こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2023年のアニメの感想(4月~6月)その7

 

山田くんとLv999の恋をする

山田くんとLv999の恋をする 1(完全生産限定版) [Blu-ray]

 タイトルのハードルが高すぎる。だが恋ってのは、その壁が高けりゃ高いほど登った時にとっても気持ち良いもの。まるでミスチルの歌のような楽しき娯楽。

 というわけで令和に見るネト充のススメ新章開幕です。

 

 今期はこの山田と「僕ヤバ」の山田、そして地獄楽に出てくる山田浅ェ門軍団と、実に山田尽くしなシーズンとなった。まだ他にもいたかもしれないが、とにかく山田と戯れる素敵な春になりました。ありがとう。

 それに今期は楽しいラブコメが豊富だったね。恋は季節問わず楽しめるものだけど、その序章に選ぶなら、春がなんとなく景気が良いのでおすすめっす。

 

 茜ちゃんは酒問題で年下男子に迷惑かけんなって思います。これが自分の兄弟なら要注意や!

 それから彼女の青春を見ると、ヒールで出かけてトラブルが印象的なので、歩きやすくどの道にも馴染むシューズを履くのが良いだろうと思った。

 

 序盤から男に振られて荒れる茜だが、なんか一生懸命生きてるギャルで結構愛せる。恋愛するならこのくらい厄介だったり面倒さがある方が面白いかも。

 山田に迷惑をかけてるのは人生の先輩としてどうよ?とは思うが、これはこれで等身大のギャルの親近感もあって良し。恋するなら心は広くが鉄則だよ。

 それとタッパーにおかずを詰めて持ってきてくれる面倒見の良いのはグッドです。人んちのおかずとか、よそのママンが握ったおにぎりでも平気で食える人間なので、こういう家庭的なところを売りされるとグッと来ます。

 

 水瀬いのり大西沙織加隈亜衣が一緒に出ているのは何か嬉しい。皆激戦の声優戦国時代でよくぞ10年以上生き残った!3人共推します。

 大西沙織演じる合コンマニアの桃子ちゃんも好きでした。

 

 山田のゲーム内アバターとそっくりの同級生がいたので、あのアバターには親近感がわく。落書きみたいなアバターだったな。

 

 山田がクールにコミュ症すぎやしないかと序盤は気になってしまうところだが、その山田の心情について深めに掘っていくターンもあった。それでこのキャラ性にも納得出来る。

 他人の想いに対して全て鈍感であるのではなく、所々で感じやすい。そんな総合的に見て愛せるゲーマー男子でした。

 

 山田が高校生で茜が年上の大学生なのは意外。最初は山田が年上かと思った。

 山田と茜の恋も良いが、後半に描かれる椿さんから山田への想いも応援したくなる。あっちも捨て難い良い子だったな。

 

 居眠りしている茜の髪留めを山田が思わず外してしまうシーンはまぁ分かる。その心理が分かる人は多くいると信じる。

 

 ネットゲームがテーマの作品なので、ネットフレンズとの交流も描かれる。

 普通に楽しくオフ会もしている。最近はこんなにポップな感じで、簡単にリアルでも出会うのか。昔のオフ会は、人気の無い店に紙袋を被って顔を隠した状態で集合していたとか聞くが、そんな人はもういないんだな。

  ルリ姫の正体が妹でなく兄貴だったのは読めない。最近流行りのネカマ文化も見える設定。

 

 ネット仲間の鴨田さんはおっさんなのに可愛い。最終回で実はすごい社長だと分かった。

 おっさんと言えば、茜に迫ったおっさんリーマンがキモ面白かった。小野大輔のキモい芝居が光っていた。

 

 ネットを介してリアルも盛り上がる素敵な恋物語だった。だが世のオタク達よ、ネットに夢を見すぎるな。誰にとっても茜ちゃんや山田くんみたいな素敵な異性を求められるとは限らない。だが希望は捨てずに持っていると良い。

 

天国大魔境

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 解散間近のBiSH最後の仕事場がここになったかぁ。OP曲はBiSHだったので、これにて聞き納めである。先日のMステラスト出演のライブは格好良かったぞ~!それからオタクが反応しそうな変な名前のメンバー多めだよね。グミカンパニーとかね。

 

