こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2024年のアニメ感想(1月~3月)その7

 春アニメ最速組をいくらか見たが、異世界ものが多いような。これは多分イエローシグナル。異世界ものが充実の春ってことは、アニメ全体としては不充実に繋がりそうで怖い。

 そこと比べると冬クールは異世界ものの元気がなかったような。気持ち少なかったような。全部「ような」なぼやっとした話。それでこそ異世界なろうクオリティ。

 

 とは言ってもその中で内容被りがあるくらいだからとことんまでに狭いコンテンツだな。だから持ちつ持たれつでパクってる感があっても誰も何も言わないのか。そこんところのマナーにおいて謎の一体感があるんだよな。

 

 では、異世界ものばかり見て日々苦笑する現実主義の私が、冬アニメをさっくり振り返ろう。

 

 

悪役令嬢レベル99 ~私は裏ボスですが魔王ではありません~

悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~ 第3巻 [Blu-ray]

 今期は悪役令嬢ものが多い。コンテンツの氾濫状態です。要注意。

 

 レベルカンストしている最強悪役令嬢降臨から始まるザ・最強異世界女子もの。設定、展開共に結構既視感があり、まるで布団の中で夢を見ているよう。とか言う私は睡眠中滅多に夢を見ない。見る間もなくよく眠れています。

 

 1話目だけは「おっ!」となる変わり種な展開になっていた。この工夫ポイントは面白いものとして評価する。

 悪役令嬢のユミエラがアニメの主人公だけど、1話目は作中作における本来の主人公 アリシア視点で物語が展開した。これはアリシアが主役で展開するいつもの感じなのかと思いきや、次回からはユミエラ視点のやっぱりいつもの感じのやつで行くスタイルとなった。結局「いつもの」から逃げられない異世界の呪い。

 1話目のみは変化球演出でユニーク性があったが、ユミエラのターンに戻るとまぁ凡庸っていうかいつものやつだから、そういう意味で安心して見れる。

 

 アリシアの周りにいる3バカ王子達がうざい。ユミエラにめっちゃ文句言ってくるやんけ。大したことないくせにさ。というわけでユミエラちゃんに味方してヤツらをぶっ飛ばしたくなる。

 

 絵が好ましく可愛いタッチで目の保養になった。無表情で間抜け面だがユミエラは可愛い。アリシアもメインヒロイン感があって良い。なんかうるさいお嬢様のエレノーラも面白くて可愛い。

 エレノーラとユミエラが歌うED曲も楽しい感じで良かった。歌っている二人がトロプリな二人という点にも注目。

 ていうかユミエラを演じるファイルーズあいはまた微妙なクオリティな作品で異世界悪役令嬢をやっているのかよ。去年も悪役から更生して民に尽くすお嬢様のアニメで主役だったよな。

 アリシア役のあじゅじゅ(和氣あず未)もここのところは変なアニメで良く見るなぁ。

 

 ユミエラがクールで大人しいと思いきやなかなか暴れた言動が多く、それも読めないものだから刺激的。中でも意外とバトルジャンキーな所は記憶に濃く残る。

 モンスターをたくさん狩ればさっさとレベルアップできるからってことで、モンスターを呼びまくって学校の皆を困らせる所は空気読めなさすぎてバカい。冷静なのかと思ったら結構人の話を聞けない、他者の発言の意図を汲むのが下手など、愉快なコミュ障ぶりも発揮していた。こういうすっ惚けスタイルの主人公も割と定番。

 

 中盤くらいまでは絵が可愛いだけでうんともすんともな感じだったが、意外にも話を良い感じにリードしたパトリックくんがいたことで印象が変わってきた。

 パトリックくんがユミエラのバカいところをフォローし、友人として女として愛してやることで一生懸命頑張っている。そこが良い。可愛い女子も出るが、なんだかんだ頑張る王子様キャラのパトリックくんが一番可愛いヤツで、青春もしていて良かった。

 パトリックくんには報われて欲しい。おバカなユミエラよりもっと良い女を紹介してあげたいと思っていた。

 でも終盤展開では互いの勘違いを越え、パトリックが無事男前に決めてくれた。その甲斐あってラブなシーンが華やぎました。キッスシーンは良かったぞ。パトリックめちゃ頑張った!最終的にはこの二人の関係を推します。

 

 なんか中盤以降はパトリックくんの青春を応援して楽しんでいた。

 なんだかんだ言っても結局楽しく見ちゃった悪役令嬢ものでした。

 

SHAMAN KING FLOWERS

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 葉くんの子供がおる……。というわけであの日青春を御一緒したお友達にもすっかり息子が。今度は前作主人公の息子達と行くシャーマンバトル作品になっています。

 

 親父と違って随分荒くれ者な花くんもひよっちこと日笠陽子が演じている。葉の時よりも本人の素に近い演技なのではなかろうか。ラジオのひよっちは結構うるさくて荒くれているがそこが良い!

