こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

「もののけ姫」はやっぱりすごかった

 何かと忙しい人生を送る中、ココだけは心穏やかに過ごしたいと思える時期がお盆である。お盆シーズンは金曜ロードショーで楽しい作品をやりがち。で、今年は懐かしの名作「もののけ姫」を放送していた。これをたまたま視聴。すごい久しぶりに見た。内容をかなり忘れていたのだが、やっぱり名作だったと思える圧巻の出来だった。

 

もののけ姫 [DVD]

 

もののけ姫」は、1997年に公開されたジブリ映画。そんなに古いのか。

 当時を生き抜いた私のお兄ちゃんが語る思い出によれば、当時のガキの8人に一人くらいは「もものけ姫」と間違って口にしていたとか。可愛い間違いで微笑ましい。

 

 主人公青年アシタカが、自身の体に負った呪いの解除のため旅する物語が描かれる。その中でヒロインのサンとの交流が描かれる。ジブリに限らず方々のファンタジーで見られる嬉しい要素「ボーイミーツガール」の手法がここにも見られる。アシタカはイケメン。そしてサンは可愛い。

 

 犬っころと人生を共にして森で生きる謎の少女サンの存在は、ファンタジックで気になる要素として印象深い。そして普通に可愛い子ちゃんなので目の保養にもなる。武闘派で気性が荒いヒロイン性には刺激的な萌えがあった。

 

 映画ポスターやCDのジャケットにもデカデカとサンが描かれるくらいだから、やはり本作の第一のヒロインはサン。サンで勝負の作品ではあるが、サンと対峙したもう一人の武闘派ヒロインのエボシ様も忘れてはいけない。実質このツインヒロインで視覚的癒やしを得る作品だった。

 

 久しぶりに見るまで気づかなかったが、序盤にアシタカの妹分的なヒロインが出ているではないか。こんなヤツいたっけ?ちょっと可愛い。アシタカの出立を心配そうに見守る献身的な妹ヒロインポジを取っていて、なんとも良さげではないか。妹ヒロインがいる映画とは思っていなかったので、令和に入って新しい発見となった。

 

 本作は萌え萌え視点だけで見て終われる浅い映画では無い。

 根底にあるテーマとして、自然との共生が上げられている。

 アシタカ達人間は、自然の恩恵を受けることもあれば、猛威を振るわれて恐怖することもある。たかが人間ごときが、広大にして偉大な自然に楯突けば痛すぎるしっぺ返しを受けることもあるということを伝えている。この点では、平成で一番有名な聖戦を描いたジブリ映画「平成たぬき合戦ぽんぽこ」にも通ずるものがある。自然破壊なんてせずに上手に付き合っていこうと思える。たぬきはとっても可愛いのだ。

 

 自然の猛威を具現化したような不気味な存在としては、シシ神、乙事主などのキャラクターが印象的。子供心としては、ただ不思議な存在としては終わらず、不気味でグロテスクな物として強く記憶に残るだろう。怖っ!

 特にシシ神は、一見優雅な出で立ちに見えるが、やはりよく見ると不気味で気持ち悪くもある。そして首を射抜かれた後に変身する恐怖の怪物ディダラボッチはインパクト大。ウルトラマンサイズの敵となるからこの点は一気にファンタジックとなって記憶に残る。

 

 最近乱発する内容すっからかんの作品と違い、ファンタジーベースながらも、現実に生きる視聴者に向けて自然との向き合い方を考えさせる重きメッセージ性がある。この演出方法が秀逸なのである。

 

 内容やキャラクターも良いが、アニメーションとしての見せ方も素晴らしい。やはりジブリの作る緻密な絵の動きは簡単には真似出来ない精巧なものだ。

 緑溢れる風景には、見る者をどうしようもなく郷愁に駆らせる効果があり、心穏やかにしもてくれる。自然背景の描き方がとにかく良い。

 後半の動きの速いアクションシーンは今見ても美しく迫力がある。シナリオも良かったが、これは単純にアニメーションとして見て芸術の域に到達していると想う。22世紀にも残っていくであろう素晴らしい作品だと思った。

 

 真面目なテーマ性を訴える中で、一時気が抜けてしまう間抜けな感じが愛しいコダマのようなマスコットキャラを用意している点は憎い。可愛いので思わず子供も大人も安心して映画を見たくなる。アシタカの旅のお供のヤックルも可愛い。

 

 気になるキャラとしてもう一つ上げられるのが猩々達。複数形でのご登場となる。森の賢者と称されるくらいに弁えた方々だとサンの説明から読み取れるが、よくよく話を聞いてみると、賢者の理解とは思えない正当性を欠いたこと言ってる。言語能力、意思伝達の機能が拙いようで、本当に賢者なのか怪しい。とりあえず「人間食う」の欲求が強い。このセリフを真似して言うガキが当時は幾人もいたと私のお兄ちゃんから伝え聞いた。

 

 というわけで、やはりジブリの放つ名作「もののけ姫」は大人が見ても深い気づきが得られる一流映画だった。すごい。

 アナログで出すこの迫力が凄いんだよな。手書きの究極ゾーンがここにある。そんなジブリだが、次回作ではディズニーのように3Dに手を出すとかいう。3Dだって綺麗で素晴らしいとは想うが、ディズニーとジブリはずっと手書きで見たかったという要望がいつまでもある。やや複雑な新着情報だった。

 

 米良美一の歌う主題歌には、魂を安らげるアロマ効果的なものがある。これもすっかり懐かしの名曲の仲間入りを果たしたな。久しぶりに聴いて楽しむ。

 

 良い映画ってのは、いくら時が経って見てもやっぱり良いものだ。

 

 

 

 スポンサードリンク