こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

アニメ「おおきく振りかぶって」また見てみた

 年末だな~。大詰めだぜ。もう2024年へのカウントダウンもやかましく響く中、年内ラストも呑気にブログを書く。これが叶うのが平和と幸福ってもんだ。

 じゃあ年内ラストデーもアニメと共にってことで、いつも通り元気にアニメの事を書くぞ~。

 

 この度「おおきく振りかぶって」をYou Tubeで全部見た。

 年内いっぱいの31日までアニメ1期、2期が全部フルで無料視聴出来た。これは懐かしいので年末の貴重な時間を割いて見る分にとても良い!

 

 アニメ放送10周年の時にはBDボックスが出た。それを見たのがだいたい5年くらい前。そこから再度視聴したがしっかり面白い。良い具合に記憶も薄れて古いけど新鮮な思いで見れた。しかしそんだけ時が経ったのか~。マジに早いものだ。

 

 絵が綺麗で可愛い。画面を見れば新しい感じもするが、これも00年代後半作品なのか。今見ても十分面白いな。一気見しても全然疲れなかった。

 ていうか今期やっていた一部アニメと比べても絵が綺麗だし、シナリオは時と関係なく面白い。

 懐古主義な部分もある人間だから昔のを推しちゃう都合もある。でも比べちゃうと昨今の作品は新しいくせして作りが情けないこと~と嘆くこともあったりなかったり。

 

 最近の作品ほどインテリジェンスがないものが多いと感じる中、懐かしのおおぶりは頭の良いアニメだった。そこが目立って印象的。

  

巨人の星」や「侍ジャイアンツ」の暑苦しいノリ(←それはそれで愛しい)に慣れた人間からすれば、おお振りがすげぇ地味な野球アニメに見える。でも野球という競技を理論で紐解くお勉強要素が斬新で楽しい。

 頭をサルのチャンネルにして球を棒で打って取る。そんで走る。←決してこんなバカな理屈で全部が済む競技ではなかった。それが分かる作品。

 

 戦略を絡めた競技者心理が濃く描かれていて、コレコレだからココではこのプレイが有効というのが見えてくる。キャラによるそこらへんの説明が丁寧。

 

 私の野球経験といえば、遊びで野良プレイをしたり人数合わせでヘルプに入るくらいで本格的に打ち込んだことはない。まぁこうしてオタク趣味をしていれば球や棒を握っている時間なんて無いわな。

 しかし思った以上にやっている人間は練習でも実践でも色んな事を考えているのだな~と分かって感心。これは理論の競技なんだな。

 

 打つ、投げるのテクを磨くのは当然のことだが、その他に瞬間的判断力を磨く脳トレみたいなこともやるし、顧問の先生は瞑想や心理学を用いたリラックス法なんてのも教えてくれる。物理の事以外でも選手を磨く変わり種な特訓内容が見られた。

 ランダムに並んだ数字を数の少ない順になるたけ速く見つける訓練とかは私の得意なヤツ。多分田島くんくらい早いはず。でも田島が一回見た対戦スコアを覚えるアレは真似できない。見つけるのは速いが記憶するのは使う脳が違うんだな。

 

 キャラも良い。やはりなんだかんだ第1の看板はヒロインのももかんじゃね?

 主役は選手達だけど、格好良くて可愛くておっぱいがデカい女監督の存在に初見から惹きつけられる要素がある。タイトルの「おおきく」もそこのことかな?と多分違うはずだけど、結びつけて印象深いものになってくる。

 しかしものすごい逞しい実りでなにより。意図せず自然発生する物言わぬパイ圧で相手チーム選手がビビっている描写もあった。聖なる膨らみはやはり強しということかぁ~。

 

 23歳のイケてるギャルのももかんが握力で絞った果汁マックスオレンジ汁は皆飲みたいと思うはず。花井くんも大人しく飲んでいた。

 女だからと当初舐めてかかっていた男子達も、すぐにボスとして認めてついて来るようになる。人間力と女子の魅力、そして野球のノウハウを知っていることで人望を集めるももかんが素敵過ぎる。

 クソ暑い中でクソしんどい特訓が待っていても、グランドの華があれば毎日楽しそう。

 多くの男子ユーザーにとってコンテンツの入り口はここになったのではなかろうか。それと女子マネージャーも超可愛い。福圓美里の献身的マネージャー声も良し。

 

 このアニメは女子が可愛い。花井くんの妹ズも可愛い。試合応援に来るママさん達もおばさんなのに皆感覚が若く、元気にキャプキャピはしゃいで可愛い。おばさんまでやんわり可愛いのは作者のスキルがすごい証拠。

 

 キャラ自体や各員の関係性に見るリアル感も良い。 

 三橋、阿部くん、花井くん、田島あたりのキャラ性が良いな。親近感と愛着が持てる。

 

 なんといっても作品に終始付きまとう三橋のウジウジ感はすごい。突き詰めたウジウジ感がある。

 前に見た時にはそこまで気にならなかったが、今見ると私も人生経験からウジウジを学んだのか、めちゃ気に障る。

 こいつヤバいな。ここまでのコミュ障を描き込む作品もそうそう無いぞ。コミカル要素として全振りでなく、リアルさがあることから、リアルなウジウジに対するムカつきを催す内容になっている。私が阿部くんの立場ならまず殴っていることだろう。しかし、こういう情けない人間をリアルに正直に描く作風は好ましい。あっ、決して三橋が嫌いなことはなく、むしろ面白いキャラで好き。

