今年でアニメ放送10周年を迎えた作品はまだあった。当時を懐かしんで振り返ろう。
この年はクソアニメがわんさか出てくる事もなく、安定して楽しめる物が多数の結構平和なアニメイヤーだったんだな。
ありがとう2012年。
氷菓
文学とミステリーを組み合わせた上質な一作だった。アニメーションを担当した京アニの腕前も中々のもの。実はこっそりと実写化もした人気作。
やる気のない主人公少年と何でも気になって知りたがるやる気マックスのヒロインという正反対コンビがメインキャラだった。
眠そうな顔をした省エネ人間な主人公 折木奉太郎を演じたのは中村悠一。同じく京アニが手掛けた作品「CLANNAD」でも主役を張った彼がまた京アニ作品主役に帰って来たことが嬉しかった。CLANNADでは便座カバー発言で有名な春原くんを演じた阪口大助が、こちらでも主人公の悪友ポジキャラで参戦しているのも見所。
えるちゃんがよく言う「わたし、気になります!」は、一部のオタク世界を飛び出た割りと広い範囲で流行ったワードとなった。えるちゃんがめっちゃ可愛いのだ。
黒子のバスケ
コートでは黒子に徹して他の選手を輝かせる。そんな裏方スタイルでコートを支配するバスケの魔術師 黒子テツヤの青春物語が展開する。
コレがもう10年前とか時間感覚がバグるぜ。昨日始まった旬のバスケ漫画って感じだったのにとっくに古い作品なのな。
スーパー戦隊のごとくカラーリング分けされた(髪色と名前)「キセキの世代」のメンバーの存在に熱いものがあった。スポーツ作品だけど中二が喜びそうな超人の括りを用意してくれているのは助かる。
最強5天王的ポジの連中とは同期だけど選考漏れしている第6の男として主人公を配置しているのが味噌だな。最近のなろう系とかで言うと出だしはちょっと良くないけど、後に成り上がっていくみたいな感じにも見える。
ミスディレクションという見た目としては地味な一風変わったトリックを盛り込んだバスケ技を使う黒子の設定は斬新。
キセキの世代連中の必殺技や異能力めいたスキルも楽しめる。緑間のどこから打ってもスリーポイントは怖すぎる。湘北の三井さんより強いじゃないか。
今思えば小野賢章、小野友樹、小野大輔と小野軍団がこぞって出演していた。この時には誰にも見えていない未来かもしれないが、後に3人の小野全部がジョジョ各章の主役を演じることにもなる。この流れもまた一つのキセキ。
TARI TARI
花江夏樹や瀬戸麻沙美の名前と声をセットできっちり覚えたのは、この作品がきっかけだったはず。皆この時は若く経歴が浅いことから今ほど名前が無かった。
男女で集まって合唱部をする話。その中で各員が青春のあれこれの楽しい事、揉め事も経て成長していくという爽やかなやつ。
この年には「ココロコネクト」という青春群像劇アニメもあったが、あちらはちょっとダーク要素もありなので、もっと爽やかで行きたい人にはこちらを勧める。どっちも楽しいけどね。
実際に男女声優が合唱するシーンもあり。歌唱力が求められるコンテンツだった。合唱も良い感じだったのでCDも聞いたものだ。
一人バド部だった田中くんの青春は忘れられない。相手がいないからずっと壁打ちしていた。あれを見るとなんか応援したくなる。
メインの若者各員の物語を追う爽やか群像劇ではあるが、今振り返ってみると紗羽のおっぱいターンにだいぶ記憶を持っていかれていると気づく。タッパと胸がデカいことで不向きだが、それでも頑張って騎手を目指す彼女の青春物語も応援したくなるものだった。お寺の娘という設定も印象に残る。
ジョジョの奇妙な冒険
現在は第6部が展開中のジョジョテレビアニメ化プロジェクトだが、その熱き血の定め開幕の物語となった第一部「ファントムブラッド」はこの年に放送された。
散髪屋、ラーメン屋に単行本が置いている関係で、パラパラと流し読みくらいならしたことはあるが、別になんとも思っていなかった。その程度の思い入れで気合の入ったアニメをしっかり見るとバッチリハマった。これは面白い。以後6部までずっとアニメを見ている。
ディオがジョジョに先んじてエリナの唇を強奪するズキューン事件は、印象的なシーンとして未だに記憶に残る。屈辱の接吻後には、泥水で口をすすぐエリナの姿が描かれ、それを見たディオがガビ~ンってなっている。あそこのシーンが好きすぎる。子安武人がテンション高くディオを演じるのが好きだったな。
この泥水で嗽を行うシーンは、翌年放送した全然関係ないラブコメアニメ「俺修羅」でもネタとして出てくることになる。色んな人から好かれるインパクトの強いシーンらしい。
リトルバスターズ!
