こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2022年のアニメ感想(7月~9月)その12

「お前っていつもアニメばかり見てヘラヘラしているけど、悩みとかあるの?」とお兄ちゃんに聞かれた。

 

 ふざけんな。人間なんてやっていれば10年と待つことはない。5年も生きていれば悩みの一つや二つくらいあるものだ。人間を舐めんな。長渕も歌の中でめっちゃソレ言ってるぞ。

 そう返すと、「じゃあ具体的に何かある?」とまた問われた。

 ここで結構長いこと考えたけど特に何も出てこなかった。悩みとは?

 

 そんなわけでどうやらストレスフリーな人間だったらしい。それを確立させてくれた人生の共がアニメだったのだろう。ありがとう。

 

 というわけで世の皆よ、アニメを見て心身共に元気になろう。

 

 では私を元気にしてくれた夏アニメをプレイバック。

 

 

オーバーロードIV

オーバーロードIV 1 [Blu-ray]

 

 ガイコツ男4度目の青春である。これもこっそりと続けてきて息の長い作品になったな。

 見た感想だが、まぁ4回もやるもんじゃないわな。思い返せば過去シリーズのトカゲの交尾がハイライトだったな。でもこれの後劇場版をやるらしい。テレビだけで十分かな。

 

 今回も総員アインズ様ヨイショの団体芸は健在。

 あちこちブラブラして戦って侵略して政治をしてで普通に終わる。

 実はチームユニフォーム作りに憧れているアインズがちょっぴり可愛い。

 

 こんなにキャラいたっけ?てくらいゾロゾロとお友達が登場した。それもあちこちの勢力に属す面々だから場面があちこちに行ってちょっと混乱する。

 

 一話目からアインズ様に甘えまくってくるアルベドにかなり焦点を当てていた。ゾロゾロと覚えられないくらい色んなキャラが出てくる中でも、かなり暴れたヒロイン性を持つアルベドはキャラが立っていて面白い。セクシーでダーク、そしてヤンデレ感もあってとにかく印象に残る。このキャラは好き。

 

 闘技場で武王を応援しまくるジルクニフには笑えた。彼の間抜けな声援が飛ぶシーンは大した重要性もないのになぜか記憶に残る。演じた櫻井孝宏氏はナイス。

 

 アインズってこんなにヒール寄りだったかな。ミッション遂行のために他所を侵略し、必要があればスムーズに殺しも行うヒールさが際立っていた。

 ただ心が曇った殺し屋ではなく、自分を信じてついて来てくれる仲間が浮かばれるためなら他者を押しのけることも厭わないという組織の頭を張る者としての美学も語っていた。そこはちょっと格好良い。

 そうだよな、皆譲れない所は何をどうしても絶対に譲ってはいけないという覚悟を持って動くものだよな。侵略者をやるならそれなりの矜持があるというアインズの内面が見えた。

 

 個人的にグッと来たのは渋いおっさん枠のブレインの生き様。武人として生き、同じく武人として散っていった。

 アインズ軍は強すぎるので、ボスよりまだまだ手前の兵隊のコキュートスにすら勝てずに終わる。強者ではなかったものの、武人としてのスピリットは強く尊いものに見えた。そんな彼を悼む心も自然と湧いちゃうってもの。遊佐浩二のイケオジの芝居も良かったぜ。

 

 そして迎えた最終回のクライムとアインズの一騎打ちは最後の見せ所だった。

 ずっと怪しかったラナー姫の秘密を遂に知ることとなり、そしてガイコツ男にも負けてしまう。そんなクライムの散り際が悲しい。まぁなんとか生きていたけどね。ここで勝ったらダメだけど、アインズを倒しちゃえと応援してしまった。

 ラナー姫は普通に可愛い。そしてアインズ達に内通している関係で時にダークな一面を見せるのも結構良い。キャラの顔も良かったけど安野希世乃の芝居も良い。最終回後半では闇落ちして衣装までダークヒロイン仕様になっていた。あの黒装束で危ない感じのお姫様の芝居も良かった。

 

 なんだかんだあって結構楽しかったかも。さすがに劇場には足を運ばないが、テレビでまたやるなら最後まで付き合ってやるよ。偉そうでゴメンね。

 