 急に始まった気になるアニメ。

 男女二人組が荒廃した世界を旅して天国を目指す。これは分からん。で、全然天国感がないし。

 一方で描かれるもう一つの世界では、子供たちを謎の施設に閉じ込めてよく分からん研究をしている大人達がいる。これもよく分からん。

 毎度視点を変えつつ、これら両サイドを交互に描いて行く。

 

 随分テンションの異なる2つの世界観が楽しめる。とにかく1話目から大きな謎をぶっ込んで展開する内容に惹きつけられるものがあり、最終回まで楽しく完走してシーユーバイバイすることが出来た。そういや11号はどこに行ったのだろう。

 これらの要素を見るに「少女終末旅行」と「約束のネバーランド」を交互に見る合せ技みたいな感じかな。それにしても約ネバ2期の畳み方は酷くて燃えたよな。あの火事はもう鎮火したのかしら。

 

 これは大いなる謎に迫る冒険をしてバトルしてキルコとマルの良きコンビ感を見るのが楽しいものだった。今期のイチオシ枠である。先週の「TOKIOカケル」にゲスト出演した上川隆也氏も今キテいる漫画として本作を上げていたし。

 

 しかし問題なのは、全話見ても世界の謎が解けていないこと。それも全然。

 ぶっちゃけ投げっぱなしエンドだったかも。2期をやるとしても、その架け橋となるヒントが少ないエンドだった。とりあえずミミヒメが死んでいなくて良かった。

 

 イケてるお姉さんに見えるキルコの中身はハルキ少年であるという設定は衝撃的なものだったが、あれって本当なのか?

 惚れた女が実は男だったって、それじゃマルのショックはビッグバン級だろうに。少年ハートにはキツい真実だった。

 男前で素敵なお姉さんのキルコを演じる千本木彩花の声が良いな。良い感じにボーイッシュな仕上がりのボイスが好き。

 

 キルコのあれが思い込みとか二重人格だと見る事も出来ないことはない。とりあえず現在は素敵な体を得た事で再会したロビンに犯されてしまった。

 このロビンという男も何がしたくて、施設でなんであんなヤバいことに手を出していたのか謎。とりあえずお姉ちゃんを傷ものにしたことはマジで許せんので、最終回にてマルくんが無言の怒りのままに鉄拳で血祭りに上げた事にはスッキリした。中井和哉の好青年もやれば後半は悪者だったテンション幅の広い芝居技術もピカイチだったぜ。

 

 キルコが追う人物なら謎の医者がまだ残っている。アレも何者なのだろうか。

 

 荒廃した世界に普通に歩いているガチの化け物が怖い。こいつらも一体どこから来るのやら。

 

  子供達は性の概念を取っ払った世界に置いても自然繁殖してしまうと分かった。命がまた命を作るのに待ったをかけられないという事も言ってる内容なのか。

 最終回では赤ちゃんを抱いたトキオが何か血鬼術みたいなの使ってた。あれもなんだったのか。

 そしてババアの館長が車椅子生活なのはフェイクで、実はめっちゃ走れるのもちょっと面白い。

 

 こんな感じで雰囲気の異なる2つの視点から物語を描くのなら、去年やっていた謎アニメの「咲うアルスノトリア」を思い出す。あちらのアニメも最後まで2つの世界が交わることなく、結局どっちの世界もなんだったんだ?で終わる。天国大魔境でも2つの世界が交わらずに終わったな。

 こういうのでよくあるトリックが、そもそも同じ時代ではないってやつなのだが、これは多分それなのかな。未来と過去が交互にきていると予想も出来る。そんな気がしてきた。

 

 人ってのは本能的に天国を目指し、大魔境ともいえよう現実を彷徨うものなのかもしれない。最終的な感想がコレです。

 

 風呂敷が広がり過ぎて一体どう畳むのやら。こいつは見ものだ。

 原作は続きがあるとのことなのでその内2期もあるかも。いつか放送してくれることに期待しよう。その時までシーユーバイバイ!←コレ、今期のアニメ的流行りワードです。

 

事情を知らない転校生がグイグイくる。

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 こういう優しいようでちょっと汚れているで何だかカオスなヤツ、結構好きです。

 

 転校生がクラスの、ましてやその中の個人の事情をすぐに知ることがどうして出来ようか。しかし社会の現場はいつだって休み無く周っている。広く世間を見れば最小単位くらいで構成された社会たる学校のクラスだってそこの都合は同じこと。

 いちいち下調べなどしている暇などない。常に何かしらの実践の中で、その集団の事情を把握するしかないのだ。ましてや小学生なんて落ち着きのない時分に他人の事情をしっかり推し量る余裕など持っているはずがなかろう。

 そんなわけで、転校して来た元気な男子の高田くんは、クラス全体の事情はおろか、その中の1人である西村さんを取り巻く環境が一体どういう感じなのかまるで知らない。知らなくとも知っていかねばならぬし、西村さんに他人とは違う何かがあるということでめちゃ知りたい。だから高田くんは、事情を知らないということを気にも止めず西村さんにぐいぐい迫るのだ。その心意気や良し!