いつも後手に回り、すっかり人気が出てテレビになるまで多くの原作にノータッチの私だが、この作品は先に原作ゲームをしっかり遊んで知っていた。恐らく人生において初めて先に原作に触れた状態でリアタイしたアニメがリトバス。漫画もゲームも安くなった中古で買うからテレビより先に知るのが無理なんだよな。そんなわけで思い出深い。
キャラ、ストーリー、楽曲のどれもが楽しかった。ヒロインズは皆面白いし可愛い。
ゲームはめっちゃやり込んだなぁ~。当時のパソコンはマジゴミスペックだったから、野球ミニゲームの途中でよくフリーズしてたっけ。
ゲームでは主人公、複数のヒロインを民安ともえが兼役で演じていたが、それでは彼女の負担が大きすぎる。そんな訳もあってか、アニメ版の主人公は堀江由衣が担当した。堀江由衣の男子声も珍しい。
男女グループの友情をメインに据え、そこから恋愛にも発展していく爽やか青春物語が描かれる。この点にワクワクとキュンがあって良い。
皆で野球をやったり、その他何でもおバカで楽しいことをやっていくのが良い。友達とマジでバカをやるこの時だけの人生の味わいがあり、それが見えるのも良い。大人になってもやっていたら捕まるしね。
というわけで私のような青春大好き人間にはとてもおすすめ。
小毬ちゃんのアリクイパンツや真人の筋肉ネタは忘れられない。
OP曲とED曲も良かった。
人類は衰退しました
コレ、すごく良かった。
可愛い絵柄で妖精が出てくるというファンタジーだけど王道ものではなく、曲者要素もたっぷりで結構笑える。
今みたいにおかしなC級ファンタジーが横行する時代ではなかったので、今振り返るとこういうまともに見れるファンタジーも珍しく貴重でありがたい。てなわけで好きな作品。
タイトル通り人類が衰退した状態の世界が描かれ、やんわりと終末系な感じが漂っている。人類が衰退した後に地上人代表になりそうなのは妖精である。そんな人類が減って妖精が謎に増えた変な世界で起きる変な騒動を描くものである。揃ってバカ面の妖精達が可愛い。
主人公女子の名前は「わたし」。他のキャラも助手とかじいさんとかで、はっきりとした固有名詞がない。中原麻衣がテンション低くも色んなノリに対応出来るメンタル強めな主人公少女を演じた点も良かった。
走り回る加工鶏肉事件、終わりかけた世界でロストテクノロジーになりかけた同人誌ブームを復活させるなど、各種クセのあるエピソードが楽しめた。鶏肉が動き回るヤツの絵面はインパクトが強くて笑った。
ギャグで見せるターンは多めだが、たまにブラックジョークもありで大人向けなファンタジーだったかもしれない。
キャッチーなOP曲に合わせてキャラが踊る「衰退ダンス」は当時プチブレイクしたという。私も家でやっていた。
男子高校生の日常
見れば分かるが、非常にアホくさい男子高校生の日常を淡々と描いて行くもの。男子高校生とはバカなものであるという生態を理解していないと書けない代物かもしれない。というわけでおバカな学生バンザイ。
バカアニメだけどこのノリは大好き。非常に笑える。それから声優が謎に豪華。
主人公の扱いについては「ゆるユリ」形式を用いており、主人公でありながら影が薄く段々出てこなくなる。その不憫な扱いが逆に記憶に残る。
男子高校生だけではむさくていかんと思っての対策か、各話終盤には「女子高生は異常」という女子メインの枠も同時展開していた。男子達もかなりバカだが、女子は女子でまた種類の異なるおバカをやっている。女子高生を見ても楽しめる作品。こちらはちょっと可愛いギャルが出てくるので癒される。
女子サイドのキャラでは、文学少女という頭だけでなく物理面でもタフな面白キャラが登場した。このキャラだけでも見る価値がある。りんごちゃんというパワフル女子も可愛い。
知る者は少ないだろうが、こっそりと実写化もしている。
輪廻のラグランジェ
可愛い女子達で行うロボアニメ。
全然知らんけど、実在する鴨川という土地が舞台。放送年が同じだったことから、ガルパンとセットで地域密着系アニメとして思い出すのがコレ。まぁ地域を盛り上げた度合いは作品それぞれで違いはあったらしいけど。
