こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

ほたるを越えて行け「Memories Off 2nd」

Memories Off 2nd」は、2001年に発売したプレイステーションソフト、またはドリームキャストソフトである。

 発売時期からするに、新世紀が明けて最初期くらいのギャルゲーヒット作になったのではないかと思える。

 

 2機種に対応したソフトが同時発売し、どちらでもジャケットを飾ったのはメインヒロインの白河ほたるだった。同じキャラが写ったものだが、ジャケ写は異なっている。そういった点から、とりあえず我が家ではどちらも確保している。

 2008年にはPSPに移植された。こちらも確保済みであり、今回はそちらで遊んでみた。

 

 初代と比べ、シナリオがかなりボリュームアップしている。前作はPSだとディスク1枚での発売だったが、今作は2枚組だった。ざっと二倍の時間楽しめた。PSP版で全ルート攻略まで約35時間もかかった。だいぶ長いし目が疲れたが、楽しかったので苦痛はない。

 

Memories Off 2nd サウンドコレクション

 

全体のざっくりした感想

 今作も前作同様、大きな壁を乗り越えたその先にある恋だの愛だのが描かれる。やはり恋愛において勝利を掴むのは難しい。障害はあって当然だと言えよう。

 前作では、死んだ恋人の過去を受け入れて新たな恋に向かう物語が描かれた。今回も別れから物語が本番を迎えるのだが、新章ということで方向性をややいじっている。

 

 当時としてはなかなか斬新な設定だったかもしれないが、本作ではゲームスタート時から主人公に彼女がいるのだ。それがメインヒロインの白河ほたるである。各攻略ヒロインルートに攻め込むためには、まずほたるをなんとかしなければならない。どういうことかと言うと、振るのだ。ルートによると、フラフラした主人公をほたるの方が捨てる形に見えるものもある。

 

 主人公伊波健は、サッカー部を引退した高3の男子である。古いアパート朝凪荘で一人暮らしをしている。部活が終わった後の夏休みから物語はスタートする。

 サッカーを失ってからは、学校生活での目標がなくなり、受験生ではあるものの、これといって進路へのモチベーションも上がらない。そんな感じで何かに情熱を燃やすことがなくなった健は、暇な学生になってしまう。そこへ前作から続投で登場する愛すべき脇キャラの稲穂信が、ファミレスのバイト話を持ってくる。信も朝凪荘に住んでいて、なんと前作で通っていた澄空高校を退学している。こいつはビックリだ。

 今回でもまた、信の役どころは、迷える主人公を良き方向に導くというものだった。基本はおバカのノリだが、学生を辞めて一応社会人をやっているだけあって、たまに良いことも言ってくれる。

 

 何かを始めなきゃということで、健は信と共にバイトを始めるのだ。

 バイトをし、夏期講習にもちょこちょこ出てを繰り返す日々の中で、健はほたる以外の気になる女子達とお近づきになるチャンスをゲットする。

 ほたるはピアノコンクールに向けての特訓があり、その間は彼女の目がお留守になる。その条件も手伝って、健にはよその女と時間を共にすることが増え、結果彼女以外の女達を好きになっていく。

 ほたるを過去の女にして次の未来を目指すのである。

 

 まず初手で最初の出会いにバイバイして次の恋、または次の女に行くという展開が必須となる。攻略ヒロインには、バイト仲間、同級生、元カノの友人、姉、教師までいて、どのルートに入っても大体は揉める。 

 どのルートを選んでも必ずキーパーソンとして絡んで来るほたるは、前作の彩花同様ボス的立ち位置のキャラだった。ほたるを乗り越えていかないと掴めない恋がある。

 大きな壁を乗り越えた先の恋であるという点においては、前作とテーマ性が合致するが、こちらの方は生きている彼女とお別れするのでかなり生々しい。三角関係、やや浮気もの感もあり、その手のややドロついた恋愛模様が好みなユーザーにはウケる内容になっている。この私も「金妻」や「マクロス」が大好物なので、この設定も好みだった。

 ゼロからでなく、ほたるをものにしたという栄光を手にした段階からスタートする点には素直に興味が湧くし、斬新で面白い。

 

