「黄金バット」は、1966年に公開された特撮映画。
先日YouTubeにて無料公開されていたのをしっかり見てきた。
うわ~コレは懐かしい。小学校の頃にうちの父がビデオで見せてくれたやつだ。あの耳に残るOP曲はなんか覚えていたな。
おまけにうちのお兄ちゃんが気に入って見ていた「笑う犬」のビデオでは名倉潤が「黄金ナット」というパロディコントをしていたな。確かこっちの方を先に見たような気もする。黄金ナットのキモオモロイ見た目のインパクトはかなりすごかった。
この映画を初めて見た時には、頭にスッと入ってくる「黄金バット」のネーミングと見た目がめっちゃガイコツ男なことに衝撃を受けたものだ。良い名前、良い見た目だよな。
先に仮面ライダーやウルトラマンのシリーズをいくつか見たあとで親から勧められたものだから、そこと比べてギャップが激しいと思うのはまぁ当然かな。月光仮面の敵にもどくろ仮面ってのがいたなぁ。あれの敵キャラとして黄金バットが登場しても違和感がなかったかも。
もっと華やかなヒーローもいるものだが、黄金バットは棺桶の中からこんにちはしてくるミイラというか骸骨モチーフのヒーローなんだよな。しかも怪しげなる高笑いであの怪しげなルックスだからな。当時はコレを見て泣いた子とかもいたんじゃないのかな。古いヒーローだと七色仮面とかも子供視点で見ると怖いかも。
今思えばヒーローなのによくこの不気味なモチーフで行こうとなったものだな。でも仮面ライダーだってガイコツモチーフの「スカルマン」を踏襲して組まれたマスクデザインだというからな。そうなれば案外ヒーローの根っこはガイコツに辿りつくものなのかもしれない。昔の特撮なら「恐怖のミイラ」なんてのもあったし、墓場系からアイデアを持って来たい特撮脳が当時は育っていたのかも。
もうヒーローなんかやり尽くしたところで出て来たアンチヒーローな見てくれのアイデアならともかく、世界最古のスーパーヒーローとも呼ばれた彼の造形がコレなのは初手からしてイレギュラー。だがその感じで攻めるセンスもまた良い。
というか国産の特撮ヒーローとしてはマジで最古参なんだよな。そこが黄金バットのすごいところ。偉大なる一人だよ。
元々は紙芝居として始まり、後にはマンガ、実写、アニメにもなったという。ほぅ、こうして歴史を振り返れば、その当時ににはまだなかったであろうワードのメディアミックスの概念に沿った作品売り込みが叶っていたわけだ。すごいことだな。
こちらは1950年という古い時代からも既に実写映画が公開されていたという。そのタイトルは「黄金バット 摩天楼の怪人」。一体どんな怪人が出てきて一戦繰り広げたのだろうか。そこを確認したいところだが、これのフィルムは消失しており見ようにも見る術がない。
あ~こういう時代の情報技術不足によるロストメモリーがあれば勿体ないし、抜け落ちたそこのところが気になってしまう。今の時代なら撮った映画なんて完全保存しているだろうに。
こちらの映画には日本の歌姫 美空ひばりが出演していたという。キャストにそんなビッグネームが並ぶなら尚の事見たいな~。でも失われた物の復元は出来ない。悔やんでも仕方ないところだな。
で、今回見た新作黄金バットだが、新作といっても1966年の古い作品なんだよね。こんなに昔なのに、前作映画から16年も経っての映画なのかよ。1950年公開の1作目を見た当時のガキなんて、この新作が公開される頃には働き始めていたのかもな。黄金バットも世代を越えてのエンタメ作品になっているじゃないか。
という感じで過ぎ去りし古い時代に思いを馳せつつ、最近の人間の私が黄金バットを見た感想を書いていこう。
内容
地球に迫るヤバい惑星の影あり。惑星イカロスは、予てからの軌道を大きく変えて地球激突コースに入った。ヤバいです。
こんな不自然ビックリなことはありえない。そうです、糸を引く悪の影があるんです。
悪の親玉怪人ナゾーは、宇宙征服のために地球を潰すことを考えた。その結果、イカロスを呼び寄せる運びとなったのだった。
国連秘密機関パール研究所のメンバーには地球防衛の任務がある。彼らの科学力でイカロスを破壊する超破壊光線砲が誕生した。
そんなものがあれば地球は守られてしまうわけで、ナゾーにとっては超邪魔なアイテムとなってしまう。
ナゾー達悪者一味は、超破壊光線砲の奪取のために動き出す。パール研究所メンバーとナゾー達によって、超破壊光線砲の所有を巡る戦いが始まる。
そしてそこに割って入るのが、1万年の眠りから目覚めた正義の使者 黄金バットだった。人類がピンチに陥った時、彼は特徴的な高笑いと共にどこからともなく現われる。
黄金バットはナゾーを討って地球の平和を守ることが出来るのだろうか。惑星イカロス衝突まで時間がない中で展開する地球最大にして最後の防衛戦を描いた傑作映画をくらえ!
