こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

夏休みは最高なのでいくら長くても良い「向日葵の教会と長い夏休み -extra vacation-」その1

「向日葵の教会と長い夏休み -extra vacation-」は、2013年に発売されたPSPソフト。

 PS3でも出たというが、我が家にPS3は無いのでテレビで遊ぶ事が一生出来ない。そんな悲しきデスティニー。

 

 クソ暑い夏休みだ。ひまわりの季節だ。じゃあひまわりいっぱいのこのゲームをやるっきゃない。この夏休みにぴったりなひまわりと共にギャルも愛でる良きゲームでした。

 といってもクリア時には10月に突入していました。だいたいお盆の頃から始めたのになぁ。だいぶ秋めいて来たぜ。

 ゆっくりやったというのもあるが、それ抜きにそもそも話が長い。1ヒロイン攻略にかける時間がかなりかかったぜ。一体何十時間かかったのだろうか。でも楽しかったっす。

 私は声優のセリフは全部飛ばさず聞くからな。収録された全音楽データ分の時間は必ずかかるんだよね。皆一生懸命芝居してるんだから聞かなきゃそんでしょ。それに良い声だ。

 

 このゲームとの出会いは、7月の真ん中くらいのことだった。あの頃はなんとか昼間に出歩いても無事な気温をマークしていた。8月だったらお昼になってお外に遊びに行くのは無理だった。

 その日私はうらぶられた中古ゲーム屋に寄った。店の奥の方を覗くと、紙箱入り限定版のこいつとご対面した。もちろん一点物だ。

 

 ジャケ絵に感じる感じる夏の爽やかさ、そして萌えるギャル。これを受けて私はこう思った。

「超可愛い!」と。(←とっても素直)

 

 というわけでサッとレジに通しスムーズにテイクアウトしました。良き買い物。

 

 ジャケットにある咲き誇るひまわりの花を見ると、以前遊んだひまわりゲームの名作「車輪の国、向日葵の少女」を思い出す。その関係もあってこの夏に選びたくなる一本となった。

 

 発売年を見るとだいたい10年前。10年くらい前だと説明書にページを使う文化もだんだん控え目になっていたようだ。PSPにしては説明書のページが少ない。PSP後期ソフトだとこんな感じだったのか。

 10年前の良い女達に今日会ってもやはり良い。その事が分かる内容について色々と殴り書いて行くぜ。夏は元気にギャルズと戯れろ!

 

向日葵の教会と長い夏休み -extra vacation- 通常版(特典なし) - PSP

 

内容

 主人公青年 明日葉陽介は、現在都会で大学生をしている。その彼がこの夏、8年ぶりに幼少期を過ごした田舎町 朧白(おぼしろ)に帰ってきた。

 

 愛しき田舎のトレードマークは、ひまわり畑に囲まれた古めかしい教会。その教会がこの夏の終わりには取り壊されることになった。時代の流れによる諸々の理由で皆の想い出の地に終止符が打たれる。

 

 そんな事になれば、教会縁の人物達が集結することは必然。陽介はじめ、幼少期にそこに集まって遊んでいた子どもたちがいた。それが攻略ヒロインズ。彼女達もわらわと集まってきます。

 

 8年前はチビスケだったヒロイン達だが、今ではすっかり花も恥らう乙女の姿に成長した。そんな彼女達と陽介が再会する。ならばこの夏は、懐かしい教会を舞台にひまわりとは種類違いの恋の花が咲くってもの。

 

 懐かしい地で出会う懐かしい女達と恋にときめくサマーバケーションを堪能せよ!

 ↑

 売り出しスタッフになったつもりで内容紹介を行いました!

 

感想

 いきなり引き込まれるノスタルジー。こいつは心地よい。マジでめちゃいい感じの田舎が舞台だな。汚れたシティでパンピーをしていたら浄化されちまう。

 なんて綺麗な田舎、そして住んでいる人間の心もそうだ。舞台設定が良い。

 やはり田舎は人の心を解放させ、たっぷりと癒やしてくれる。私も山で育ち野っぱらを駆けって大きくなって来た人間だ。なのでその点はどっぷり共感出来る。

 哀愁を誘うのは景色だけでない。ピアノ、リコーダーの音が聴こえる心地よいBGMも秀逸だった。この年のその手のジャンルの大賞では、音楽部門を受賞したと聞く。

 

 陽介が懐かしの地に帰還して感じるのは、変わらぬもの、変わりゆくものそれぞれがそこにあるということ。諸行無常のリアルの中に、切なさと愛しさを見る。そうして子供から大人へと心が成長していく過程を捉えた良き内容になっている。共感出来ます。