 分かるぞ、その気持ち。私は受け身が得意だが、それ以上に攻めの一手なり二手をぶち込む方がもっと得意。だから高田くん寄りの人間である。基本的には元気でよろしいが、時に図太く無神経、そういう風に評価される人間です。高田くんもそんなやつです。

 

 今期だと男女の密なタイマンラブコメといえば「僕ヤバ」や「久保さん」があった。あれら女子からグイグイ来るのと違い、こちらはどうあっても女子の西村さんが防戦一方で、高田くんが一生グイグイくるやつだった。男女の攻め受けを入れ替えてこういうのが流行っているんだな。まぁ結構好きなヤツっす。

 

 ちょっと変わっているのが、西村さんが決して美少女とは言えない仕上がりなこと。この手の作品だと男子はモブの極みみたない仕上がり、そして相手は美少女。この構成にしがちだが、西村さんはあだ名が「死神」ということで女版鬼太郎みたいな見た目になっている。西村さんの髪型は「僕ヤバ」の市川みたい。

 

 で、西村さんはクラスで酷く虐められている。身体的に苦痛を与えることはないけど、キツい言葉を吐いてくる連中で溢れかえっているのだ。助けたい、小原好美の儚げなボイスが映えるこの少女を助けたい。そう思って視聴するのは自然なこと。

 高田くんは多分イジメの事実を認識出来ていない。この点は鈍感というかアホ。危機察知の本能が死んでいるので、もう哺乳類として野生生活には戻れない。そこまで進化と退化が極まった人間にデザインされている。それゆえ、彼は西村さんを青春の闇から救出する光となるのだ。素敵神話の始まりです。

 

 高田くんのキャラ性に見るこの点が、作品を活き活きとさせる良さになっていた。

 テーマの一つはイジメ、二つはその悪意を跳ね返して高まる2人の友愛にあった。人の汚い部分と美しい部分、両サイドを描いた真実性ある作品だ。まぁ高田くんの存在はファンタジーまであと一歩のギリギリで現実味があるものだったけど。

 高田くんの明るさ、それを受けて花開く少女の段階を迎える西村さんがいることで、闇の要素を含みつつも全体的にはマイルドな仕上がりの明るコメディになっていた。良き。

 

 高田くんの太陽のような明るさに触れた闇の仲間達(いじめっ子)達も、浄化されて丸くなって行く。丸刈りのザコ男子や女子ズのヒエラルキー上位の笠原さんらも、高田くんの天然成分の「陽の気」に触れると強く出られない。

 こういう勢力図、ちょっと分かる。物理の力は全く働いていないけど、雰囲気や人柄でそれとなく凶暴なヤツを制圧できちゃう一種のカリスマ性ってのがある。それを持っているヤツも極稀にいるのだ。高田くんがそうかもしれない。そしてこの私も、暴力を使わない人間なのに、手を出したから何か面倒になりそうと言われていじめっ子が寄り付かない謎の質の人間だった。

 

 高田くんがずっと恥ずかしい言動と距離感で西村さんにグイグイ来るので、これではあまりにも節度や常識がないアホに見えて酷い。そう思うターンもあったが、彼だってまるでアホなわけではない。

 他者の心を感じ取れることだって実は出来る。その証拠に中盤では西村さんの一部事情を知ることとなり、その時には時分の態度を改める言動に出るのだ。鈍感なだけでそのターンを与えてやればちゃんと人の事を考えて理解出来る子だった。ええやつやんけ。

 ここらへんから西村さんも意味なくワッショイされる不思議感を味わうのでなく、高田くんと通じたことで真に友情と愛を育てるようになる。ちょっと進展もある2人の素敵時間でした。

 

 高田くんの持つ「死神は格好良い」という概念が、他の人との大きな違いなんだよな。ガンダムだとデスサイズが絶対に好きになるヤツだと思う。彼に勧めたい。

 