 花くんが不良すぎてびっくり。もひとつびっくりなのは、花くんを預かって世話しているたまおちゃんが変わりすぎぃ!

 血の繋がりはなくとも、不良のママンをやるならどこの女だってそれなりにパワフルになるようだ。あのセクハラまがいのタヌキ&キツネの霊に振り回されてオタオタしていた少女時代が嘘のよう。木刀の竜さんも圧倒する勢いでレディース感がすごい。この変化、かなりウェルカムです。いじいじなよなよも可愛いには可愛いが、強い女はもっと良いね。

 

 花と葉羽がバトっている間にいつしか仲良しになり、「微」がつく程度のBL要素を飛ばすまでになった。これは読めぬ展開。なるほど、そういう意味でも今度のマンキンは花が咲くのか(←多分違う)。

 

 シャーマンキングを見て初めて知ったワードが「許嫁」なんだけど、今回もまた出てくる。すみぺ声の褐色ギャル、そしてまたイタコ。その子の名はアルミちゃん。前作のアンナちゃん同様、うだうだ言うヤツは旦那様であっても力で黙らせる。パワフルで好みっす。

 

 あの道蓮の息子も出てきた。懐かしのお友達の下の世代が頭角を現す新時代になりました。我々はいつだって時代の最先端を歩いている。そう実感できますね。

 蓮くんがトンガリ、息子はなんかマキグソみたいな頭になっている。

 続々集まってくる次世代シャーマン達でチームを組んでまたスピリチュアルなバトルをおっ始める展開が今度まっているらしい。なるほど、人生が捗りそうだ。

 

 で、現在は花くんが精神修行用の空間にぶっこまれて修行中。

 あとハオがおじさんって呼ばれているのがかなり新鮮。

 

 あれ?これも1年くらいやるのかと思ったら13話で最終回だった。えっ、終わり?

 花がまだ現世に戻っていないじゃないか。軍人たちとドンパチやる厳しい時代にいるままだ。そこで恐怖しなんだかんだの末に芽生えた想いが「愛だ!」と激しく悟って終わった。愛の言葉でエンドはなんか綺麗な感じがするけど、このまま続かないとネタな感じもするぞ。

 結果何かが始まる前段階で終わっていて、まだ肝心の戦いが何も始まっていない。

 

 まぁ多分続きもアニメにするはず。今後も見守っていこう。私もおしゃまなシャーマンのはしくれだしな。

 マンガのシャーマンキングは、不完全燃焼な終わり方がエグかったから、連載終了時からも、いつかちゃんと機会を設けて落ちを描けなんて言われていたのに(←当時の人間からそう聞きました)、今やその落ちもしっかり落としきって先の世界を描いているとは、長いことよくやりおる。作家先生におつかれ。新作も楽しく見てるっす。

 

外科医エリーゼ

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 びっくりしました。MAHO FILM作品なのにクソアニメ仕様ではなく、普通に楽しかった。

 私は好きだったけど、社としてこれで良かったのか?

 本来のMAHOの売りであるふざけた要素が皆無で「MAHOなのにふざけていないだと!」とびっくりでした。新年を迎えるにあたって社で今後の社風方針変更について大会議でもしたのかも。

 去年は異世界洗濯屋2、ユニークスキルのクソアニメ、シャンフロよりなんだかんだ楽しめたけどやはりクソアニメの域にどっかり居座ったおっさんのネトゲアニメ、3つも楽しいクソアニメを担当したのに。そのMAHOとしてはお株がごっそり奪われる真面目ぶりが見られる新作となった。

 なんだろうか。エリーゼは良かったのだが、MAHOはがやるには違和感バリバリな作風だった。従来のMAHO作品で行くなら同期放送の「もふなで」こそを担当しそうなものだが、あれはよそに取られてしまった案件だったのだな。じゃあおふざけなしのアニメをやるしかない。しかしMAHO作品を下回るクオリティのヤバいアニメが出てきたクールとか、改めてヤバいな。もふなではすごいアニメだったんだな。←もうめちゃくちゃ言ってる。

