こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

急にオタク化した知人に困る

 困った。ここ2,3ヶ月で知人が急にオタク化した。

 

 そいつはそれまで特に目立った趣味を持たず、強いていうなら「寝るのが好き」くらいのマジでつまらんアンサーしか人生の中に見出すことが出来ない朴念仁だった。

 それが年明けくらいからゲームにアニメにフィギュアにと、まんまオタクの事をするようになった。

 周囲の人間が見るに、急な変わりようからとある一晩でキャトルミューティレーションされたのではないかと噂が立つくらいヤバくなっている。

 

 本来なら同志が増えた事でウェルカム事案なのだが、なんかそれも違って来た。この私がこの知人にちょっと困らされている。

 

 新しい趣味に目覚めてその門をくぐれば、遥か先を歩む先達の私がいる。遥か先にいたって人は簡単に交信が出来る。それを可能にするのが電話だ。こいつが困った事にとても便利なのだ。

 沼った世界に共感できる仲間を求めてとにかく語りたい。それも一方的に。

 というわけで彼は暇さえあれば暇無き私にTELしてくるのだ。これはうるさいし困る。

 それが現在そいつを困ったさんにさせている心理状況なのだ。

 

 分からぬ。いい年してアニメもゲームも門外漢だった者がある日突然こうなるものか。

 ヤバい勢いでめっちゃ諸々のグッズを買い漁っているのだ。昨日までミニマリストだった者の部屋を改めて見てみればフィギュアやゲームが山のよう。正直引いた。

 私がそういう空間創りが好きなのに、客観視するとこうもなんというか引くと言うか、まぁぶっちゃけキモいのだが……。まさかそんな事を思うようになるとはな。

 

 これは気づかなかった。私は静かなるオタクとして一人で黙々とあれこれを楽しんで来た。たまには仲間で集まって価値観の共有だってもちろん有意義だとは思う。しかしベースは一人だ。一人で打ち込むからこそ真に良さを追求できるし、そもそも一人の方が捗る内容の趣味だし。読書や音楽やアニメなどは複数人で取り組むと邪魔のしあいになるだろう。

 そうして一人で色々やっている人間が、ちょっと一呼吸して人の振りを見ると、結構ヤバくてびっくり。これは同族嫌悪というものなのか。いや根本的に彼と私は違うと信じたい。

 

 ジャパニーズオタクカルチャーは世界を相手に戦えるものだ。つまり強いし格好良いし素晴らしい。基本的に死角はない。完璧に近い文化、いや文明なのだ。

 それをスキスキ言うならスキモノとして上位にあるわけで否定すべきものではない。

 でもね、我々のように赤ん坊の頃から同じテンションで長年やって来たならともかく、大人になって急に来るとなんかおかしいのではないかと心配にもなる。

 今まで知らなかっただけというわけではないはず。彼は私の人生を横目にしているのだから、そういう世界があること、内容だって結構知っている。それが急にこうなるものか?

 

 ここで私は急速オタク化に対して精神的に何か問題が出ているのではないかと疑うようになった。

 確かにアニメやゲームを語れる仲間が増えたのは嬉しいことだが、こうもガツガツくるのは何かよくない。美しくない。

 もしかすると、単純に遅れて良さに気づいたという前向きな見解だけでは終わらず、心理的に強めな負荷から逃避する先としてこちらを選んで入って来てはいないか?そこまで思ってしまう。

 

 最近彼は鬼コールを鳴らして私を困らせる。私が現在放送中のアニメを見ている時、古のアニメをBDで見ている時、そんな時に鳴らされると結構ムカつく。

 勘違いしてもらいたくはない。アニメを見ている私は暇人ではないのだ。ただ人よりも時間を作るのが上手いだけの話で、持ち時間は皆が一緒、私には暇な時間などまるでない。ていうか義務教育も始まった頃から今日まで「暇」という時間を持たなかったことから、その感覚もどんなものか分からない。それくらい日々何かやっている。振り返って見れば回遊魚のような人生だったな。

 

 でも電話に出てあげないと可哀想というのも確かにそうなのだ。はっきり言ってオタクに走っているよりは逃げ込んでいる彼にとって私という存在は精神的駆け込み寺である。ここしか話を聞いてもらえる先はない。そこで私が本心をぶちまけると関係は悪化する。それはバカでも分かること。

 彼との関係は崩したくない。実は色々あって付き合いにはメリットがある。こちらは確かに打算もあって動いているが、単純に真心として突き放すのはこちらの心が痛む。

 私が話を聞いてあげなかったことで、彼が精神を病み暴走して何かもっとヤバいことになったら可哀想だし大変だ。

 この私は言いたい事ははっきり言うタイプで基本的に黙っている事に待ったをかけない。でもこういう事情があればこうだからな。

 やれやれ、私ってば愛が重い恋人と別れようと思いつつも、そうすれば相手はまるっきりの孤独になって精神を病んで可哀想~とも思ってなんだかんだ世話を焼くお人好しだったようだ。この性分ははっきり言ってお得感が少ないとは思うが、仕方ないよなぁ~。

 

 こうして呑気にブログを書いている間にも電話が来て「~~のフュギュアがすごく良い!」とか求めもしない感想を言われるのかと思ったらやれやれだぜ。

 短いスパンでめっちゃグイグイくるあの感じをみると、まるで人生で初めてエロ本かエロビデオを知った中学生の勢いだから引くなぁ。

 我々のようにじっくりゆっくりしっかり楽しむのがオツってものだと思う。こういうのは時間こそが周囲に向けてのライセンスになるから、ある日急に、しかも大人が染まると周囲からの反応が悪い。彼も周囲から結構文句を言われている。実は彼の関係者から私の所に「やめさせてくれ!」と依頼も入っている。

 対して私は落ち着き弁えたフルオープンオタクを長年やっているから、今更やめたらそれはそれで「死ぬのか?」と周囲が心配するレベルである。可視化されないものだが、オタクにも上位階級とか下位のなんとなしの序列ってのがある。私は自他ともに認めるやり手だ。

 

 う~む、しかし困った。

 我々のように冷静にじっくりしっかり楽しんでコンテンツを吟味しているという落ち着いた段階には程遠く、本当にエロ本を初めて読んだ中学生のガツガツテンションでオタク関連コンテンツをしゃぶり出すから良くない。新しい趣味を見つけたという感じではなく、まるで幼児返りのようにも見える。大丈夫なのかな。まぁ知らんけど。

 

 金の注ぎ込み方もヤバいから沼ハマりからの依存症も発症しているのかもしれない。

 でも案外冷めるのも早く、失う物を失ってから「自分、何やってたんだろう?」と己を客観視して冷め尽くす日も近い内に来るかもしれない。

 

 今回思ったことは、大人がガツガツ節操なくオタクコンテンツにはまり込むのは何かみっともないということ。

 例えるならワインソムリエの感じで、味わいの深みを掴んで真の良さを解き明かす。みたいな落ち着いた楽しみ方をして欲しいものだ。

 

 オタクってのも冷静にやらないとダメだな。考えれば全ての趣味ってのは落ち着いてその楽しさを味わってこそ良さがある。今日昨日入って来たオタク童貞の暴走は美しくない。

 

 諸事情もあることから、思う事はたくさんあれど今回の事はリアルで口には出来ない。なのでモヤモヤのはけ口としてココに書き殴った。

 こうなるとはてなブログ様々だな。書くことで私の心の荒れも癒えた。

 まぁオタクをやるなら慎重にね。

 

 

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