こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2023年のアニメの感想(7月~9月)その8

 こうやって今期アニメをゆっくり振り返ると、実に異世界ファンタジーの多いこと。

 一週間にあれだけあると週終わりにはどれがどれだったか記憶の整理が大変。

 

 同じようなものばっか何個やるねん!いつまでそれで食っていけると思ってんだ!

 

 と思いつつもしっかりちゃんと全部を見てあげる私ってば優しい。

 こういう作風の物を最後まで見れたという経験が連続すると寛容になれるし、なにより忍耐力が養える。30×12話の1セットがこんなに長く辛いのかぁということも分かってくる。

 自分の精神を鍛えたい人には、より低レベルな異世界ファンタジーアニメをおすすめします。

 

 ではそんな異世界ファンタジーが楽しい今期の夏にやったアニメ達をいっぱい振り返ろう。

 

 

てんぷる

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 煩悩の~パラダイス♪

 というわけで煩悩とは御し難いものである。それがしっかり分かるちょっとスケベなお寺コメディ。タメになりますなぁ。

 

 私の愛したあのすぐ飲んで脱ぐダイビングアニメ「ぐらんぶる」と作者が同じだとのこと。なので微妙に2作のコラボ要素がある。

 ぐらんぶるで有名な主人公の先輩コンビの中の人が別のコンビで出演していたり、ヒロインの千紗のポスターが貼られているシーンがあったり、メインで出ていた内田雄馬安済知佳その他数名がちょい役で寺の方にも出てくる。ありがたいことです。

 特に千紗ちゃんのポスターは目の保養でした。スーパーボールの跳ね返りを利用して千紗ちゃんのパンチラをゲッツした「ぐらんぶる」屈指の名シーンは今でも覚えています。

 

 前作は海で、今回は丘の寺でラブコメります。

 主人公の赤神くんの毛量が多いなぁ。多いがためにもっさり頭。寺に来るならまずはバリカンを入れな。という考えも多様化が進んだ今日では古いのかもしれない。仏門にだって現代式の新たな潮流が入り込んでロン毛可になっているかもしれないものね。知らんけど。

 

 お寺ラブコメは珍しい。一昔前にやった「あまえないでよっ!!」というアニメ以来なのかな。こちらの古いアニメを覚えていて生き残っている方がいたらご一報下さい。

 

 1話目で笑ったのは、第一のヒロインの結月さんと出会うシーン。女子が持つには絶対重いであろう米俵を抱えて登場。ガッツと筋力がすごい。米を持ち運ぶヒロインとばったり出会うのとか「AIR」以来じゃないかな。米から始まるラブがある。これぞラブ米。

 

 最初は寺に来た赤神を追い出そうとするする女子達。序盤のこの流れは前期やっていた「女神のカフェテラス」ぽい。可愛い子ちゃんがいるなら寺でもカフェテラスでも何でも良い。

 

 結構勢い任せにおバカかつスケベなストーリーを展開させていく。まぁ難しいことは無しにお色気イベントとかを楽しんでいればよい週末のリラックスタイムだった。

 

 3姉妹+異国から来た可愛い子ちゃん2人、たまにアダルトな尼僧の嬉々さん。この女達を順繰りに楽しんで行くことで暑い夏が終わりました。

 ヒロインの絵はぐらんぶるの方が可愛かったかも。

 

 蒼葉姉妹の三女の海月ちゃんが可愛いかったっす。ポニテ娘で山下七海が演じているから、どうしてもWUGアニメを思い出します。極上スマイルッ!

 ミアちゃんのスケベ要員としてのキャラ設定がハチャメチャで強烈。DNAレベルでエロスに侵食されていたのか。この子が真面目に見えて一番おかしかったかも。

 

 スケベ要素はしっかり楽しんだが、ちょっとは寺の都合も勉強します。

 得度の内容について触れていた。昔見た「ファンシィダンス」っていう愉快な修行僧の映画でも描いてたやつだ。得度ってかなり厳しいっぽい。やりたくない。

 寺をやるのも大変だと分かった。絶対に楽勝ではない。

 ちゃんとやることやっていないと潰れるし、周囲のお家の人間とも良好な関係でないと駄目みたい。檀家に米をもらいに行くシーンとかを見ると、そんな事してたのかと発見になった。私も米が欲しい。

 政略結婚ではないかもだけど、結月の結婚話は寺を続けるためのものだったし、続けるならあそこまでの決断もいるってことだな。どこの会社もタダでいつまでも続けられるわけがないってことね。

 

 煩悩と付き合うのは難しいけど、そこと上手いこと付き合えるようになれば人生は次のステージに入れる。煩悩もある程度は残しておいた方が楽しい。そんな人生観が得られるお寺コメでした。

 ウェルカム・トゥ・煩悩の~パラダイス♪ ←結月を演じた愛美氏の歌うOP曲が好きです。

 

レベル1だけどユニークスキルで最強です

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 おめでとうございます。まともな尺度で計ると今期最下位、クソアニメランキングでは1位の作品です。 

 途中までは「実は俺、最強でした?」と競っていたけど、最終的にはこっちが大きく引き離して勝ちです。ちなみにどちらも最強には程遠い出来な作品であることでバッチリ共通している。

 最高。めっちゃ笑った。良い作品です。

 

 かつて誰かがこんなことを言った。「金銀銅以下タダの人」と。

 だがコレ、答えは否!