 この基本設定を見れば、まずほたるが可哀想、そして健のしたことは最低だと考えることも出来る。だがしかし、そこに人間の、または恋心の真実性があるのも事実である。出会った順番の前後があっただけで、健の恋する想いに嘘は無いのだ。ほたるのことは大事だが、また別に大事な人が出来たという訳である。健を擁護しまくることは出来ないが、彼の言動の全てを否定することも出来ない。ここが恋愛の難しいところである。心に従って真実の愛を求めれば、その過程で誰かを不幸にすることは避けて通れないのだ。そんなリアル性あるシリアスなラブドラマを描いたこの作品は、高品質なギャルゲーだと言えよう。

 

 もちろんグランドフィナーレを迎えるためには、最後までほたるを選び抜くルートを進めることになる。ほたる一択で攻め込むルートもちゃんとあるのでそこは安心だ。

 何度もほたるを振って泣かせてを繰り返し、最後にはとびきりの幸せを掴むオチに持っていく。その時には感動も一入であった。

 このゲームの落とし所は、迷って悩んでの恋の末に、ほたるこそをハッピーにするというものなのだ。ほたるはマジで可愛い。 

 

 主人公の健やほたるは、前作の主な舞台となった澄空高校の近所の学校である浜咲高校に通っている。本作に登場する各キャラが、澄空高校に通う前作の登場人物と実は繋がりがあったとされる描写が複数見られる。顔や声での出演はないものの、前作キャラの存在が見え隠れすることから、オールドファンに良いサービスが見える点も良かった。

 

ヒロイン

 美少女ゲームをプレイしてヒロインの品定めをしないなんてことはない。なのでヒロインをじっくり振り返ろう。

  

 ヒロイン攻略順(私の趣味)

 飛世 巴 → 白河 静流 → 相摩 希 →寿々奈 鷹乃 → 南 つばめ → 白河 ほたる

 

 攻略ルートとしては、6人ヒロインをメインにした6ルート。でもヒロインはルートによってプラスαで登場することもある。

 

飛世 巴(とびせ ともえ)

 劇団バスケットに所属する女優の卵。よく公園で稽古している。思わずドラマ「愛していると言ってくれ」で常盤貴子が演じたヒロインを思い出してしまう。

 健のバイト先のファミレス「ルサック」に飯を食いに来て、それが縁でだんだん仲良くなる。

 劇団の仲間内では男っぽい感じがするため女子扱いされないという。だが、そうして一見男前な少女の中に、秘めたる女子の部分を見つけて萌え萌えさせるのが、このヒロインの真髄である。めっちゃ可愛い。

 異性にも気安く接するコミュ力高きギャルって感じで、親和性高きヒロインだった。結構おっぱいがある点にも注目。二の腕の防御無きノースリーブで登場することが多めで、その点も良い。

 

 初っ端から一番ヘビーなルートだったと思う。なんとこの巴、ほたるの親友だったのだ。思わぬ暗黒を呼ぶ縁があった。これは曲者ゲームだなと思わずにはいられない。この展開は読めなかった。

 二人が友人だったことは、巴ルートに入ってしばらくしないと分からないのだが、結果として彼女の友人に手を出したという典型的浮気者ルート感がして罪悪感も少々湧く。

 双方が良く知る人物であるほたるに悪いとは想いつつも、互いに惹かれ合うことに待ったをかけられない男女の愛に残酷な真実性を見るルートだった。濃いなぁ。

 ほたると巴が激しく口論して揉める展開も用意されていて、これは胃が痛む。だが楽しい。

 

 健と同様サッカー好きだった弟を亡くした悲しい過去を持つため、巴はサッカーにトラウマをもっている。過去に傷持つ女であることから守ってあげたくなる。

 

 健から見れば他校の澄空高校に通っているため、巴の澄空の制服姿を拝むことも出来る。これも可愛い。

 

 魂込めて巴を可愛く演じた仲西環は、約一年前に他界している。彼女の死後にもこうして彼女の残した演技を楽しんでいる私がいる。役者の仕事は長く世に残る。

 

白河 静流(しらかわ しずる)