 何もギャルズと遊ぶだけのゲームではありません。古くからギャルゲーは教養のコンテンツとされています(←玄人は皆知ってる)。

 

 田舎に帰って早々、自分の育ての親的立場の武闘派神父様がウェルカムしてくれる。モーニングスターが好きで所有している。なんて物騒な神父。

 CVを見ると別人のようだが、この神父様の声が子安武人に激似なんだけど。子安で聖職者、そして軍人の心得があるキャラといえば「荒川アンダーザブリッジ」でも同じような役をやっていたな。 

 地元では鉄人とあだ名されるこの神父が、どのギャルよりも先行してキャラの面白さ、濃さを売ってくる。肝心なのはギャルだが、その紹介の前に攻略対象ではないおっさんをしっかり紹介してくるやり口がナイス。

 まずは神父が面白い、それが良い掴みになっているので序盤から飽きて消すということはなくなった。もっとやりたい意欲が湧く導入でした。

 やっぱり良作ギャルゲーには、主人公以外に良作な男キャラがいるってのが鉄則なんだな。好きな男キャラでした。

 

 詳しく年齢設定が出ていないのだが、教会に集まる子供達の中では大学生の陽介が最年長となっている。つまり攻略ヒロインズは全部年下。

 陽介より2つ下が詠、その2つ下がルカと金剛石、まだ2つ下が月子、もっと下のロリが雛桜。

 総員年下ヒロイン、しかも雛桜以外は幼馴染。その関係性が好きという変態orノーマル含めた紳士諸君におすすめ出来る。私は可愛いならなんでも、そしてそこに愛があるなら同じくなんでもな人間なので、このゲームもしっかり楽しむ事が出来ました。

 

 攻略ヒロインズ5人と順番にラブしていくのだが、そこで思うことがある。

 8年前の段階で陽介が稼いだラブゲージが相当なものだったようだ。8年も経っているのに再会した幼馴染ヒロインズは最初からこちらに対して好感を持っている。特にルカちゃんは「もうちょっと想いを包んでおけって!」とツッコんでしまうくらい即デレ状態。可愛いやつだ。

 

 まずここが私としてはファンタジーなのだが、幼馴染という条件を含めても8年もの期間男への想いがキープされているってすげぇ。忘れる方が普通じゃね?

 私なら子供の時から8年も会っていない友達とか絶対忘れている。なんなら夏休みの1ヶ月空いただけでも、クラスの友達を見て「あれ、こいつ誰だっけ?」となっていたのに(←誰に強いられるでもなく覚える事が多い人間だっただけに、忘れる分も多かった子供時代を過ごしました)。

 そんな時を越えてラブの想いを育てて繋ぐ清き内容でもありました。

 

 システム面ではやや難ありかも。会話の早送りが遅くて早送り出来ていないじゃんと文句を垂れることもありました。

 共通ルートがちょっと長め。選択肢は共通ルートで全部出尽くす。ここでルート決めをして個別ターンに入れば後は選択肢無し。バッドエンド探しのスリルと手間がないまったりのゲーム性。そういうのも時には良し。

 

 共通ルートだと男女含めた主人公達仲良しグループがホントに仲良しで和みました。

 皆結構大きくなったけど、昔のノリを懐かしんで遊び新秘密基地も作る。こういうのって郷愁にかられる良さがあるよね。私達もその昔には、地域に向けて割りと公然とした名前だけの秘密基地を作って遊んだものだ。当初の秘密を拡大化して大勢とシェアしようってのも青春の楽しみだよね~。

 大きくなっても幼馴染で集まったらすぐにもあの頃の気安く親しい仲で接することが出来る。それってホント素敵。その要素が見える作品でした。

 個別ルートに入ると他のヒロインが全然出てこんやんけとなりがちなので、皆揃っての共通ルートが結構楽しかった。

 

 田舎ではモテ男の陽介も都会では随分と干からびた青春を送っていたようだ。ギャルとの接触が極薄の大学生活を送っていたと語られている。たまの田舎生活で美少女わんさかだとそりゃ楽しくてちょっとキャッホーにもなるよな。

 というわけで田舎には都会だと間に合わない別口の癒やしがあったりします。

 

 では肝心要のヒロインズとのラブなシナリオについて振り返ろう。

 

ヒロイン

 攻略ヒロインは5人。オール年下でヒナちゃん以外の4人は幼馴染。これは楽しい。

 田舎の女傑性揃いで1人残らず可愛い。

 月子、ルカ、金剛石の3人から片付けることになり、その後でないと詠、雛桜ルートは遊べない。まぁどうせ全部やっつけるつもりでいるからその仕様はどうでもいい。

 共通ルートも結構長かったけど、個別に入ってからも思った以上に長い。全部で何時間かかったか分からない。

 

