こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

暗黒時代の尻尾を掴めスーパーチーム「アンタッチャブル」

アンタッチャブル」は、1987年に公開されたアメリカ映画。

 

 噂に聞く名作ではあるが、公開からこれだけ時が過ぎてまだ見ていなかった。

 BSプレミアムで割と頻繁に放送されていたが、色々あってこれまで見逃していた。先日放送したのをやっと視聴出来た。これが大変素晴らしい映画で感動した。めっちゃ良かったな。

 炸裂する銃アクションに仲間との絆、そしてカポネが怖いしムカつく。そんな感じで見所は色々。

 これはすごいパワーを持った作品だ。こんなのが35年前からあってまだ見れていなかったとは損な気もする。同時にそれだけ楽しみを後へ後へと取っておけた美味しさもあるというもの。

 とにかく思った以上に感動したので感想とかを書き殴って行こう。

 

アンタッチャブル (字幕版)

 

内容

 物語の舞台は1930年のシカゴ。世は禁酒法下にあり、これが暗黒の時代を呼ぶトリガーとなっていた。

 禁止されたら禁断の味が深まるもの。というわけでタブーとされる酒の密造、密輸の闇マーケットが急成長を遂げるのだった。そんな闇社会に君臨にするのは超ギャングのアル・カポネ

 これをとっちめいないとシカゴにまともな夜はやって来ない。がしかし、金という名の最強の力があるアル・カポネは、警察、裁判関係者までを味方につけることが可能。 正義を悪の力で買い取るというスマートな悪で攻めてきやがる。なので待った無しの悪者なのに誰もとっ捕まえることが出来ない。

 

 正攻法でなんともならない相手には正攻法の外から攻めるべし。カポネ打倒のためならかなり荒い捜査だってお手の物の捜査チーム「アンタッチャブル」が結成される。チームメンバーのネス、マローン、ウォレス、ストーンの個性的でナイスなメンバーがアル・カポネ打倒のために立ち上がる。

 これによりシカゴの未来をかけた聖戦が開幕する。

 

感想

ゴッドファーザー」の時にも思ったが、とにかくとんでもない時代と世界があったものだ。

 闇が深すぎる話だった。というかアル・カポネ、怖っ!

 仲間を集めたパーティーで雄弁におしゃべりを始めたかと思えば急にバットでおっさんの頭をかち割るシーンとか怖い。 

 

 私は酒をやらないので禁止されたところで怖いことはないのだが、調理酒まで禁止されたらヤバいな。すき焼きとか魚の調理に使うことがあるもんな。

 そんな怪しい酒の在り処を求めてかなりの体当たり捜査を仕掛けるのが主人公のネス。最初にココだと当たりをつけた倉庫に突入するも出て来たのは和傘だった。間抜けにも和傘を差した写真が新聞に出てしまう。序盤はこんな具合で緩くコミカルに始まるが、どんどんエンジンがかかってスリル満点になっていくから面白い。

 

 老巡査のマローンは渋く、時には熱いおっさん警官だった。

 正義の捜査官のくせして橋の上からポイ捨てをしているネスを注意したことで縁が深まる。ポイ捨てするこのシーンは駄目だろうがと思った。

 ここでマローンから「無事に家に帰るのが警官の仕事」という言葉を授けられる。良い心がけ。

 二人が出会う夜の橋の上のシーンは印象的。ここから運命が動き出すって感じ。

 

 チーム「アンタッチャブル」のメンバーは少数精鋭で各員は個性的。良い4人で面白い。

 武闘派な三人がいて、あと一人にガリ勉メガネのウォレスを置いているのが絶妙に良いバランスになっていた。

 ストーンを仲間にする時にもう一人の候補者を含めて面接をするが、そこで二人とも警官特有のつまらない建前を言うのが天丼要素になっていてちょっと面白かった。

 

 4人で組んで初の倉庫突撃任務は成功を納めたけどやり口が荒い。こんな危険な時代なら当然のことなのか、警官がゴツイ銃を普通に持ち歩いている。ライフルを構えて4人で乗り込んで荒い捜査で星を上げていた。

