こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

幽遊白書だけではなくこっちにもいる飛影「忍者戦士飛影」

忍者戦士飛影」は、1985年10月から1986年7月まで放送された全43話のテレビアニメ。

 忍者をモチーフしたロボットが登場するロボットアニメである。

 

 その昔、ワンダースワンスパロボを遊んだ時に初めて知ったロボット、それが飛影と書いて「とびかげ」だった。「ひえい」ではない。

 ロボアニメの中でもマイナーなのか、しょっちゅうスパロボに顔を出す常連ではなく、レアな顔ぶれの一つになっている。

 

 ゲームでも飛影は、アニメと同じく合図無しにどこからともなく現れ、こちらのロボと勝手に合体してコントロールを奪って経験値まで持って行ってしまう。そんなわけで、飛影と言えばスパロボ界隈では「経験値泥棒」のイメージが定着している。でも飛影登場合図のBGMは痺れるくらいに格好良いのでテンションはアゲになる。

 

 本作から数年後に放送したアニメ「幽遊白書」の登場人物に同じく「飛影」と書いて「ひえい」というスターキャラが誕生したことから、今から本作を知った現代人なら絶対に「ひえい」と読むと思う。

 聞いた話によると、幽遊白書の飛影のグッズを求めてお店に行くと、ロボットの飛影で「なんじゃこりゃ?」となった人がいたとかいなかったとかいうどうでもいい事件があったらしい。画像なしの紙面で「飛影」の売り込みをされると、確かにどっちが出てくるのか分からない。どっちが出てきても嘘ではないから怒るのも違う気がする。

 幽遊白書がヒットしすぎたせいで、肩身が狭くなった感じもあるが、ロボットの飛影の方がうんと先輩なのだ。それだけは覚えておこう。

 

 こんな感じでネタにされる要素もちょいちょいあるが、私は飛影がとても好きだ。スパロボで知った時から大変魅力的な作品だと思った。飛影と合体する3体のロボ、黒獅子、鳳雷鷹、爆竜も超格好良いし、戦艦のエルシャンクのデザインも好き。登場メカがとても良い。

 

 そんな色々思い出ありな飛影を今回BDで視聴した。その感想とかを書いていこう。

 

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 タイトルにドドンと名前がある飛影だが、アニメ序盤では敵か味方か、何を考えて動くのか謎の戦士として描かれる。敵味方キャラ含めた皆にとって謎の存在となる点が印象的で美味しいポイント。だから気になって好きにもなる。そして、だいたいの日本人は忍者と聞けば喜んで反応する。もちろん私も忍者ものが好きなので、そういった理由からも楽しんで見れた。

 

 作品の大きな特徴は、飛影が黒獅子、鳳雷鷹、爆竜の3体それぞれと合体するコアになっていること。単体でもめっちゃ強い飛影だが、他のロボットと合体することでもっと強くなる。

 毎度の戦闘時になると急に現れてどれかと勝手に合体する。今回はどのロボットと合体するのかが毎話のちょっとした楽しみになった。 

 やはり主人公のジョウが乗り込む黒獅子との合体が多かったと思う。私は飛影合体前でも後でも爆竜が絶対に一番格好良いと思っている。スパロボでも圧倒的に爆竜推しで使っていた。そんな爆竜がアニメだと一番合体が少ないので寂しい。

 あと黒獅子って言う割にはボディに黄色が目立ちすぎて黒感が薄い。まぁ格好良いけども。

 陸、海、空に対応してのラインナップで、バビル二世の三つのしもべの感じもするボジションのロボット達だった。

 

 ロボットのデザインは秀逸で、忍者がテーマなだけにどこか和風なデザイン感が見える点が素敵。ガンダムによくあるビーム兵器ばかりでなく、ロボットが鎖鎌や手裏剣、弓矢などを使うのも特徴的。

 

 忍者とかいってるけど、人類が火星に進出した世界が描かれる。そこでは現在でも火星開発が進められている。主人公のジョウ達は火星に住んでいる。火星では16歳になったら皆労働の義務が課されるという。呑気にニートやヒッキーをしていられない火星の厳しい掟があるのだ。

 まずラドリオ星のロミナ姫が指揮する戦艦エルシャンクが火星にやって来て、それを追ってザ・ブーム軍も火星に来る。まるで島唄でも歌い出しそうな名前の軍団だが、バンドの方のブームよりもこちらの方が先に世に出たものである。

 地球人類がいて、そこに良い異星人と悪い異星人が一度にやって来ることになる。導入からかなり騒がしい。主人公のジョウ達は、ロミナ姫達良い異星人に味方し、火星基地責任者のハザード長官は、悪い異星人のザ・ブーム軍につく。良い人間達と良い異星人、悪い人間と悪い異星人、4つの勢力があり、それが二つに分かれて衝突する様が描かれる。これが印象的で面白い構造だった。

 

 母星を悪者に侵略されたロミナ姫は、古くから伝わる「忍者伝説」を頼りに、忍者を求めて地球を目指す。地球人の子ではあるが、幼い頃からずっと火星で育ったジョウ達も初めての感じで地球を目指す。 

 ザ・ブーム軍やハザード長官に追いかけられながら、一行がエルシャンクに乗って地球に到着するのは物語中盤くらいになる。なかなか地球にたどり着かない。

 