 珍しく初期段階から西村さんを敵視しない勢の日野くんもおもしろキャラで記憶に残る。異常なまでにタンクトップに魅せられた少年だった。人んちに干してあるタンクトップ鑑賞&撮影もしてくる勢いの信者だった。あれは笑う。

 最近見たニュースに、雨合羽フェチが大量に人のを盗んでコレクションしていたなんて例があったが、日野くんは大丈夫だよね。コレのタンクトップバージョンにならないよね。

 

 最初はイヤな女だった笠原さんも、西村さんの純粋さに触れて内なる毒気が中和され、後半ではいいヤツになる。笠原さんも結構好きになる良きツンデレ枠だった。

 

 気になったのは、西村さんのパパのモブメガネ。福山潤は最近だと「異世界おじさん」「ろうきん」に次いで、ここでもモブメガネを演じている。縁があるキャラ性なんだろうな。

 

 西村さん、高田くんがこのまま大きくなるとどうなるのだろうか。気になる。性に絡む事となれば、さすがにグイグイ度を控えて行かないと男女のテンポは合わない。とかややアダルトな見方をする私ってば不純!

 

 西村さん役が小原好美、高田くん役が石上静香ということで、平成後期のリニューアル版「魔法陣グルグル」の主役コンビと同じ配役だな。石上静香は再共演が嬉しかったことだろう(なんとなく)。

 

ワールドダイスター

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 タイトルは世界に通ずる一流俳優の事を示している。ここで初めて聴くオリジナルワードなのに、一発でその意味を想像出来るし、それもこっちで想像したのが当たっている!となるスッキリ気持ち良いタイトル。

 

 少女たちがお芝居をやる。ガチでやる。その中で「センス」という多分異能力めいた力を発揮し、各員が鬼がかった迫真の演技を体得していく。そんな青春を熱く、時に萌え萌えに描く可愛い枠だった。こういうの好きっす。

 

 アニメ放送に先駆けて展開していた石見舞菜香、長谷川育美がMCのラジオ番組から既に楽しかった。ラジオとアニメ交互に視聴して楽しい上半期となりました。この2人のMCには癒されます。

 主演のこの2人がウマ娘ライスシャワーミホノブルボンの2人なので、ウマユーザー的には再びの共演が嬉しかったっす。

 

 なんかすごい芝居力は異能力めいたパワーのおかげらしいのがちょっと変わった点。中でも不思議なのが可視化されたセンスという「?」になること必至な静香の存在。この子なんなの?と序盤はかなり気になった。ここなのスタンド的なやつらしい。ジョジョごっこが出来そうでいいじゃん。

 

 ヌルヌル動く演劇シーンは張り切った作りになっている。

 センス発動中は各員を演じる声優達も実に本気モード。芝居も良かった。

 石見舞菜香大空直美天城サリー長縄まりあら主要キャラを演じた者達のこういう演技は他ではあまり見ないかも。

 特に天城サリーは前期の「トモちゃんは女の子!」出演時と声が違いすぎる。長縄まりあもロリばかりやるイメージがある中で、全然そのイメージを感じさせない演技をしていた。

 皆さん改めて色んな芝居が出来るのですね。そう想いました。日本の声優は素晴らしい。

 それと大空直美が演じた子が「ぱんだ」って名前なのは親のネーミングセンスがすごい。珍しい名前。

 

 作中で扱う演目は海外発進の物もあり、オペラ座の怪人リア王など、だいたいの人が知っている有名作品ばかり。

 子供相手にリア王はハードルが高いと思う。その作品を当てるにはまだ年齢的に早くないかとツッコんだ。

 

 ガチでお芝居に取り組むストイックな女優の青春物語である一方、やはり若いということで女子ズがいちゃつく可愛い展開もあり。総じて楽しい。

 特にカトリナのツンデレお嬢様気質は萌える。最初はヤバいくらいこっちに噛み付いてくる面倒くさい女だったのに、段々とここなに懐いてきていつの間にか完落ちしていた。ここなとカトリナのカップリングは好きです。

 

 最終回は長いターン「オペラ座の怪人」の公演が描かれて楽しかったっす。最終回で八恵ちゃんが歌うところは格好良かったっす。長縄まりあの歌をしっかり聴いたのは初めてかも。良い歌声だった。

 

  夏にはスマホゲームになるとのこと。これ、もっと盛り上がればいいのに。応援します。

 

koshinori.hatenablog.com

 

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