こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

実録 近所の家の犬

 近所に犬を飼っている家がある。私の家からそこの庭が良く見える。私が外出しようかなというタイミングとそこの家の犬の散歩時間が大体合っちゃっている関係から、犬に見つかることがまぁよくあるんだわ。

 犬は遠くからでも私の事が見えているから「あっ、あいつおる!」と分かった途端めっちゃ吠えて来る。小型犬なんだけどかなり鳴き声のボリュームがデカい。

 この感じで庭の柵越しからも威嚇を飛ばされることがもう何年と続いている。ちっこくて可愛い犬なんだけど喧しいっす。

 

 日々そんなのだから、もうよさないか、和解出来ないものかと思ってしまう。

 なにもこちらだって揉めたいわけじゃない。出来れば仲良くしたい。だって同じ地球の仲間じゃないか。その上でもっと位置を絞って同じ地区に住んでいるのだから、尚の事揉めるのは回避して仲良くしておいた方が良いってものだ。

 私のこの意見は、現代社会を面倒なく切り抜けるにあたって至極真っ当なものなはず。しかし犬には人程の社会性が無いので揉めたいなら揉めたいがままに私と揉める道を邁進するのみなのだ。

 こうして種族間におけるインテリジェンスの差に見る切なさってば、ちょっとだけ胸に来るものがあるんだよね。とか我ながら犬相手に何を感じ入っているんだと思ったりもする。

 

 そこの家のじいさん、たまにばあさんの場合もあるんだけど、二人揃って犬が吠えまくることに対してはスマンと思っていて、ちゃんと犬に変わって私にスマンを言ってくる。でも悪いのは全部この犬だ。

 私は猫よりも犬派でやってきた犬に優しいシティピープルなのに、こいつと来たら初対面の時からいっぱい対面した今日になってもまだキャンキャン吠えてくる。元気だなこのチビスケは。

 飼い主も気にしているくらいだから、こうなれば「仲良くしないか?」と思う私の心もしっかり納得してもらえるだろう。仲良くしないと飼い主までそれを気にしてなんか残念に思うかもじゃんか。

 それと何もしていないのに吠えられるって結構傷つきます。

 

 ていうかこいつ、虫よりもずっと発達した知能で理解出来んのか。この私と何度となく会いながらも全て無事で帰れている。それだけでもう大丈夫となぜ理解出来ん?

 私が子犬を本気で狩りに行ったとすれば、100回遭遇すれば100回五体満足では済まんことになるのだから、それが全部無事ってことはこちらからの敵意が微塵もないってことじゃないか。なぜこれだけ長いこと関係して分からんのだこの犬は。

 他人様が可愛がるワンちゃんをバカ犬扱いするのは良くないけど、ちょっと理解が足らない頭なのは確かなことだぞ。

 いや、でもそうして敵に回ったとしたら完全に脅威になると力の差を見越して最初から最後までずっと警戒態勢を貫いているのか。だったらそれはそれで危機察知が出来ていて賢いのかも。警察でいうと、何もやる前からだってこいつは大悪党の素養があるから、前もって手錠をかけておこうみたいな先の先しか読んでいない攻撃の現れなのか。まぁ警察でその例で行くと違法捜査だけども。

 

 というわけで、人語を介さない仲、または犬語を介さない仲で人と犬が関わって行くのはちょっと難しい。あと飼い主のじいさんとばあさんは朗らかでとても好感が持てます。

 昔から女、子供、年寄り、それから動物には優しくしろと我が家の年寄りに言われて育ったので、それらを相手にする時はいつも優しさを用いています。簡単に壊せる相手だからこそ、優しく丁寧に扱うのです。優しい行いをする人間のこんな理屈もいざ分かってみればちょっと怖いものがあるかも。

 

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