 陽介の年齢、ヒロインズの年齢が説明書やウィキでも数字表記されていない。

 だいたいの予想はつくが、予想を確かにすべく分析していこう。

 

 月子は来年高校生になるという描写があるので、そこから全部分かってくる。

 月子が高校入学を控えた中3で、誕生日が来ているなら15歳になる。そこから2つ上のルカと金剛石は17歳、更に2つ上の詠は19歳、そしてそこからまた2つ上の陽介は21歳。この計算でOKなはず。

 ロリのヒナちゃんはロリであるということだけ知れたらそれで良いので詳しい数字は知らん。

 

 では攻略順に愛しきヒロインズメモリーを書き起こしていこう。

 

鮎ヶ瀬 月子(あゆがせ つきこ)
声:羽鳥空

 めっちゃ可愛い。この月子ちゃんは、先に出たPC版だとおまけキャラで攻略対象ではなかったとのことである。

 よくあるコンシューマーゲーム化するにあたってのプラスαなりβなりの付加価値として、今回めでたく攻略ヒロインに格上げされた。タイトルにある「extra」の部分を背負うのが彼女のルート。

 おめでとう。君に出会えてよかったと感謝する2023年の夏。

 

 下から数えて二番目に若いヒロイン。しっかり者に見える月子ちゃんだが、実は結構年が離れている。陽介から見たらこれは犯罪臭いロリあさり感もあるような無いような。しかしラブに年齢は関係ナッシングなので、そこは関係ナッシングで楽しむべき。

 共通ルートを遊んだ段階だとルカが良すぎるから一番にやっつけてしまいたかったのだが、選択肢の関係でいつの間にか月子ルートだった。まぁこれも運命。

 

 若い割には物怖じしない。そしてとにかくノリが良くて元気。ハキハキ喋る様は好感度が高い。これは同級生男子からモテるタイプだろうな。

 後ろ髪の一部が長く、まるでムチみたいな髪だなって思えた。

 

 月子ちゃんの家は駄菓子屋「鮎ヶ瀬堂」を営んでいる。そこの看板娘として仕事する傍ら、教会にも顔を見せて我々と遊んでくれる。若いのに仕事に遊びに恋愛にとハイブリットに青春を謳歌をする素敵ギャルでした。

 それから駄菓子屋ってどれくらい儲かるのだろうかと地味に気になる。仕事があることで皆が遊んでいるのに合流するのが遅れたり、夜は教会に泊まらず帰宅することから他と比べるとちょっと距離があるポジでもあった。だから当初はサブヒロインで攻略対象じゃなかったのかも。

 

 月子ルートのメインミッションは、村おこしをして田舎を盛り上げること。月子ちゃんは田舎町の皆を愛し、愛されてもいる地元のアイドル娘。そんな彼女が何かドカンと村おこしをやろうという話を持ちかけてくるので一行は立ち上がるのである。

 この時、秘密基地に集まった皆に向けて陽介がイラストを用いたプレゼンをするのだが、絵がめちゃ下手だと判明する。絵がド下手設定は他のルートでもいじられるネタとなるので覚えておこう。

 

 結果、野良猫がめちゃ多い田舎なので猫(またはネッコ)を掲げたイベントで一儲けしようということになる。

 ここで不思議現象が起きる。人気の野良猫のヨミが登場し、こいつがメインとなってネッコ文化をプッシュすることになる。そのヨミが登場するターンになると、人間の娘の方の詠ちゃんがいない。最初は偶然で済むが最後までずっと続く。あれ?詠ちゃんとヨミってどういう関係なの?ミステリー&ファンタジーである。

 これのちょっと酷いのが、色々終わったラスト展開まで猫のヨミが出てくるため、後半は人間の詠がずっといない。で、誰もそこに突っ込まない。不自然を自然にスルーして詠がフェードアウトしている。

 最初に入った月子ルートで詠とヨミがめっちゃ気になる。

 

 グッと来るシーンは、月子ちゃんがラムネの差し入れをして来がちなところ。これは駄菓子屋の娘だから他の家庭より用意が良いのだと告げている。

 清涼飲料水の中でも爽やかで清らかなイメージのある弾ける水のラムネとセットで描くことで、月子という娘がいかに清楚かつ清潔感があるのかと印象づける要素にもなっているのだろう。という楽しくも勝手な考察が捗る。私も月子ちゃんからラムネをもらいたい。

 

