こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

昆虫と人類の魂をひとつに「重甲ビーファイター」

重甲ビーファイター」は、1995年2月から1996年2月にかけて放送された全53話の特撮テレビドラマ。1年もので53話とは、微妙に放送回数が多いぞ。

 

 先日視聴した「ブルースワット」がとても楽しかった。ならば、その次回作となるビーファイターも見るしかない。という自然な流れでビーファイターを全話視聴。年末から年始にかけて楽しく拝見した。それにしても毎年変わらず正月は楽しかったな~。

 

重甲ビーファイター VOL.1 [DVD]

 

内容

 時に199☓年、地上の昆虫達が、かつてないざわつきを見せた。それに気づいた学者達は、地球に大きな影響を及ぼす危険が迫っていると判断する。がしかし、虫が動いたから何だと言って、政府の人間達は学者達の研究を注視することはなかった。まぁ分かる。

 そんな虫の知らせ通り、異次元からジャマール帝国という悪い奴らが地球に攻め込んで来る。

 人類が開発したパワーアーマーに、地球の平和を願う昆虫達の魂が合わさった最強アーマー「インセクトアーマー」が完成する。これを身に着けて戦う若き3人の戦士達がビーファイターである。

 地球侵略を企むジャマール帝国を討つため、ビーファイターが勇ましく立ち上がる。

 

 という熱い内容をたっぷり53話楽しむ事が出来る。

 

感想

 前作の「ブルースワット」が異色かつマニアックな作りだったのに対し、今回は原点回帰といった感じの作風になっていたと思う。

 人間や昆虫が共に暮らす地球環境を大事にしようという内容もそれとなく伝えたエコな作りにもなっていた。

 

 登場ヒーローのビーファイターの三人は、メタルヒーローの名に相応しくメタリック感のあるデザインで格好良い。とにかくコレに尽きるというのが、ビーファイターがめっちゃ格好良いこと。

 子供がパッと見比べたら、絶対にブルースワットよりもビーファイターの方が格好良いと思うだろうな。

 エクシードラフトみたいに、各員がしっかりカラー分けされている。青、緑、赤のボディの戦士達はしっかりバエる。

 

 各員専用武器があり、それぞれ必殺技もあってバトルの見せ方は前作よりも派手。

 後半でパワーアップして羽を広げたブルービートは超格好良い。

 

 各員が巨大メカのビートマシンに乗り込んで行うメカ戦も楽しい。どれも微妙にタイムボカンのメカっぽい感じがする。

 角にとりつける武器であることを考慮して、ビートルーダーの追加武器はスタッガータンクの背に、逆にスタッガータンクの武器はビートルーダーの背に格納している。この点はメカ好きに受けるマニアック要素かもしれない。理にかなったこの配置には燃えるものがある。格好良い。

 

 スーパー戦隊のように、巨大メカが合体して人型ロボになるまではいかないが、中盤ではメガヘラクレスとビートマシ3台が合体して巨大要塞みたくなる。これは格好良い。

 メガヘラクレスとマシン3台が合体すると、すごい火力のキャノン砲をぶっ放すようになる。派手だな。人類と昆虫の持てるパワーの全てを結集した驚異の破壊力がここにある。

 

 メガヘラクレスの歩くシーンは印象的。モノホンのカブトムシを飼ったことがある私から見ると、なんか妙にリアルな歩みで、メカなのにカブトムシ感をしっかり感じられた。良き特撮技術が見られる。

 

 ビーファイターに変身するメンバーは、昆虫学者、樹木医、イルカショーも出来る動物学者と、インテリ揃いなんだな。あと、女性メンバーも含め、皆良いバイクに乗っている。

 

 ブルービートに変身する甲斐拓也は、ダイレンジャーのキリンレンジャーの人じゃないか。と思ったら、この人は双子俳優で、ダイレンジャービーファイターはそれぞれ兄と弟の違う人間が変身しているとか。まじか、見分けがつかない。

 甲斐拓也とそのクローンのシャドーは、合成で同じ人間が映っていると思ったが、実は別人で、双子の兄弟がそれぞれ演じているとのこと。これもマジに気づかなかった。ややこしい。

 

 ジースタッグに変身する大作はSASUKEにでも出てきそうなアスリート感があるが、意外にも地球に優しい樹木医なんだよな。情弱なもので、木のお医者さんなんているんだと初めて知った。

 樹木を相手にするお仕事のため、仕事現場は丘になるが、大作は漁師の息子であり、海の男のDNAを持っている。でも金槌という点はユニーク。

 

 レッドルは中盤まで羽山 麗が変身していたが、唐突に二代目の鷹取 舞にバトンタッチした。作中ではインテリな麗の腕が高く買われ、仕事先が南米に栄転となったとされている。リアルだと麗を演じた女優が怪我で降板したとかなんとか。そんな話だったらしい。

 急なお別れは寂しかったが、二代目の舞はガラリと雰囲気が異なるシティギャルで可愛かった。クールで弁えた麗も良かったが、ビーファイター陣営さえ予測不能な言動に出る舞の破天荒さもそれはそれで良い。なんにせよ女子は強く図太くがベスト。どちらのヒロインにもその点が見えた。

 舞の持つ汚れなき乙女の純情を前に、敵も絆されて良いやつになるほっこり展開もあって良かった。

 

 ブルースワットの時もそうだったが、ヒーロー達が仲良しチームなのも良い。

 

