こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

ちょっと萌えな新生ボトムズ「装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE」

装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE」は、2010年にボトムズ関連イベントで発表された作品で、2011年にはパッケージ化された。

 

 時は10年代に突入し、ボトムズアニメも進化を迎えることになる。

 そこで、新生ボトムズ3部作の製作が決定した。決定したからにはきっちり作る。

 10年前のこのプロジェクトを今になってやっと見ることが出来た。

 

 まずはキリコが主役のあのボトムズではなく、共通の世界観を持つ別物の派生作品Case;IRVINEがドカンと発表された。

 

 新生ボトムズ3部作の一発目のCase;IRVINEから視聴。

 

装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE

 

 タイトルロゴがピンクだしお花も見える。新生ボトムズはなんとも華があるではないか。

 

 主人公はAT乗り青年のアービン。

 お話の主な舞台はテレビシリーズのウドっぽい所。そこそこに治安が悪く、飢えたパンピー共が群れている。そんな連中が魂をたぎらせて楽しむ娯楽が、あのバドリングである。10年代に突入しても、人はバドリングに胸踊らせるのだった。

 

 アービンは雇われファイターとしてバドリングに出場して稼ぎを出している。そんな彼の請け負う特殊な役割とは、いい感じの所でそれっぽく負けるいわゆる八百長ファイターというやつ。賭博師からは需要があり、プロ精神を持つ全てのプレイヤーに嫌悪されるけったいな商売で稼いでいる。

 

 やはりボトムズということで、主人公のアウェイ感とロンリー感がよく見える作りになっている。

 キリコやメロウリンクのように、アービンもまたとある部隊の唯一の生き残りという共通の過去を背負っている。

 激戦の中で窮地に立たされた際、生き残りたい本能から取ったアービンのアクションは実にシンプルだった。自分以外のその場にいる者は敵味方関係なく全消しする。そうなればとにかく生き残れる。かつてアービンは大量殺戮に加担してしまった重い十字架を背負っている。

 なんかんだの戦士の因縁から、結局戦うことからは離れられない。だがトラウマから人を殺すことは出来ない。折衷案で取ったのが、わざと負けるインチキファイトだったのだ。

 そんなシリアスな過去を持っている。

 

 八百長が許せないもう一人のAT乗りのペイガンは、執拗にアービンに迫ってくる。トラウマを乗り越えて、迫るペイガンを何とかするアービンの魂の戦いが描かれるのだ。

 そんな内容をさっくり40分くらいに収めた作品だった。

 

 まず印象的な点はバトルシーン。「ペールゼン・ファイルズ」「幻影篇」ではロボットバトルがCGだったが、今回は張り切った手描きで戦っている。CGが悪いことはないが、手描きだとまた違った魅力があり、こちらの方が良いな。アクションがとにかく格好良いんだよな。

 

 バトリングの会場をぶっ壊して外に飛び出し、街全体をフィールドにしてアービンとペイガンはガチバトルを展開させる。 

 銃だけでなく、アービン機が高い所からライダーキックをかます格闘バトルも良い。ペイガン機はそんなのずるいやろって思えるデカイアームマシンと合体してバトルに臨む。

 最初の方だとペイガンは真剣勝負にこだわるただ真面目な戦士に見えたが、後半だと妄執的にアービンとの勝負に拘る狂戦士感が見えた。怖いな。

 

 新生だけあって、大きく異るのは絵柄。キャラ絵が「舞-HiME」じゃないか。この画は良いな。

 アービンの妹のドナ、バトリングの元締めのお嬢様のイシュルーナという萌えなヒロインもいる。こちらのボトムズはむさくない。ボトムズに萌えヒロインというのは新しい。

 

 ドナの髪型はすごいな。ノンスタの井上的な髪型をしている。ボトムズにピンク頭のヒロインとは、これは確かに新生だ。 

 アービンは戦士の孤独というトラウマを抱えているが、救いとなるのは妹の存在だった。兄想いのドナがアービンの心の支えになっている。兄妹の絆が見える点は美しい。豊崎愛生の気の強いガキ声も可愛い。

 テレビシリーズ序盤回の次回予告で「ウドのコーヒーは苦い」と銀河万丈がナレーションで教えてくれている。あれのオマージュということで、本作で描かれるウドっぽい街のコーヒーも相当苦いらしい。そんなわけで、アービンが妹にコーヒーを頼む時には、めっちゃ砂糖を入れてもらっている。兄にコーヒーを淹れてくれる妹とかええやん。ちなみに私は、ミルクはいいとしても、コーヒーに砂糖は逆に味わいが損なわれるタブーとみなしている。もちろん個人の自由だから、異論は大いに認めるけどね。

 

 イシュルーナも可愛いしセクシーで良かった。巨乳で落ち着いた妖艶なヒロインで来るのかと思いきや、だんだんと間抜けなシーンもありで、結果としては残念系ヒロインだった。このビジュアルで中身はちょっとポンコツという見せ方はユニークで好き。演じた遠藤綾の声がやっぱり良い。

 

 アービンのトラウマを描く過去シーンやペイガンの最後では、結構な量の血を見ることになる。そういうのが弱い人は注意かな。

 

 あとはおまけのピクチャードラマがかなりサービスショット多めだったのも印象的。ドナとイシュルーナの女子二人のお風呂シーンだけをお届けするもので、ここだけを見るとあのむさいボトムズだとはとても思えない。

 そういえば「舞-HiME」やサンライズアイマスの円盤にもこのようなサービスショット多めのピクチャードラマがついていたなと思い出す。サンライズアイマスのBDもいつかはリリースして欲しい。待っているぜ。

 

 ボトムズを冠するが、見た目はかなり別物な感じがする新しい一作だった。これはこれで楽しめて良かった。挑戦する心は割と前向きに応援したい人間なので、新しすぎて受けつけないということもなく普通に楽しめた。

 そして八百長はやはりしっかりと褒めらた行為ではないので、よろしければ本など用意せずの自然な流れで物事の勝敗は決して欲しい。そんな事が思える作品だった。

 

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