こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

台風のような男が学園を変える「さかあがりハリケーン」

さかあがりハリケーン」は、2008年に発売されたPCゲーム。

 2011年にはPSP版が発売した。今回は、PC版よりも色々安心して楽しめるこちらのPSP版を楽しんだ。

 たくさん文章を読むゲームがしたい欲求に駆られて色々調べていたら、パッと見て目を引くタイトルで画がめっちゃ可愛いこの作品が光って見えた。というわけでプレイしたらとっても楽しかった。

 

さかあがりハリケーン Portable キラリン☆セット (限定版)

  

内容

 主人公 皆川巧は、問題児扱いを受けて最初の高校から追放され、武月学園に転校する。転校先の高校は進学校でこれといった学校の行事がない。これではつまらないと思った巧は、学園を楽しく盛り上げるために文化祭の開催を提案する。友人たちを巻き込み、文化祭開催まで漕ぎ着ける主人公の青春の戦いが面白おかしく描かれる。その中で攻略対象となるヒロインとムフフな流れに持っていくのが真のお楽しみとなる。

 

感想

 幼い頃からやんちゃの耐えない巧の通り名が「台風(ハリケーン)」で、舞台となる学校は長い坂を上がった所にある。というわけでこのタイトルらしい。

 

 ハリケーンと呼ばれるが、結構常識人なところもあり、意外と勉強が出来るしヴァイオリンも弾けることからまぁまともな人間だと思えた。ヴァイオリンが行けるのは意外だった。

 

 自分の人生を楽しいものへとクリエイトして行く巧の理念は良い。文化祭もその一つとして行い、途中で自分だけが楽しいことを全校でやるのは押し付けであると気づき、やるからには皆が楽しいと思えることを作るように切り替えていく。個人の考えで暴走するのではなく、全体を見て良いものを作って行くという集団行動の教えが落とし込まれたシナリオが良かった。

 

 巧は良いヤツだし楽しいお話だったけど、陽キャラではあるが学校行事は面倒だからサボりがちな私としては、元々無かった文化祭をやると言われたら迷惑な話だと思える。無駄な行事がない学校というのも珍しく、個人としてはそれもアリだなと思えた。

 

 文化祭なんてまともに参加したことがなかったから知らなかったけど、やるに当たって行動することは多く、大変なのだと分かる。

 文化祭をやったらそれを補うために追加授業をして休みが減ることがあるらしい。屋台で食い物を売る時には衛生管理のことで保健所に行って手続きがいるという。食い物を売る時には随分と慎重になるようで、何でも勝手に作って売ってはいけないのだと分かった。全然知らないことが学べることもあった。

 

 巧が神社の息子、その相棒のヤスが寺の息子ということで、バカ息子にしては高尚な出と来ている。二人共高校一年目は実家からの追放扱いで人里離れた神学校に入っていたけど、二年目からは女子がいて楽しい学校に転校してくる。

 巧とヤスのバディ感は良く、やはり美少女恋愛ゲームには主人公の横にこの手の三枚目面白キャラを置くのが良い。 

 

 ヤスがバカばかりやるのは面白くて印象的だった。「犯人はヤス」の伝説のフレーズも本編で登場する。寺の息子だからということで、袈裟を着て托鉢をする振りして小遣い集めしていたりとかなり不謹慎な行動も見られる。

 

 二人の親がゴリゴリのおっさんなのには意表を突かれた。ヒロインを愛でるもので、それが全てと言ってもいいくらいに登場ヒロイン達は可愛い。ヒロインを更によく見せるためか、男連中の絵柄が女子とは違って結構ブスというか不快な感じだった。商店街のパン屋の親父のほくそ笑んだ顔などを見ればヒロイン達がいかに綺麗かがよく分かる。パッと見はイケメンのヤスも、ヒロインらを見た後にはやっぱりブスに見える。

 

 ヒロインのキャラ画は大変私好みのものだった。

 

