こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

これで最後のやってやるぜ!「超獣機神ダンクーガ 白熱の終章」

超獣機神ダンクーガ 白熱の終章」は、1989年から1990年にかけて発売された全4話のOVA

 

 テレビシリーズ開始から足掛け約4年程続いたコンテンツのダンクーガもここでその名の通り終章となる。意外にも人気だったんだ。

 

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 宇宙より新たなる侵略者「ディラド」が地球に攻め込んでくる。植物の力を扱い恐ろしい作戦を展開してくるのだ。

 

 敵はウイルスを撒いて人間を植物状態にしてしまう。リアルでも病院のベッドにいる患者の状態ではなく、本当に体から植物が生えて死んでしまう植物状態だから怖い。我らが式部雅人もその餌食になる寸前にまで追い込まれるのが残念な要素。

 

 これを討つため、一旦は解散した獣戦機隊が再結成される。そして悪も再びということで、実は生き残っていたシャピロの奴も敵側に着いて再登場する。

 そんな色々見所ありの白熱展開が楽しめる最終章だ。

 

 前作OVAでしっかり男女関係が出来たと思った忍と沙羅は依然揉め中であり、最初は忍の行方だけがはっきりと分からない。てっきり結婚したのかと思えばまだ揉めてたのか。リアタイでOVAリリースを待っていたファンはいい加減にくっつけって思ったことだろう。

 そんな二人の男女関係がまだ揺らぐ中でシャピロ再来なので、この三角形がちょっと楽しい。

 

 このシリーズで注目なのは雅人とシャピロの同行。

 前作OVAで亡くなった父の事業を引き継いだ雅人がしっかりと社長になっている。あのガキがこんなに成長したのだと感心もする。

 で、気になるのはローラとはどうなった?ということ。雅人の会社の事務机の上にローラの写真があるが、本人は出てこない。多分別れて、それでも未練はまだあるので写真は処分出来ない段階なのだろう。可哀想。

 スパロボでは、初代ローラの中の人の藤原理恵がアイドルグループに入ったことから、ローラもどこかのアイドルチームに入って愛の事情が変わったという聞けば納得できるネタが盛り込まれている。ローラは可愛いから高嶺の花だったか。

 

 そんな傷心からか、雅人は本作で登場するゲストヒロインのマルテに恋をし、デートにまで漕ぎ着ける。がしかし、そのマルテが敵側の出の女で、人間を植物化する怖いウイルスを持っていると判明。感染の恐れがあるということから、雅人は冷凍光線で氷漬けにした上で隔離されてしまう。これも可哀想な処置。

 

 4人の心を一つに戦うダンクーガなのに、雅人がいない事で本領が発揮できない。これはピンチだ。

 そこで登場するのが若本氏の渋い声が映えるシャピロ。最初は敵の女王様達と仲良くしていたが、所詮違う星の人間ということで、手酷く捨てられる。手負いのシャピロを拾った沙羅が、シャピロをランドライガーに乗せようと提案。まさかの新4人体制に変更してラストバトルに臨むことになる。

 シャピロは制作サイドにかなり気に入られていたのだと思う。地球を裏切って異星人側に着いた彼を、最後は英雄にしてエンドに持っていった。ていうか、もしかすると若本氏が好かれていたのかもしれない。

 

 ディライドにはボスの女王様のディオレ、その両腕となるイケメン幹部のアベルとケイムがいる。

 アベルを若き日の山ちゃんこと山寺宏一が演じているのも注目ポイント。この頃だとまだまだ新人の名札が取れない時分だろう。声が若い。 

 そんなアベルからはめっちゃ嫌われているシャピロだが、ディオレには入浴中のお部屋にも普通に招いてもらえる程気に入られ、ケイムには同性の友情を越えたガチの愛を注がれている。

 沙羅でもローラでもなく、敵ヒロインのディオレが入浴シーンで乳首解禁しているのは印象的。そしてケイムがシャピロを愛しているというBL要素を盛り込んだ点も斬新。白熱する新要素がここにある。

 

 ライガーに乗り込んでダンクーガのパワーを十分に引き出したシャピロは、裏切り者の過去が払拭されるくらいに地球人類存亡のための戦いに貢献した。シャピロの株が上がる作品にはなった。

 そして脱落した雅人は最後まで冷凍状態で復活ならず。そこを描かず終わるのか?とビックリした。

 これについて雅人役の中原茂は何を思ったのだろう。俺の演じた役は女に振られ、次の女は敵側の女というハズレくじで、冷凍されて終わりなのか。そんなのあんまりじゃないか、くらいに思ったのではなかろうか。

 そんな雅人は、この後を描いた小説版では復活するらしい。そこだけは安心したな。

 

 ディライド側のロボットのデザインは他シリーズとちょっと違ったグロテスクな感じもあって気に入った。ちょっとオーガンの敵みたいな感じもあった。技はテッカマンブレードボルテッカみたいなのをぶちかましていた。

 そういえばケイムは、中にシャピロがいるとは知らずにシャピロが乗ったダンクーガに討たれたんだな。これを思うと悲しくも切ない戦いだと思える。

 

 今回獣戦機隊を指揮する新しいボスはドイルという厳しい軍人のおっさん。前任のイゴールのオヤジの親戚らしい。

 終盤では敵に特攻し男を上げて死んでしまう。イゴールのオヤジ、アランに続き、この血筋の男達は自己犠牲を払っても正義のために尽くすという魂の系譜を見せてくれた。

 

 終盤の作画が微妙にふやけていた感もあったが、4話で見やすくまとまっていて結構楽しめた。ローラ好きとしては寂しいが、これも終章の形として受け入れよう。

 

 これにてダンクーガBD-BOX完全しゃぶり尽くし完了。楽しいアニメだった。ダンクーガはマジで格好良い。

 

 あとこれを見たことで、藤原理恵の歌うテレビシリーズOP曲「愛よファラウェイ」がとても好きになった。切なげボイスで強い心を歌うこの感じは胸にぐっと来るものがある。

 スパロボではEDの「バーニング・ラヴ」がダンクーガの戦闘BGMになっている。なのでこちらがOP曲だとずっと思い込んでいた。当時を知らずスパロボで知った勢は皆勘違いしていることだろう。

 

 そういえばダンクーガノヴァという本作の魂を受け継いだ新作がこのずっと後に作られたのだが、そちらは恐れ多くて見ていない。いつか見てみようと思う。

 

 

 これからもアニメ好き人生をやあぁってやるぜ!

 

 

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