こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

冴えたるメインヒロインの完成を見た「冴えない彼女の育てかた Fine」

冴えない彼女の育てかた Fine」は、2019年に10月に公開された劇場版アニメである。

 

 今回の劇場版を持ってしてシリーズ完結となり、加藤恵もメインヒロインとしての完成を迎える。そんな加藤恵の誕生日である今年9月23日にBDが発売した。このタイミングの合わせ方をいわゆる「エモい」と表現するのだろう。ナイスである。

 これを視聴したところ、パッと出てくる感想がマジで最高だったということである。こんなに素敵な作品に出会えて最高にラッキーだったぜと思えるものだった。大変感動したので本編を2日連続で2回見てしまったくらいだ。関係者からも大変愛され、丁寧に作られた名作であると分かる。

 冴えカノシリーズはテレビシリーズから全話オーディオコメンタリーがついているという贅沢な仕様であり、今回の劇場版ではキャストコメンタリー、スタッフコメンタリーに分かれてオーディオコメンタリーが2タイプ用意されていた。こちらも全てチェックして楽しんだ。本編がだいたい2時間あったのを2回、オーコメで2回流したので合計でかなり時間を持っていかれた。だが良い、冴えカノに時間を割く分には全く問題ないのだ。マジでめっちゃ楽しんだ。

 

 そんなわけでとんでもなく素晴らしき大団円となった本作の感想をタップリ書き殴っていこう。

 

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 まずは倫也達の作った魂の新作ゲーム「冴えない彼女の育てかた」のテーマソングを披露する「icy tail」のライブシーンから景気良く始まる。いきなりすごく可愛くて楽しいライブが見られ「最初からハイライトや!」と興奮した。

 テレビアニメ二期後半からは完全に空気だったと作中でもいじられていた美智留がブランクを取り戻すかのように初っ端から活躍を見せてくれた。矢作紗友里の歌声が可愛いくて萌える。この曲もなかなか可愛くて楽しい。「あいし」「てるよ」の合いの手パートが可愛くてハマる。

 ライブパフォーマンスを行うicy tailメンバーをかなりローアングルから映す演出が印象的。これが大変良かった。テレビシリーズからずっと思っていたが、この作品は女子のローアングルが多い。スタッフ陣に確実にローアングラーが潜んでいて、これが大変良い仕事をしている。冴えカノは健全なエロを追求したローアングル寄りアニメでもある。いつの世もローアングル需要は廃れない。

 

 ライブ後には、だいたい全部のキャラを揃えて展開する焼き肉パーティーのシーンに移る。テレビアニメ二期終了から2年ぶりの新作の序盤で既出キャラが一つどころに集まるお祭り企画となって良かった。これで大団円というだけにキャラクター揃い踏みで展開するのが嬉しかった。一つ気がかりなのは、倫也の学校の友人の喜彦の出番がなかったこと。

 

 icy tailメンバーの内、細目の蘭子はスタッフ側から大変推されていることがオーコメで明かされている。icy tailメンバーは皆可愛いんだよな。

 二期後半で髪型を変えて再登場した波島出海とその兄伊織が新たに倫也のサークルメンバーに加わっている。出海はこっちの髪型の方が可愛い。

 意外にも恵と伊織の仲が悪い。あの恵もかなり好戦的な態度に出るようになり、大きな変化が見られた。

 

 こんな具合にとっつきから大変楽しいものでワクワクした。だが、ここから先はもっとワクワクドキドキして困るものだった。

 

メインヒロインとしての完成形に行きつく加藤恵 

 今作を見て一番良かった点は、恐ろしいまでに進化して行く加藤恵の進化の着地点が見れたこと。どういうことかと言うと、めちゃめちゃ恵に萌えるのである。見ている途中で「恵、ヤバいなぁ」という独り言が漏れてしまうレベルだった。

 

 アニメ二期の後半からは、感情と表情の変化がかなり見られるようになった恵がここへきてもっと色んな一面を見せてくれるようになる。我々がこれまで見たことがなかった、同時に見たかった恵の姿がここにある。

 

