こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2023年のアニメの感想(7月~9月)その11

 最近着々と知名度を上げている謎の二人組がいる。それが夢グループの宣伝役の男女2人。

 嗄れた声のおじさんと絶妙にエッチなお姉さん(←見れば分かる)が通販商品を売り出す紹介をしている。家のお兄ちゃんが「こいつらオモロ!」って笑いながら見ています。

 

 その夢グループの2人が今期放送の異世界アニメを紹介してくれる異色のコラボCMが流れているではないか。テレビを見てビックリ。

 しかも紹介する作品は複数、そしていずれも駄世界転生作品だった。夢グループが紹介している異世界アニメはどれもリアタイ視聴しています。

 

 本来ならアニメと関係ない2人だけど、今期の変なアニメを売り出すCMが面白かったので、今期のアニメ的MVPにノミネートします。

 

 にしてもよくあんな変な作品とのコラボCMに出てくれたな。来る依頼はなるたけ答えることで仕事はあまり選ばないスタイルなのかな。

 多分原作やアニメにノータッチで紹介しているんだと想う。忙しい人がわざわざチェックするような内容ではない。

 

 夢グループのCMを見て今期は異世界ものが実に元気!ではなかったが、とりあえず数だけは多かったなと振り返ることが出来た。

 

 こんな事言ってるけどアンチではありません。むしろ愛している。だって異世界に行くアニメなら全部見るもの。

 

 では今期アニメを今日もいっぱい振り返ろう。

 

 

 

アンデッドガール・マーダーファルス

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 これは何も知らないままに見た作品だが、アニメーション、キャラ性、声優が良く、シナリオも楽しくて総合的にとても良い作品でした。

 

 タイトルのファルスは笑劇を意味する。額面通りにとらえてただ笑えるだけの劇だったら、今期の異世界枠の酷い出来の面々を見た時の方がずっと笑えた(特にユニークスキルの変なアニメとか)。こちらは笑劇を冠するにしてはしっかりと真面目作られていた。

 

 OP曲は嫌いじゃないけど、この作風にしては意外な曲調のものを持ってきたなと想う。

 

 首から下を悪者に持っていかれた不死の少女、クールなメイド、戦う噺家男、この奇妙な3人パーティーであちこちを旅し、怪奇事件を解決してバトルもする。そんな楽しい作風だった。

 

 首とその下の体がお別れして大変なことになるとか「デュラララ!!」のセルティ以来じゃないか。

 輪堂鴉夜はまだ若い少女のようだけど、下の体は一体どんな具合なのか。そこは気になる。ナイスなスタイルなのかしらと期待しちゃう。

 鴉夜役の黒沢ともよの理路整然に淡々と喋る芝居が良い。アイカツのおとめちゃんをやっていた時には、こんなダークな役をやるようになるとはまるで思わなかった。あっ、最近You Tubeで開設されたアイカツチャンネルを見ているので、ついそっちも絡めて役者の評価をしてしまった。

 

 流れるように冗談や皮肉を言う会話劇もユニークだった。憎まれ口を叩いたり手がでることもあるけど、主人公達3人パーティーはなんだかんだ仲良しだよな。

 喧嘩しがちな津軽と静句さんのコンビ感も結構良し。2人も結果仲良しだな。

 

 八代拓は最近良く出てくるけど、津軽の芝居は他では見ないテンションのもので印象的だった。良いじゃないか。

 津軽の喧嘩相手の静句の声優は小市眞琴。中の人2人はセットで「るろうに剣心」に出演し、それぞれ左之助、弥彦を演じ、そっちでも喧嘩仲間の役なんだな。2人とも最近は売れっ子だ。

 最終回で静句さんがノーパン戦闘を行っていたことが確認出来たのは良い情報でした。

 

  最初は和風テイストで来たなと思ったら西洋チックな街にも行くし、ミステリーのターンから急に何でもありの大バトル展開になったりと魅せ方の幅が広いですなぁ。

 別勢力にはホームズ、ルパン、モリアーティ、その他どこかの物語で見たことがある偉人軍団も出てきて愉快にバトルをおっ始める。

 

