こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

ライトなマニアにも向く魔法少女アニメ「ウルトラマニアック」

ウルトラマニアック」は、2003年5月から11月まで放送された全26話のテレビアニメ。

 

 一見するとマニアイメージが膨らむタイトルだが、中身は大変ポップである。

 妙に拘りの強い偏屈な人が出てきたり、フェチズムがえぐい変態チックな人間が出て来ることはない。少女漫画原作なので、その点はとても安心して見ることが出来る。

 安心出来るのは確かに良い。しかし変態なマニアが出るならそれはそれで面白いという期待もあった。こうなると逆にやや残念な感じもしなくもない。そんな歪な感想も出て来るもの。

 

 原作はママレード・ボーイと同じ人である。随分作風が異なるから知った時には意外に思った。

 

 タイトルはなんか聴いたことがあるけど内容は全然知らないものだったので、この機会に見るしかないと想った。だいたい一週間で全話視聴した。

 

ウルトラマニアック Magical 6 [VHS]

 

内容

 クールビューティーな女子中学生の立石亜由には、佐倉仁菜という仲の良い友人がいる。

 この可愛い友人の正体は、なんと魔法少女だった。

 マジックキングダムという魔法世界から人間界にやってきた仁菜は、魔法の修行を行いながら楽しく中学校生活を送ることになる。

 クールな亜由、お騒がせ魔法少女の仁菜、愉快なダブル主人公で展開するまほまほした素敵な学園ライフが楽しめる。そんな秀作。

 

感想

 タイトルからは想像もしない内容だった。まさか魔法少女が出るのか。こいつはありがたい。

 

 クールな亜由がいて、意中の相手の架地君がいる。この二人だけをメインにした学園ラブでもお楽しみ要素としては十分だろう。そこに魔法少女がいるというイレギュラーにしてユニークな要素をぶっ込んでいる。この点には嫌でも注目するしかない。

 

 魔物退治をするとかいう物騒なことはなく、マジカルな石を集めて修行を完成するという平和な魔法少女ものとして見ることが出来た。

 

 亜由は若い割には落ち着いたイケメンな女子。対して仁菜はおっちょこちょいなポンコツ魔法少女であり、亜由の青春を時に面白おかしく引っ掻き回す役にも回っている。

 ヒロイン性がかなり異なる凸凹コンビのダブル主役だけど、しっかり仲良しでベストコンビにもなっている。この点には萌える。

 

 出演声優を見れば、かなり懐かしい並びの有名人達が集合状態で嬉しい。

 堀江由衣神田朱未千葉紗子神谷浩史千葉進歩林勇、このあたりがメインを固めるメンバー。

 神谷浩史もこの時には今ほど有名人じゃなかったよな。それから林勇って10年代の人ってイメージがあったけど、こんなに昔からいたのか。

 

 ポヤポヤした天然ボケ系のヒロインの仁菜の方ではなく、クールな亜由の方を堀江由衣が担当しているのが意外。当時だとこういったイケメンでクールなヒロインの役は珍しいのではないか。そういえば「Kanon」でもあゆちゃんを演じていたな。同じあゆでもあちらとこちらではキャラと芝居が大違い。

 神田朱未のすっ惚けたギャル感のある芝居も良い。仁菜に見る微妙なコギャル感に萌える。

 メインヒロイン二人が可愛いし、声もとても良かった。

 

 古い割には作画が綺麗で、キャラはしっかり美男美女に描けていて良かった。この微妙に古臭い一昔前感のある美男美女の絵は、今見ても私にハマる。

 

 魔法少女ものは好きなので、その要素は濃く記憶に残る。

 仁菜の変身コスチュームはちょっと赤ずきんちゃんぽくて可愛い。

 作中の魔法少女は、当時だと新時代勢力なので、従来の古臭い感じと違いユニークに諸々をリニューアルしている。

 魔法の杖、魔法の箒なんて古いと仁菜は断言し、魔法発動のアイテムは杖でなくまさかの小型パソコン。移動時の乗り物も箒ではなくキックボードというユニークな仕様になっている。キックボードで来る魔法少女はちょっと面白い。しかもチャリに乗れないという設定があり、そのせいでキックボード。

 

 後発のもう一人の魔法少女のマヤも美しかった。可愛いけど、結構変な子だったな。こちらは原作にはいないアニオリキャラだったらしい。千葉紗子がこの手のクールビューティーキャラを演じるのはとても合っていると思う。

 こちらは運転の概念を取っ払ったロッキングチェアに座って空中移動している。体を動かすこともないので、めっちゃ楽そう。椅子に座って飛ぶ魔法少女という優雅な絵面を見ることが出来た。

 キックボードや椅子で飛んでくる新時代の魔法少女がいるのは何か面白い。

 

 ただでさえ違う世界の住人である上、人間界には無い魔法の力を持つ少女となると、強めにその秘密は守っていかないといけないと思うのだが、この作品だとそうでもない。割と早めに仁菜が魔法使いな事は亜由以外にもバレているし、それで本人はあまり気にしないスタンスで普通に人間界に居座っている。新時代の魔法少女だから正体の事とかはそこまで厳しく言わないっぽい。

 

 マジカル要素が絡んだ学園ラブなので、個性的な面々が織りなす恋模様こそがメインとなる。

 普段はクールに決めている亜由だが、内面では架地君にデレデレなのが可愛い。

 微妙に「仮面」を被った要素もありの作品で、そこには思春期の若者らしい心理を見る事が出来る。

 亜由も架地君も、互いに相手に気に入ってもらえる自分を演じていたことが後半になって判明する。まぁ友情や恋をスムーズに進めるためなら、時にはこういうこともするよなと結構納得出来る要素。

 満点の好青年だと思った架地君が、ちょっと闇の部分も持っていたと分かる後半からの展開は意外性があった。皆に好かれる自分を演じるのは疲れると分かる彼の心理描写も印象的。

 

 架地くんの親友の辻合くんも結構良いポジションにいる良いキャラをしていて良かった。

 ボケボケしている仁菜にもまさかの恋の季節到来で、中盤からは辻合といい感じになっている。ツイン主役共にラブラブしていて可愛らしい。ていうか辻合(つじあい)という名字は人生初なんだが。珍しい名前をしている。

 

 男女複数人が割りとごちゃ混ぜに関わることで、どれとどれがくっつくのだ?という予想も捗った。亜由と辻合も仲が良いし、タイプとして合うと思うで、まさかここにもラブが発生しないよなとも思いながら見て楽しめた。

 

 最後まで明るくハッピーに締めた気持ち良い作品だった。感想としてはとても楽しかったが一番に出てくる。こんな平和なラブ&マジカルな学園ものも良いではないか。

 

 でもこのタイトルにした由来はなんなのだろうか。ウルトラレベルでマニアックなのかといえばそんなこともないような気がする。なんか微妙に仮題ぽい感じもする。

 タイトルはこんなのだけど、比較的ライトなマニアな向けの良い作品だった。

 

 

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