 倫也の視線がない所で映る恵の女としての変化が愛おしい。倫也の家に上がる前にコンパクトを開いて身だしなみチェックをする恵が見られたのは意外だった。当初は、倫也など変なメガネオタクに過ぎないだのから、仮に男子の部屋であっても緊張も警戒もなく普通に入っていた恵が、ちょっとだけ女としての準備をしにかかっている。これは大きな変化だ。

 他にも倫也とスカイプを始める前にはお化粧グッズで肌を整え、髪型も整えるという女子な部分を映している。JKなら張り切ってやりそうな身支度だが、恵はそれをなんとも冷めたテンションで淡々とこなしていくのがちょっと不思議である。テレビシリーズでは見られなかった加藤恵のメインヒロインとしての、普通の女子としての日常風景が見えるのが嬉しい。

 

 倫也の家のキッチンで、さも当たり前のように淡々とサンドイッチを作る恵のエプロン姿には萌えた。当たり前のように男に料理を作って出しているのにこの淡々とした流れ作業感はなんなのだろう。鈍感なのか図太いのか、とにかく恵は大人物だと思える。倫也のサンドイッチの食べさしもサクッと食ってしまう所など慣れた夫婦という感じがしてなんだか変わった男女関係に見える。

 

 それまではどこか超越した感じのするストレートではないヒロイン性が際立っていた恵が、ここへ来て普通の女子というか、普通の人間の一面を見せるのが印象的だ。恵が泣いて笑って怒っての感情をを表情と共に見せてくれる。全てに注目してしまう。

 

 美智留と出海と三人で女子会をする所では、倫也への想いが溢れて泣いてしまう恵が描かれる。ここが大変良かった。あの加藤恵がこんなにも感情を口から、または表情から外部に漏らすようになるものかとびっくりした。切ない想いで胸がパンパンになったことが分かること、あとは単純に美少女の涙って萌えるという理由からキュンキュンしたシーンである。

 

 他のヒロイン達にとって倫也は特別な存在だったけど、自分にとっては特別ではない普通の男子だった、だからこそ逆に惹かれるものがあったと涙ながらに告白する恵を見ると胸がきゅっと締め付けられるような切ない思いになった。この価値観とセリフ運びには心掴まれるものがある。確かに他のヒロイン達はそもそも恵よりも倫也との付き合いが長かったり、特別なイベントも重ねている。倫也が特別な存在になるこれといった要素をただ一人持っていない恵の境遇もこの場合は逆にレアであり、そんな二人だからこそぴったりはまるものがあった。改めて振り返ると人間の縁というのも不思議なものだと思える。

 倫也の方でも他のヒロインは才能集団で敷居が高く、逆に何もない恵なら自分を受け入れてくれる、または落とせるという考え方によっては失礼な理由から気安く付き合えたという。男女関係の進行具合というのは出会ってからの時間ではなく、地道に積み上げた絆よりも、単純な相性や運命がより強く物を言うこともある。そんなことが伺える素敵な組み合わせなのが倫也と恵だった。恵マジ可愛い。

 

 倫也と恵が恋人になっていく関係性を描く甘い展開に心がキュンキュン萌え萌えしまくってシンドイ。倫也も頑張るし、恵も恵でかなり仕掛けてくるので油断ならない。

 倫也と恵が名字でなく名前呼びに変わり、恋人繋ぎをして最後にはキッスをする関係にまでなる。これにはドキドキが止まらない。

 

 現在のようにコロナ騒ぎの中でリモート作業が普及する前からも倫也と恵がリモートでゲーム製作作業を行う展開が印象的だった。私は全く使ったことがないが名前は良く聞くスカイプで二人が会話するシーンがあるが、ここでの恵の出方にはドキドキさせられる。

 スカイプで倫也と会話する中でうっかり「倫也くん」と呼んでしまってハッとなっているシーンが良い。会話が終わってもスカイプを切らず、寝落ちするまで作業中の倫也の顔を眺めている恵にドキドキする。めっちゃ可愛い。

 

 ゲーム製作のための取材を体の良い言い訳にしてちゃっかり恵を誕生日デートに誘う倫也のアクションにも注目出来る。奥手なチェリーボーイが頑張って仕掛ける恋の一手を思わず応援したくなる。ここで恵が「し~らないよ」の名台詞を産むことになる。男女関係として次のステップに進むことに待ったをかけられなくなる意味をこめているのだと予想する。恵の「し~らないよ」が可愛すぎる。これは着ボイスにしたいぞ。