感想
面白い!見始めたらホントすぐに終わった感じの痛快エンタメ作品ですわい。
色なし白黒の一発見ただけでも古臭い映画だが、内容は分かりやすくて面白い。だいたい1時間20分でまとまっていて見やすい。シンプルかつスマートに娯楽していて印象が良いです。
主演は千葉真一。毛量多めに口ひげを蓄えたマッチョな地球防衛戦士として活躍してくれる。こんなに前からも特撮作品に出ていたのか。さすがに若い。
そして割と多めにいるパール研究所のメンバーの一人にあの人が混ざっているのもすぐに確認出来た。そう、キャプテンウルトラの人だ。
あっ、キャプテンウルトラおるやんけ!となったものだ。見つけることが出来て嬉しかった。この人は濃い顔の男前だから防衛軍のメンバーが横並びになった中でも目立つな~。
そんな彼ら防衛隊の隊員服は、燃える必殺の(?)タートルネックというのがこの時代の際立つおしゃれポイント。地球防衛したけりゃ首元は守っとけ。
天体観測が趣味のアキラ少年は、偶然にもイカロス惑星の軌道がおかしいと気づく。そこから物語が動き出す。
パンピーのくせしてそんな重要な変化に気づいたことで、彼はパール研究所メンバーにスカウトされる。パンピーの立場が一転して地球防衛をかけた大きな戦いに参加する運びになるから彼も相当にサクセスしている。そんな彼もまた主人公だと言えるだろう。
本作でやることは分かりやすい。イカロス惑星を地球にぶつけたいナゾー一味がいて、それを止めたい防衛隊がいる。ここ2つの勢力がやることは、惑星を破壊できる超破壊光線砲の所有を巡ってのドンパチ。この光線砲が本作の重要アイテム。
ナゾーがこれを取れば地球を守ることは出来ない。防衛サイドが手にすれば惑星を破壊して地球を守れる。それぞれ目的がはっきりした上で超破壊光線砲の奪い合いとなるので起きている事態は見やすい。実質これを取った方が今回の戦いの勝利者だな。
この奪い合いの展開が面白い。研究所側ではパーツを隠して対策をしていて、ナゾー一味は研究所に潜入して奪いに来る。超破壊光線砲を巡ってはスパイアクションのような展開も見えてなんかワクワクした。
超破壊光線砲が完成したからといってさっさとぶっ放せば良いわけでない。惑星イカロスがまだ遠くにある内は射程距離外だから意味がなく、ここまで接近した時に撃ち込むというタイミングがある。このタイミングも慎重に選ばなければならないから大変。地球に近づきすぎてから破壊すれば、爆発の衝撃をくらって地球が傷つくことになる。安全かつ確実に破壊できる距離の取り方が重要。惑星破壊には頭も使うから全然簡単ではない。
超破壊光線砲その物の構造や効果もそうだが、惑星破壊のプロセスにおいてもなかなかにサイエンスな設定が盛り込まれている。サイエンス特撮でした。
この二つの勢力争いに黄金バットが加わり、防衛軍に味方してくれるのはとても頼もしい。
ヒーローの黄金バットが棺桶より登場するシーンはガキの頃からも覚えていた。幻の地より1万年の時を越えて大復活した黄金のガイコツ戦士とはイカすぜ。
今日まで100人を越えて何人とヒーローを見てきた。それだけの数を一周すると、黄金バットのちょっと歪なヒーローデザインがすごくイカしていて大いにありだなと思える。
黄金バットといっても白黒映画だとせっかくの黄金ボディの煌めきも伝わらないんだよな。
名前は黄金バットでも手に握るのはバットでなくステッキ。そのステッキで悪者共をシバく姿は勇ましい。もちろん超強いっす。
お供にコウモリがいて彼自身も飛行することから野球のバットでなくコウモリのバットから来ている名前なのね。とまぁ改めて見れば野球のバットの要素がいかに関係ないかが分かる。ステッキなら紳士的で見栄えが良いが、バットなんゴツい鈍器を持ち歩くヒーローがいたら怖いかもな。
黄金バットだけいれば特撮要素は満足なものだが、この時代からもメカニックが意外と充実している。
防衛隊サイドには空飛ぶスーパーカーの発明がある。これはもはや飛行機だな。立派なものだ。発進シーンも結構迫力ある形で作られていて格好良い。
黄金バットだけでなく、こちらも目立った要素として姿形が記憶に残るのがナゾータワー。これはこの時代にしてはビッグで派手な巨城だな。すごい科学力と金が必要なものだとひと目で分かる。
ナゾーが所有する移動型の基地であり、その見た目は細長いドリル状になっている。ドリル式にどこでも掘り割ってこんにちはしてくる。序盤では海から、後半では皆の暮らす街中からこんにちはしてきた。どこの地でもぶち抜いて生えるとは迷惑な移動基地だな。
このナゾータワーのデザインとドリルのアイデアが良い。先っぽを見ればイカの頭みたいにも見える。遠目に見ればガメラの敵のバイラスが足をしまって細長くなった状態に見える。
このデカいタワーの上から捕まえた防衛隊メンバーを突き落とすなんていうシンプルに怖い処刑シーンも見られた。簡単かつ確実に人質処分が出来るヤツでエグい。この高さだから処刑場としても使える恐怖の発明となった。
惑星イカロスの進む力は凄まじいもので、月をぶち抜いてまで地球に迫ってくる。もう全然止まんねぇのよ。
破壊砲の発射がマジでギリギリのタイミングとなったので、そこまではスリルある展開が楽しめた。
黄金バットがナゾーを追い払ってくれて地球の未来は守られる。良かった良かった。
戦いの終わりに、歴戦のガイコツ戦士である彼が人類にありがたい言葉を残してくれる。
「力を持って世界を征服せんとする者は、自らの力によって滅ぶ」
これが歴史から導く世界の真実である。皆も心してこれを胸に刻め。
とまぁ痛快エンタメした最後にはとても良い教訓が得られるものでした。大変良い映画だった。
黄金バットを令和の世にまた見れて良かった。なんかもっと広めたいので親戚のチビッコにも勧めてみるか。古い白黒特撮も良いものですな。
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