こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

お役目忍者ラブコメ漫画「KAGETORA」

 KAGETORA(カゲトラ)は、「マガジンSPECIAL」2002年No.7から2006年No.10まで連載された忍者ラブコメ漫画。単行本は全11巻がリリースされた。

 

 マガジンの月刊バージョンで5年位連載していたという。月刊誌もあったんだ。今になって知った。

 途中から数週間、週刊版に引っ越し連載してまた月刊に戻ってくる流れがあった。そのことも単行本の中で報告してました。

 

KAGETORA(1) (週刊少年マガジンコミックス)

 

 春から続く倉庫整理の中でお宝本発見。それがKAGETORAでした。

 これは多分10年くらい前からお家にあるのかな。連載されていたことを全く知らないまま連載後の世界で私と出会うことになった数奇な運命の漫画である。

 

 どこぞの古本屋の在庫処分セールで、全巻セットが安く出ていたのを抑えたのだと思う。読む前に別段思い入れはなく、たまたま店の中をあさっていたら「可愛い!」と思勢いのままにゲッツしたはず。

 その可愛い!の要素が強く出るのはジャケに写る女子キャラ。ラブコメなので可愛い女子が集まることは必須。特に主人公 影虎が命を賭して愛したメインヒロインの由姫ちゃんは可愛く美しい。

 

 そんなかつてハマった女達を楽しみながら、この湿気多めなシーズンを乗り切るぜ!

 

内容

 忍者の里で修行を積んだ風間影虎は、「お役目」の任を受け主君である藤堂家を目指す。

 そこには藤堂家のひとり娘の由姫ちゃんがいた(とっても可愛い)。

 

 武術に長ける藤堂家の血筋にあらぬ運動音痴ぶりを見せる由姫ちゃんをなんとかせねばならぬ。それが一族の総意だった。

 そこで武術が達者な影虎に武術指南役の任が言い渡される。

 

 こうしてお役目として姫を護衛し、武術の特訓を行い、禁断の主従ラブにも花を咲かせる忍者影虎の青春物語が展開するのだ。

 現代で弾ける忍者ラブコメをご賞味あれ。

 

感想

 主人公男子が田舎から上京した忍者であること、護衛対象となる美少女の主君に恋をしちゃって始まる禁断ラブの要素、これら忍者とラブの要素が美味しい。

 

 風間家と藤堂家は家来と主の関係だから、影虎が藤堂の人間に恋するのは身分が上の者に向けての身分差ありの禁断ラブとなる。コメディ調の中にもやんわり見えてくる「禁断」という障害の要素が面白い。もちろん後半になるとそこにぶち当たることになり、2人はラブの力を深めて壁を越えるなり破壊するなりの進展を見せるのだ。

 

 忍者とお姫様の関係性は特殊だけど、あとの内容を見ると割とコテコテのラブコメ。これだけ古い時代の作品としてもなおコッテコテだったと思う。

 入りにちょっと捻りがあっても、ラブコメなので安定してドキドキとイチャイチャを交互にやってくれれば良し。というわけですごく安心して楽しめた。

 

 影虎のキャラ性なのだが、こちらとしては「るろうに剣心」以来のござる口調主人公になっていた事が印象的。修行をつけた爺さんの口癖が移ってのことらしい。私もじいさんばあさんと関わる内に、現代では絶滅しかけているディープな地方弁が身についたことがあったっけ。こうして古い言葉が現代に生きていく。

 古臭いござる言葉は今読めばネタい。

 

 絵柄は可愛らしく、影虎もイケメンに描かれていて良し。

 影虎達風間流忍者の忍者装束も格好良かった。忍ぶのに邪魔になりそうだけどファッション的に映えるマフラーみたく長い首元の生地が目立つデザインは好きだった。

 

 お役目の仕事に憧れ忠実にこなすやり手として描かれるけど、意外にも影虎の方から先に一目惚れして姫の事を好きになっている。

 まぁド田舎で忍者をしていた世間知らずが都会のお姫様に会えば眩しくて心を持っていかれるのも分かる。

 

 メインヒロインの由姫ちゃんが可愛い。素直で良い子過ぎる。この薄汚れた現代社会を生きて心がまるで汚れていない。そんな汚れなきピュアピュアハートの持ち主である点は清い。

 

 最初は身長が149センチしかないけど、その割にはおっぱいがある。ロリ巨乳だった。

 慎みあるお嬢様だけど、そこはラブコメなので、あくまでも品のある感じで彼女にもお色気要員を担当してもらっている。グッド。

 中盤ではちょこっと成長期を迎え、身長も150センチ以上になりカップ数もワンランクアップする。

 太ったかもと思って由姫ちゃんがダイエットをしていたら、単純に身長とおっぱいが育っただけの事だと分かる回が可愛いしほっこりする。

 

 キャラはヒロインの方が多い。2人を中心にし、その周囲にも可愛い子ちゃんを配置している。振り返れば巨乳率が高かった。皆可愛かったし。

 久しぶりに読んでも覚えていたけど、由姫ちゃんの親友のスケバンギャルの桐谷秋乃が可愛い。デカくて喧嘩が強いちょい不良ギャルなところは格好良い。ちょっと悪い可愛い子ちゃんが良く見えるのは、「きまぐれオレンジロード」のまどかさんの時代から通ずるものだな。

 

 話の流れ上、影虎と桐谷が恋人の振りをしてデートすることになる回があった。あれはちょっとドキドキした。桐谷が影虎の事をちょっと好きになっている感じも良かった。

 

 序盤は影虎の忍法アクションで騒ぎも起こしつつ、平和にラブコメる感じで行く。後半になると恋が絡んだ波乱の青春編が到来する。

 影虎の事が好きという女が出てくるし、由姫の事が好きと言ってくる男も出てくる。間に他人のラブを挟むことで、メインの男女2人が己の本当に気持ちに気づいていく。そんな濃いラブドラマ性も見えて来て楽しくなるのだ。 

 

 自分が好きな人の事をまた別の人間が好きになったその時、人はラブに対する危機感を覚える。他の異性に言い寄られることで影虎も由姫も真に心を決めるようになる。こういうのって2人の関係性を進める上ではありがちな設定だが、ありがちでもないがちでもあれば楽しい事案だよな。とうわけで揺れる青春ラブが楽しいのだ。

 後半は面倒な立場を乗り越えても進めて行く2人の純愛物語が楽しい。

 

 すったもんだの末迎えた最終回では、2人の結婚式が描かれる。ベタでもこれが後腐れなきベストエンドだった。由姫ちゃんの花嫁衣装は美しい。

 

  影虎のパパさんが最終回を含めた本編で数回息子を「愚息」と表現する。この言葉はこの漫画で初めて知ったものだった。それも思い出。勉強になったね。

  

 11巻というコンパクトにまとまった巻数できれいに落ちてよかったっす。

 キャラもお話も可愛らしいもので一般層に受けそう。アニメ化でもしてそうな感じだがしてなかった。

 アニメにすればどのキャラの声が誰だろうとか想像しながらも楽しめたぜ。今からでもどこかの会社がやってくれると嬉しいっす。毎クールあれだけクソアニメを作るなら、こういう安定のコテコテラブコメ枠をやった方が一定数人間が集まる気がする。

 

 サクッと読めて簡単に萌えれるのでおすすめっす。

 

 

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