「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」は、2024年2月16日に公開された劇場版アニメ。
半年とちょっと前の聖戦を今このタイミングで振り返ろうじゃないか。
しかしハイキューのアニメも歴史が長くなったものだ。まずはそれを思う。
一番最初のやつは2014年スタートだったという。かれこれ10年前。
これはなんだかんだ最初からずっと見ている。じゃあ最後まで見てやるのが付き合いの良い私の生きる道。
というわけで、今回はハイキューファイナル企画としてスタートした劇場版2部作の第1部の方をしっかりチェックしてきた。遂に見えたぞファイナルの入口。
まだ続きがあるんだけど、なんかもう1部の段階で最終回みたいな熱の入れようとノリで来たからビックリです。大変手に汗握る面白さがあった。作中で描かれるバレー男子達もプレイ中には手汗びっしょりでした。
前回作のテレビアニメ4期をやったのがなんと4年くらい前の話。マジかぁ。結構最近見たような気もすれば、そうして実際の期間を改めて知ればしっかり昔のことにも思えてくる。
4期前半のOP曲「PHOENIX」はかなり聴いていたなぁ~。まだコロナ時代最先端くらいの頃のアニメだったのか。
あれから4年間ということで、申し訳ないけどキャラの名前や展開を結構忘れている。キャラはこういうのがいたとは分かっているけど、個人の名前がかなり出てこない。4年間の間に訪れる忘却なんてそんなもの。
そういやこんな絵柄だったなぁ~とだんだん思い出してくる。男子学生ばかりが出てくるものだけど、腐女子ホイホイのイケメンパラダイスではないのだな。皆割とシャープな面構えで濃いイケメンタイプの画風ではない。こういう企画だとそういう流れに持っていきそうな感じもするが、こちらは硬派に熱くやっている。
今回はタイトルにある通称「ゴミ捨て場の決戦」の決着を描くものとなっている。
これは事情を知らない者からすれば酷いタイトルだなぁと思われても仕方ないものだが、知っていれば熱くなれる。そんな汚いものではないので大丈夫です。清潔な青春物語ですから。本作にゴミキャラは登場しません。
全編を通して烏野高校と音駒高校の試合が描かれる。学校名から両陣営をゴミ捨て場で戦争をしがちな烏、猫に見たてて命名されたこの聖戦を目ん玉かっ開いて見るべし!
ではとても良かった本作の感想をまとめていこう。
まずは孤爪研磨くんの物語が良い。今回は彼が主役で回る物語といっても過言ではない。かつてないくらい彼にスポットが当たっている。
最初は一歩下がった所から冷めた思いでバレーボールと向き合っていた彼だが、ライバルを得てその打倒のために仲間達と関係することでどんどん熱くなって行く。ゆっくりと温度を上げていく彼の青春物語に注目するしかない。
彼を熱くさせた日向くんとの出会い、バレーボールを教えてくれた幼馴染で相棒の黒尾くんとの友情物語、それを経てバレーボーラーとしてどんどん覚醒を迎えていく孤爪の青春には燃えるし泣ける。
当初こそなんか眠そうにバレーをやっているザコそうなヤツだな~と彼のことを間抜け野郎に見ていたが、ここまで熱かったのかよ。それも銀幕ステージで覚醒するとはな。このキャラは作家から愛されているのだろうなぁ。
どちらかと言えば熱血漢をやりがちな梶裕貴が冷めた少年の芝居をやること、その後には静かに燃える熱血な芝居も魅せたことで、孤爪というキャラが印象的に思えた。
孤爪がどんどん青春のテンションを上げていく様を良きスピード感で描いている。そこが良い。
回想シーンも丁寧に織り込んで彼の心理描写をみっちり行っている。日向との出会い、黒尾との友情が描かれる回想も爽やかで良い。素晴らしく青春していて胸キュンでした。
試合においていつも冷めている孤爪をもっと熱くさせたい。日向のその思いが叶うシーンも良し。ここは日向目線でも熱い。