 確かに1~3位はすごい。でも4位だとすごさが落ちるっていうか、もはやそこまでになると1位から見てどれくらいすごいのかすごくないのかも素人には判断出来ない。で、上ばかり見るから忘れるのだ。一番下があることを。

 1位は一番だからすごい。でも最下位も下からだと一番。どっちらか数えても一番だと何かと記憶に残りはしないか?

 確かに間の人はタダの人。でも最下位を取れる人間はたった一人だけだ。狙って取れるものではない。狙う意味もない。その中でこの作品は最下位を行ったのだ。ということは、一位にも最下位にもなれなかった空気な枠よりは長く記憶に残ります。例としてキングオブクソアニメのスマホ太郎を見てみろ。あの出来で皆に忘れられていないではないか。下から一番を行けるものにも光がある。

 

 名は体を表す。ズバリその通りだ。タイトル通り本当にレベル1かそれに満たない拙い出来だった。あっ、それから最強の部分は、普通に名前負けでウケを取る釣り要素です。

 これぞ安定のMAHO FILMクオリティ。百発百中、必ず低クオリティな仕上がりを約束してくれる稀有な会社だ。これはこれで嘘が無いと信用出来る。

 いつしかMAHO FILMのファンになってしまった。逆張り京アニみたいな仕事と存在感の出し方をしてくるから面白い。

 にしてもよく映像化にGOが出たな。

 

 マジで私以外誰が見てんの?ってアニメだった。笑う。 

 最終回まで完走した者が50人以上いたという県が全く無い説もワンチャン通るんじゃないかな。

 

 やっぱりだけど絵が下手。ウチのお兄ちゃんが「聖者無双」を見た時にも言っていたことだけど、こっちだともっと強めに「俺の方が絵が上手く描ける」って言ってた。

 

 今回も性懲りもなくブラック企業より派遣された異世界戦士が誕生します。同社が以前手掛けた異世界洗濯屋アニメと同じじゃねえか。大人しくブラック企業で働いとけよ。

 異世界洗濯屋は小さな少年だったけど今回はもっさいおっさんかよ。落書きみたいな顔した主人公。これが受付嬢や他の女子にもモテるのが謎。

 ここでも取ってつけたようにブラック企業務めをしていた過去回想が入ることがある。作者はブラック企業出身者なのかな。

 

 もっさい主人公は石川界人が演じている。彼の事は応援しているのでクソアニメでも付き合うよ。今期は「わたこん」「白聖女」の萌えアニメと、あちこちでメインキャラを演じていたんだな。忙しい人。

 

 ヒロインももちろん可愛くない。MAHO FILM作品にだいたい常駐しているまりんかこと高野麻里佳が今回もヒロイン役で出ていることで我慢して見てやるかってなる。それと大西沙織も出てるし。

 まりんか演じるうさぎ女のイヴがよく言う「低レベル」のセリフが作品まるごとに対する自虐ネタになっている。言うよね~。

 まりんかはウマ娘に次いでこちらでも人参を食いまくるキャラをやっているんだな。

 

 ドロップアイテムが生野菜でもやしや人参が出てくるのはユニークだ。実用性があるドロップアイテムだな。これを見ているともやしと人参で野菜炒めにして食いたくなる。

 

 主人公の亮太がエミリーにいきなりボロい部屋をプレゼントするのは重い。エミリーも突っぱねろよ。

 

 最後まで見終わって「なんだったのこの時間?」と笑ってしまうまでがワンパケで愛せる低クオリティアニメでした。

 良い作品はもちろん良いから好んで見る。でもしょうもないもの程好きっていう真逆の趣味もオタクは持っているものだ。私はこの手の突き詰めたしょうもない世界観も愛す。

 どういう言葉を用いても感想を言う以上は悪く聴こえる内容ばかりになる。でもこういうのが存在するのを良しとする自由でユニークで緩い現代の価値観が好きなのだ。この作品も些末に過ぎない存在感がそれはそれで良い。だから総合的に見ると好きです。ゲテモノとかも楽しく行ける人なので、その趣味がアニメにも出ている。

 

 ちゃんと好きで全話見たし、おまけに最終回直前のキャスト出演配信番組までチェックした。この番組をここまで追いかけている人なんてマジでレアだぞ。

 

 スマホ太郎や異世界洗濯屋なんかでも2期が出来たのだ。じゃあコレの2期があっても誰も不思議に思わない。むしろない方が不思議。私はこのアニメの2期を待っています。では未来で会おう。待っている内に22世紀になっちゃうかもだけど。

 

ホリミヤ -piece-

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 すごくご無沙汰なような。なんだか皆を見ていて懐かしい。でも調べてみると1期は意外と最近で2年前の放送だった。なんたる時のマジック。

 というわけで堀さん、宮村くんの楽しい青春第2部開始や!