 

 というわけで一番の感想は、MAHOなのにおふざけ無しで普通に見れてしまったこと。普通に見れたことで普通ではないと判断される前々の仕事ぶりの凄まじさよ。

 多分コレが一般のものさしで計るところでは今のところMAHOの最高傑作。でも従来のMAHOクオリティを求めるなら逆に最低評価作品。どちらの顔も持つ作品。

 

 主人公は元異世界悪役令嬢。その次には日本で真面目な外科医。そしてまた転生した末に、最初の異世界に戻り、今度は悪役を返上して良き外科医になる。もう色々と人生極まりすぎ。

 原作は韓国版のなろう小説だとのこと。ここのところ中国、韓国からもこういうのが流れて来るのなぁ。でも内容は同期のヘタった日本版なろうと比べて全然ましだった。もふなでとかもっとやばかったし。

 なろうに教養無しと言われて久しい中、今作の主人公は外科医なので、もちろんテーマに教養分野「医学」の要素がぶっ込まれている。なろう転生女にはふざけたのがいっぱいいるが、今回はインテリ女なのか。よりインテリな方にシンパシーを感じるのでエリーゼは好きでした。

 

 いつも絵が下手でヒロインが可愛くないのでお馴染みの会社なのだが、今回の主役ヒロイン エリーゼは結構可愛かった。石川由依の美声による補正が働いて当社比(どこ?)よりやや上乗せで良く見えたのかもしれない。なんにせよMAHOは石川由依にありがとうを言った方が良い。

 ていうか石川由依は、前期完結させた万能聖女アニメから連投でまた新作異世界女を演じているのか。もう異世界女の芝居もすっかり慣れたものだ。人の病気や怪我を治して王子様キャラに囲まれてモテモテという設定では2作とも似ていたなぁ。

 

 MAHOといえばシナリオと絵に回す金はそっちで全部使い切ったのかってくらい毎度声優だけはまとも。今回も有名人が出てきて作品を盛り上げました。井上和彦異世界王様とかありがたいしレアい。

 

 所詮なろうなので、医学知識、手術手順について細かいツッコミとかは一切無しで黙って見ます。その他内容もとくに何も言わず見ていく。想像以上にツッコミ所がないのに驚く。  

 1話目はまだ日本で医者をしていた世界が描かれる。1話目を見て何事?って思った。MAHOなのに日本生活のターンが長いのか。ここで死なずに医者をしていればそれはそれで幸せだったであろう。

 墜落した飛行機の乗客を必死で助ける良き医者の仕事が見れて真面目すぎました。そこもびっくりなので印象的。

 

 それと主演の石川由依が担当したOP曲も良かったっす。

 今度はもっとふざけたMAHOアニメが見たいかも。なんかクソアニメを欲しがっている自分の心が暴れて仕方ない。エリーゼは好きだったけど、クソアニメハンターとしては収穫量が少なく終わって不満です。←ちょっとおかしいアニメの楽しみ方。

 

30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい

TVアニメ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」Blu-ray 下巻 [Blu-ray]

 なるほど、30歳童貞ならそうなるのか。タイトルが面白いのでなんとなく気になっていた。

 赤楚くんが出た実写版がヒットしたよね。身内に赤楚くんにハマっている者がいます。

 

 30歳童貞に与えられた天からのギフト、それは人の心が読めるエスパー的魔法能力だだった。冴えない童貞の安達くんはそのエスパー能力に気づいてしまい、そこから生活が意外な展開に変わっていきます。

 30童貞というハードルは現在だとかなり低いので、待っていればうちの同級生なんて皆大魔法使いだな。原作を描いた当時は知らんが、今なら30童貞なんて、つまり魔法使いなんて石を投げればコツコツと高い確率でヒットするぜ。というわけで現在日本はチェリーな魔法使いで一杯です。まぁ童貞なんて守る必要、譲渡する必要、どちらも無いので各員のご随意に。←マジで余計なお世話。

 