 爽やかで冴え冴えなイケメンをやるイメージがある代永翼が、こんなにウジウジして冴えないキャラをするのも珍しいかも。

 

 つい先日最終回を迎えたアニメ「星屑テレパス」でも主人公ヒロインがめちゃコミュ障で、面倒見の良い周囲の人物にめちゃ介護される内容をお届けしていた。おお振りも三橋くんの介護アニメの顔を持っている。

 

 三橋は競技者として、そこを離れたただの人間としても自己肯定感が低すぎる。でもこんな子も結構いるのかもしれない。前の学校で皆に疎まれていたのは、学校側の贔屓問題だけでなく冴えない人間性にもあったのかも。

 

 本能的に相手の出方を察することが出来る田島のみがスムーズに付き合いが出来ているが、阿部くんや花井くん、ももかんもイライラとハラハラの中で三橋と付き合っていた。序盤でももかんがでウジウジな三橋にケツバットを食らわすのはまぁ分かる。でも人によってはご褒美だぞ。

 

 阿部くんのキレ芸を見ていると、ああなるのは分かるし、むしろよく耐えている方だと思う。それでも阿部くんから三橋へのコミュニケーションがどうにもイジメっぽいというか、パワハラめいて見えるのは確かにそう。阿部くんは社会人になったらこの経験から人を育てるのが上手くなりそう。

 本当にコミュニケーションにならないこんなダサい野球漫画主人公はレアだな。「MAJOR」や「ダイヤのA」なら喧嘩も出来るくらい元気な男子が主人公なのに。ウジウジ主人公が全然スポ根しないのも特徴的だな。

 

 自己肯定感が低い劣等主人公なら昨今のなろう系とかにもよくいるが、三橋のはまた別の領域のやつだな。本当に心の成長が遅いやつだが、ちょっとずつの成長物語が可愛かったりもする。

 

 このリアルなイライラ感が心地よかったりもする。

 花井くんがもし中学で一緒だったら苛める側に回っていたと言っていたのには同感。そこまでリアルに同感出来る三橋のキャラメイクのセンスが良い。

 なんだかんだこういうダメなヤツが可愛いと思える甘さと趣味の幅広さを持つ私としては楽しめる要素になっていた。

 

 阿部くんも若い学生の割には周囲を見て人間心理を察して動ける切れ者で良い。

 阿部くんが三橋に対して口うるさいことにまたうるせぇなと苛ついている泉の心理もリアル。阿部くんみたいなヤツには好感、嫌悪感が半々で集まると検討がつく。

 阿部くんみたいなヤツも実際にいそうだから親近感が湧く。ウチのお兄ちゃんが微妙にこっち寄りかも。

 

 花井くんが誠実で等身大な心理を持っているのも好きだな。しっかり者のリーダーだが、当たり前に人に嫉妬することもある。それを反省して次に進む。実に人間的で良い。こういうヤツが会社員として良い線行きそう。

 2期前半では、田島を意識してプレイするも彼には届かないと知る花井くんを精神的にやや追い込む展開が見所だった。ここの正直な人間性に心惹かれるものがあった。一番友達になりたいタイプかも。

 

 2期だと呂佳さんのヒールなキャラ性も秀逸。良いワルのポジ。呂佳さんの口の悪さもなんかリアル。口の悪い人間がそんなに嫌いじゃないんだよな。こういう先輩いそう。

 このアニメの呂佳さん周りのエピソードで初めて知ったけど、野球はスタンド席からサインなどの指示を出したらダメなんだ。勉強になったね。

 

 呂佳さんの言葉の中に、敗北したプレイヤー心理が含まれていた。大事な大会で負けた者は、しばらく野球関係の話題に触れられない。ニュースを見るのもキツく、ずっと後引く心の痛みを持つ。そういうことも分かってきた。ここらの意見もリアル。

 

 視覚的にもだが、心理的にえぐっても野球の境地を見せていく意欲作だった。

 これは面白い!2期まで見たらなんで3期ないんや?ってなる。

 最近になっても大昔のシリーズの続編、リメイクをやることがあるから、これも3期をやれば良いのに。あのスホマ太郎だって続編が作られたくらいだから、いつどの時代のどんな作品の続編が上がっても不思議はない。この作品も続編が出ると良い。

 久しぶりに見たけど、もしコレが今期の新作として放送されていれば1位を取れる面白さだったと思う。

 

 原作がまだまだ続いているらしいので、アニメにするならストックは十分にある。メンバーが皆1年だから、多分学年が上がった先の話もあるはず。もっと見たい。ももかんの勇姿がもっと見たいぞ。

 

 それにまだ解明出来ていない要素もある。呂佳さんの弟キャラの実力が知れるターンがあるはずだし、ももかんの同期の野球部OBがなぜ一人もチームに顔出ししない?という気になる点も残っている。それと態度のデカいハルナさんの話もまだまだ描ききれていない。

 そこらへんの事を映像化して回収してほしい。だって漫画持ってないし。本で追う時間はないかもな~。

 

 というわけで改めて見てハマった一昔前の野球アニメでした。

 

 

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