「超時空ロマネスク SAMY MISSING・99」は、1986年7月5日に発売されたOVA。
大仰なタイトルだな~。パッと見て「超時空要塞マクロス」ぽいのが困りもの。
令和に入った今月までマジに知らんアニメだった。これを見た事がある人間は地球に1万人にもいないのではなかろうか。ある意味レアで貴重なアニメなのかな。
オタク文化の中でもアニメがグッと勢いづいて来たそんな時代だからこそ、わずかでも可能性を感じたあれこれの物を乱れ打ちしたい。それで当たれば儲けもの。だが乱れ打ちした中には、標的に当たらず軌道が逸れまくってそのままフェードアウトするものも当然ある。この作品がきっとそうなのだろう。
あれこれを詳しく語る前からいの一番に出たザックリな感想が「なにこれ?」なアニメだった。マジになにこれアニメだったな。
まず始まってすぐに長々と字幕が出る。物語開始前に最低限ここらの事は頭に入れておけという基本設定のナビゲートだった。読むのが面倒だから簡易動画と簡潔なナレーションでやってよね。そう思わずにはいられない。
それからオチでもまた字幕説明が出る。頭もケツも視聴者に文字を読ませる親切なのか迷惑なのか分からない仕様。だいたい文字を読めないとか、読みたくないってヤツが絵で物を理解しようと思って流れてくるのがこちらのコンテンツなんだから、こっちに来ても字を読ませるなよなって思う。
で、面倒と思いつつも基本を抑えるための字幕を読む。
その昔から今に渡ってなんかすごい力があり、それを持っている少女がいて、あとは4人のお仲間の戦士がいて~みたいな中二病的超時空論が綴られていた。
あれ、なんだか危険な香りがする。最初の説明文だけでなんか危険な香りがする。
そして始まる物語。
主人公ヒロインの沙美は、街で暴走族に襲われる。そこを素敵な彼に助けられてその日は終わる。
で、後日。昨日のチンピラ共がバイクに乗ったまま学校の中まで沙美を追っかけて来る。これはまた飛んだスクールウォーズだな。「ここは学校じゃない、戦場だ!」という山下真司の叫びが聞こえてきそうなもの。不良最前線の時代だったのかな。だからコレをやりたかったのかな。当時を知らない最近の人間の私からすると、こんな時代があったなんてマジで信じられない。
不良から逃げ回る内に異世界ゲートをくぐってさっさと異世界に行ってしまう。導入のチンピラとの一悶着は、不良ブームの時代だからやりたかっただけなのかな。
メインの内容は、少女の異世界冒険。日本人って一生異世界冒険が好きだよな。今日だってこんな感じの適当な導入からの異世界冒険スタートって流れのアニメが放送しているものな。てかさっきテレビで見たわ。
レダっていうOVAもこんな感じで少女が異世界で冒険していたなと思い出す。
主人公が迷い込んだ異世界は変なところ。最初は時間に追われるウサギが出てきてそれを追っかける。これには「不思議の国のアリス」の要素が見える。次には白雪姫の魔女みたいな婆さんが出てくる。
様々なビジュアルのとにかく化け物と呼ばれる連中が出てきて、戦艦に乗って大砲をぶっ放したりするSF感もあるファンタジー展開になっていく。
日本から異世界に行ったその先でまた別ものの異世界に行く。あっという間に世界観が変わるなかなかのカオス冒険が楽しめる。
前世からのお友達のような四人の戦士達が現れて沙美を助けてくれる。そうこうしている間に沙美も能力が覚醒して神様級のとんでもない力で全部ぶっ飛ばす。
面倒は全部神秘の力でぶっ飛ばすという、潔くも大着にも感じられる流れで異世界の戦いは幕を閉じるのだ。
冒険が終わったらなんか知らないけど最初にいた学校に戻っていておしまい。
なんだろうか。世界観をザックリふんわり掴んだくらいで全部終わってしまった。なんかまだラスボスが残っているみたいな感じにもなっていたし、結構謎な内容だったな。まぁなんだかんだあっても超時空なのでなんでもありと飲み込むしかないのだ。
そして大したことないの内容にしては、とにかく出てくるキャラを演じる声優が有名人ばかり。今だとこんなメンバーは揃わないだろうってくらいに豪華な顔ぶれだったな。まぁ本日でも声優に頼ってシナリオとアニメで仕事をしていないって作品は結構あるからな。声優好きならとりあえず見ておけばってモノだったな。
ラストの字幕を見るに、過去から続く謎に規模のデカい戦いは、遂にこれより未来も続くことが約束された感じになっている。ここで終わりにしとけやと突っ込んでしまう。沙美を演じた平野文は、この仕事を覚えているのだろうか。
こんなものもあったんだな~と昔の世界を知れる良いきっかけになった。
我々の知らないところで今も沙美の戦いは続いているのだろう。頑張れ沙美。今からコレの2とかをやったらウケる。
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