つい最近のことだ。YouTubeのネタ動画でちょっと興味深い内容のものを見た。
なろう系主人公の周りには女がたくさんいるが、同性の友人がいないパターンが多い。それについてあれこれツッコむ内容のものだった。そういやそうだな。
で、それの理由は、作者にも同性かつ対等な関係の友人がいないから書けないんだろと考察してツッコんでいる人の意見があったそうな。その意見について否定よりも納得が集まることでちょっとバズったとか。
なるほどね。確かにああいうのは群がる女子を、つまりは都合の良いハーレムを楽しむのが要素の一つだからな。そうなれば主人公に近いポジに目立つ男子を置くべきではない。それは作者自身もそうだろうし、なによりユーザーが嫌がるだろう。不要だから書かないということで一つ納得が行く。でも書けと言われて書けない存在であるという都合もおそらく的を外した意見ではない。
これは意外と盲点で、他人がツッコむのを見て聞けば納得が行く意見。この手の作品においては友達がいないのが自然であり、いるのが不自然だという感覚になっていた。だがリアルに考えれば、その感覚がもはや自然ではない不自然なことだった。
陰キャの言動を描く際の解像度はやたら高いのに、その逆の陽キャや主人公に寄って来る女の解像度は低い。それはそうなって当然のことで、陰キャの体験はあっても陽キャの体験と女にモテた体験はない。だから片方はリアル性があり、もう片方はなんとなくの想像でペラペラの薄い内容にしか書けない。という言われてみれば理解が簡単かつグサグサ来る考察をツッコんでいるのを見ても面白いと思った。
分かっていることは分かっているままに書き、そうでないものはなんとなくの想像でやり過ごす。その上で諸々都合の良い感じに作っていく。不都合を潰して面倒なところは意図的に思考を止めてかかる。そんななろうイズムにこそ、人間の正直なところを見るんだよな。私はそれを見て感じる瞬間が嫌いではない。
私はこういう人の陰の部分に潜む正直な所を掘り起こすのが好きなのだ。それについては悪趣味だの性格が悪いだの言われることがあるが、まぁ別に気にしない。
なろうは正直な心で嘘に逃げるという一見矛盾した要素を持つものに思えるが、まぁ総合的に見れば正直者の経典なんだよ。それが分かる機会となりましたね。というなろうで紐解く人間心理の話でした。
そんな人の陰の部分を求める陽キャな私が振り返るアニメ感想の時間が今日もやって来た。じゃあ春アニメをしっかり振り返ろう。それも陰の心を消して陽気にね!
あらいぐま カルカル団
一応ラスカルのスピンオフらしい。ラスカルは昔再放送していたのを全部見てめっちゃ楽しかったと記憶しています。ラスカルもじいさんの時代からやっていたものだから歴史が長いよな。
謎の会社カルカル団は、とりあえず何かのグッズを作って売り出す会社らしい。それしか分からず具体的には何やってんだこいつら?って感じで毎回謎のことをしている。思った以上にカオスな出来でヤバい。
会社では筋トレをしたり、Vチューバーの動画を見たり、屋上で野菜を育てたりとロクに仕事してないやんけ。会社を出てサウナに行くだけの回もあったし。
ノリが「おそ松さん」みたいで何でもありのギャグもの路線だった。
まずは記念すべき1話目はどうしたんだ?制作が間に合っていない色なし作画スタイルでのお届けだった。これはもうアニメじゃない。動きに乏しくセリフ入れもなしで声優がオーコメしているような感じだった。コレは激しくネタっている。
こうなった経緯については、皆が頑張った結果どうにもこうにもならずにこうなった的な説明が字幕で流れていた。誰が悪いということもなく仕方なくこうなったのでSNSとかで特定の人を攻撃しないでねという慎重な自己防衛メッセージも発していた。炎上対策済な防火効果高めのアニメだった。