 彼女の姉というこれまた禁断のポジションにいる女子大生。静流とつばめ先生はお姉さん枠なので、ぐっと惹きつけられるものがある。めっちゃ可愛い。

 ほたると二人並ぶと、実に美しい姉妹だと分かる。大変仲良しな美しい姉妹の美しき姉妹愛に亀裂が生じるのが静流ルートである。

 前作ヒロインの小夜美さんとは大学の同級生で親友同士である。静流と小夜美の高校時代の写真で若き日の二人が見れるのが良かった。

 お姉ちゃんヒロインだけあって、落ち着いたお姉さんの色気がある。パティシェを目指していることから色んなお菓子を作って来てくれる点もスペックが高い。普段はおっとり系お姉さんに見えるが、実はプロレス好き女子であり、プロレスが絡むと熱血お姉さんになる点も愛しい。

 海ドライブで白河姉妹の水着姿が拝めるシーンも大変良かった。

 

 このルートでは、まず健のアパートの隣の部屋に住むつばめ先生との仲をほたるに疑われることから面倒が始まる。誤解を解いて健とほたるを仲直りさせるために静流が仲裁に入るのだが、それが危ない恋の入り口になってしまう。妹が可愛いために、その彼氏にも目をかけていたら、その内双方が惹かれ合って泥沼的展開に入っていくのだ。

 結果として、大好きなお姉ちゃんに大好きな健ちゃんを取られることになるほたるのショックは計り知れないものがある。彼女の姉とくっ付くという一番イケないことをやっているルートな気がする。この禁断性が美味しいのである。

 ほたるのことを思えば、巴の時とはまた違った胃の痛みを味わうことになる。だが、それゆえに面白いとも思える展開だった。

 

 相摩 希(そうま めぐみ)

 希と書いて「めぐみ」とは、読みがトリッキーである。

 健と共にファミレスルサックでバイトする仲間。一番ちんちくりんなヒロインである。

 演じている南里侑香は、役者よりも歌手のイメージが強いというのが個人的認識である。今一度彼女の声優としての芝居に触れられるという点から、このルートは興味深いものになった。

 

 序盤の方では、結構気弱でドジな点もある普通な女子って感じに思えてちょっと退屈にも思った。だが彼女のルートの中盤あたりから色々おかしい点が浮き彫りになる。

 会う日によって言動に差異が見られる点から、もしかするとこいつは二重人格なのでは?というシリアスな流れになっていく。彼女に対して理解を深めたい健が、本屋に通い詰めて心理学についてあれこれ勉強するシーンが印象に残る。

 精神的に危うい状態にあるのかもしれない。であれば希を放っておけない。健のそんな想いを恋人のほたるが気にかけないはずがなく、なんだかんだで揉める。私だけを見てよ!的な想いがほたるの中で膨らむのである。分かる。

 他のヒロインルート同様、まずはほたるを振り切る。そして希と仲を深めにかかるのだが、ここからまたややこしい展開になる。実は希には望(のぞみ)という双子の姉妹があると分かり、二人が交互にバイトに出ていたと分かる。こうなると、自分が好きになったのは二人の内どっちなのだと健は混乱するのである。ややこしい。

 ほたると別れてまで選んだ道の先で、希と望のどちらを選ぶかという分岐がまだ用意されている。これは面倒臭い青春だ。最低かもしれないが、こんなことになるならほたるに戻りたいと思ってしまう自分がいた。

 このルートにはオチが3つ用意されている。選択肢によって、双子のどちらかが死んで、生き残った方とエンドとなるものがあり、もう一つはどちらも死なないものが用意されている。希望エンドと呼ばれる最後のルートのオチは、考察を重ねないとなかなか理解出来ない謎に満ちたものになっている。

 希と望の二人がいたのではなく、希望という名前で元から一人の少女だったという、簡単に言うとそんなオチが用意されている。では健のこれまで見てきた世界はなんだったのか、という点をどうしても深く考えてしまうものだった。深い。

 