 

 和傘の失敗など何のそので4人は成り上がっていく。4人でのミッション成功時に撮った写真はベストショットだった。これの現像された物が後半シーンで出てくる時には泣けた。まさかウォレスとマローンが逝ってしまうとは。

 

 実際にあった事件をモチーフに練り上げたドラマ性と激しいガンアクションが見所となっている。バンバン打ちまくりな銃撃シーンは迫力のある格好良い作りになっていた。役者も格好良いが、工夫されたカメラワークもカッケェ~。

 

 中盤は随分田舎に行って西部劇のような大捕物が展開する。前半のおしゃれな街並みから一変して、騎馬隊を組んで攻め入る西部劇チックな展開になるとは予想出来なかった。馬に跨ってバンバンやりあうココは見所。

 流れ弾を受けた酒樽から漏れる酒をペロっと飲んでしまうウォレスがコミカル要員として良い味を出していた。

 

 アクションシーンで一番緊迫した名場面はやはり駅での一戦。ネスとストーンの二人で悪党どもを一掃するココは凄すぎる。スローモーションを使ってダイナミックに魅せる映画の技が見える点でもこのシーンは外せない。

 

 駅で帳簿係を待ち伏せするネスの焦れる気持ちが良く分かるのも印象的。銃撃シーンを最高潮に持っていくための直前の焦らしが強くてたまらん。

 赤ちゃんの乗った乳母車を階段の上へと運ぶ婦人の手助けをしたいが、助けている間に悪党が駅に到着したら任務に間に合わない。手伝うか放っておくかどうしようという彼のイライラとジレジレが伝わるココも印象的。この時代には駅エレベーターとかは無かったのだろうな。

 で、ネスが婦人を手伝っている悪いタイミングで敵が来る。ここでストーンが良いタイミングで援護射撃をぶちかますのも格好良い。ストーン、そこにいたのかと分かるカメラワークも格好良い。

 

 階段下で赤ちゃんの乗った乳母車を受け止めた安定しない体勢から一発必中の弾丸を敵に打ち込んだストーンの射撃スキルがすごい。

 約2時間あった内容の中で、駅の攻防戦がテンションとしては最高潮に持っていけるシーンだった。その中でもベストな活躍を見せたストーンが個人的にMVPだったな。このシーンん一番格好良くて好き。

 

 マローンの家にヒットマンが侵入してからは、ヒットマン視点のFPSみたくなるのも緊張感があって好き。カメラワークの切り替えにも面白さがある。 

 ここでマローンを殺ってしまういけ好かないヒットマンのフランクが許せない。マローンの壮絶な最後は印象的。マローン役のショーン・コネリーが良い芝居をしやがる。

 

 後半の法廷シーンを抜け出して開始するネス対フランクのバトルも見所だった。どうなるのかとハラハラさせられた。

 ガチの悪党を裁くには法の下という名の待ったをかけることなく実地で即殺ってしまうのが適用される。そんな判断からネスはビルの屋上から憎きフランクを突き落として始末してしまう。過激にしてすぐに終わるシンプル化された処刑だったのでびっくり。とにかくフランクを成敗出来て良かった。ここはスカッとした。

 

 カポネをとっ捕まえて迎えるラストでは、記者がネスに禁酒時代は終わったと告げる。ここに暗黒時代の終焉を見た。これを受けてネスが大いに飲むと宣言して去っていくオチは良かった。去り際がキレイな映画。

 

 アンタッチャブルとは、本来触れられない何かのことである。そこから転じて触れては行けない世界という意味もある。

 闇に紛れて誰にも触れる事が出来なかったアル・カポネの尻尾をガッチリキャッチするという意味合いがあるこのタイトルはナイスなものだった。

 

 2時間あったけどずっとハラハラワクワクして楽しめる名作だった。良い作品に出会えたぜ。

 

 

 

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