 指パッチンで攻撃して来るアレイスターの能力を見ると、指パッチン攻撃使いの先輩キャラ「素晴らしきヒィッツカラルド」を思い出す。ヒッツみたいなヤツおるやん!と注目してしまう今期の放送枠だった。

 

 何かエロいカーミラ役の近藤玲奈が見せた色っぽい芝居は今回がお初かも。あの感じの芝居もするのかと記憶に残りました。

 

 声優が豪華で良かったっす。

 

 肝心な鴉夜の体をまだ取り戻していないまま終わったので、これは2期があれば楽しくなると想います。やるなら続編にも期待。

 

白聖女と黒牧師

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 なんて可愛い恋物語なんだ。とても可愛い癒やしアニメでした。

 可愛い白聖女、イケメンの黒牧師の男女2人の鈍い恋の歩みを辿るほんわかする内容で良かった。

 

 教会で働く牧師がいて同居している聖女がいる。一つ屋根の下に性別の異なる命が2つ。にしては長らく何も起きない。その間が愛しい作品。これでローレンスが野獣だったら即刻最終回だ。

 それでも2人はとても仲良しで、聖女セシリアがとことんまで牧師のローレンスに心を許していると分かる。

 民にとってありがたい役職である聖女の身であることから、人前ではピシっとしているセシリアだが、ローレンスの前でだとグッダグダにダラける。ここが特徴的な作品。

 好きな人の前でこそ凛々しく格好良く決めたいというのも正しき恋心の在り方だが、好きな人に嘘の無い本当の自分を見て欲しいと想うのもまた真の恋心。正直な作風です。

 というわけで可愛いあの子が俺の前でだけダラけるというそれはそれで羨ましくて楽しそうなラブコメが展開するのだ。良いね!

 最初からオープンにされる2人のこの関係値は良きアイデア

 

 セシリアの聖女というジョブ、立場が何とも不思議である。とりあえずそこにいてダラダラしているだけでもありがたい聖なる女であることは分かった。超可愛い。

 上は白装束、下を見れば黒ニーソで絶対領域を作っている。白聖女の名に大変説得性が増す聖なる色気を感じるファッションセンスがナイス。

 

 セシリアを演じた澤田姫とはここがお初。可愛い声でナイスでした。

 アニゲーイレブンに宣伝で来た時には、特技のバク転を披露していた(別撮りVTR)。すごいぞ!実は私も出来るぞ!バクテンする声優はAqours伊波杏樹以来じゃないかな。

 あれって重力に逆らってふわっとする感じが気持ち良いのだけど、マジで危ないし体操選手やスタントマンでもなかったら出来る意味ないからな。だからやるなって学校の先生に怒られました。以来ほぼやっていない。

 というわけで心配だから声優にはあまり危ないことはして欲しくないです。

 

 男女主人公は互いを想い合っているくせしてなかなかアクションを起こさず、周囲はいつかくっ付くだろうと暖かく見守っている。この手の作品にありがちな個人のラブの歩みのペースをとことんまでに尊重する優しい時間が流れる全12話でした。

 初な学生同士のラブならともかく、仕事をしている大人の割には歩みが鈍い恋物語だな。そこが良いんだけどね。

 

 ローレンスが童貞脳(←聴き慣れないマインド)すぎる。仮にも黒の名を背負うならもっと心の中の狼を大きく成長させた方が良い。アニメだから良いけど、リアルな事を言うとこのマインドは恋愛向きではない。紳士な男は良いが、羊すぎると狼だって求めちゃう乙女の心理には物足りない。って親戚のお姉さんが言ってます。

 

 ずっとボケボケした拙い恋物語のみで魅せるわけではなく、聖女というジョブの概念に迫るシリアスなターンもあった。

 セシリアよりも先輩の聖女の中には、人知を越えた者であることから当たり前の人と異なる不当な扱いを民から受ける者もいたと分かる。うえしゃま(上田麗奈)の声の聖女が病気になった時には、すごい聖女が病気になんかなるはずがないという扱いを受けてろくに治療も受けずに死んでしまう。

 それまでポカポカと心温まるテンションだったのが、聖女の死を扱うことでダーク感も出て来た。人の悪意や身勝手さも少々見える内容だったのは意外。これは侮れない。にしても死んだ聖女様が可哀想過ぎる。  