 希も澄空高校に通う生徒であり、絵画を嗜んでいる。美術室に置かれた作品に感動したというのだが、どうやらのその作品は前作ヒロインみなもの遺作だと推測できる。私を泣かせてくれた推しヒロインのみなもちゃんの話が聞けて良かった。

 

寿々奈 鷹乃(すずな たかの)

 優秀な水泳選手でクール系美少女。千葉紗子の声が懐かしい。

 縛ったポニテの先が二つに別れているという珍しい髪型になっている。ある意味ツインテも兼ねているのか?という謎めいたヘアスタイルも良さになっていた。めっちゃ可愛い。

 スラッとした細身の女子に見えるが、水泳には体力が必要でカロリーもめっちゃ消費するということから、ありえない量を食う大食い女子でもある。彼女の大食いっぷりには逞しいものがある。

 

 とある事情から男嫌い性質になり、その事情は彼女のルートを進めると徐々に見えてくる。男嫌いのため、序盤は健に対しても剣のある態度を出してくる。

 男を虫に例えて中傷する穏やかではない鷹乃の喋りは記憶に残る。「トンボ並の知能」とか言ってくる。この口の悪さは、ブスが発したのならクロスチョップお見舞案件になるところだが、可愛い鷹乃なら「まぁ許そう」ってなる。

 

 男嫌いだが、代わりに女子に優しく、美しく格好良いということもあって同性からモテている。

 鷹乃ルートに入って行くと、鷹乃が所属する水泳部の後輩女子舞方香菜の出番も増える。おっとり系メガネ美少女ということで、攻略ヒロインではないものの、香菜も多くの紳士諸君の需要に答えた良き要素があった。舞方香菜を演じるのは、亡き松来未祐であり、彼女の芝居がまた見れたのが嬉しい。

 

 住んでいる家が本屋を営んでいる関係から、本好きな前作ヒロイン詩音と鷹乃は友人同士ということが分かる。詩音もめっちゃ良かったよな。

 

南 つばめ(みなみ つばめ)

 とにかくミステリアスな美人教師である。何を考えているのか謎な点が魅力的。

 健の隣の部屋に引っ越して来て、最初に会った時には「風を見ている」と言って風と戯れている。やばい、かなり不思議と思わずにいられない。入りこそちょっと変な女なのかなと思ってしまうが、教師なんて職業をするあたり物事の道理が色々分かっている。彼女の個別ルートに入る入らないにかかわらず、それとなく健の心理に働きかける深い言葉を送ってくれるキーパーソンにもなっている。やっぱり人生の先輩なのだと納得出来る。

 先生なので物をいっぱい知っている。晴れを祈願して飾るてるてる坊主の由来について先生が語ってくれるシーンは勉強になる。このてるてる坊主関連の話は、ほたるルートにも深く関わることになる。

 レモンが好きで携帯している。この点もミステリアスで印象に残る。つばめ先生といえば「レモンの女」というイメージ。レモンの香りは人を滾らせるとつばめ先生が言っているのだが、それは分かる。なにせこの私も、唐揚げの横のレモンは絶対食う派のレモン好きなのだ。レモンは私を滾らせる。

 もみあげ部分だけやたら長くて後ろ髪はバッサリいってるこの変化球な髪型も謎で好きだった。

 

 演じたのは我が想い出の女優である池澤春菜である。ハム太郎の飼い主のロコちゃんの声とかがめっちゃ可愛かったと記憶している。「ケロロ軍曹」「だぁ!だぁ!だぁ!」では、共に金持ちの二重人格お嬢様という他作品であっても被り肉そうなキャラを見事被せて演じていた。「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」では、まさかの元気な男子の役もしていたことから、パワフルな役を演じるイメージが強い。そこへ来て、ボリュームを絞ってしっとり喋るつばめ先生の芝居は意外なものがあった。池澤春菜のボソボソしゃべるクールな芝居もかなり良いと思えた。

 

 つばめ先生のルートを進めると、幼少期からお父さんに家庭内虐待を受けていたことが明らかになる。結構イッちゃってるこのお父さんが怖い。

 つばめ先生ルートでは、健のサッカー部の仲間にして親友でもある中森翔太が濃く物語に絡んでくる。翔太は絶対にほたるが好きだとこちらに思わせておいて、実はそれはフェイク。翔太が好きだったのはつばめ先生と分かる点は意外。