 後半の夏祭りのシーンではいちゃいちゃな感じが結構でていて、周囲にも冷やかされます。この恥ずかしい感じが全く恥ずかしいことなんてなく、むしろ楽しい!となるのが私という恋愛マイスターである。夏祭りシーンがラブラブする所は楽しかったっす。

 

 ネッコをプッシュした出し物として、ねこまんまに着想を得て開発した美味い冷や汁が完成する。これがよそから来た客にもウケます。

 美味そう。食いたいと思う内に腹が減って音も鳴る自体になりました。このシーンは夜に遊ぶと夜食が必要になるね。

 

 清涼感ナンバーワンの田舎娘 月子ちゃんとのラブをタップリ楽しめて良かったっす。

 

鷺月 ルカ(さぎつき ルカ)
声:かわしまりの

 めっちゃ可愛い。

 清潔感、ツンデレ幼馴染要素、年下のくせにお姉さんぶりたがる性格、おっぱい、全てが良かった。

 ルカの水着、私服共に結構エッチで良かった。田舎娘にはしてはなかなか華がある。

 文化や文明のことはさておき、ギャルという部門において田舎がシティに負けるなんて誰が決めた?言った?

 というわけでルカちゃんは極まった田舎ギャルだけど都会のギャルズを完全駆逐出来ます。そのくらい可愛くてエロい。最高。降参です。

 

 後半では陽介の贈ったリボンをつけてツインテになってくれる。その破壊力もヤベェっす。

 このゲームではヒロインの後ろ姿の立ち絵も用意されている。ルカはバックショットを見ても何かエロくて良かった。

 

 共通ルートの段階から一番良い。攻略したい欲が高まるぜ。マジ好き。

 ヒロインの中では一番身長が高く、一番デレる可愛いあんちくしょうだった。

 

 陽介と再会後、我先にデレて来る萌え売りの旺盛さは最高だった。

 演じているかわしまりのの声、演技も素晴らしい。

 

 このゲームのヒロイン衣装の特徴なのだが、登場する学校の制服が可愛いしなんかエロい。現役女子高生はルカと金剛石だが、とあるイベントだと他のヒロインのも見ることが出来る。。

 この制服なのだが、腰を締めておっぱいが目立つ乳袋完備仕様になっているのだ。まるでまあまあエッチなメイドさんコスみたい。本物のメイドさんも出てくるゲームだけどね。

 昨年放送したアニメ「その着せ替え人形は恋をする」では、コスプレにおいて乳袋はめちゃ大事だと言及されていた。マジでそれなと思える乳袋制服ゲームでもあった。

 ルカはそれが大きいので、初見だとまるでミサイルのようなおっぱいだと思えた。マジンガーロボ系ヒロインだった。(←何言ってるの?)

 

 本をめちゃ読む才女であり、学校でも同級生、後輩から慕われる委員長キャラ。男子からはモテている。本が読める賢い女、良いじゃないか。インテリジェンス上げ~でやって来た私と気が合いそう。

 

 しばらく距離を置いていたため、ルカが世間的にどのように見られる女か陽介は知らなかった。用事があって学校に一緒に行くシーンでは、周囲の関心がルカに集まるのを見て「幼馴染だからってことで気安い仲だが、本来のルカは俺からすれば高値の花の女なのかもしれない」みたいな感じで彼女を一瞬遠くに感じてしまう。

 今一度客観視してルカのスペックの高さに気づく陽介。それらが分かる学校でのシーンにはリアル性があった。

 

 このルートも入りは月子の時とちょっと似ていて、田舎町のマスコットキャラを作ろうという展開になる。

 ここで陽介がキモ面白いひまわりのキャラを考えるのだが、それがめちゃ下手絵と分かって一行に笑われる。でもだんだんと癖になるキモさがあり、陽介の案が採用されることになる。この頃からキモ可愛いとかキモ面白いが世間の流行りになっていたんだな。

 私の住んでいた田舎でもこういうのあったわ~。田舎のマスコットキャラを考えて役場の資料とかに使おうっていうのも一時の流行りだったのかも。

 

 意外なんだけど、良いところのお嬢様みたいな見た目のルカの家は八百屋を営んでいる。しかも拾われた子というシリアスな生い立ちも持っている。

 大変娘想いなルカの父親と揉めるターンが面白い。変なパパだけど良いやつで笑えた。

 

 意外といえば、ルカが宿す真のヒロイン性にも同じことが言える。真面目で女子力が高く皆からの信頼が厚い。そんなルカだが、作中ヒロインの中で一番スケベというか煩悩持ちでもあったのだ。この点はなんだかんだ女子もそういう都合があるからってことで等身大なヒロイン性だったのかも。