 

 シチュエーションとしてドキドキ萌え萌えし、見せ方のアイデアとしても秀逸だったのが、恵と倫也が恋人繋ぎを行う駅ホームでのシーン。恵みの指の挿入シーンのアングルが変わっている。よく見ると倫也の指がずれてちゃんと恋人繋ぎが完成していない。作画ミスではなく、手を繋ぎ慣れていないからこそ見られる不完全な恋人繋ぎを描く芸の細かさに感心でき、そして萌える。このシーンはヤバい。ニヤケが止まらぬ。

 

 ニヤケに待ったをかける我が心のブレーキを壊してしまったのが、倫也と恵のキスシーンだ。

 倫也が英梨々と詩羽の仕事を手伝いに出たことで自分達のサークルがストップしたことに恵は激しく怒っている。でも倫也の帰りを家の前で待っているのに萌える。この時にピンクパーカーを着ているのも萌える。倫也が手を握ろうとしたら一度は激しく突っぱねるけど、次には自分から握ってくる。恵のこのアクションにはやられる。

 で、このようなプチ揉め事を解消した後にキスシーンに行くが、倫也から仕掛けた最初のキスは失敗してしまう。童貞少年が己の中の男を奮い立たせて臨んだ第一発目が不発に終わり、顔を真っ赤にして謝るところがなんとも可愛い。恵にもときめくが、倫也の初々しさにも萌えるものがある。童貞の芝居に定評がある松岡禎丞渾身の童貞っぷりの演出も高く評価したい。

 キスが下手くそな倫也だが、諸々の頑張りが手伝って恵の口から「合格だよ」を引き出し、最後は恋人繋ぎをして「せ~の」でキスする。安野希世乃の歌う挿入歌を流すことでこのシーンが最高にキュンキュンするメインヒロインイベントとして完成していた。

「やべぇな恵、我々を殺しにかかる気なのか」なんて言葉が出てくるくらいにこのシーンには萌えた。血液が沸騰したぜ。

 

 メインヒロインのくせしてこれまでの恵は淡白すぎた。それに比べてクライマックスのココでは思い切りキュンキュンする女子を出してくるから高低差ありすぎなギャップにやられた。恵のヒロイン性を爆発させることで盛り上がったシーンだが、冷めた女の時代を抜けメインヒロインとして覚醒した恵を演出した安野希世乃の芝居のギャップもすごい。本気になったメインヒロインを本気で演じると安野希世乃ってここまでスゴイんだとも思った。ヒロインのキャラ性と女優の力が合わさって生まれた萌え展開に拍手を贈りたい。

 

 最後には奇跡の降ったあの伝説の坂道に立ち返り、自分は倫也にとってのメインヒロインになれたかと尋ねる恵が映される。これを見た全員が「絶対になれたよ!」と思ったことだろう。私は間違いなく冴えないヒロインを脱して誰の目から見ても完全なるメインヒロインへと育った加藤恵の進化を見届けた。倫也のゲーム作りの物語を描いた作品であると同時に、メインヒロインに育っていく恵の物語でもあった最高の作品の最高のオチが見れて幸せだった。

 

 これのBDは晩に見たのだが、見終わって布団に入ってもなお加藤恵からもらったキュンキュンが止まらないためなかなか眠れなかった。このタイプの睡眠妨げネタがあったんだという新たな発見があった。ありがとう加藤恵

 

英梨々と詩羽もすごい

 我々に推しの迷い道をさせておいても、製作側として最終的に推しにはめ込みたいのはやはり恵だと想う。そりゃメインヒロインの看板があるだけにハズレなき究極のヒロインだから今作では恵に最も注目だった。しかし忘れてはいけないのは、恵がメインヒロインとして覚醒する前からも作品を牽引したツインヒロインの存在である。

 倫也のメインヒロインに選ばれなかった者達が当然いるわけで、その者達には当然泣いてもらうわけである。恋の終わりを受け入れて次の一歩を踏み出す英梨々と詩羽のコンビを描く展開も熱い。

 

