こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

スーパー戦隊だけじゃない日本のヒーローチーム「忍者キャプター」

「忍者キャプター」は、1976年4月から1977年1月まで放送された全43話の特撮テレビドラマ。

 

 令和に入ってやっと見れた!

 この作品なのだが、父親がレコードを持っているし、何かの図鑑でも見たことがあってずっと前から気になっていた。レコードで主題歌だけは聴いたことがあっても中身はよく知らなかった。

 属性の異なる戦士が7人いるという点には、ちょっとレインボーマン感もあって更に気になっていた。私はレインボーマンも好きなのである。

 いつか見たいと思っていた本作を見る機会をやっと得たのがこの秋のこと。

 だいたい一週間で全話視聴した。

 

 視聴するにあたって「カードキャプターさくら」でめっちゃ見て聞いてきた「キャプター」とはどういう意味なのかを改めて調べてみる。

 キャプターとは捕獲するという意味だという。本作では正義の忍者達が悪者共をとっちめる、つまりは捕獲する内容をお届けしているのだ。タイトルと内容は合致している。

 

 7人の忍者がチームを組んで悪者を退治するという形を取った戦隊ものになっている。

 同じく東映が生んだ「スーパー戦隊シリーズ」と条件が合致するようだが、こちらはスーパー戦隊ものには含まれない。というか、初代のゴレンジャーと放送時期も被っていた。被っているなら別物枠で良いのだろう。

 

 戦隊でミッションに当たるヒーローは、なにもスーパー戦隊シリーズに限ったことではない。こちらも侮る事なかれ。そういえばこれよりもっと前には「忍者部隊月光」というものもあった。

 

 実際なのかファンタジーなのか、微妙なところにあるジョブが忍者。なんだかんだでいつの世もちびっ子心に火をつけるのがこの忍者という夢ある世界。東映だけでもコレ以外に時代を選ばず新旧の忍者作品がある。私も忍者と聞くとなんだかワクワクするので見てしまう。

 現在だって「BORUTO」という忍者アニメが放送しているくらいだから、日本人って本当に忍者が大好きだよな。謎めいて格好良いからついつい見てしまう。忍者はもはや人心を惹きつける良き発明。

 

 そんな日本にたくさんある素敵な忍者作品の一角を見た感想を書き殴って行くぜ!

 

Columbia Sound Treasure Series「忍者キャプター SONG & BGM COLLECTION」

 

忍者キャプターの魅力

 内容は正義の忍者チーム「忍者キャプター」と、日本征服を企む悪の忍者集団が対決するものとなっている。

 

 戦隊もので楽しめる点は、戦隊各員の個性やそれぞれのドラマにある。

 忍者キャプターにも個性的な面々が揃っていて好きになる。

 ゴレンジャーが5人なのに、こちらは7人もいて多すぎと最初こそ思ったが、それぞれ良さがあって数の多さが邪魔になることはない。

 

 大きな特徴はメンバーの年齢がかなりバラけていること。上は40代半ばのおっさん、下はまだ中学生のガキと年齢がかなり離れている。

 他メンバーも大学生だったりレスラー、電気屋など、年齢に応じた何かしらの事を普段は行っている。

 戦いばかりでなく、忍者キャプター各員が日常時にはどのように生活しているのかを紹介した回も用意されていた。これは知りたいところなので良き計らい。

 

 チャプター1から7まで番号が割り振られている。各員の背中には番号が書かれたゼッケンがついている。これは微妙にダサいぞ。

 

 戦士各員のキャラデザはポップでユニークさもあるが、ややださ感もある。まぁ好きだけども。

 あのヘルメットで前が見えているのかと気になる。

 

  戦隊シリーズのように個人が用いる武器がある。

 チャプター1の電気縄、チャプター2の激流砲などはチープな作りながらも愛せるアイデアだと思う。

 

 おそらく加入の早い順に番号が割り振られているのだと思う。

 一番数字の若いチャプター1はおっさん戦士の袋 三郎兵衛が担当。おっさんがチームに混じっているという段階で珍しいが、その上袋 三郎兵衛を演じるのが潮建志である点がまた珍しい。潮建志といえば、地獄大使、その従兄弟の暗闇大使、ヘッダー指揮官など、日本で有名な悪者を演じたことでまた有名である。地獄大使の中の人が正義の活動をしているというのが異質な面白さを放っている。

 

 紅一点が花忍チャプター3。初代の桜小路マリアは海外留学に出て、その後はボスの孫の天堂美樹に交代する。序盤からツインヒロインを張った二人がそれぞれ実地でも体を張って活躍するのが良いではないか。二人のお姉さんはどちらもイケてる。

 

 チームが移動に用いるマシンは車のキャプターカーと、飛行可能なヘリキャプター。

 どちらも微妙にゴレンジャーのメカ感が見える。それぞれにバリタンク、バリドリーン的要素を感じる。

 

 キャプターカーはメンバー全員に加え、助けたガキとかを乗せるスペースまであり、合計8人も乗れる仕様になっている。

 フロント部分から後ろに迫るほど車体幅が膨らんでいる変わった設計で、カーブ時にはどこかにぶつけそうで危ないなぁ。あんな車で公道を走るのって正式にOKなのかと気になる。これって普通にしているだけで、いわゆる箱乗り状態みたいな状態にになっていないか?