 

 ローレンスはセシリアのことを基本的には「聖女様」と呼ぶが、聖女であることを隠さないといけない場面ではセシリアと呼んだことがある。あそこはキュンと来ました。名前呼びにときめくセシリアのリアクションも萌えだった。

 

 自然な流れでいつしか教会に住み着くようになったアベル、へーぜリッタの2人も仲良し男女コンビだった。こちらの2人の仲良しな関係を見るターンにもほっこりしました。

 軽薄そうな男に見えるアベルが、実は陰ながら友人のローレンスを守っているというポジなのにグッと来た。テキトーそうに見えてちゃんと考えている優しい男子ってポイント高いよね。

 

 最終回のお祭りのところでローレンスとセシリアが互いに抱きつく、ていうか飛びつくの応酬を見せるシーンは可愛い。なんやこいつら、くっつき虫かいな。そんな事も思えちゃうなんとも間抜けなやり取りなのだけど、あの2人ならではの関係性の深め方で面白かった。

 

 美少女のセシリアはもちろんだけど、ローレンスも男子の可愛い所を出している可愛いヤツで好きだった。

 

 ClariSのOP曲もほんわかラブな世界を歌っている可愛い曲で良かった。

 

贄姫と獣の王

アニメ「贄姫と獣の王」Blu-ray第5巻(特典なし) [Blu-ray]

 

「生贄少女の有効活用法」がタイトルでも違和感のないまんまそれを描いたファンタジー作品だった。

 

 前々から思っていたことがある。せっかく若くて元気な生贄が手に入ったのをすぐ食ってしまうなら、もっと良い活用法がありはしないか。

 昔「ロマンシング・サガ」という口の悪いヤツが多く出てくるRPGをやったことがある。そのゲームでは水龍の怒りを沈めるために生贄を出すという内容が描かれていた。あれを見た時に、何か勿体ないと思ったんだよね。

 

 で、こちらのアニメでは、王様が可愛い生贄少女をお嫁さんにするという食うよりずっと長く楽しめる効果的活用法を実践していたのが良かった。生贄の在り方を見直すきっかけとなる生贄ラブなアニメだった。

 

 2クール目があるのが意外だったけど、後編の方が面白くなって良かった。意外にも2クール通してずっと楽しめた良きケモノ枠でした。

  

 波乱の2クール目となった。まずはフェンリル、グレイプニルの外部勢力の進撃、次にはセトの反乱であわや王国転覆の大騒ぎになる。そんな中でも確実に深まる王様とサリフィのラブな関係がある。

 そんなこんな暇なく何かある2クール目となり目が離せない!

 

 後編はバトルが熱い。それまでは派手さなく小難しい外交をやっていくターンが目立ったが、フェンリルがオズマルゴ国崩しを決行してからは急に魔術合戦に入っていく。そんなファンタジーな技も出せる世界だったのね。

 わかりやすく武力で国に危険もたらす敵が出て来たことで、それまで無かった緊張感が一気に出てくる。方向性の変え方にメリハリがあって良かったっす。

 フェンリル役が中村悠一、相棒のグレイプニル役は水中雅章、それぞれ声が強い。声優が良いアニメだった。

 

 王様とフェンリルのガチ殴り合いのバトルシーンは迫力があった。王様ってこんなに強かったのか。

 この事件を経て、当初はそこらの不良だったラントベルトが戦士の矜持を真に胸に宿そうと心の成長を遂げたのも良かった。後半に行くほどこいつが好きになる。

 それとアヌビスもスタート時がマックスムカつくキャラだったので、後半に行くほど熱くて良いヤツだと分かってどんどん心象が良くなっていく。結果、こいつも好きだったよ。最後はサリフィは王妃にふさわしいと認めるまでになったし。ツンデレなケモノだったな。

 

 最終回で発見された王様の母の手紙。それw読み上げる母の声能登麻美子だったのは癒やしでした。声優が良かったよな。

 

 王様が人間の姿になれる事で民からの信頼が揺らぐなどの困った事件も越えて、最後は王様とサリフィが無事結ばれてよかった。ラストではどうやら子供も出来たみたい。

 

 なんか動物園に行きたくなる。そんなアニメでした。

 

 

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