 ヒーロー達の支援を行う向井博士も愛せるキャラだった。若き日の笹野高史が演じている。この時からも毛量が危ない。

 向井博士は43歳の設定だが、それにしては老け込んではいないか。確かに最近の若者は老け顔が多い気がするが、当時でも今でも43でこの仕上がりは早いだろう。

 というか、こんな惚けた博士だけど、グルの手を借りる以前にも、結構良いところまでパワーアーマーの開発に漕ぎ着けていたんだな。なんだかんだですごいおじさん。

 向井博士がプロトタイプアーマーを装着して現場出勤する回は、レア回となって楽しかった。

 

 人間側に昆虫パワーを提供してくれたカブトムシのグルは作品のマスコットキャラ。大きなクリクリお目々で微妙に間抜け面なこのキャラデザは、これより後にヒットするおもちゃのファービーとちょっと似ている気がする。

 後に、虫のくせして関西弁を操る商人をしている息子 カブトが登場する。全然似てない親子。親父と喧嘩して地球を飛び出し、100年も家出した末、作中中盤で帰ってくる。長い家出だったな。

 カブト、ブラックビートを正式にメンバーにして、5人並びで格好良く決めて戦ってくれたら良かったのにとも思う。カブトはおまけ戦士ってくらいで、登場回数は少なく、ブラックビートは最後までダークヒーローとして対立することになる。

 

 なおグルの嫁は、ちょっとレッドルに似ていたとカブトが証言している。女戦士レッドルのデザインには、亡き嫁の姿を反映させたとか、ちょっと泣ける夫の愛が見えた。

 

重甲ビーファイター VOL.2 [DVD]

 

 前作の得体の知れないエイリアンと違い、今回の敵は組織構成が見やすい。敵もしっかり喋るし、個性もあって分かりやすい。主役の正義サイドの事はもちろんだが、敵対する連中の事もしっかり分かる作りの方が、視聴者に不安が無くて良い。ブルースワットの初期の方では、敵のエイリアンが何を考えているのかはっきり読めない点が不気味で怖かったと感じたものな。

 

 ジャマールのボスはガオーム。部下のことは盤上で動くコマくらいにしか思っていない心なき上司で怖い。ゴルゴムの創世王と同じ声だな。悪のカリスマ感が出ている。

 

 ボスの下にはギガロ、シュヴァルツ、ジェラの3大幹部がいる。そして中盤からは格好良いダークヒーローのブラックビートが追加される。ブラックビートもマジ格好良い。

 

 自分の存在意義を追い求めるブラックビートの戦いは見応えがあった。後半は敵組織内で揉め事があり、その結果勢力が分散してややこしいことになるなどの展開も楽しめた。

 ビーファイターを見たいのが一番だが、敵側メンバーのキャラ性を掘り下げる展開も意外と良かった。

 

 シュヴァルツはムカつくのにどうしても憎めない良い味を出していた。これについては、喜劇俳優の素養もたっぷりな千葉繁が演じた功績が大きく出ていると思う。

 兄弟が欲しいからマッチョな兄貴ロボットを作る点はちょっと可愛い。自分で作るのだから弟で行きそうなものだが、そこは後から兄貴を作るんだ。ユニークな発想だ。

 

 ギガロの色合いを見ると、ガオレンジャーのウラを思い出す。

 序盤のジェラは冷酷なクソ女に見えたが、後半になる程、部下想いで仲間を信じる意外とお人好しな一面も見せるようになった。終盤では、ブラックビートに助けられた恩もしっかり感じ取っていた。ジェラは意外と性格の良い一面も持っていた。

 

 ガオームもブラックビートも倒した後のラスト2話はとってもスペシャルな作りになっている。ここだけ見てもお得。

 ラスト2話は、先輩ヒーローのブルースワット、ジャンパーソン、ガンギブソンが駆けつけて最強共演が果たされる。ヤベェ、なんてミーハーでメタリックな絵面なんだ。これは当時の子供達も湧いただろうな~。

 

 ショウ、サラは宇宙から帰っていたのか。ていうか、何をしていたのだろう。そこのところの詳しい報告は無し。

 シグが髭をはやして登場するのはレア。

 

 ブルースワットの事をビーファイター達は知らないと言う。そういえばブルースワットは世間様に非公式と言って問題ないくらい裏で動く組織だった。比べてビーファイターは、外国にまで組織の横幅を広げた周知のビッグ集団として描かれている。ビーファイターは世間様に有名なんだよな。

 

 そして敵側にも懐かしい顔ぶれが登場する。ブルースワットのクイーン、ジャンパーソンの強敵ビルゴルディが復活。飴をペロペロする帯刀社長がまた見れて嬉しいというファンがたくさんいたことだろう。

 当時は無かったツイッターというのがもしあれば、すぐにトレンドワード入りしたであろう楽しいコラボだった。 

 

重甲ビーファイター VOL.4 [DVD]

 

 

 ビーファイターの面々はもちろんだが、本作のOP曲もとにかく格好良い。

 前作のブルースワットのOP曲が意外にもゆったりなメロディーだったの対し、今回はめっちゃ熱いテンションの一曲になっている。まるで千歳飴のような出来で、イントロから終わりまで、どこを切り取って聴いても熱くて格好良い。最強のヒーローソングだな。何回聴いてもめっちゃ格好良い。

 正月からリピートしているぜ。

 


www.youtube.com

 

 

 この後には、本作の魂を受け継いだ次回作「ビーファイターカブト」も控えている。こちらもこれからしっかり視聴しようと思う。

 

 

 スポンサードリンク

 

>