 車にジャンプ台がついているのも他には見ない面白い設計だったと思う。

 今見るとツッコミポイントもありな車だった。

 

 敵はチーム全員で当たらないと討伐ならずの強者揃いだ。一人では勝てないこともある。

 全話通して視聴すると、忍者キャプター勢力の中に敵の捕虜となる者が結構出てくることに気づく。意外と捕まりがちなヒーロー性がある。

 

 スーパー戦隊のように目立った合体技がないのは寂しい。組体操みたいなキャプター櫓というシュールなチームプレイは印象に残る。火忍が最後は決めるみたいな感じになっている。

 

 袋 三郎兵衛やどこか抜けている真田巡査など、コメディ要員もしっかりいる作品だが、そんな中衝撃的な一幕として強く記憶に残るのが天堂 無人の壮絶な死。

 忍者キャプター魂の拠り所であり、皆のボスの天堂 無人が討たれる展開があるとは予想せずでビックリ。勇ましく戦った後の絶命であり、子供向けにしてはややショッキングだったかもしれない。でもここは見せ所で熱いシーンでもあった。

 

悪者共

 まずは悪の忍者の風魔烈風が率いる風魔党が日本を攻めてくる。風魔勢力の若き忍者出雲大介は、風魔烈風のやり口が非道すぎることから抜け忍となる。

忍風カムイ外伝」で学習済みだが、抜け忍は抹殺がこの業界の鉄の掟である。出雲大介は首を狙われるのである。忍者って格好良いけど物騒。

 そこで抜け忍の彼は、7人目の戦士として忍者キャプターに合流し、火忍キャプター7となり、悪者忍者討伐の立ち上がるのだ。

 

 風魔烈風が第一に展開させた作戦は、武器を大量に抱え込んで分かりやすく武力で侵略するというものだった。そのために国防総省のお偉いさんの孫を捕獲。武器をこちらに流さないと孫娘を殺ると脅すのだ。めっちゃ悪いことを考えるなぁと思ってしまう。捕らえたチビの孫娘をこれでもかとムチでしばいて泣かせるのも悪すぎる。

 出雲大介が抜けたくなるのも分かる。ここへ来て露骨に悪の道に走ったのか、徐々にだったのか分からないが、一話目からすごく悪いから出雲大介もよく今までこいつの下についていたよなと思ってしまう。

 

 まずは風魔烈風の「風魔十三忍者」が週に一人ずつ攻めてくる。次には「風魔鬼四天王 」「あやかし三行者」「風魔五道人」と強者のくくりが次々と日本征服のために派遣される。

 一人死ぬと、本部にあるロウソクの火が消えるという毎話後半の流れがおしゃれ演出で好き。

 

 失敗者は五体残さずという厳しい掟もあるので、敵の忍者達は失敗した際には自ら爆死するのだ。怖い。

 

 本編は二部構成で、風魔党を討伐した後には、次なる組織「甲賀忍群」が攻め込んで来る。

 ボスの暗闇忍堂は、先に倒した風魔烈風と同じ人が演じている。あれ、中の人が同じじゃね?と当時の子供も気づいたと思う。

 

 ゴレンジャーの仮面怪人と違い、多くは仮面無しで俳優の顔がモロ出た敵が登場する。この点は当時だと珍しいかもしれない。

 

オチは打ち切りだった。

 この作品の惜しい点はオチが急なところ。全体としては好きな作品だった。

 実際に面白く、そこそこ人気もあってこれだけの話数が作られたのだと思う。スーパー戦隊定着前の戦隊ヒーローだから目新しさもあったはず。

 

 でもオチは謎の打ち切り。だいたい43話で終わりってのもなんだか中途半端で変。3クール+アルファだし、一年ものの4クールにはちょっと足りない。あと5、6話やって一年放送でしっかり終わらせてよと思ってしまう。

 

 調べたところ、これといった前触れ無く急に打ち切り宣告が上から来たとのこと。

 打ち切りのつもりがないから、撮影陣は既に先の回も収録済みだったとか。

 この打ち切りの謎の解明については予想の範疇でしか物を言う事が出来ず、しっかりした理由は会社側から語られていないらしい。怪しい話だぜ。

 

 もっと頑張れば、忍者キャプターもゴレンジャーやジャッカーよりずっと上に行けたはずだ。私はそう信じている。

 

 急にボス討伐となってあっさり終わったのはちょっと良くないと思ったが、古き良き特撮をたっぷり楽しめる好きな作品になった。

 

 OP、EDの曲も好きで最近はよく聞いている。

 

 ありがとう忍者キャプター。スーパー戦隊シリーズ以外にもいた輝く日本の戦隊ヒーローがいたことを私は忘れない。

 

 あと、良かったら戦隊ものといえばストラダ5というのがいたことも忘れないで欲しい。

 

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