 同じ選ばれなかったヒロイン同士でもやはり年長者であるだけ詩羽の方が色々と察しが良く、英梨々は鈍感というか図太い。この点では対照的な二人のキャラ性が面白い。残った出海と美智留を見ても同じような関係性が見え、出海は敏感で美智留は鈍感というかフザケておる。

 

 倫也と恵の仲の深まりを見て、ここまで来るともう自分の介入する隙間はないと悟って身を引く詩羽がいて、逆に鈍感で楽天な英梨々は皆まで言われないと気づかない。倫也と恵の恋を応援するとはっきり口に出す詩羽の決意が見れるシーンは印象的だった。

 

 我が恋の終わりを受けて激しく泣く英梨々を描くシーンが二箇所あるが、どちらを見ても心揺さぶられる。乙女の涙に単純に萌えもするが、また単純に可哀想であるとも思える。大西沙織の泣きの演技が素晴らしく可愛い。

 恵がだいぶ良い所をもっていく中でも輝く英梨々のハイライトシーンが、倫也に自分のことが「好きだった~?」と満面の笑みで尋ねるところ。これは英梨々史上一番可愛かった。同時に大西沙織の芝居としても一番可愛いものだったと想う。このシーンが泣けるし可愛いので8回巻き戻して見た。

 

 失恋した英梨々と詩羽が二人して倫也の家を後にするシーンも良かった。泣く英梨々を元気づける役を行う詩羽が見られ、初期はあれだけ喧嘩ばかりしていた二人がよくもここまで互いを支える関係にまでなったよなと思える。

 倫也は確かに自分たちに恋をしていたと断言する詩羽が今回ばかりは格好良い。フザケたお色気姉さんキャラで売っていたが、格好良い女の部分もたっぷり見せていた。

 

 最初の焼肉屋のシーンでは、テレビアニメ一期のファミレスシーン同様机越しの蹴り合い喧嘩を見せたが、最後には仲良くなって互いをファーストネームで呼び合うコンビ仲になっている。仲良く喧嘩するいつもの二人と、本当に仲良しの友人になった二人の両方が見れてよかった。やはりこの二人は最高のコンビヒロインである。 

 

紅坂朱音が意外にもキーパーソンだった

 テレビアニメ二期に少しだけ出てきて、倫也達サークル内メンバーの関係性を引っ掻き回したのが紅坂朱音である。紅坂朱音が、倫也のサークルの看板だった英梨々と詩羽を引き抜いて自分の軍団に加えたことで倫也はきつい目にあった。だが結果として紅坂朱音のアクションを受けて他のキャラクター個々人がパワーアップして良い方向にも働いていた。最初は怖いお姉さんだと思ったけど、なんだかんだで皆をレベルアップさせるための道を敷いた面倒見の良いお姉さんでもあった。テレビシリーズではまだ謎だった紅坂朱音の人間性に迫っていく展開も劇場版のお楽しみ要素となっていた。

 

 焼肉屋に乗り込んできて英梨々と詩羽と三人で企画会議を始めるシーンでは、三人が元気よく口論していて楽しかった。最初の出会いでは英梨々と詩羽をビビらせるような言動に出た紅坂朱音だが、今となっては三人が丁々発止でコミュニケーションが取れていて結果仲良くぽくて安心した。

 

 かやのみで行く店で紅坂朱音と倫也が会話するシーンでは、紅坂朱音の荒く過激な講釈が記憶に残る。

 倫也の書くシナリオにまずはキモいと言い、次にはキモオタの妄想を垂れ流したものだと言ってキモオタの(倫也の)ピュアなハートに強めのジャブを叩き込んでくる。最終的にはこれはまるでオ○ニーだとまで言ってくる。だが、純粋なまでに垂れ流すキモオタ妄想で勝負にかかる倫也のスタイルは自分にも詩羽にも真似できない立派な武器だと言って持ち上げてくれる。でも結局オ○ニーを連発して倫也の精神をいじめてくる。ここが面白い。美しいキャラでとても仕事が出来る職人なのに紅坂朱音はめちゃめちゃ口が悪い。愉快なまでに毒を吐く紅坂朱音の豪快にして強烈なキャラ性が好きになる。

