「鏡の国のアリス」は1871年に発表されたルイス・キャロル作の児童小説。
「不思議の国のアリス」の続編である。
前作と共通して主人公少女アリスが摩訶不思議な世界を冒険する物語である。
作者のルイス・キャロルは、知り合いの幼女アリス・リデルに面白い話をしてくれとねだられ、即興で「不思議の国~」の方を作り出したとのことである。ことの発端が知り合いの子供への作り話に始まり、それを本にすれば世界的にヒットし、そして続編まで書かれる。これを想えば、世の中何が起こるかわからないと言える。幼女とのお付き合い、こいつは大事にしておいて損はないのかもしれない。私はロリコンって訳じゃないが、幼子とは仲良くしようと想う。
そんなわけで「不思議の国のアリス」に次いで読んだ「鏡の国のアリス」の感想をつらつら書いていこうと想う。
今回でもアリスは感じやすくおしゃべりで愉快な少女に描かれている。テンションが高く、独り言が楽しいヒロインである。まず冒頭では、家で飼っている猫にめっちゃ話しかけている。
前作ではチョッキを着た奇妙な兎を追って大きな穴に落ちておかしな世界に迷い込んだが、今回はアリス家の暖炉の上の鏡の中を抜け、鏡の世界を旅することになる。
物語のキーとなる点は、鏡の向こうの世界を大きなチェス盤に見立てているということ。チェスの駒を優勢に進めていくがごとくアリスは歩を進め、その道中で前作同様にして奇妙な連中に遭遇し、また訳の分からないやりとりを交わす。
スタート地点から始まり、アリスが歩をすすめるて行くと、やがてアリスは女王になる。これはチェスの戦況がでいい感じになったということなのか。何せ私はチェスのルールなんて全く知らない。前作では作中にクロケーを用い、今回はチェス。何にせよ文学青年の私には縁がないゲームだ。
今作でも相変わらずなにかしらのパロディや言葉遊びを盛り込んだ異質なテンションの会話が繰り広げられ、普通に読んでいるとアリスとその他のキャラの会話が噛み合ってなくて謎に陥る。会話シーン、語りの口調もやはり癖がある。
今作でも喋る花、ソックリダムとソックリディーのそっくりな二人の男、卵男のハンプティ・ダンプティ、バトっているユニコーンやライオンなどなど謎にして騒がしい連中が登場する。
ハンプティ・ダンプティのシニカルで謎な感じは嫌いじゃない。頑張れば7歳を迎えず、それ以前で留めるころが出来る的なことを言ってたのは印象的。
場面が次々と変わって行き、アリスは濃い内容の冒険をしていく。
今回も夢オチということで、アリスが眠りから冷めると冒険は終了。
相変わらず謎な物語。
しかし、こんなに昔から今日まで、異世界冒険ものというのは作家自体が作りたがるし、読みたいやつもたくさんいる。今でも愛される異世界もの、そのジャンルの発展に大きく貢献した作品が本作ではなかろうか。
夢をもらえる冒険作品だった。
アリス作品二作を続けて読んで、すっかり汚れなきあの頃(ティーンエイジ)の心に戻ることが出来た。
ありがとう。アリスよ永遠に……

- 作者: ルイスキャロル,金子國義,Lewis Carroll,矢川澄子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/09/28
- メディア: 文庫
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ハンプティ・ダンプティの所を読んでいるとゆで卵が食いたくなるね。
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