ぶっちゃけお話の方は何をやっていたのかあまり覚えていないけど、ヒロインが可愛いからなんとなく楽しく見ていた。
石原夏織が可愛く演じた主役ヒロインのまどかが手で○を描いて「まるっ」と言うやつがこの年のぷち流行りワードになったことを私はまだ覚えている。コレが地味に好きだった。
主人公達がジャージ部とかいうジャージを着て何でも屋みたいなことをやる部活集団に属していたのが笑える。
しろくまカフェ
これは可愛くて癒やしだった。
しろくまが喫茶店を開いてコーヒーを出してくれる。そこに動物達が集まって楽しくグダグダやっているアニメ。
動物うんちくが聞けることでちょこっと教養もある。コーヒーと動物に絡めてのうんちくもありで、とある動物の糞が上質なコーヒーになるという事も学べた。コーヒーと動物、共に奥が深い世界である。
とにかくいつもやる気のないパンダくんが面白くて可愛かった。
緩くて見ていて疲れないギャグ展開が続くものだった。動物たちは普通に可愛い。動物キャラを演じる声優達が謎に人気者揃いだった。
宇宙兄弟
ものすごくまともなアニメだった。毎週楽しかったぜ。
サッカー好きならまず知っているという「ドーハの悲劇」の日に生まれたモジャ毛の主役むっちゃんが、弟の日々人に次いで宇宙飛行士を目指すお話。
弟の方が先にデビューしているが特徴的。むっちゃんがすっかりおっさんになってから宇宙を目指すというおっさんサクセスなのも珍しい。
内容として宇宙飛行士デビューまでの試験や特訓を描いている。これを見るのは面白い。でもかなりキツイ事ををやっているな。
宇宙は生命の誕生の地であると同時に無でもある。そんな無なる空間に慣れるための特訓として何もない空間に閉じ込められる。そこでは意味のないデタラメな文字列をパソコンで入力する、完成しても絵にならない真っ白なパズルを組むなどの精神的にかなり来るキツイ試練を与えられたりもする。こういう事をやるのか~と分かり、それまでなんとなくでしか知らなかった宇宙飛行士のことが分かってくる。教養があるぜ。
宇宙の事を抜きに人間ドラマとしても描き方が秀逸だった。登場する人物各員は非常に味があり、内容の濃い人間性も見える。最近よくあるシナリオも人間もすっからかんのラノベとはそこが違う。
そしてメインの兄弟の間にある兄弟愛がとても美しい。宇宙遭難事故から閉所恐怖症を発症した弟を元気づけるために兄が送ったエールにはグッとくるものがあった。
名言の宝庫なアニメでもある。味のある人間達が、その人生の中から絞り出した各種格言が聞ける点も見所。
この中に1人、妹がいる!
この年には「パパ聞き」や「おにあい」も妹枠として楽しめた。「おれいも」のヒットを受けたあたりから、妹アニメが活気づく時代が到来した。これは良き流れ。
その中で世間的にはマイナーかもしれないけど私としてはお気に入りな妹枠が通称「なかいも」だった。
主人公が通う学園には可愛い子ちゃんがたくさんいる。複数人の可愛い子ちゃんの中には、生き別れた妹がいるらしい。
そんなわけで、まずはヒロイン達といちゃつくいつものラブコメを楽しめる。加えてその中で妹を探すという少しのミステリー要素も味わえる。これはお得構成なアニメだ。
程よくエッチで変態臭いこのバランスがベストと言えるアニメだった。ヒロインは可愛く、曲者も多い。
StylipSが担当したOP曲の「Choose me♡ダーリン」は未だに聴いている名曲。OPアニメも楽しく、5人のヒロインが交代交代で主人公とダンスを踊るシーンがすごく好き。
メインヒロインを演じた佐倉綾音、石原夏織の二人がMCを務めた番組ラジオ「このラジオの中に1人、妹がいる!?」も聴き応えのある楽しい時間だった。作品を知らない人間なら初見で絶対に「何を言ってるんだ?」となる番組タイトル。
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というわけで10年前の振り返り終わり。
振り返ることを終えたなら、ここから再び先に広がる未来を目指して行こう。
日本アニメに幸あれ。
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