これはマジで納品が間に合わなかったのか、ネタとして敢えてコレで行ったのか、どちらなのだろうか。どちらにせよカオスにネタっている。まぁ笑えるもので良しでした。
2話目でやっとカルカル団始動という遅刻展開。入社の挨拶にアカカルが皆に角砂糖を配るのには「おぉ!」となった。ラスカルといえば角砂糖なんだよな。
ラスカルといえばの有名なシーンのひとつに、ラスカルが紅茶の注がれたカップの中で角砂糖を洗って溶かすというものがある。洗っていた角砂糖が溶けてなくなったことでラスカルが「え?」と驚いた顔をすると、それを見ていた一向が可愛すぎることで笑うのだ。その平和なシーンがマジで可愛くて一生覚えている。原作のあそこの部分を意識してか、スピンオフのこちらにも角砂糖を出して来やがった。そこはナイス。
あらいぐまの集団かと思いきや実はキツネやレッサーパンダの疑惑が濃いメンバーがいたり、1匹は顔認証をすれば津田健次郎の成分がすごいとか分かる。あのエピソードでは津田健次郎がまんま実写で顔出しなのに笑った。声も顔も渋くてイケてます。
サウナ回では体が整った一向がイケメンなケモノ男子に擬人化するという謎展開で来た。アカカルのラップソングで本編を乗り越える回、乙女ゲーみたいなフォーマットでお届けする回もネタっていてバカい。
筋トレ回では筋肉の化身兼芸人のなかやまきんに君の声がする。声優として参加していました。
可愛いあらいぐまユーチューバー ボーカルの声が中森明菜なのはすごい。何がどうなってこんなオファー出しがあり、そして向こうさんも受けることになったのだろうか。奇縁過ぎる。
ボーカルが私の好きな中森明菜のヒット曲「ミ・アモーレ〔Meu amor é・・・〕」「DESIRE -情熱-」の歌詞をセリフとして言っているシーンもあった。あの2曲はマジで傑作だと思う。
中森明菜のアニメ声優挑戦は実はこれが初でなく、今回で二度目だそうです。長い芸能活動の中で色々経験していたんだな。
これは純粋なラスカルマニアには呆れられそうだし、中にはキレるものもいたかもしれない。でも私はとにかく寛容であり、娯楽コンテンツを快楽として受け入れる間口を広く設けていることからこんなカオスノリなおバカギャグものも愛せます。結構好きでした。こういうノリや世界観もアリです。あとラスカル本編はマジで傑作アニメだから今見てもイケるはず。暇している多くのお友達に見てもらいたい。
コウペンちゃん
可愛い!コウペンちゃんは丸くてちっこくてめっちゃ可愛い。コウペンちゃんをハグしたくなります。あと最近はペンギンの赤ちゃん(実写)の動画をYouTubeで見て癒やされています。
コウテイペンギンだからってことで毎回こちらを肯定しまくりの受け入れ体制を取ってくれるのか。コウペンちゃんは事あるごとに「偉い」と褒めてくれるし、「あっ、キミだ!」と言ってこちらをしっかり見つけてくれる。これが定番要素として連続します。
孤独の中にあって癒やしを求める現代人が欲しいものがこれら肯定と承認のコミュニケーションなんだろうな。という深い見方もしております。多分そういう意図もあっての癒やし可愛い枠なのだと思う。
コウペンちゃんの仲間の邪エナガさんも可愛い。去年に初めて知ったシマエナガ。それをキャラクター化した可愛いヤツである。シマエナガも可愛いので推せる。
頑張れば瞬き無しで1話を見れるくらいのショート枠だが、短い割には満足度が高いものでした。見れば自己肯定感も高まって心が元気になれる一作になっている。良い作品ですな。
すみっコぐらし ここがおちつくんです
