「ドラゴンドライブ」は、佐倉ケンイチによって描かれた漫画作品。かつて月刊少年ジャンプで連載された。単行本は全14巻がリリースされた。
なんて懐かしい漫画なのだ。アニメにゲーム、カードにもなった一昔前の人気コンテンツです。うちのお兄ちゃんも当時はアニメを見ていたとのこと。
こちらの漫画が我が家の倉庫から発掘されたので一気に読んでみた。かなり前に古本屋で全巻セットで買ったやつだった。
私がこれを買おうと思ったきっかけは、その昔誰かの家に行った時に漫画を見かけて絵柄が気に入ったから。特に雪野麻衣子をはじめとしたヒロインが可愛いと思ったから。まぁ知らん漫画を知ろうと思う入りなんてだいだいはそんなもの。気に入った絵柄のキャラがいたくらいの軽いノリで入って行きがち。
久しぶりに読んだらしっかり少年漫画している爽やかな作風で好ましいと感じた。
内容はかなり忘れていて、主人公レイジのあだ名のハンパーマン、裏球、登場組織のRi-on、Ri-inの印象的なワード、あとは雪野、ネコ、アリサのヒロインズが可愛かったことくらいしか覚えていなかった。物語の詳しいところは忘れていたので、半分くらいは新鮮なものとして楽しめた。
全14巻と短めだが、月刊誌で4年も描いてのものだったので、そう思えば意外と長く続いたのだな。もっと短い期間で終わったものかと思った。途中で主人公が交代する2部構成ものだったのも印象深い。
内容はヴァーチャル空間でドラゴンを育成する最新のバトルゲームものとして始まり、その先で異世界に行ってリアルにドラゴンを駆ってバトルする激しいものとなっていく。最終的には世界の行方がどうなるのかという規模の広い戦いにまで発展する。
00年代前半からもメットを被ってヴァーチャル空間でゲームバトルを行う内容を描いていたのか。その後には地球の裏世界とも言えよう「裏球」という異世界に行って冒険することにもなる。
ゲームに入る、異世界に行く、そしてバトる。この要素は、昨今腐る程あるの範疇を越えて、実際に腐ったのも出たくらい乱発される異世界なろう系にも見られるものだ。この時代からもゲームに入る、異世界冒険をするの2大なろう要素で行く作風をヒットさせていたのか。
展開は意外と読者を騙すもので、ずっとドラゴンドライブのゲームバトルで行くのかと思いきや、それはゲームの運営会社が世界を取るために使える戦士を選ぶ試験的会場にしているだけのことだった。ゲームの腕が良いドラゴン使いは、よその世界の裏球に引っ張り込まれ、組織の都合の良いように動かされることになる。
ただのお気楽ゲーム世界に行ったと思ったら帰ってこれずに地球存亡を賭けた大きな戦いに強制参加となる。これは子供達にとって迷惑な話。
2部のタクミ編になると、敵の悪巧みも一段階巧妙なものになってくる。そういえばカードゲームの要素もあったと強めに思い出させてくれるのが2部でのゲームバトルだった。こちらの方ではより遊戯王っぽくなっている。
そんなゲームでまた子供を釣っておいて、今度やることはバーチャル空間と地球を入れ替えてしまうことだった。子供達が遊んでいたドラゴンドライブバトルの世界が地球になり、地球にいた人達は地球そっくりに作って勘違いしてしまうようなバーチャル世界に閉じ込められてしまう。
世界の入れ替えに当人が気づかないこと、情報技術に騙された中で暮らすことでヤバいと思えた。いつかそんなことも実現してしまう日が来てもおかしくない気がしてきたぜ。私がこうして呑気にパソコンで文字を打ち込んでいるこの空間も本当に地球なのか。実は知らん間にヴァーチャル空間と入れ替わっているのではないか。そう思えば面白いが、結構怖くもある。
2部に見られる敵組織の奥まった罠の設定は面白い。地球、ヴァーチャル世界、ここにさらに3つ目の世界の裏球がまたもや絡んで来て、最終的に3つの世界全部の存亡をかけて争うことになる。毎度戦いの規模がデカい。
1部、2部共に面白かったっす。
魅力となる要素は多く出てくるドラゴン達にある。私は主役ドラゴンのセンコークーラ、他だとサンダーボルト、ゴーラオーあたりが好きだったかな。
ドラゴンはマジでたくさん出てくる。その回だけの一発出演ドラゴンもいるから、それをを思えばよくあれだけたくさん作って描いたよなと思える。
レイジが引いたチビスケドラゴンはいかにも外れ枠に見えて、実は後に変身する伝説級のドラゴン センコークーラだったというのは、最近よくあるハズレスキルかと思ったらアタリスキルでしたの外れなろう(クオリティ的に)みたいな要素にも思える。
チビが可愛いし、レイジも爽やかでさっぱりしたキャラに描かれていて良い。後に続くタクミもそうだが、主人公のキャラ性が好きだった。どちらも基本的にはのほほんとしているが、決める時には戦士の顔を見せて決めてくれる。少年漫画の主役らしく熱いところはしっかり熱い。
好印象な言動といえばタクミの掲げる幸福論。自分にはピンチになった世界全部を救う覚悟も力も無いが、生活圏にいる家族、知人くらいの手の届く範囲は守って行きたい。皆がその気持ちで動けば、結果的に守備範囲は全体に渡り世界全部が平和になる。この小さい所から大きい所まで話を持って行くひたむきな彼の想いには、等身大のリアル性があって良いなと思った。
自分達の明日が好きだと言葉を発し、その明日の連続が叶うよう戦うタクミの想いも好きになる。ぼさっとしているようでタクミは推せるキャラだった。
戦いの中で仲間を増やし、強化を計る特訓なんかもして実に少年漫画らしいノリとなっていた。
2部で懐かしの1部のキャラが集結する流れも良かった。いかにも脇役ムーブの萩原くんが密かにお気に入り。純芝も最初は敵かと思ったけど後で良いキャラに化けたよな。こいつらはどちらも雪野が好きだったぽいから彼女もモテる。
アウトローなソロ活野郎の氷室ヒカルも良きライバルポジのキャラだった。いかにもなライバルポジムーブだったな。
暴れん坊なロッカクの兄貴も好きだった。割と爽やか系なキャラがいるなかであの暑苦しい感じで来られるのも全然悪くない。
ヒロインが可愛いのも良きポイントだった。1部ではツインテだった雪野が2部では髪を下ろしているのも良し。最終戦で久しぶりにツインテになった時に萩原くんが興奮しているのは分かる。
タクミはネコちゃんとくっつくのかと思ったらアリサとだったのは初めて読んだ時からも意外に思った要素。タクミの良きもっさり感は可愛らしいので、アリサのようなお姉様系に見える女子には受けが良かったのかも。
最終回はザ・大団円となり、聖戦を越えて懐かしのキャラ総出のエンドとなっていた。最後が良いんだよな。
懐かしのあいつらとそっくりに見えるキャラ達は、メインキャラ達の子孫だったというのも平和な未来が勝ち取れた証となっていて良し。
ドラゴンと大冒険出来るというスマートに少年心をくすぐる要素やシリアスなSF性で魅せる良き作品だった。この時代を支えた人気コンテンツだけあって、全体を通して見ればなかなかに貫禄を感じさせるものがあった。こうして一昔前のオタク文化に触れるのも良いものだよな。
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