テニスの王子様 U-17 WORLD CUP

【Amazon.co.jp限定】新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP Blu-ray BOX(描き下ろしイラスト使用 キャラファインマット(Lサイズ)&缶バッジ(2個)&ラバーコースター セット(キャラクター:幸村精市・徳川カズヤ)付)

 最初のアニメがスタートしてもう20年くらいになるのではなかろうか。当初はテニスアニメの超新星の触れ込みだった本作もすっかりキャリアを重ねてもはや老舗の大惑星。

 

 イケメンがホイホイ出てくる華やかな作品だが、その中でもヒロインの桜乃にまた会えたことが嬉しい。高橋美佳子が何年経ってもウブなねんねの芝居で演じているのがグッド。高橋美佳子もすっかり子持ち女優になったものな。時の流れがすごい。

 

 今回の物語はグローバルな規模で展開し、なんと相手は世界である。

 越前がまさかのアメリカ代表で世界リーグに臨んでいる。がしかし色々あって日本に帰ってくる。モモちゃん先輩の愛の拳での歓迎となった。

 越前を送り出したアメリカの仲間が良いやつばかり。ちゃんと声を聴くと青学メンバー声優が兼役でアメリカ人を演じている。

 

 華やかなオールスター戦となり、毎度スター選手が登場して超楽しい。

 これの原作の先生のぶっちぎりぶりが爽快。突き抜けてめちゃくちゃな超人テニス合戦を描く様に笑える。リアルを離れてめちゃくちゃにするならとことんまでやった方が良い。ここまで超人テニスをやってくれると清々しい。

 熱血おバカテンションスポ根なら同期放送の「Extreme Hearts」もいい味を出していたが、こっちの方が面白いな。最高なんだけど。

 

 昨今の超人テニスはコートにブラックホールだって普通に作っちゃう。己の足を使うだけの競技というケチな了見を抜け出た結果、馬に走ってもらう馬上テニスも解禁された。ブラックホールと馬にはマジで笑った。ウチのお兄ちゃんも吹いていた。

 仁王くんと跡部が入れ替わっているようでそうではないのも笑った。変身能力を身に着けたヤツもいるのか。テニスの技と関係なく普通にファンタジーじゃないか。

 

 鬼さんが学生なのに老けすぎなのも笑う。金ちゃんが「鬼のおっちゃん」て呼んでいるのは酷い。

 調子良く登場した阿久津くんがあっという間に血まみれなる展開もとんでもない。真っ白だったシューズが、試合中盤には出血で真っ赤にカラーリングされているのとか色んな感情をすっ飛ばして笑う。

 ギリシャの猛者達の声が全部関智一なのもウケる。

 フランスダブルスのイケメン、パリコレのコンビは癖が強い。これを迎撃したノスケこと白石はイケメンで好き。

 

 ラストは待ってましたの越前の試合をお届け。例の馬上テニスの彼との再戦である。

 ラケットのガットにガンガンを穴を穿つ危険球をお見舞いする越前に対して向こうも黙ってはいない。とんでもない送球で越前を病院送りにしてしまった。そういえば病院送りになってもおかしくない事をやっている人間ばかりのアニメだったな。

 手塚と越前は戦わないのか。二人の対戦も見たい。

 

 とりあえず1クールで終わったけど、またアニメがあったら良いと思う。

 最高に熱くて笑えるハイカロリーな超人イケメンパラダイスでマジ楽しかった。

 

メイドインアビス 烈日の黄金郷

【Amazon.co.jp限定】メイドインアビス 烈日の黄金郷 Blu-ray BOX 上下巻購入セット《壺ミーティぬいぐるみ付き完全数量限定版》(早期予約特典:ファプタの特製トランプ付き)(上下巻購入特典:アニメ描き下ろしイラスト使用キャラファインキャンバスアート付き)

 

 すげぇアニメだ。一期からだいぶ間を空けて帰ってきた新テレビシリーズだが、こいつが色々すげぇ出来になっていた。

 黄金郷は儚く遠い。それが分かるヘビーな新作エピソードが展開した。

 

