こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

令和も戦えるNationalの扇風機

 Nationalっていつの間にか無くなったなぁ~。うちのおじさんがそんな事を言ってました。

 私としては、そもそもたくさんあった時期を実感したことがないのだが。

 

 そのNationalのロゴが輝く扇風機(古い)が今年も遂に可動する。我が家では旧式のコイツにまだまだ現役として頑張ってもらっている。すっかり老兵だな。

 

 で、そろそろ暑いぞ。そう季節は夏。楽しい夏、暑さが鬱陶しい夏、各員それぞれ思いを馳せるものがあるはず。そんな季節。

 

 寒いならどこまでも着込めば良いし、暑ければ脱げば良い。とは行きそうで行かないもの。

 なぜって着る分はいくらでも行けても、脱ぐ分には割りと早く限界が来る。裸になってもまだ暑かったらもう降参。

 そうなったら文明の利器、つまりは扇風機に頼るしかない。暑がりではあるのだけど、冷房の風ってなんか鬱陶しくて嫌だし、当たっていると疲れるのだ。だから自然な温度の扇風機の弱モードの風が良い。

 

 今年の夏のお供ということで、毎年恒例の扇風機出しを行う。倉庫から出す。電源を入れる。そこで気づく、おかしいぞ。

 

 弱に入れてらめっちゃゆっくり回り始める。プロペラを手回しする以下でめちゃ遅い。ならば風など生めようはずがない。

 次に中に合わせるが、それでも遅い。まだ私が手で回した方が速い。でもさっきよりはちょっと速く回っている。

 そして強に入れる。すると本来の弱モードよりもちょっと遅いくらいで回る。まぁギリギリ使い物になる。

 

 でもこれでは夏を越せるわけがない。要は単純に不調なのだ。寿命か?

 そしておまけにおかしいことがある。なんか変な音がするのだ。

 これが二つ向こうの家に住んでいるばあさんの声みたいなのだ。お姉さんならまだなんとかなるが、ばあさんの声が聞こえる回転速度ノロノロの扇風機など喋るゴミに過ぎない。

 

 やべぇ。扇風機無しで日本の夏と戦える自信がない。自然の猛威を前に私は早々に降参した。

 

 じゃあお店に行くか。涼しいし。

 というわけで最寄りのショップに行く。

 そして感じる文明の急速なレベルアップ。まだNational表記の扇風機から2023年の売り場に行くと発明のレベルが違う。

 今日日の扇風機はもはや羽がない。プロペラ無しで中央に穴が空いてる。 

「なにこれ?工場ラインがバグったの?」と初見なら誰もが思うだろう。

 だがバグどころか機能性は上々。真ん中に何も無いのにしっかり涼しい。これはどういう仕組なのだ?ふっしぎ~!

 

 気になるお値段をチェック。

 これが思ったよりは高くないけど、また一方では思ったより安くない。めちゃ微妙な価格だった。

 まぁそこは私の金銭感覚の話なのだが。結構ケチなんであまり金は使いたくない。

 

 値札とにらめっこする内に「これ買うならラーメン食った方が良くね?」という謎理論が生まれ、結果扇風機は買わずにラーメン食って余計に汗をかいて帰ることになった。

 人はこうして当初の目的を無視し、突発的に関係ない事に手を出しがちなもの。私がそうだ。

 

 帰っても壊れた扇風機と向き合うだけ。少し時間を置いて回してもやはり回転速度がノロい。

 ここで私は思った。もう自分で直すしかない。だって予算はラーメン代に削られてしまったもの。それから謎に「私なら己の1人の力でなんとか出来る!」という自信が込み上げて来た。

 こんな感じで前向きな私は、だいたいの事に対してやる前からでも「やってみればなんとかなる!」の精神でぶち当たりがちなのだ。

 

 日本の家電なんてのは案外丈夫。その理由は作りが良い。作りが良いのは高品質な部品を使用しているから。ロジックがどんどん分解されていく。

 同時に本体も分解され、扇風機もいつしかバラバラに。やり始めると無心風に他の事を考えてしまうのが私っていう変わり者。

 

 割りと簡単に不調の原因が分かった。

 プロペラを外した奥にはクルクル回る大元の装置がある。これが何か激しく引っかかりを感じる状態になっていた。じゃあ外側も回らんわな。この一番奥のクルクル装置が無事回ればちゃんと風が生まれるのだ。

 中の部品は金属のようで、変に引っかかるのはゴミとかサビが回転を邪魔しているのだと分析した。良かった、インテリやってて。

 ここで登場「556」スプレー。我が家ではコゴローと呼んでいる。ケロロ軍曹を見ている人はこの読みに納得出来るはず。

 

 スプレーを吹かすとヤバぇくらい黒い汁が垂れ出す。これは私の予想通りゴミ、サビがダブルパンチで流れ出した証拠。汚ねぇ。

 スプレーをした後にコンセントを入れて回すと、めっちゃ好調にブンブン回っている。一気に若返った!

 これにて無事復活しました。

 

 というわけでこの夏もまだNationalの扇風機で行くぞ。

 じいさんに聞くと、これを仕入れたのは遅くとも平成初期。もしかしたらもっと早くで昭和のものだったかもと言っていた。すげぇな。よく持つ。

 

 Nationalは今だとPanasonicと一緒になったというから、もう新作でNationalロゴの物は出てこない。レアだな。

 スイッチを押しすぎて、もともとあったはずの被せの部品が破損し、スイッチ内部の部品が見えている。一体何年の間に何人が何回起動、停止のスイッチを押したのだろう。

 スイッチが死ぬくらい使い込んでもらってこの家電も幸せなことだろう。一回死にかけたけど、まだまだ行けるからこの先も人生を共にエンジョイしよう。

 

 それにナショナルキッドユーザーとしては、最後までNational製品を愛してあげたいし。

 

 こいつには煙を吹くまで戦ってもらおう。こいつが死んだ時には、羽無しのおしゃれ扇風機を買おうかなと思う。

 

 扇風機にも五分の魂。家電も大事に扱いましょう。

 

 

 

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