 エルシャンクに搭載されたロボット黒獅子、鳳雷鷹、爆竜を、火星から飛び出したジョウ、レニー、マイクの三人がそれぞれが操縦士して戦うことで、エルシャンクの航海はなんとか無事に行く。

 でも、よそ者のジョウ達がエルシャンクに乗るこむことを快く思わない本国の連中もいて、エルシャンク内の人間関係はかなりギスギスしているように思える。

 イルボラ、ガメランの二人は、とにかくジョウ達を排斥しようと絡んでくる。同じ艦に乗る仲間なのにこんなに仲が悪いのかよと思ってしまう。

 

 主人公のジョウは絶対に悪いヤツではないのだが、言動にちょいちょい幼稚な部分も見えるのが印象的。もうちょっと空気読めやと思えることもたまにある。井上和彦の声がとにかく格好良い。

 ジョウとイルボラが揉めた結果、イルボラが艦を降りることになったのはちょっと可哀想。

 

 見ていてイラつく部分といえば、ハザード長官が悪すぎること。もう顔が悪い。亡き青野武氏の悪いジジイって感じの声がよく合っている。小悪党キャラだが、良い芝居で魅せる目立ったキャラになっていた。

 そしてハザード以外の地球にいる軍人達も間抜けでどうしようもない。情報操作にアホみたく踊らせれた結果、ジョウ達が乗ったエルシャンクを敵扱いしてくる。ジョウ達若者が頑張っているのに、地球の大人達が無能っぷりを見せるのにムカついた。とにかく仕事が出来ない地球の大人達の一面が目立つ。まぁこうしてその代でしっかり仕事が出来なかった大人の尻拭いを次に大人になる若者が世話するのは世の常ではあるのだが。そんなちょこっとした社会性も見えたり見えなかったりする。

 

 ロミナ姫達異星人が夢にまで見た地球に大きく期待するものは、これまた夢にまで見た忍者。しかしその忍者なのだが、あれだけ苦労して宇宙を旅した割にはあっけないというか当然というか、まぁもう全滅した後だった。そりゃ人類が火星進出するような進んだ時代に、忍者なんてアナクロ軍団がまだ現役なワケがない。だと思ったけど、地球に忍者はいなかったと結果が出ると虚しくもなる。捜索の結果、いかにもそれっぽい屋敷に住まうそれっぽいのなら見つけたけど、それはショー用に特訓されたプロの忍者パフォーマーだったというのだから、そこはなんだかリアル。今でもどっかの城に遊びに行ったら雇われの忍者アクターがいるらしい。

 

 中盤からは、飛影のコントロールをやっとこちらで出来るようになり、ジョウがレベルアップして飛影と合体して、なんだかんだの内にザ・ブーム軍もハザード達悪者も一層することに成功する。

 これから皆でラドリオ星を目指そうってところで終わる。一件落着で気持ち悪い感じはなく終わっているが、全43話なんていう半端過ぎるこの話数は気になる。そのワケは打ち切りにあった。しかもラスト2話は総集編だから、実質41話目で話は終わっている。今も昔もコンスタントにこういう不遇のラストを迎える作品があるよな。

 視聴率やおもちゃの売れ行きが良くなかったとか。実はまだ登場予定だったロボットがあり、世に情報だけは出ていた。それでもやっぱり終わる。もう1クールやればよかったのに。 

 

 こんなラストになったものの、ストーリーが大きく破綻するといった問題もなく、話は面白い。そしてレニー、ロミナのツインヒロインは絶対に可愛く、美しい。

 ヒロインのキャラデザがとても好み。幼馴染ヒロインのレニー、宇宙から来た超絶美少女のお姫様のロミナ、そして間にモテ男のジョウがいる。これはラブコメでも始められそうなキャラ属性が揃った人間関係になっている。ジョウがどっち推しで行くのかにも注目出来る。

 

 レニーを日高のり子、ロミナを島本須美が演じている。高橋留美子原作アニメで育った人間なら心に刻まれること不可避な萌えボイスのヒロインが二人もいて楽しい。ツインヒロインを演じた二人の女優の声が良すぎるので毎話お耳が幸せ。マジでええ声だわ。

 ツインヒロインがどちらも美しいのでどっちもイケる。明らかにこっちの性格がクソとかということもなく、普通に良い子ちゃんで愛せる。

 ウィキペディアを見たらロミナ姫が15歳ってことになってるけど、15の色気じゃない。

 これは選べないからジョウも厳しい男の道を歩むことになる。最終的には二人の内どっちを選ぶのさ!って感じで見ていくことになるのだが、ラストではどっちも可能性を残して終わっている。まぁ一つに選べない悩ましいハートの事情があるってのが男のガチの真実。

 

 OP曲の「ラブサバイバー」は絶妙に古臭いけど格好良くて昔から好き。これは良曲。「愛は胸で光る惑星(プラネット)」って歌詞が良い。

 そしてこのアニメはBGMも大変完成度が高い。特撮で大きくなって来た身としては、どうしようもなく仮面ライダーBLACKを思い出すBGMになっていると思う。飛影登場シーンの曲とか超格好良い。これはサントラもチェックした。

 

 そんな訳で歴史の片隅に置いておくには勿体ない個人的にかなりイケてると思うロボットアニメ、それが「忍者戦士飛影」でした。

 

 

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