 文化祭の準備を進める中で仲を深めて行ったヒロインの個別ルートに入る事が出来る。ぶっちゃけ、こんな可愛いヒロインとよろしく出来るなら、学園祭という新たな楽しいを追求することなんてどうでもよくなると思う。

 

 これまでこの手のゲームはたくさんやって来たが、その中でもこの作品は分岐についてかなり優しい。途中で複数ある選択肢を選ぶのでなく、途中でヒロインが表示された場所を選択して移動することで簡単に個別ルートに入れる。何度もリプレイして難しい個別ルートへの入り口を探さなくて良い分ストレスが減る。

 

 共通ルートが長めで、個別ルートはやや短めと行った割合である。

 PSP版では追加ヒロインが一人いてお得である。

 

 共通ルートの段階でどのヒロインもこちらに対してある程度好感を持っているのが分かる。巧はいいヤツで女子ウケのツボを心得ている。

 

 キャラクター同士のコミカルなやり取りが楽しく、ギャグ要素も多め、シナリオも鬱やシリアス強めな展開はなく、楽しいものだった。

 

さかあがりハリケーン Portable

 

 

ヒロインレビュー 

 

 ここらかは各ヒロインの想い出を振り返ろう。

 

 攻略した順、または私の推し順で振り返ろう。

 

 守永 ゆかり

 めっちゃ可愛い。

 

 私的には一番可愛いから最初に攻略しようと思った。この作品ではゆかりがぶっちぎりで一位だ。

 

 おっぱいも一位で、巧よりもひとつ上の学年のお姉さん系ヒロインなのは萌える。幼馴染で皆川家のお仕事も手伝い、母不在の皆川家にメシを持ってきてくれたり、家の厨房で作ってくれたりもする。やはり幼馴染のご近所さんという要素は、他のヒロインにはない強い特性として輝くものがある。高台にポツンとある一軒家で過ごしてきた私のご近所には、幼馴染どころかジイさんの一人だって住んでいなかったのでこの要素には未だに憧れる。

 

 学校の生徒会長ということで普段の言動は厳しい。生徒会長、幼馴染のお姉さんの2つの顔を使い分け、皆川家では親しく、そして学校では文化祭反対派として巧と衝突し合うこともある。この二面性のギャップにも萌える。こちらを否定して時には攻撃に出る一面がある以上、俄然落としてデレさせたいと思うのが人情。そんなわけで攻略意欲が増すヒロインであった。

 

 個別ルートに入ると意外と甘えてくる所も見せ、結局怒っても何してもイケるヒロインだった。

 

 クリスマスデートでプールに行き、水中でキッスする展開は楽しそう。

 男子の永遠の憧れシチュの体育倉庫に閉じ込められるエピソードゆかりルートで楽しむことが出来る。古典的ラブな仕掛なのに、結局いつまでもドキドキしてしまうのがコレだ。

 

 うれし恥ずかしポエム集を作っていたという、ゆかりの黒くくすんだ暦が明らかになるところもまた萌えて良かった。

 

 さかハリはケツバットに始まりケツバットに終わるという印象がある。なぜならゆかりがプラスチックバットを持って、おバカをした巧にケツバットのお仕置きをしてくるから。共通ルートの序盤から、個別ルートの終わりまで、随所でケツバットシーンがある。これでMに目覚めたらどうするんだって話だ。ゆかりのガッツもすごいもので、3桁回数をケツに打ち込むことだって楽々やってのける。

 

 テンションの振り幅の大きいゆかりを演じた風音の声が色っぽくて良かった。美声だ。リトバス朱鷺戸沙耶と同じ声だからってのも惹かれたポイントだった。

 

 

大澤 柚

 めっちゃ可愛い。

 

 ゆかりと比べるとちんちくりんで、おどおどしている。この手の女が「守ってあげたくなるタイプ」に当てはまるのか、なんか応援したくなり、母性ならぬ父性が唸りを上げた。

 

 自分に自信がなく、人前で上手く立ち回れない柚が、個別ルート後半では確実な成長を見せる。この過程をなんだか優しい想いで見守っていた。

 

