こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

ピュアな乙女の初恋「ななついろ★ドロップス」

ななついろ★ドロップス」は、2007年7月から9月まで放送された全12話のテレビアニメ。

 

 こんな作品があったなくらいに認識しているのみで、今まで見たことがなかった。2年前にはBD-BOXが発売され、それきっかけで見ようと思ったが、なんだかんだあって見ないまま早くも二年くらいが過ぎた。なので、この正月のちょっと楽な時期を狙って今度こそ見ることにした。放送から13年程経ってやっと見れたぜ。前々から興味があった作品なので、とりあえず無事視聴出来て良かった。

 

 本作の原作はなんとアダルトゲームだったとのこと。全話見てみたが、淫らな要素はなく、魔法少女ものをベースにした純粋な男女のラブストーリーといった具合の安全な作品だった。その手の描写はオール大切断にしている安心の出来となっている。こうなると原作ゲームもチェックしたくなる。

「ちゃお」とかで連載していそうな感じのノリでもあったが、放送枠はかなり深い時間帯だったと聞く。本作のキャラデザは、涼宮ハルヒなどを手掛けたことで有名ないとうのいぢが担当している。となると女子キャラは問答無用で可愛らしく、ロリ調ながらも絶妙にエッチな感じもして良かった。大人のお友達が元気になりそうな感じがややあった点から、浅い時間の放送はちょっと危険だったかもしれない。出てくる女達は皆可愛いから大変目の保養となった。すももちゃんが可愛すぎる。ハルヒやみくるちゃん、鶴屋さんを感じるキャラもいるので、ハルヒを楽しんだ者たちにオススメ出来る。

 

 

TVアニメ「ななついろ★ドロップス」BD-BOX [Blu-ray]

 

 

 そんな本作の内容をざっくりと振り返ろう。

 

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 主人公少年の石蕗君は、謎のジュースを偶然にも飲むことになる。そのジュースの効果により、夜になると羊のぬいぐるみに変身してしまう謎体質になってしまう。この呪い的現象から逃れるためには、選ばれし女子の手で7つの星のしずくを集めなければならない。その女子というのが、石蕗君の同級生の秋姫すももちゃんだった。すももちゃんからしずく集めに快諾をもらい、羊の人形ユキちゃんになった石蕗君とすももちゃんはタッグを組んで夜な夜な星のしずくを回収しに行く。その戦いの中で、二人のラブが目覚めキュンキュンする展開を迎えることになる。激萌えキュンキュンピュアラブストーリーをさっくりワンクールで綺麗に見せる良き萌えアニメとなっている。

 

 というわけでとても良い作品だった。

 

 昼間は学生、夜になるとぬいぐるみの姿で可愛い女子と仲良く出来るという石蕗のファンタジックにしてムフフな青春が楽しめるものだった。

 主人公 石蕗正晴(つわぶき まさはる)の名前を見て、この名字に出会ったのは人生で初めてだと思った。

 心優しく、見た目はイケメンメガネ、そして水泳が得意ということで、ネックとなる点がないように思えるが、石蕗君には新しいクラスにいまいち溶け込めないという事情がある。同級生から「もっと輪に入って来いよ」的な歓迎と共に注意も受けている。とりあず歓迎を受けるだけ、彼の良さは伝わっているのだろう。本当に根暗なヤツならそもそもこの誘いがかからない。人付き合いが不得手なだけで悪いヤツではないということが最初から分かるものだった。まずはすももちゃんが可愛い点に目が行くが、石蕗くんのピュアで良いヤツというキャラ性も見落とせないものがある。

 

 石蕗くんがいまいち冴えない青春を送るのと同様、すももちゃんにもちょっとそんな感じが見える。人前でおどおどしているし、弱虫泣き虫、水が怖くてプールがダメなどの点でどんくさい女子だなと思える。でも草木、加えて花を愛するピュアな心をもつ園芸部員な点は萌える。優しくてめっちゃ良い子なのでどんくさいスペックがあっても、これはこれで守って上げたいキュートさがある。女子はちょっとポンコツなぐらいが丁度良いという紳士諸君のハートにがっちりハマるヒロイン、それが秋姫すももだった。

 ピンク髪が可愛らしく、ちょっとだけ「ToHeart」のあかりちゃんを思い出す。13年前のアニメの女に今更キュンキュンするとは思わなかった。すももちゃんのフィギュアとかちょっと欲しくなったな。

 