 ルカの持つちょっと変わったユニークな願いとは、年下のくせして陽介のお姉ちゃんになりたいということ。どこかのシーンでは、はっきりと陽介のお姉ちゃんになりたいって言っていたし。

 頬に飯をつけたのを指で取ってあげたいという願望を陽介に対して抱いているのだ。というわけで色んな所でお姉ちゃんぶってくる。可愛いと思う。

 これは寂しい幼少期において自分の心の支えとなった陽介を今度は自分がもっと支えてあげたいという感謝の想いが発端になっている。しかし、それがああなってこうなって性癖にもなってくるのだ。何がどうなって人はそうなるか分からないという性にまつわるラビリンスが見えて来る。でも決して悪いことじゃない。

 

 ルカルートのバカな流れとして、陽介がお姉ちゃんに甘えたくて仕方ない「シス魂(コン)」に取り憑かれたという嘘の設定が敷かれ、陽介は一芝居打つことになる。

 シス魂に取り憑かれた者は、発作的にお姉ちゃんに甘えたくなってしまう。で、近くにいたルカにめっちゃ甘えるのだ。バカだな~。

 この時、お兄さんなのに甘えてくるのをキモい!と一切思わず、ルカちゃんは頭をよしよし、顔はぱふぱふしてめっちゃ甘えさせてくれるのだ。ノリノリやんけ。楽しそう。

 年上幼馴染男子の奇行に対して完全受け入れ態勢を取るルカのヒロイン性もグッド。

 

 本を愛する読書少女のルカは、自分でも本格ミステリーを書こうという気になりしっかり書いている。

 しかし、いつしか「どこがミステリー?」というような、自分がお姉ちゃんで陽介が弟の設定の妄想小説を書くようになる。パソコンに入ったその素敵データを見ちゃった陽介は、なんとも言えない複雑な心持ちになるのである。ココ、面白くて笑った。

 

 で、ルートの後半になると、陽介にはかなりハズい小説通りの姉弟プレイを仕掛けられるのだ。すごいゲームだな。面白い!ここはとっても楽しそう。

 このように許せる範囲で変態臭くてスケベというルカのヒロイン性は、割りと等身大で愛せる。見た目が綺麗なだけが女子ではない。男子みたく女子にだって性欲もあれば夢もある。そのリアルが見えるルカのヒロイン像にはグッと心掴まれるものがあった。

 

 ルカという女をたっぷり楽しめたことで満足。そして肝心なルカルートのシナリオなのだが、これがなんともイレギュラー。

 ルカルートの序盤はミステリー展開なのだ。まず陽介の元にエッチな迷惑メールが届く。メールには女子高生の秘密のお着替えという男子ならまずそそるであろう特典画像の添付がある。あるなら見てしまうのが等身大の男子である陽介の回答だった。

  都会から田舎へ旅して色々あったため、しばらく己の性周りのケアが出来ていない。そんな陽介は、そのお宝写真の刺激を受けて己のジュニアを鎮めるべく夜の活動に出るのだった。その写真をいわゆるおかずにして主食と成すという例の行為ね。その罪悪感は後になって盛り上がってくる。

 そんな迷惑さとありがたさが半々のメールが日々届く中、陽介はそれに気づくのだ。顔は隠されいるけど、写真に映っているのってルカじゃね?バックも地元だし、この推理当たりじゃね?

 その推理は当たりで、実はルカの写真でした。となると盗撮されているわけで、犯人がいるわけで、じゃあヤバイ!となるのだ。スリルが出てきたぞ。

 

 ここで一瞬、ルカの抜群のプロポーションに嫉妬した月子ちゃんが恥ずかしい写真を流しているのでは?というこちらとしては胸が苦しくなる疑惑が生まれる。

 でもここから急にスピリチュアルで犯人は亡霊。しかもルカから分裂したアナザーの存在だった。めちゃオカルト展開に入って行った。

 相手が亡霊と分かった段階から、当初は犯人扱いされていた月子ちゃんが実はめちゃ霊感の強い心霊探偵スキル持ちだと分かる。亡霊関係では月子ちゃんが無双出来るスキル持ちだったとは意外。駄菓子屋の娘と思ったらなんかすごい子だった。

 

 このルートの亡霊騒ぎは落ちを見るまでずっと荒唐無稽で謎だったけど、その中でルカの持つ切ない乙女心が見えたり、陽介との幼い頃の想い出が見えたりで楽しかった。

 ドキドキする迷惑メールの写真や盗撮騒ぎのところはハラハラして気になって楽しかったし、なんだかんだ退屈しないルートだった。

 

 つづく

 

 

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