う覚悟を決めるようになる成長が見えた点が良かった。

 劇中のリアル時間は23世紀だが、トモルはレトロ好きで、20世紀の文化が好きという殊勝な趣味を持っている。レトロ好きな近未来青年とか好感が持てる。どこか混沌としていて、それゆえスリルある時代だった20世紀を古き良き時代と考えているトモルは、23世紀だったら変わり者青年なんだろうな。

 

 若かりし頃の山ちゃんこと山寺宏一が若い少年のトモルを演じているのが印象的。戦士オーガンとトモルの一人二役を担当し、それぞれ違った芝居を見せていたのが良い。

 

 当時はまだまだキャリアが浅く、今ではすっかり有名になった声優陣が出演している。声優好きとしても楽しめる。

 イバリューダー側を演じた声優には、若本規夫内海賢二らザ・敵の声(しかも立場上な感じ)を持つ面々が見られた。

 

 3話しかないが、神先未知、美剣陽子のツインヒロインで魅せる美的要素にも注目できる作品だった。絶妙に色っぽく、またはエロティックなんだよな。ツインヒロインそれぞれにシャワーシーンのサービスカットがある点も良かった。

 

 若き天才科学者という振り切ったインテリの未知に対し、陽子は女性ながらも男共を束ねるバードマン隊の頼もしき隊長であり、おまけに一人称が「俺」の荒いヒロイン性を持っている。このようにヒロインの属性が両極端になっている。そんな真逆のヒロイン性それぞれを楽しめるストライクゾーンの広さを持っているのがこの私だ。というわけでどちらのヒロインも楽しめた。

 陽子を演じた篠原恵美の美声で荒い感じの女を演じられるとキュンと来るものがあった。未知を演じた冬馬由美の落ち着いたお姉さん感ある美声も良き。

 

 20世紀の雰囲気を味わうため博物館見物を趣味にしていたトモルが、ラストシーンでは語り継がれる過去として博物館の資料に載っている。トモルお気に入りのジャケットが展示されていたことから、恐らくトモルは激闘の果てに召されたのかと予想出来る。そこは皆まで映さない演出になっていた。平和が訪れてのエンドだが、哀愁もありのシーンだったのが印象に残る。

 

 各話エンディング曲は平沢進が担当している。魂への問いかけが見えるNO BORDERな音楽性には引き込まれるものがあった。そんな謎の魅力を持つ音楽家だと想う。各エンディング曲にも集中してしまう。

 

 スパロボWでも使われているオーガンの戦闘時BGMも格好良かった。

 

 

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