 

 いきなり始まりました修学旅行編。修学旅行から始まる第2部なのは「政宗くんのリベンジR」も一緒だった。

 宮村くんのイカつい入れ墨問題があることから、風呂の時間をどう乗り切るかというピンチがいきなり到来する。仲間たちの力添えもあってなんとか危機回避する。その何とかの一番苦しい場面で出たのは「宮村は生理中だから」という嘘だった。これはアホい。

 

 男子ズはイケメンでヒロインズはとても可愛い。かなり久しぶりに見るから忘れている人間もちらほらいた。

 1期を見た時は、地味に良い魅力を出す桜、諸々強烈だけどとにかく可愛いレミが好きだった。この2人の事はよく覚えていました。

 

 出てくる人間達がとにかく仲良し。男女ごちゃ混ぜで皆活き活きと青春を謳歌しています。そんなわけで終始リア充タイムだった。

 普段から闇の経典とも言えよう中2臭い異世界ラノベを嗜む陰キャが見たら「眩しすぎて溶けちゃうよぉ~」とリアクションしそう。想像したら結構面白かったっす。こういう事を思いつきはするけど、決していじめっ子ではありません。

 

 キャラたちがグループ内でキャッキャしているのは見ていて楽しめたけど、ちょっと内輪ノリが強めすぎかなってところもあり。たまにだけど会話の内容にウザさもちらつく。そこもまた高校生のリアル。

 仙石くんと宮村くんってこんなに仲良かったのか。仙石くんが堀さんの家に来たり、その父親も来たりで彼の存在感が光るターンが印象的。仙石くんは楽しくて馴染みやすい良いヤツだと思うけど、あのぺっちゃんこの髪型は好きじゃないです。

 

 堀さんは可愛いし良い子だけど、たまに変な子だよな。彼氏がちょっと暴力的で荒れ狂う感じにも萌える。そんな殊勝な恋愛での趣味がおありのようだ。楽しくて良い子だと想います。

 

 最終回の後半では、過ぎゆく青春の時を愛しく想い、友との出会いに感謝する。そんな穏やかな青春振り返り時間が到来し、遂に皆の卒業式が描かれる。なんだか胸がキュンとなりました。

 青春の一つの終わりと次のスタートを兼ねる場所。そこに立った経験があるので言える。あの場所はその時だけ立てて、そこから見る景色は大変尊い。これだから私は何度だって青春するのが大好きなのだ。そんな事が分かってくるキャラクター達の尊い時間の経過が見えました。

 

 で、卒業記念に堀さんが髪の毛をバッサリ行きます。乙女の新たな決意ここにあり。女子が多めにバサッと行く時には結構な覚悟と決意が要るんです。堀さんは頑張った。

 最終回で長髪ヒロインがバッサリ髪を切るという点でも「政宗くんのリベンジR」と共通していたな。どちらの作品でも尊い青春物語が楽しめました。喉越しスッキリ、後味の良い爽やか作品で良かったです。

 

ダークギャザリング

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 録画の都合で闇芝居と連続で見る今期の闇芝居のもっと動く枠。 

 どっちのアニメでも呪われた人形が人間を操るってネタがあった。まさかのネタ被り。


 キャラ絵を見ると令和に見るには懐かしみが強い。言い方を変えると古い。

 夜宵ちゃんが女鬼太郎ポジで化物退治のスキルがすごい。黒目が2つあるという異質はキャラデザが印象的。

 ウマ娘やシャドーハウスでは元気でキャピキャピした可愛い芝居の篠原侑が、何を考えてんだか分からないクールな夜宵の芝居をするのは、いつもと違ってなんかすごいぞ。それと名前の読みが「しのはら」でなく「ささはら」なんだって結構最近まで知らなかった。漢検持ちなのにこいつは抜かったぜ。

 

 可愛く楽しいライトな感じでくると思いきや、その時になればタイトル通り深めにダークに染まります。緩急のある作品テンションが嫌いじゃない。怖いのが良いって人です。

 

 怖いといえば人間にもそれが見える要素がある。ヒロインの詠子が何か怖い。ほとんどのターンで主人公に優しい明るく楽しいギャルなんだけど。こいつも心の中にはダークな何かを持っているっぽい。

 主人公の事が好きなんだろうけど、なんともストーカー気質なラブが見える。真心もあるのだろうけど、多めに打算もあって螢多朗に接触している。彼はそこに気づいているのだろうか。

 たまに見せる詠子のダークな一面を演じる花澤香菜のダーク芝居も良い。ここらの狂気性を出す芝居は「ハッピーシュガーライフ」あたりで学習済なのだろう。そんなざーさんの歌うED曲「灰色」もしっかり聞いて楽しもうね!

 

 中盤から出てくるヒロインの神代愛依が可愛かった。こちらは目の中に星があるヒロイン。前期放送の「推しの子」に登場したスーパーアイドルあいを思い出す。偶然にもどっちもあいだな。図らずもあいの数珠つなぎが叶いました。

 

 基本は楽しく、時にはキモくグロく恐ろしく。そんな感じで程よい刺激が心地よい作品でした。

 まさかの2クール目も用意されている。10月から連投でやるらしいので最後まで付き合ってやろう。

 

 

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