 まずはほたると別れることで三角関係になるが、その後はスムーズに先生と仲良くとは行かず、次には翔太が介入して新たな三角形が見えるようになる。この複雑に揉める恋愛模様にはワクワクする。

 皆まで描くことはしないが、このルートでは選択肢によって翔太とつばめ先生が自殺したであろうバッド・エンドが用意されている。これは悲しい未来なので避けて通る努力が必要だ。

 翔太を演じていたのが若き日の福山潤だったことにも注目出来る。

 教師と生徒の禁断の愛が描かれるルートだが、禁断こそ蜜の味なのでドキドキして楽しんだ。海辺にある小屋で先生とキスするシーンは美しいので見どころだ。

 

白河 ほたる(しらかわ ほたる)

 最後に本腰を入れて臨むのは、本作のボスキャラであるこの人だ。

 

 まずほたるがめっちゃ可愛い。健ちゃん大好きで、健ちゃんのためなら何でもするってくらい献身的な彼女である。他のヒロインも確かに良いのだが、こんなに良い子が彼女なのにお前は何に不満があって他の女のことを見るのさ、と健にツッコミたくもなる。

 

 新人の頃の奈々様(水樹奈々)が演じている。とにかく奈々様の芝居が可愛い。可愛い声だな~。今ならもうこの芝居は出来ないのではないだろうか。若さゆえの勢いもある演技だったなと勝手に思っている。シンフォギアの時とは全然違う芝居ではないか。奈々様のこの感じの芝居はレアかもしれない。

 

 基本的にはボケボケギャルであり、緩いテンションでオヤジギャグを吐くのはとんでもなく可愛い。こんな感じなのに天才ピアニストであるという点がすごい。有名曲の「悲愴」「愛の夢」を演奏し、BGMでも流れる。「悲愴」はタイトルと違って悲壮感がなく、むしろ心温まると語るほたるの音楽的感性が愛しい。クラシック音楽に心癒されるのもゲームの良さだった。「愛の夢」をバックにほたると夜の動物園でデートするシーンはとても良かった。

 

 ほたるには打ち込むことがあり、しかも天才レベルである。健はサッカー大会で負けて目標がなくなってしまう。そのことから、彼女でありながらも非凡なほたるに対して劣等感があり、それもきっかけで二人の間に距離感が生まれる。自分は本当にほたるが好きなのか、相応しいのか、ということを健は改めて思うのである。これだから男女関係は複雑で疲れる。

 

 ゲーム進行を行う上で、何度もほたるを悲しませることになる。様々なルートで悲しませるのだが、その時に「健ちゃん、ひどいよ」とほたるが言うところで一番傷つく。ほたるを傷つけたことで傷ついた私は、その日眠れなくなるのである。奈々様の声で「ひどいよ」を言われるとすごく悪いことをした気分になる。

 

 ピアノコンクールで優勝したほたるは、音楽の都に留学することになるが、健ちゃんを愛する一心で帰ってくる。最後はライン引きを使って校庭にでっかく健ちゃんへのラブレターを書く。この恥ずかしい青春の告白のノリが個人的に好みである。何度も泣かせた看板ヒロインのとびきりの笑顔を引き出してオチとなるこのルートには感動できるものがあった。

 

 ほたるルートクリア後に流れる奈々様の歌「オルゴールとピアノと」が超絶良い。改めて奈々様の歌声が素晴らしい。芝居と歌で声が違いすぎる。ほたるのために、健が一生懸命オルゴールを作る流れがあるので、オルゴールもキーアイテムになっていた。

 

 

 

 

 

 そんなこんなでだいぶ楽しかったシリーズ二作目だった。

 作品キャッチコピー「かけがえのない想いと引き換えに……」の通り、大きなものと引き換えに、また大きなものを選択するという青春の駆け引きが描かれるリアル性も多々ある物語が楽しめた。

 やはりメモオフは心を揺さぶるものがあるぜ。

 

 楽しかったので、またメモオフシリーズで遊ぼうと思う。

 

 

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