こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

NHKのエヴァンゲリオン投票が面白かった。

 

使徒、襲来

 

 こいつは嬉しい。これほどザ・オタクなアニメが、教育番組なんかを売りにするNHKで取り上げられる日がまさか来ようとは……嬉しい限りである。

 

 メジャーセカンド、キングダム三期が中断したことにより、オタク達から必要とされるシーンが減ってしまったNHKだが、この投票ばかりは中止せずにやって良かった。ここが無くなれば、オタク的立場からすると局の存在価値が一期に死ぬ。役場で行う選挙なんてクソだという者たちでも、こちらには興味津々だったはずだろう。

 

 コロナに次いで今年の流行りワードに上がるであろう最新技術「リモートワーク」を駆使して何とかお届けた点は印象深く、同時に評価も出来る点である。最後には、音楽でアニメを盛り上げた高橋洋子氏のリモートライブもあって良かった。テレビシーンの新たな可能性が見られた。

 

 楽しいMCと抜群の歌唱力を売りにする西の筋肉ダルマこと西川貴教が、今回もリモート出演ながらしっかり司会進行をしてくれたのは嬉しい。NHKのこの手の企画の隠れたお楽しみ要素が西川貴教なので、彼無しでは楽しさも三分の一減だったろう。

 

 アニメ出演者の内、トウジくんを演じたうるさくて面白い関智一を呼び出せなかったことは残念だが、元相方の長沢美樹氏がリモート出演したのは嬉しい。私はこっそりと伊吹マヤも推していた。

 

 根暗な少年のシンジ君を演じた緒方恵美もリモート参戦して嬉しかった。その昔には葛城さんを演じた三石琴乃と共にセーラームーンをやっていた女優が、角度をギュイーンと変えて根暗で冴えない男子をやるというのにはギャップがあった。

 

 エヴァンゲリオンと言えばとにかく思いつくのが、作品のニ枚看板となる綾波レイ、アスカ・ラングレーのツインヒロインの存在である。

 オタクの間では言うまでもなく有名な論争「綾波とアスカどっち派論争」の存在が、出演者のショコタンの口から語られた。エヴァと言えばここに触れずには通れない。何も知らないヤツでも看板キャラのこの二人に興味を持って視聴に踏み切ることも多いだろう。主役のシンジ君を差し置いて入り口となるのがここ二人だ。この論争をいつか何かの番組で爆笑問題太田が「サザエさんで言うところのかおりちゃんか花沢さんか」と例えたのが笑えたという事を思い出す。

 

 テレビ放送した当時には、綾波派の声が大きかったという個人的手応えを覚えている。しかし私は最初から今日までずっとアスカ派だった。今回のランキングではアスカが綾波を下して一位だったのが嬉しかった。私は下戸だが、酒飲みであれば、この事実を受けて美味しい酒が飲めたであろう。

 

 可愛いヒロインが出るというわけでビギナーには柔らかなイメージを持たれがちな本作だが、中を開けばかなりヘビーだと分かる。

 私が素直に思った作品イメージの一つに「気持ち悪い」というものがある。

 

 人造人間エヴァンゲリオンが対抗する化け物の「使徒」の存在が際立っている。これらの出で立ちがエキゾチックかつグロテスクにしてやっぱり気持ち悪い。

 こちらの人気投票では空飛ぶ菱形の化け物ラミエルが一位だった。これには家の妹が「菱形が飛んできてらぁ」と言って笑っていた。

 渚カヲル君のような人型のものから細菌タイプのもの、そして菱形まで、使徒には実に様々な形態があった。

 TV版で最初に登場する使徒サキエルが可愛いという意見が番組で見られたが、これは家の妹からも同意見が得られている。サキエルは女性人気が高い。

 

 そもそも人間側の組織であるNERVが得体が知れないのに、そこにもっと得体の知れない使徒なる化け物をぶっ込む要素は特徴的だった。人類同士でもなく、異星人同士でもないどこから来た何か分からない敵と最後までやり合うというのが改めて不思議で不気味なアニメだと思った。

 

 名セリフランキングも盛り上がり、定番の「あんたバカァ?」に始まり人気のあれこれのセリフが登場した。

 私が初視聴からずっと心に響く良いセリフだと想うのが、葛城ミサトの言う「しっかり生きてそれから死になさい」だった。平成の問題作となった劇場版作品「Air/まごころを、君に」内で言われるこのワードを聞けば、自分もそうでありたいと思えた。

 

 同じく、この劇場版作品の序盤シーンでシンジ君の言う「俺最低だ」も入っていた。このシーンについては確かに最低だった。しかし思春期の、しかも男子であれば通らねばならぬ例の行為の先で発することなので、全て悪とも言えない。なんにせよ、このセリフが登場するシーンを初めて見た時には混乱した。最後にアスカが言う「気持ち悪い」とセットでこの劇場版の忘れられないシーンの一つである。

 

 2時間あった本番組だが、マジで一瞬で終わった感じがする。考えれば、これだけ謎だったり気持ち悪かったりグロも入ったアニメが国民的な地位まで上がったのも不思議だ。絶対に万人受けするジャンルではないと思ったのに、結構な人気と知名度を集めていた。エヴァンゲリオンがこうして人々から愛されるのは良いことだ。

 そう言えば最近ではアニメ「シンカリオン」とコラボしてエヴァのキャラがお茶の間に帰ってくることもあったので、こっちのルートで新規ファンが何人か生まれたのかもしれない。

 

 現在はコロナのせいで日本のアニメシーンに暗い影が指している。そんな中でも景気付けとなる良い番組を届けてくれたNHKはナイスである。「投票」という言葉に良いイメージを与える良質な投票特番をまた作って欲しいものだ。

 

 おめでとうエヴァンゲリオン、ありがとうエヴァンゲリオンサードインパクトは私達の心の中で起きている。

 

 

スポンサードリンク