こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

終わりを始めよう「ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語-」

ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語-」は、2018年4月から6月にかけて放送された全12話のテレビアニメ。

 

 スマホゲーム原作アニメである。アニメ化を迎える2年前の2016年からサービスが開始された。

 サービス開始時に小1だったヤツが卒業を迎える小6になるまで展開した作品と考えれば、その人気は十分に続いたといえよう。

 そんな終わりなき螺旋の物語を描いた本作だが、始まった以上終わる時はきっちり終わる。ゲームサービスは今年の12月末をもって終了すると発表された。

 

 先日「ラピスリライツ」を再視聴したきっかけもスマホゲームが終わるニュースを見てのことだった。ラピライが終わると知った時には、「そういえばラスピリというちょっと似た名前の作品もあったな~、でもあっちは大丈夫か」とか思ったものだ。なのにラピライ終了発表からちょっと経った次はラスピリも終わることになった。

 これも時の流れだな。始まったものが終わりを迎える理由はどこかにしっかりある。まぁ色々あるのだろうが、続かない理由があるということには納得するしかない。

 

 これだけ語っておきながらラピライもラスピリもゲームはまるでやっていないのだけど。でもアニメはどちらも良かった。今回はラスピリが終わると知ったのをきっかけに、アニメが懐かしくなってまた見ることにしたのだ。

 

 この作品は感覚的に2年くらい前かなと思っていたらその倍で4年前の作品だった。感覚とリアルのこの差の開き用よ。私も随分まったりとマイペースに生きているようだ。

 放送当時の段階でも、スマホアニメはだいたい終わっているというくらいに出来が微妙なのが連発されていた。10年代に入ってからアニメ業界に隆盛と衰退の2つの波を運んだのが異世界一派とスマホ一派だ。10年代の真ん中くらいになると、これらのジャンルが戦国時代を迎えた。その実情はやはりリアルの戦国時代と同じく、強いものは残りクソは待ったなしに消えるというものだった。戦国時代というのは、精度の高い物をそれまで以上に高いステージに上げる良さがあるが、粗い作りの物を炙り出して消す残酷さもあった。弱肉強食の世界だな。

 

 そんなダメなスマホアニメが多く生まれがちだった中、私はラスピリのことをかなり高く評価していた。これは普通に楽しかった。

 キャラが魅力的でヒロインがめっちゃ可愛い。そしてネタ要素たっぷりでくすりと笑える面白みがあった。

 好印象なものとして記憶に残るもので、スマホアニメの中では稀有な存在だった。スマホアニメだとコレかプリコネくらいが目立って良かったかな。後のは結構忘れちゃっている。

 

 そもそもゲームをアニメに落とし込むのは勝手が違いすぎて向いていない、またはアニメ向きに作り直すが相当難しいのだと思う。

 久しぶりにラスピリを見るにあたって、事前にウィキで基本情報を抑えたところ、このアニメはそもそも原作準拠ではないとのこと。ゲームのキャラを借りてきて展開するまるで違うお話らしい。プリコネのアニメもそんな感じらしい。

 このアニオリのやり口が私としては肌に合うものだった。原作シナリオはともかく、キャラの魅力はそのままかそれ以上によく見せるよう上手いこと作っている。キャラアニメとして優秀だ。

 

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 内容はピリオドという戦士達がいて、彼らがギルドに所属してスパイラルという化け物を退治をするもの。よくある冒険ファンタジーみたいな分かりやすい基本設定が敷かれている。

 でも実際にやる事といえば、用は何でも屋であり、化け物が関与しないご当地問題にも切り込んでいくことになる。

 

 主人公達の事務所は金を騙し取られた関係でギルドとしては解散状態。残った実働メンバーは主人公のハルを含めた4人パーティーだけ。底辺のポンコツ戦士達が低級クエストをこなしていく緩いファンタジーが楽しめる。

 

 かなりのスロースタートで冒険が進んでいく。この緊張感の無さにリラックス出来る。

 基本設定がコレなので、よくある虚無アニメになりそうに想えてくるものだが、結果は上手いことそれを回避している。

 とにかくめっちゃ可愛いヒロインを置き、しょうもないけど笑えるギャグ展開を用意することでしっかり楽しかった。

 

 男女含めキャラクターはチビで丸っこくて可愛らしい。キャラデザも作画も良く、綺麗に可愛い世界観を描けている。

 なによりもヒロインが可愛いのが最高に良い。しっかり可愛くて絶妙にエッチ。そんな仕上がりになっているのが良い。

 2話で温泉回、8話で海の水着回と二度もサービス回がある。ヒロインズの強みを活かす良き戦略が取られている。8話では、ゲームノータッチ勢だと「マジで誰?」となる怒涛の新ヒロインキャララッシュが待っている。マジで知らんけど皆可愛いからまぁいいか。

 

 レギュラーヒロインのリーザ、ちょこがとても可愛い。

 リーザは菊地美香が演じていたのか。デカレンジャーの中の人じゃないか。リーザの白ソックスで作る絶対領域が素晴らしい。

 ちょこはアニメとリアルを繋ぐ特異点のようなツッコミもボケもイケるポジにいるキャラだった。田村ゆかりが演じていることから、「ひぐらしのなく頃に」とコラボした第3話では、中の人ネタで古手梨花との絡みがあって良かった。これには、にぱ~となる。