 緊張すると言葉を噛む癖があり、最初の自己紹介では「ゆじゅでじゅ」と名乗るのが可愛いかった。

 

 食パンが大好きなヒロインである。美少女は食パンをくいながら通学路をうろつくというのが古典的男子受け要素なので、そこを学習できているヒロインだ。

 

 遅刻回避のために校門をよじ登るイベントが序盤にあるが、そこでゆじゅでじゅのおパンツが見れるぞ。

 

 親友のハルとイチャつくシーンはユリ萌え的に目の保養になる。ハルと二人して巧を取り合う感じになり、大人しそうに見えて一番嫉妬深いキャラでもある。ヤンデレキャラに化けてくれる可能性もあるのがゆじゅでじゅだ。

 

 

深咲 涼(みさき りょう)

 めっちゃ可愛い。

 

 ゆかりに並ぶ逞しいおっぱいを持ち、とにかくミステリアスなヒロインなので色々気になった。「あの花」のめんまくらいから白髪ないし銀髪ヒロインが好きになり、同じ特性を持つ涼にもはまった。

 

 転校してきたばかりの巧と親しく話すが、次の日からは無視して全然喋らなくなる。最初こそ「何だこいつ、やっちゃうぞ!」と思ったけど、おかしな態度には色々と事情があったので最後には「許してやろう」ということなった。

 

 基本はクール、時にははっちゃけ、陰と陽のテンションを行ったり着たりする天の邪鬼キャラでプレイヤーの我々を翻弄してくれた。まぁそれが悪くないのだがね。

 

 先にクリアしたゆかりルートで、ゆかりと涼が過去に因縁のあるただならぬ仲だということが分かる。両方のルートをクリアすることで二人の関係性も分かる。複雑な女子の関係が見えるものだった。

 

 クラスの端っこでいつもナンクロを解いているロジカルシンキングなヒロイン。私もナンクロの賞金で食っていた時期があったのでナンクロ女子には好感が持てる。

 

 実はいろいろあって入学が一年遅れ、巧と同じ学年、同じクラスだけど一つ上のお姉さんである。これがまた美味しいポイントである。

 

 文化祭実行委員として活動する巧達の行動が行き詰まった時には、それとなくヒントを出してくれる助っ人お姉さんのポジションにいた。

 

 攻めるられるよりも攻める方が好きと宣言してくる強気なところがまた良い。

 

 

楠 ハル

 めっちゃ可愛い。

 

 巧、ヤスに次いで武月学園に乗り込んで来た3人目の転校生。前には巧と同じように山の上に隔離されたシスターの学校に通っていて、山時代には巧と会っている。女子不在の学校をこっそり抜け出して巧が会っていた相手がハルで、当時は互いに名前を知らず「ジュリエット」「ダーリン」で呼び合う謎の仲だった。

 

 転校した瞬間からダーリン好き好きアピールが強く、巧がその気になれば圧倒的に攻略が簡単なヒロインだった。

 

 柚と並んで出てくることが多いから気づきにくいが、意外とおっぱいがある。

 

 とにかく元気一杯で一番パリピなノリで来る。おバカなヤスのノリにだって合わせてくるからおバカキャラなのかと想いきや、勉強は出来るしすぐにドラム演奏を覚えるような器用さも持ち、おまけにファミレスのバイトではカリスマ的な人気を誇るというハイスペックヒロインだった。

 

 商店街のおっさんが集団神隠しにあう都市伝説が浮上するが、そのオチはハルがシフトに入ると皆ハル目当てで店に集まるからといういうものだった。

 

 ハルの住むアパートが火事で燃えてからは巧の家で共同生活することになる。最初はハルのことを妹くらいに見ていた巧が、徐々にハルのことを好きになり、最後には二人が男と女から家族になって行く。この展開は心温まるものだった。

 

 後半のゆかりの家で「好きだ」と言い合う近所迷惑なバカップルぶりを見せつけるシーンは楽しいけど見ていて恥ずかしくもなるものだった。ハルルートではプロポーズまで持っていくのも印象的だった。

 

 