確かに隅っこって落ち着くんです。分かる。
存在を証明したい、承認欲求ってものを満たしたい。そうして周囲からの認識を欲しがるも、いっぱい見られるのはなんか嫌。そんな半端に目立ちたい現代人の思考が反映された作りなのか、こちらの作品では端っこにいてもしっかり生きたい命の輝きを描いていく。という私の見方は余計な勘ぐり考察、つまりはノイズ思考が働いた間違ったものなのかもしれない。
そんな隅っこに寄りたい可愛い生物達の話。今期はコレ系の小動物系ショート癒やし枠が充実していたな。ただ可愛いだけの癒し時間も好きなんです。
この「すみっコぐらし」というコンテンツもすっかり長命で10年以上くらいあるよな。先日中古ゲーム屋でコレの3DSのソフトを見かけて「わぁ~可愛い~!」と思い、絶対に遊ばないだろうけど手に取って眺めてしまった。でも可愛だけでやらないだろうから買わずに返しておいた。でもでもやっぱりただコレクション用に買ってきても良いかも。
とまぁそんなことがあり、とにかくコレ、割と最近になって可愛いからと気にしていたやつなんだよな。
なんかもっちりちっこいキャラ達がたくさんで楽しい。とにかくすみっこに寄る生き物たちがめっちゃ可愛い。ちょこちょこ動くことで可愛く見せる作画仕事も良いな。
普通に動物系のヤツもいれば、カッパが退化して緑のペンギンになったヤツ、トカゲのふりをした恐竜の生き残り、エビフライの尻尾、とんかつの端っこの脂の多い箇所、カタツムリになりたくて殻を被っただけのなめくじ、そして雑草など各種業界、ジャンルにおける端っこにいるヤツらが大集合。
とんかつだったら端っこでもスター枠なんだけどな。雑草は本当に庭の端から真ん中までどこにでもいる要らないやつでまさに草。リアルの話をすれば、この中だと雑草となめくじが圧倒的に嫌われものだと思う。でもすみっこキャラにすれば皆可愛い。
とんかつとエビフライの尻尾の揚げ物コンビが推しかも。エビフライの尻尾は赤い尻尾部分が頭のリボンみたいに見えて可愛い。なので勝手にリボンをつけた美少女枠として見ている。エビフライの尻尾にはヒロイン感があります。
キャラは喋らずナレーションで説明する中で話が展開する。キャラ自体が喋るよりこっちの方が良かったな。動きだけで可愛く見せる手法の方がほっこり感と萌え感があって良い。
とにかく毎度優しい世界がそこに広がっていて、短い時間でありながらも幸福度と満足度が高い作りになっていた。ナイスです。なんかコレのグッズが欲しいところ。
ぷちきゅあ~Precure Fairies~
歴代プリキュアシリーズに登場した小動物キャラ大集合のぷちアニメ。出てくるヤツらのサイズ感はもちろん、1話の時間も大変ぷちぷちしたものですぐに終わる。瞬き無しで1話行けます。さっくり可愛い癒し時間で良し。
こういう企画をしてくれたことで改めて思い出す。そういやプリキュアってちっこくて可愛い癒しキャラパラダイスだったんだよな。可愛いギャルにばかり目が行くのが健全な楽しみ方だから、その脇にいるおまけ要素のチビ共に向ける意識がやや欠けていた。思えば初代から昨日やっていたシリーズまで毎度チビなお供キャラがいたんだよな。プリキュアの歴史は可愛いチビキャラの歴史でもある。
内容は同クールにやっていた「すみっコぐらし」のアニメのプリキュアちびキャラバージョンみたいな感じかな。チビキャラにセリフは無し。動きのみで可愛いを伝えるものだった。本当の可愛いは視覚だけで話が済むから聴覚を封じても我々の心は癒やされるのだ。
やっぱりこっち部門ではモフルンがエースなんだな。序盤からしっかり出ている。いつだかのNHKプリキュア投票企画でもモフルンがかなり上位にいたし。1位だったっけ?