 

 どうせ安い儲けしか発生しない案件を毎度ワイズマンの3人と取り合うことになる。 一応敵という関係性だけど、ワイズマンとハル達とのやり取りは友達みたいな緩い感じで緊張感なんてまるで無し。毎度定番のコイツらの愉快な対立が面白い。

 ワイズマンメンバーの名前はミザル、イワザル、キカザルであり、まるで日光の猿みたい。このタイムボカンの3悪人的ポジのヒロインズが可愛いし楽しい。EDのワイズマンの歌も可愛くて楽しいご機嫌ナンバーだった。ワイズマンの存在が作品の魅力を底上げしていた。

 

 キカザルはガキみたいな顔して結構なワガママはち切れっぷりだった(見れば意味が分かる)。3人の中ならキカザルが推し。

 当時はしっかりと声を覚えていなかった鬼頭明里がキカザルを演じていた。こんな所に出ていたのか。声、可愛いな。主人公のハルくんは花江くんが演じていたので、何気に鬼滅アニメよりも先に竈門兄妹の役者が共演していた現場でもあったんだな。今思えばメモリアルな現場。

 

 スマホゲームを遊ぶ視聴者から見たら所謂「ガチャ」にあたる作中イベントがコールである。このコールでハルは何度やってもクソザコしか引けないのに、ワイズマンはいとも簡単に最強の星5キャラを出してくる。正攻法ならハル達が絶対に勝てないパターンが続く。ハルのガチャ運のゴミさ加減に笑える。

 

 何度コールしても星1ザコしか出ないハルが躍起になってコールをしまくって破産するネタ回があった。これは視聴者に向けたガチャのやり過ぎ注意メッセージだったのだろう。怖い。

 最終回では、こんな感じでガチャに溺れた運無き悲しきユーザー達の怨念がボスになっていた。このようにネタとしてメタな要素をたっぷり詰めてくるのも作品の良さ。

 

 ハルのコール時に登場するコールガールのイオナちゃんがめっちゃ可愛い。これはリアル放送当時から可愛いかったと強く記憶している。一見安全なチビに見えるけど、しっかり見ればまぁまぁスケベなファッション。

 茅野愛衣の一番萌える声が聴ける良きキャラ。めんまを越えてかやのん史上一番可愛い演技かもしれない。

 

 ハル達パーティーとワイズマン、それぞれと深く関係していたカンパネルラさんも可愛い。変装してクロパネルラさんになるとエッチ度が増してもっと良い。

 

 とにかくネタ要素が強めなファンタジーなのが特徴だった。毎度の冒険で訪れる土地にいる村長は使いまわしで皆同じ顔というのもそうだ。キャラデザを新しく考えるのも面倒だからそうなっているとちょこが説明していた。

 ネタ要素として特にいっちゃっているのは、誰がどう見ても「けものフレンズ」のパロディを持ち込んだ第7話の内容。これは絶対にバレるやつ。

 確か当時は2を作るにあたってけもフレが色々と揉めて燃えた時期だったと思う。2で上がった炎の火力はなかなかの物だったな。出火元から遠く離れた我が家にまで煙が届いたもの。なんであんな大事になったのだろう。アレも平成終盤に起きた忘れられない有名な事件となった。

 

 第10話では、本作のお仲間のコンテンツである あんガル、あんスタ、メルクストーリアの各作品にハル達パーティーが迷い込むコラボ展開が見られた。

 放送当時はどの作品のことも知らず、実在していた事は後になって知った。あんスタ、メルクストーリアはこの後にアニメ化したのを見た。

 ガジェル役の村瀬歩は、あんスタの姫宮 桃李も演じている。ここで一人二役コラボが見れた。村瀬歩の演じ分けがすごい。音域が広いんだな。

 

 最終回は皆してネタの怪物を討つことになる。結構なおふざけアニメだったけど、ラストでは敵も味方もなく総員が協力して悪を討つというお約束の胸熱展開が見れた。結局この展開が好きなんだよな。最後は無難に良きファンタジーの感じで締めた。

 

 メインの声優も良かったが、ちょい役のゲストキャラにも意外と有名人が起用されていた。よく見たらあやねる、楠木ともりら私の好きな声優もゲストでちょこっとだけ参戦していたのが嬉しい。

 この人もでていたのか~という驚きが味わえるから久しぶりの視聴は楽しい。

 

 そんなこんなで褒める点が多いとても楽しめる作品だった。二期があれば良いのにと当時は思っていたものだが、大元が終わるのでそうはいかない。こんな素敵なスマホ原作アニメがあったということを記憶しておこう。

 

 どんな物語もいつかは終わる。大事なのは、終わりを迎えて見る者の心にどう残ったかだ。素敵な形で誰かの心に残ればそれがベストな完結の形。

 ラスピリよありがとう。そしておつかれ。

 

 

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