 星のしずくを回収に向かう時のすももちゃんのコスチュームがまるでCCさくらのコスのようで可愛い。この衣装は映える。すももちゃんが持つ魔法のステッキ的なやつがデカいスプーンみたいな面白いデザインだったのも印象的。

 7つのしずくを集めて石蕗君の願いを叶えるということで、萌えアニメドラゴンボールをやるみたいな感じにも見えた。

 

 後半では石蕗くんを羊の呪いから解放すると、今までの記憶も全部飛んでしまうという流れになる。半年間の物語を経て、石蕗くんとすももちゃんは恋人になれたのに、それもパーになる。それにしても、すももちゃんが勇気を振り絞ってそれまでの「石蕗くん」呼びをファーストネームを取った「はるくん」に変えるシーンには大変萌えたものである。名字から下の名前に呼び名が変わるこの恋の進歩のうれし恥ずかしくすぐったい感じは、多くの和人から共感してもらえるだろう。

 そんな萌えの歴史も忘れてしまうのが石蕗くんの運命だった。

 同じく星のしずくを集める同業者のノナちゃんから記憶喪失に良いとされるマジックアイテムをもらうが、すももちゃんは脳みその記憶は飛んでもハートには愛の記憶が残っているはずと信じて小細工には頼らない。そうして愛が自然に石蕗君の記憶を回復させるのを待って無事恋人に戻ってエンドとなるのだ。この外部からの力に頼らず、内に眠る記憶が戻るのをただ信じて待つという、すももちゃんの信じる力に感動出来る。淀みなき乙女の純情が見えて大変萌えた。めっちゃ可愛い。

 石蕗君の方でも、諸々の記憶はすっ飛んだままだが、すももを愛したことだけは覚えていて、時間をかけてもう一度好きになると告白してチュウを交わす。最高に美しいラストシーンが見れた。

  最後はすももちゃんの愛のモノローグが語られてスノードロップが映り、花言葉の「初恋のまなざし」が字幕で表記される。このカットが綺麗で、見ていて純なハートになる。恋ってマジで素晴らしいと思えるすももちゃんと石蕗君の初恋物語だった。

 

 最終回の二人のラブシーンで流れる「コイスル★フローライト」が一発聴いただけで好きになる良い曲だった。クライマックスのこのシーンでこんなキレイなだけの曲とか仕掛けとして良すぎる。こちらの曲は原作ゲームのOP曲になっているという。アニメ用のOPの曲「Shining stars bless☆」もキレイなメロディの曲で良かった。

 

 

 すももちゃんを演じた結本ミチルの熱演にも泣けるものがあった。慣れない恋を一生懸命行う小さな少女のハートがしっかり伝わるもので良かった。一番の感想はすももちゃんがめっちゃ可愛いということである。

 

 ちょっとだけ映るキャラにフローラちゃんというとんでもなく可愛いのがいるので気になって調べると、これもゲームでは攻略ヒロインらしい。フローラとの青春も楽しみたい。

 現在は「鬼滅の刃」の煉獄杏寿郎役でヒットしている日野聡が、瓶底眼鏡のおちゃらけた男子キャラの桜庭圭介役で出演しているのも印象的。「夏男」と書いてあるTシャツを着ている愉快なキャラで面白かった。石蕗くんとは打って変わって明るいクラスの人気者っぽいヤツで良かった。

 

 EDアニメ内で作品用語の説明が行われるのが特徴的な演出になっていた。無駄なく間を使う良き心得だった。

 

 最終話のオーディオコメンタリーは2008年に収録されたものらしく、平成も20年が過ぎたね~ということを出演女優達が話している。平成生まれの中にも成人を迎えた者がが出てきた時代だが、現在はそこから更に10年くらい経っている。このオーディオコメンタリーを聞くと時間の流れの速さにぞっとしたりもする。

  他の回では高橋広樹谷山紀章のオーディオコメンタリーが聴ける。彼ら二人はほとんどアニメのことに触れず、プロレス談義でめっちゃ盛り上がっていた。この二人のオーディオコメンタリーが一番面白かった。高橋広樹のマネージャーは元女子プロレスラーであり、あのダンプ松本と同じ時代にリングに上がっていたという。このアニメと関係ないけど珍しい話が聴けて面白かった。

 

 そんなわけで、魔法少女を楽しんでややロリっぽいヒロインも楽しんでピュアな初恋物語も楽しめるお得な一作となったのが「ななついろ★ドロップス」だった。暇があればいつかゲームの方もやりたいと思う。

 

 

 

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