 原作とアニメ班、それぞれの仕事に熱い魂を感じる。それだけで良いのだ。

 こういうのが質の高い良き作品なんだよ。へたったファンタジーばかり書く連中はコレを見ろ。仮に私が作家をしていて、出来の悪い作家仲間がいたらそう言うだろう。でも作家じゃないから偉そうなことは何も言わないよ。

 

 作品の華である主役ヒロインの脱糞シーンからのヘビーな入りになっている。華やかで綺麗でストレスフリーなばかりがファンタジーではない。硬派なファンタジーの本作はそこに嘘がないのだ。

 

 今回訪れた化け物共が暮らす集落の面々を見れば、しっかり化け物ではなく、キショいけど妙に愛嬌があったりちょっと可愛い連中がいたりでなんだか複雑な気持ち。しっかり愛でることも出来ないが、かといって嫌悪感もない。

 キショいゆるキャラチックなのが多くいる中で、ナナチだけはちゃんと可愛いけどね。演じている井澤詩織の声って何かすごい声だなって思う。すぐにこの人って分かる声。

 

 ガチャピンとムックを合体されて更に余計な何かの要素を放り込んだようデザインのマアアさんという化け物キャラが出てきた。今回シリーズだと強いマスコットキャラの一人。

 こいつがパッと見はちょっと可愛いのに、メイニャをいじくり回して殺しかけるという暴挙に出る。悪気なく行っているあたりが不気味で怖い。

 極序盤にやって来たインパクトの強いこのシーンを見て、「あぁこれがアビスのテンションだよな」と久しぶりの感覚を取り戻した。

 ちっこくて可愛らしいキャラ絵はフェイクであり、実は全然可愛げのないキツくて深い物語性で攻めるのがこの作品だった。

 キモ可愛いマアアさんは作品に慣れるための軽いジャブ。導入にコイツを置いたのは良き配置。

 マアアさんのどうしようもなく気の抜けた声は市ノ瀬加那が担当していたのか。可愛い声だ。その他の人語を介さない化け物キャラにも意外な有名声優がついている。

 

 何かをやらかしたらその対価としてまた別の何かで償いを済ます。強制的に進むこれら一連の儀式を「清算」と呼び、それを実行する場面は割りとエグい。

 やらかしたら何をしてでもその穴埋めをせよという我々が住むリアル社会にも通ずる概念が化け物の集落にもある。この点には強めのメッセージ性を感じた。

 

 今回はまず黄金郷を目指す面々の物語からスタートした。1話目で顔出しした冒険者の面々は、レグやリコではない知らん奴らばかりだった。

 どういうこと?誰? となることで興味深い導入となっていた。

 メンバーのヴエコの薄幸な感じがなんか良かった。

 

 黄金郷に関してのキーパーソンとなったイルミューイの物語がすごい。

 何かしらの母体になること。それを渇望してやまないメスの生物の本能が見える内容だった。ココが今回で一番衝撃的にキツイ所だった。

 何か良くわからないモノを排出するイルミューイの姿が痛ましい。

 とにかく産んで母になりたいが、その道は遠い。その中で悲しんでゆっくり壊れていくイルミューイの変化が怖かった。

 

 イルミューイとその末の命であるファプタを演じた久野美咲の功績はデカい。今回シリーズを盛り上げた功労賞を送りたい。

 イルミューイの放つ「ぴぎゃぁあああ!」という咆哮の芝居がマジですごかった。上手い下手とかの話ではなく、常人に出せない特殊なお声をお持ちのことから稀有な役者だと評価できる。同期放送のすんすんアニメでは小声ですんすん言うだけのキャラを演じていたので、アビスよりもカロリー消費量がかなり少なかったのではなかろうか。とか想像してしまったが、一流の役者はどの現場でも手抜きなく全力で向かうので、きっとこちらの想像だけで終わる話。

 

 最終回は一週間のお休みをもらった後の1時間スペシャルでお届けした。気合と覚悟を注入する期間だったんだな。それだけに最終回の出来は圧巻のものだった。

 後半は化け物大行進の大バトルとなり、大迫力な一面が見れた。すげぇ。

 レグが有線式ロケットパンチをぶっ放すのが良い。エステバリスみたい。深めなロボ好きだと逆に無線よりも有線式に燃える。

 