 魔法が絡んだファンタジックなBL要素で攻めるものだが、各キャラが絡んでの人間ドラマとして普通に面白かった。

 黒沢くんが冷静で大人しいイケメンなのかと思いきや心の中では愉快におかしい。そんな彼の特性が面白くて好きだった。こういうホントは面白いのに、真面目な一面ばかりを外面に用いる楽しいヤツも結構いそう。黒沢が心の中で変な歌を歌っているのが面白い。デートでヘリコプターを飛ばすヘリデートをぶっ込んでくる行動力とアイデア力がすごい。

 黒沢役の鈴木崚汰は最近よく出ているな。同期放送のおもしろネタ枠「ブレイバーン」でも微量なBL成分を出した役だったな。すっかり喜劇が行ける役者になっている。

 

 何気に会社員同士ってことでオフィスBLでもあった。オフィスに登場する憎めないアゲキャラの六角、実は腐女子の藤崎さんも良いキャラをしていた。

 真面目で清楚に見える藤崎さんが、実はあのようなネタキャラだったのは意外。面白いのが、人の心が読めても安達は藤崎さんの真意を勘違いしてしまったこと。心が読めるのは人間理解のヒントに過ぎず、本当のところで理解するなら明晰な頭がいるってことだな。

 心が読めてもなおその人の心を読み違えるという矛盾を含む間抜けなお笑い要素が面白かった。それだけ人が人を理解するのは簡単ではないってことね。教養です。

 

 社会人をしながらダンサーの夢を追う湊、ダンサーを辞めたことについて会社員をしながらあれこれ考える六角ら、夢と現実の間でモヤりながら青春する若者達の人間ドラマも良い。ああいったことを思うのも一つのリアル。

 

 湊と柘植の意外な恋が始まるアナザーサイドのBLも見所。ていうか柘植とかいて「つげ」って読むのか。 

 一般人とは少し違う作家という仕事をする上で葛藤を持つ柘植の心中も深めに描いていて良かった。柘植は熱くて良いやつじゃんか。

 

 後半は安達に栄転の話が来て恋する二人の関係に遠距離の障壁もあり。お仕事×ラブものならではの楽しい厄介事でした。 

 安達の栄転の件でなんだかんだ揉めたけど、最終戦は安達からグイグイ攻め込んで黒沢を萌え倒してした。本気を出した安達くんの青春に拍手です。

 ボディ&ソウルを重ねるソレを致して以降は、魔法の力が消えてしまった。ピーターパンもトトロも子供の時オンリーしか触れ合うことが出来ないファンタジーの住人。チェリーの魔法も同じくで、チェリーを超えればそれまでの特権だった模様。

 青春という儚いマジックが見えた。何かを失ってまた何かを得る。そうして人は大人になっていくのですね。安達と黒沢の青春に人生教訓を見た。良き。

 

 最終回ラストはボーイズウェディングで性別の面倒、問題なく結ばれた模様。コレ良いと思います。だって性別や重力に魂を引っ張られる大人になるなんて古臭くてみっともないもの。目覚めろ性のニュータイプ

 というわけで安達、黒沢は面白くて可愛らしいカップル。二人の恋を1クール眺めて大変楽しめました。

 

弱キャラ友崎くん 2nd STAGE

弱キャラ友崎くん 2nd STAGE vol.2 [Blu-ray]

 どうも、強キャラです。でも弱キャラの青春を見て楽しみたいと想います。おにただアゲインをくらえ!←「おにただ」言いたいだけの人。

 

 これは懐かしい。1期が結構前だよな。

 初期の友崎くんの言動が根暗過ぎて引いた覚えがある。初期のもっさり系の極みみたい髪型もホント嫌いだった。

 何よりも人生をゲームに例えるのがナンセンスであかんと否定から入ったんだよな。しかも人生はクソゲーとか言ってるのはもう終わってる。私の前でその内容の愚痴を吐いたらチョップが入っている。

 でも葵ちゃんの驚異的強キャラ要素とみみみちゃんが可愛いってことで楽しんだやつ。

 

 友崎くんもクソキャラだったのは初期だけで、今はまともで愛せる頑張り屋ボーイ。2期だとクラスに居場所も見出し、仲間達を俯瞰して状況に適したアクションを選ぶくらいに賢明になっている。

 これは1期の頃からも超思ったけど、友崎くんレベルだと弱キャラじゃないから。弱キャラと向き合って脱するだけのガッツ、コミュ力、行動力、なによりもインテリジェンスがあるなら十分強キャラ。本当の弱キャラはこんなもんじゃない。