孤爪をプレイに夢中にさせることが出来たことで心から喜びの雄叫びを上げる日向くんも楽しくて可愛いヤツ。
孤爪がバレーをする中で「楽しい」「面白かった」を言えるようになったことが、今回の大きな成長と発見となった。ローテンションながらも心を燃やして青春の喜びを口にする孤爪の言動にはキュンと来るものがありすぎる。
バレーボールを教えてくれたことへの感謝の言葉を黒尾に向けて言う所も良かった。黒尾くん、思わず泣いとるやんけ。あそこはもらい泣きしちゃう。
途中から孤爪の1人称視点で試合シーンが展開する演出も印象的。これは彼の物語ということが分かるナイス演出だった。急にFPSみたいになるからビックリでした。
息を呑むハイスピードな攻防戦を展開させるのが苦しいけど、それ以上に楽しいから終わりにすることなくもっとやりたい。その想いで戦う孤爪の姿に感動した。今回は彼の事がとても好きになった。
このプレイヤー心理は説得性があるよなぁ。孤爪が自宅でテレビゲームを楽しんでいる回想シーンがあるが、そこでもゲームオーバーよりゲームクリアした時の方が寂しく切なく思えるという描写があった。ゲームオーバーならまが続きがあるが、クリアしたらそれより先は無いから楽しい時間はそこで終わってしまう。楽しい時間の終わりを迎える寂しさを、プレイヤーならではの目線で語る点がエモいしちょっと文学的で良いとも思った。
孤爪や日向のみならず、全員マジで戦っているから熱くて楽しい。やっぱり何でも本気で熱くやらなきゃ楽しくないのさ。
本気の攻防戦を演出する迫力の作画も良し。球技ではあるが、こうも激しくスピード性重視のアクションが求められる事をやっていれば、バトルものみたく作画も迫力があって元気。試合シーンは純粋に面白かった。
影山くん、月島くんのムカつく陰キャくん達もお久しぶり。彼らもクセがあって尖ったキャラだったな。性格悪く面倒な連中だけど、プレイに向ける熱はしっかりあって熱いんだよな。なんだかんだ愛せる。
月島も他よりは冷めた態度でプレイしていたが、ここへ来て本気で楽しんでいると分かる描写があって良し。演じた内山昂輝は、この手の暗くて口も悪いヤツをやらせたらしっかりハマるなぁ。これはキャラ、役者双方を褒めています。
微妙に推していた山口くんも久しぶり。4年ぶりだけど彼のことは忘れていません。山口くんも捕球しにくいクセサーブを披露して頑張っていた。
あとは潔子さんがクールで美しい。また会えて良かった。
懐かしの再会となった武田先生だって今回の試合に賭ける熱は半端ない。武田先生の試合開始前後それぞれの監督握手シーンにもジワリと来るものがある。
武田先生はなんかしょぼい見た目だけど、ここ一番で皆が欲しがる熱っぽいセリフを言ってくれるのが良いキャラだったな。
病院で観戦していたじいさん監督がエア握手している試合後シーンも良かったなぁ。彼も時を越えてゴミ捨て場の決戦の決着を見ていた。
とにかく皆熱いんだよ。青春はこうでなくては。
最近は立て続けに変なアニメばかり見せられたり、あとは自ら好んで突っ込んでいったりだったので、こうもスマートに熱くて面白いスポーツものを見たら新鮮過ぎる。
ハイキュー、面白いっす。この続きもまだあるからな。最後のシーンで、日向くんとはまた別のもうひとりの小さな巨人くんが宣戦布告をふっかけてきた。
ノリが最終回みたいだったけど、まだトーナメント戦の続きがあるので、最終戦まで追いかけて行こう。続く2部はいつやんのさ?まだ1部の熱を体が覚えている早い段階で見たいぜ。
ハイキューは最後まで頑張れ。頑張って燃えろ!
じゃあまた続きもオレンジのコートで待ってるぜ。それからゴミ捨て場にゴミを出すマナーはしっかり守ろう。町内会のお偉いさんがうるさいからな。
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