 演じたのは我が青春の女優の一人に数えられる生天目仁美である。彼女に汚いワードを連発させたことは一つの罪でもあり、一つのグッジョブでもある。とりあえず生天目仁美を推します。

 

 元気なお姉さんだと思った紅坂朱音がまさか脳梗塞で入院する流れは予想出来ないものだった。紅坂朱音が現場に出られなくなったことで倫也がヘルプに参戦するという新たな面白い流れが生まれた。自分のサークルを後にすることで恵と一度は断絶状態になり、逆に再会した詩羽や英梨々とは楽しい物語が始まる展開が楽しめた。なかなか息つく間を与えずに進むストーリーで楽しめた。

 

楽しい小ネタ

 春奈るなのしっとりとした主題歌が流れて綺麗に終わったと思った直後に展開する詩羽先輩のクソシナリオがフザケていて面白かった。このおふざけ感がザ・冴えカノのノリで良い。こんなフザケたボツシナリオに小田和正の名曲「ラブストーリーは突然に」を使ってくるのが笑える。

 

 テレビシリーズの頃から執拗にヒールキャラ、あるいはクズキャラを極めにかかっている伊織が結果良いやつで終わるのが面白い。詩羽のボツシナリオの中で落ちぶれた浮浪者みたくなっている伊織も面白い。

 

 焼肉屋に紅坂朱音が乗り込んで来る前の駐車場シーンでは、駐車中の車が全て痛車になっている。芸が細かくて感心する。そしてしっかり笑える。ここワンシーンだけなのに結構こだわって作っている。

 

 テレビシリーズからのモブキャラが今回でも登場していたのが個人的に嬉しい。

 いつも注文と違う料理を客席に運んで失敗してばかりのファミレスの女定員が、劇場版では間違えずにちゃんと注文通りに料理を運んで成長した姿を見せていたのにプチ感動した。

 倫也と伊織がテレビシリーズと同じ店に訪れて会議するシーンがあるが、ここで映るモブ店員も再登場となっていた。テレビシリーズの時から倫也と伊織にBL萌えを感じている二人の反応がここでも見られてクスリと笑えた。

 

 倫也の部屋のフィギュアやポスターも劇場版用に新しい物に変わっている。詩羽役の茅野愛衣が主演を務めた全体攻撃しがちなママのアニメのポスターもあって笑えた。 こんな感じで冴えカノは細かい所にも気を遣って丁寧に作られた一流娯楽作品である。

 

 冴えカノにはメタのネタが多めだが、今回もその点で笑える箇所が目立つ。焼肉屋で詩羽がサークルを抜けた自分と英梨々はきっとクレジットの位置もすごく下がっているとネタにするが、エンディングクレジットを見ると確かに二人が一番下になっていた。今回でもネタが効いているなと思える。 

 

  こんな感じで冴えカノは細かい所にも気を遣って丁寧に作られた一流娯楽作品である。

 

まとめ

 BDで本編を2回視聴したが、間違いなく神作品だった。萌えて感動して後引くキュンキュンがあった。最高である。

 

 長いシリーズ作品となった本当に最後のシーンには、キャラボイスではなく、声優達の地声での「おつかれ~」が聞こえる。この劇団冴えカノで頑張ったというファミリー感をお伝えしたのも良かった。矢作紗友里の声が一番元気良く聞こえたのがまた良かった。

 シリーズ通して主題歌を担当した春奈るな沢井美空の仕事ぶりも大変良かった。本当に作品に関わった皆におつかれとありがとうを言いたい。

 

 多くの作品がとっかかり部分だけアニメにして尻切れトンボになっている中、この作品はちゃんと原作のオチまで映像化したのがスゴイ。すごく面白くて心ときめく作品だったので人生の中で出会えてよかった一作に数えたい。

 

 あと、映像特典にあった舞台イベントで大西沙織が挨拶すると、客席から大西ガチ恋勢が「さおり~!」という野太い声を飛ばすのに笑ってしまった。バッチリ客の声が録れていて面白く、ここも巻き戻して数回見てしまった。ガチ恋勢のガチエールをもらうくらいに大西沙織も出世したのだと分かった。

 

 

 

  冴えカノバンザイ メインヒロインよ永遠に  

 

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