綺羅 凛(きら りん)

 めっちゃ可愛い。

 

 PSP版からの追加ヒロイン。ヤスこと綺羅 泰徳の妹。妹ヒロインにして、ただ一人の巧の後輩学年ヒロイン。年下好きにはたまらないポジだ。我らが加藤英美里が演じているのにも注目。

 

 めっちゃ口が悪いが、この感じでガンガン叱られるのは悪くない。親父と兄貴のことを呼び捨てにし、ボロクソなまでに毒を吐いてくる。

 基本口が悪く、態度もそっけないけど、それも愛あってのこと。そんな所が愛くるしい良きヒロインだった。

 

 海で怪我をして弱ったところを見せるのに萌えた。

 

 歌姫ヒロインで、文化祭では柚、ハルとガールズバンド「さかあがりトルネード」を結成して注目を集める。

 

 凛ルートで綺羅家のお母さんについて触れる展開になるが、絶対死んだのだと思ったらロックを極める修行に出ていたというオチだった。

 

 

綾瀬 奈都希(あやせ なつき)

 めっちゃ可愛い。

 

 ラスト攻略にこいつを持ってきたのはパッケージにアップで映っているから。であれば多分ラスボス的な感じなのだと思った。 

 

 一番ちんちくりんで巧にうるさく噛み付いてくる子犬っぷりが可愛いヒロインだった。金髪ポニテが特徴的。

 

 巧達の文化祭開催計画を一番邪魔した理事長が奈都希の母で、こちらを見ると巨乳の美女と分かるため、現在ちんちくりんな奈都希の将来にも大きな期待が持てる。

 母との関係に不和が生じた奈都希の葛藤を描き、最後には親子仲が復活する家族劇にはホロリと来る。

 

 真面目な頑張り屋さんで、出来ないことでも挑戦していくガッツのある点が良い。最近の引っ込み思案な女子連中はここを学んで欲しい。

 

 巧達学生同士の物語がメインで展開する一方、その親や先生達も実は同級生で過去に何かがあったと共通ルートからなんとなく見て取れる。大人達の物語の謎は奈都希ルートに入ることで丸っと分かる。

 

 個別ルートに入ると、共通ルートではおくびにも出さなかった奈都希の甘え癖がたっぷり見れる。ハグとキッスをねだって来て、巧に依存する一面も見せる。普段との激しいギャップがまた良い。

 

 個別ルートを進めると巧と奈都希の母親が姉妹で、よって二人が従兄弟だったことが判明する。従兄弟ヒロインとか「Kanon」の名雪を思い出す。

 

その他ヒロイン

 奈都希の取り巻きにして友人コンビのグリとグラも実は結構可愛い。

 

 親がいないハルの保護者を務める校長先生も憂いを帯びた美女といった感じで良かった。落ち着いた大人のエロスも感じもする。

 

 個人的におすすめだったのが巧達の担任の安野(あんの)先生。なんかノリがギャルっぽくて楽しくて可愛い。

 

 実は最後の最後にクリアしたのがバッドエンド?的なルート。どのヒロインとの個別ルートにも入らずに卒業を迎えた巧を描くものである。このルートでは安野先生と二人切りで話すシーンがメインとなる。ここで実は先生が男性経験がないことが判明し、いつでも「じゃあ俺が」的な言葉を切り出せる感じになる。安野先生ルートが開かれるのが見えそうな感じで終わるなんだか惜しい展開だった。安野先生ルートもあれば良かったな。大学に行っても彼女が出来なかったその時には先生の所に来るかもみたいなことを巧が言って終わる恋愛展開なしのエンドだった。

 何気にこの何もないルートを開通させるのが一番難しかった。

 

 

 

 全クリして37時間もかかった。

 役者達のセリフは飛ばさず読むのが私の流儀。オートモードにして放置みたいな感じだったのでこの時間だ。楽しかったけど、なかなかのボリュームだったのでしっかり疲れもした。ゲームも体力や視力、聴力がしっかりしている時でないと楽しめないと思った。

 

 

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