新顔ではこむぎちゃん、ゆきちゃんもいた。新シリーズに入ってキュアニャミーに会えなくて寂しいとなっていたところでニャミー成分を持つゆきちゃんの登場があったのは嬉しい。
選抜部隊となっていてさすがに全作の全チビを出すことは出来ていない。ハリー、タルトの関西弁チビキャラはいないんだな。やっぱり関西弁に感じる言葉の強さがぷち可愛いとは遠い要素になっているのか。そんな私は関西人じゃないけど関西弁が結構好きです。
この春は本編のキミプリを見て萌え萌えしたところでこっちを見てほっこり癒やされた。プリキュア的ダブル効果で癒える春でした。プリティーでキュアキュア、コンテンツの根っこにある要素をしっかり感じ入りました。ありがとう。
LAZARUS ラザロ
スキナー博士が作ったハプナという薬は世界中に広まったものだった。で、それを使用した者は3年後に死ぬと後で分かる。こうなったらスキナーを捕まえてなんとかさせるしかないのだが、彼は失踪して見つからない。じゃあ探さなきゃ。
という過程を経てスキナー捜索チームを結成したところで、全世界を舞台におっさん1人を探す超規模かくれんぼが展開する。こっちに残された時間は30日。何が悲しくて残りの命の全てを賭けておっさんを探さなあかんねん。とは思えど愚痴をこぼしている暇はないから一生懸命探すのみ。
というわけでデンジャラスなかくれんぼを眺める楽しい時間。スリルありで悪くないスタート。毎話の終わりには30から数が減っていくカウントダウンがあるのも緊張感を高める要素になっていた。宇宙戦艦ヤマトでもそんな感じの演出があったよね。
まぁこれを見るに、よく分からん薬には手を出すなってことだな。また人が良いと言う物であっても情報を鵜呑みにしてはいけない。魚を噛まずに丸呑み出来るのは鵜という生物の特性と機能であり、人はそうは行かずしっかり噛まなきゃ駄目な生き物だから。というわけで飯はしっかり噛んでから飲み込もう。
1話目は脱獄が趣味の囚人 アクセルくんの日常を描いていく。迷惑なお兄さんだな。
作品の特徴として言えるのは、アクション作画にとにかく力を入れたこと。その腕前をいきなり発揮させた場が逃げまくるアクセルの脱獄アクションショー。
1話目冒頭ではまるでパルクールかのごとくすごいアクションをしながらアクセルくんが追ってから逃げる逃げる。その元気さと優雅さはアニメーションとして完成度が高く、見ていて楽しいものだった。
アニメでパルクールといえば去年やっていた「菜なれ花なれ」を思い出す。こっちを見てあっちのことも思い出したけど、パッとタイトルが思い出せなかった。そこで「パルクール アニメ」で検索をかけると、これら2作の両方が上位に出てきた。やっぱりパルクールアニメの評価と印象なんだ。こちらのかくれんぼアニメもスキナー探しとパルクールの要素が強いばかりで、他の要素を思い出すのに時間がかかる。
毎度やることはスキナーがいそうなところを当たっていくこと。まぁシンプルにそれしかやることがないよな。サボったら人類は終わるし。
それも一発目でいきなり見つけ出して捕まえたりしたら話が終わるので、どうしても空振りを複数回入れることになる。全然関係ないおっさんがいたり、なんかヤバい宗教の基地に攻め込むことになったりとまぁ色々やっていくことに。おっさん捜査以外にもちょいちょい文化的に訴えかけるようなメッセージ性を感じたような気もする。
当たりが外れ過ぎて肩透かし感が強いかもってこともあった。でもいなくなったおっさんの捜査なんてそんなもの。おっさんなんていうどこの世界にもいる木みたいなものは目立って見えにくい。何度空振りしても最後は真芯を捉えてホームランに持っていけば良いのだ。
スキナーに辿り着くまでの過程で色んな所に行って色んなことをやった点に娯楽性があった。美麗なアニメーションで新しく挑戦的なことをやりたいのでやったというソウルは評価したい。
カウボーイビバップの血脈を受け継ぐ一作ということで、懐かしのカウボーイビバップ声優も出演していた。あっちでは主人公を演じていた山ちゃんがこっちではラスボスのスキナーを演じていました。
ンめねこ
アグレッシブにアクティブなンめねこちゃんはいつも元気に何かをやっている。そしてそれを優しく眺める相棒のうすくろがいる。こいつら二匹が仲良しなのが良い。良いコンビ感で愛せる2匹です。
毎度4コマ漫画でも読んでいるかのようなサクッとお気楽に楽しめる内容で良かったっす。こういう全然疲れない心癒し系アニメも良いものだ。あとネコってやっぱり可愛いな。そんな私は犬派である。
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