 
 葵ちゃんはファンタジーのボスキャラだけど、主役の友崎くんも十分に本場弱キャラを超越した等身大より大きいキャラだといえる。だから本当に弱キャラの人が見て未来に期待してはいけないのかもしれない。まぁマジものならそもそも自分に期待しないから。というちょっと性格が悪い物の見方をしつつ、弱キャラに縁なき強キャラな人生をやって来た私がこんなアニメを見ている不思議。

 

 同じく同期放送の教室もの「ようじつ」3期程ではないが、こちらもいきなり教室の雰囲気が激悪い。

 不良ギャルの金野さんがさっそくやらかしている。それを注意する花火ちゃん。となると女子バトル開始。女子特有の陰険、陰湿なヤバヤバ現場。

 いや~こういうギスり具合、嫌いじゃない。ここは面白かったです。でも花火ちゃんが泣いたり落ち込んだりするのには心が痛みました。

 

 いつもなら外野に徹する葵ちゃんがついにキレて金野さんに逆襲をしかける。ここが怖すぎる。
 これって恐らく視聴者が友崎くんに共感するよう設定が練られていると思うのだけど、私は出方が怖い葵ちゃんの方によりシンパシーを感じる。

 相手が嫌がる一手を敢えて打ち込む冷徹にして冷酷な判断、そこからの速攻アクション。こういった思いきり良く確実に嫌味になる言動は、こちらも得意とするところである。
 金野さんを嫌悪する共感が得られるよう周囲に働きかけ、同時に失恋の古傷をえぐり返す。そんなどこのメンタル強固も倒れるようなえぐい作戦を仕掛けてくる葵ちゃんが怖すぎる。でも面白い子だなぁ。

 
 葵が物語のメインヒロインぽいけど、彼女が友崎くんにとってのメインヒロインになるのは絶対にいけない。初期からそこを案じていた。

 葵はあくまでも狂言回しっていうか、お助けキャラっていうか、それか「おにただ」と言うだけのオブジェみたいな感じでそこにいて欲しいのだ。

 なので後半のリア充の登竜門 恋愛イベントで葵ちゃんがヒロインにならなくて良かった。この作品はみみみちゃんか菊池さんかどっちかしかないから。そう思っていたら、その二人のどっちに行くかという友崎くんの青春ニューステージが始まった。

 

 みみみちゃんの健全でパワフルなギャル感は最高。長谷川育美は今期のループ7回アニメのお嬢様みたいな凛々しい芝居もよかったが、みみみのギャルい感じでもハマるなぁ。声が良い。みみみちゃんマジカワ。

 菊池さんもどんどん良い味が出ている。インテリで文学少女だから良いよな。

 そことラブを用いて関わる中で友崎くんも悩んで迷って色々大変。

 ここで良かったのは、友崎くんがウハウハと恋に浮かれるのでなく、自分の正体から逃げずに向き合ったターンが設けられたこと。その正体とは、どこまで行っても陰キャな弱キャラであること。

 自分のような者が光属性のヒロインを選ぶ、または選ばれるみたいな栄誉に預かれるものなのか。ここへ来て過度の卑下でもないある種事実確認のターンが敷かれる。

 本来の自分の特性、そこに見る低いステータスから、今一度それまでまるでチート状態だった少年が現実と向き合う。これは人間心理を落とし込んだドラマとしてリアル。表現も正直で好感が持てる。思わず友崎くんを応援したくなる。

 コレって陰キャだと絶対に逃げれないし、隠しきれない自分の弱さなんだよ。最後の正直なもがきが見えたのは良い。

 私は陽キャだけど、クラスに正直な陰キャがたくさんいたことでちょっとはそういうのに詳しいっす。友崎くんが見せる卑屈さには強めの説得性がある。そういう人間は一定数いる。

 あのまま調子こいてギャルモテになるようなアニメならがっかりだったけど、陰キャが目を背けたい真実に向き合ったことで評価が上がりました。良い作品です。

 

 みみみと菊池さんに挟まれての三角関係が楽しかった。三角が好きっす。

 それと友崎くんのバイト先のいつも眠そうな姉ちゃんのキャラも可愛くて良かった。

 というわけで人生は神ゲーなのです。そうならないなら安易に世間のせいとかにせず、今一度友崎くんのように己を見つめ直してみよう。さすれば詰み状態を解消する光も見えるってものさ。←結構な人生極め人
 

koshinori.hatenablog.com

 

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