 ちびっこくて可愛いキャラ達が織りなす物語な割には終始ハイカロリーな内容であり、作画も省エネモード無しの高出力で仕事をしていて見応えがあった。富田美憂伊瀬茉莉也ら声優陣も皆好きだし良い芝居で良かった。

 まるっとひっくるめて、ものすごくまともな物を見たという雑な感想が一番に浮かぶ出来だった。第一の感想がそれになるなら上出来だ。

 

 もっと潜ろう。深淵のアビスへ。次作も期待する。

 

風都探偵

風都探偵(1) (ビッグコミックス)

 しばらくの時を経て、今度はアニメで「罪を数えな!」をやってくれる。ありがたい。

 あれから随分経ったが、我が人生において詰み重なるのは善行ばかりで罪はゼロの人生を送ってきたな。数える分がないや。それからテルくんにはとにかく何でも質問したい。

 

 まさかこんな形でまたWに会えるとはな。時代を跨いでしっかり生きた甲斐があったぜ。

 こういうの、とても良いと思う。仮面ライダーの冠を封印した意外な形での新章だが、実写の方をしっかり愛してくれたファンがあってこそコレが叶った。素晴らしい。比べてWの一つ前にやったディケイドはお祭り企画が行き過ぎたネタ枠だったな。色んな事を思い出す。

 

 久しぶりに立木文彦の「サイクロン!ジョーカ~!」を聴いた時にはどうしようもなくテンションが上がった。皆真似したセリフだよな。

 この時分にはUSBメモリーが画期的な人気商品だったろうけど、今だと各装置の内蔵記憶量が多いし、データはデータとして電脳空間経由で簡単に飛ばせるからUSBの出番も減って来た。時代の流れを感じる。なにせWは2009年の作品だし。すっかり過去だな。

 

 一同がものすごく美形にアニメ化されている。所長の娘、すごく美化されているじゃないか。イケメンと美女ばかりだ。

 声優も良いと思う。フィリップ役の内山昂輝は今期だと「黒の召喚士」でも髪型が似ているキャラを演じているが、フィリップの方がずっとイケメンだな。

 細谷佳正の左翔太郎役も決まっている。今期の他の番組では暴れ者のヤクザ役もやっているが、ハードボイルドな探偵も出来るんだな。役者ってすごい。

 

 2009年当時ですら古いと思っていたタイプライターでの報告書作成は、2022年でも継続されている。翔太郎もよくやる。一部のじいさん会社員くらいしか使っているのを見たことがないタイプライターだが、そこの世代も現役を退いた今だとマジで見なくなったな。

 

 スリッパヒロインの亜樹子は人妻なので、ここは是非ともフリーなヒロイン枠が欲しい。そこで作品に華を添えるのがときめというドエロい女である。エロくて格好良いお姉さんだ。初登場時にはグッと心を掴まれた。ときめが良い。

 

 ゲームが得意なコスプレアイドルの事件では、素晴らしいライブシーンも見れた。こういう楽しませ方もありなのか。娯楽性があるライダースピンオフだな。

 アイドルのモナコを演じるのがMachicoで、その取り巻きの女性スタッフ軍団に大西沙織前田佳織里がいることから、どうしてもウマ娘の布陣を思い出す。後で気づくがウマ娘2期とアニメ制作会社が一緒だった。だからライブシーン作りに強かったのか。

 

 バディものであり、探偵ものである点もしっかり楽しめる。洋館に仮面の男女がたくさんいて謎の事件が巻き起こるのなんてコナンや金田一みたいでミステリーとしても楽しい。

 

 肝心な仮面ライダーになってからのバトルも格好良い。Wのデザインってシンプルに見えてやっぱり秀逸だな。コレ以降のシリーズでは「投げてんのか?」と問いたくなるようなフザけたネタ枠やとにかくダサいのもいくつかいたので、改めてWの存在がありがたい。ヒーローはやはり格好良くないとな。

 

 遅めの8月からのスタートとなったので、10月に突入してもまだ続く模様。最後まで楽しもう。

 

 

 スポンサードリンク