雨が多い。困る。
何がって?それは雨の中での運転。
雨が降っていても関係なくどこかに行きたい時が、または行かねばならない時がある。
そんな時私は、傘でも合羽でも長靴でも遠慮なく使うのだ。人間の表皮は水を弾くようには出来ていないし、そもそもその部分はめちゃ吸収する布に覆われている。ならば文明の利器たる水を弾くアイテムを総動員して濡れから逃げるべし。
でもね、そんな雨の中での活動に対して緊張感のないバカ者がいる。学べ。
我々人類の大昔の先祖は、水の中というか海育ちだったらしい。そんな母なる海を脱して今、我々は丘に立っているのだ。
その海から蒸発したあれこれが空に上ってなんだかんだあって降雨となり、上下の水がクルクル循環して環境バランスを保っているのだ。
忘れてはならない。水から生まれた命もある。だがその水は命を狩るのにも大変優れている。
我々は水を飲んでいかないとやっていられない命でもある。口から入れる分には良い。でもその水も鼻から入れば空気の入り口を奪って命を殺す。
つまりね、水をナメんな、梅雨時の雨をナメんな、と今一度人類に向けて警鐘を鳴らしたいのだ。どこに行けばその鐘を殴れるのやら。
こういう事を思って叫びたくなった事情がある。それも昨日の朝のことだ。
この私はヤフオクで落札された品を宅配事務所に届けるため、雨の中でも合羽を着てチャリで外を駆け回らなければならない。
そこでちょっとした事故の一歩手前のトラブルに合ったのだ。
軽車両は道路の向かって左側を走る。海外製の街中を爆走する系ゲームをしているとこれを逆に覚えてしまいがちだ。そんなゲーム野郎も今一度日本の交通ルールを思い出すべき。
とある角を左に折れる。するとすぐそこには逆走してくるチャリが!
「のぁ!!」
とデカい声が出る。
なんとか接触は無かった。
双方共に接近に気づいたので、ハンドルなりブレーキに物を言わせて最悪の自体には待ったをかけた。そこは良かった。
私は「ちょいちょいちょい!」とちょいを連呼する。
これは物言いがあるから聞け!の合図。ここで「おい!」「待てい!」とかを言うと高圧的過ぎるので、向こうに否があったとしても逆ギレされる。「ちょい」ならちょいってなんだろう?聞いてみようかと相手がとりあえず興味を持って会話の入り口がスムーズに行く(多分)。
相手が悪い。まずは軽車両の逆走は☓(ペケ)!
そしてこれはもっと許せん。相手の片手には傘が握られていた。もう片手はハンドル。片手ハンドルはダメ。傘を持つ持たないの問題ではない。両手で握っていないのがダメ。
これは合羽を着ればクリア出来るだろう。
ここで私は言ってやった。
「おい、金ないんか!」
相手は「?」な顔をしてくる。
相手はスーツを着た男だった。童貞学生がまだスーツに着られているという段階に見えた。仕事を始めたは良いが、初任給がまだで合羽も買えんのか。
「初任給まだか?合羽は100円ショップにもあるぞ」
100円くらい個人で間に合わせがなくとも、おばあちゃんに言えば小遣いで出してくれるはずだ。良いスーツが泣くような低レベルのルール違反をするものではない。
するとスーツ男。
「はぁ、もう10年くらいになります」
10年戦士だと告白!
その後ちょと話すと、こちらよりも先輩だと分かった。
マジかよ。先輩ならもう小遣いは足りているだろうが。合羽を買え。
私は逆走と片手運転は危ないし、なによりもそれで近づかれるとムカつく!という旨を、あくまで相手が逆ギレしてこないよう言葉とテンション控えめに告げたのだ。
相手は謝って来た。誤った事をしたなら素直に謝る。それは保育園からでも教わることだ。それが出来たのはよろしい!
まぁこれ以上は何かする気もなく、関わるのも面倒だ。こいつも会社があるわけだし、こんな「合羽を買う」の発想も生まれないヤツにも、参加に遅れられたら多くの人が困るという現場が待っているのかもしれない。短期間でここまでの事を想ってやった私もちょっと優しいと思う。
「じゃあ、気をつけてね。死ぬなよ」
とアドバイスしたら解放してやった。
よく知らん年下にこういう事を言われたのなら、少なくともその日の晩飯後くらいまでは珍事として記憶していることだろう。できればその後も覚えていて、安全運転に努めて欲しい。
こんな感じで雨とかを抜きに、路上をナメている輩が多くいるから困る。
事故をしないと学べないのでは、せっかくサルから発達した脳が勿体ない。人類よ、先んじて危険を予知し、怪我や死を回避する知恵を得てくれ。それが私の最後の願いだ(英雄ウルトラマンエース風)。
それでは、正しく雨の中のライドを楽しみましょう。
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