こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

「王様戦隊キングオージャー」にハマる

 とにかく忙しいんだよね。

 今やっている特撮なら「仮面ライダーギーツ」「ウルトラマンブレーザー」、そして韓国から放たれた刺客の「アーマードサウルス」がある。ここらだけで十分に楽しめるし、加えて昭和の古いヤツのDVDも見たいし~。てなわけで、戦隊モノはキープ状態で見ていなかった。ニチ朝の楽しい枠もライダーとプリキュア止まり。 

 

 今やっている戦隊モノがキングオージャーなのだが、これは後からゆっくり行くか~って感じで録画データをキープしてずっと見ていなかった。3月から放送開始してもう22話もやっているのに1秒も見ていない。

 

 でもそのキープ状況が変わってくる条件が発生した。

 先日得た情報によると、キングオージャーの映画にあやねること佐倉綾音が声の出演だけでなく体全部で出演してくれるというのだ。ありがたい!よってこれは見たい。

 これまで推して来たあやねるが銀幕参上とあれば見ないわけには行かない。でも現在は色々都合がアレしているのでごめんけどスクリーンでの対面は無理っす。こちらは後に円盤化したらゆっくり見よう。大丈夫、そういうのしっかり待てる人なんで。前世がお利口な犬だったのかもしれない。

 

 そのうち劇場版をチェックするのは絶対のこと。ならばさっさとテレビの方を見ないと。そんなあやねるきっかけで、溜まった22話分を集中して見ることに決定した。

 で、この3日でだいたい半年分にあたる22話をスピードラーニングしてきた。これが見てみると一気にイケる面白さだった。

 チマチマと1話ずつリアタイするのも楽しさと感動を噛み締める事が出来て良いが、一気見の方が爽快感があって気持ち良い。

 

 いい~いい~すげぇ~いいじゃん!今回の戦隊は大当たりだぜ。

 すっかりハマってしまったので、楽しかった想い出と感想を王凱武装して殴り書くことにした…とさ。

 

22話「シュゴッド大集合」

 

 めっちゃファンタジー設定で、出てくるヒーローは全部王様。

 楽しく中2妄想を弾けさせた異世界系アニメを長年楽しんで来た我々脳内異世界人間にはサッと入り込める親しき世界観。むしろそっちが日常くらいに思えて来る(←病院行け)。

 

 スマートにキングレンジャーにならないのは、オーレンジャーの6人目として使っちゃっている案だからだな。

 

 作中世界は5カ国に分かれていて、協定関係に見えたり揉めたりで政治的賭け引きも楽しみどころ。特にムカつくラクレスくんが色々と世界を引っ掻き回すのがなんだかんだ楽しい。

 1話目から王様ズが集合して会議している。これはNARUTOの五影会談を思い出す景色。

 

 メンバーが全員王様だから「俺が!俺が!」の精神で押し合い状態。決してまとまりが良いわけではない。でも譲って個々の個性を下げることなく、トップ・ギア状態で自分を出しながらもなんだかんだまとまって行く構図はチームのあり方として理想的。

 

 皆な別の国の人間だからそれぞれが別の場にいることが多く、従来の戦隊みたく初回でちゃんと皆が方向性を合わせて戦隊を結成するというものではない。それでもすったもんだの事件の末、ハートで結ばって行く。この人間ドラマも良いではないか。

 王様戦隊を正式に結成するのは19話まで待つことになる。立場の問題もあるし、各員の個性が強すぎてスムーズ結成にはならなかったな。

 

 いつもとなんか違う気もしつつ、ちゃんと王道の戦隊感もあって楽しめる。

 王道と言えばホントに王の道を行く人間達の話だからそこも見所。

 主役のギラが国家に反逆するお尋ねモノとして長くあちこちをうろつく物語にはスリルがあった。

 ギラがわざと悪役ぶるにも事情があり、それには納得も出来る。自国の王様のラクレスは民の事を道具くらいにしか思っておらず、そのくせいざ人前に出る時には良い顔をするの。それをギラは大変不審に思っている。

 それなら俺が国を乗っ取ってもっと良い王様をしてやるという反逆から始まる新たな王への物語が開始するのだ。このストーリー性は清い。ギラ、めっちゃ主人公していて楽しいヤツだな。

 

 それにしてもギラはしっかりとマイワールドを持っているなぁ。本当はただの小市民、でも事情あって悪の魔王風に振る舞う。脳内の中2の部分を活性化させて最大限自分を偽っている。この事情あって魔王ぶるのも異世界系アニメ好きには受け入れやすい要素。

 

 フザケたなんちゃって王様と思いきや、ここぞって時に熱い帝王学からの言葉を発してくれる。そんなギラは格好良くて良いヤツ。

「正しさを守る人ほど嫌われる」という彼の言葉は深い。これ、結構刺さるよね。

 これは周囲に悪者が多くいる状態でこそ目立って見える現象。悪意の中に一つ「正しい」があれば、封じ込めるのに面倒な要素として他に嫌われる。

 分かる分かる。間違った人間の中に混じりて青春を送るターンも少しあったので、その状態には心あたりがある。

 こんな感じでちょっとためになる格言もありな良き教育枠でもあります。

  

 ラクレスはムカつく暴君だったが、ギラはじめ他の王様達は、民に対して大変愛が深い。その点にこそ、見る者に向けて飛ばしたい強いメッセージ性が含まれているのだと思う。

 圧政を敷けば民の心は離れ、そういう暴れたリーダーはバカにもされる。これは「シムシティ」を遊んで私も実感したことだ。シムシティでTAXをめっちゃ上げると、こんな市長はクソだと判断して住民が逃げていきます。

 住民に寄り添ったベストな政治を行う。コレが愛せる統率者の鉄則。政治力は当然だが、最後にはやっぱり愛ある人間性が人からの信頼を集めるんだよなぁ。

 我が国ジャパンには王様なんて仰々しい椅子はないが、それに似た国のリーダー的枠がある。そこら辺にポジション取る政治屋諸君に向けて大変良きメッセージ性が込められた作品ではなかろうか。総理とかも見れば良いんじゃない?

 

 ヒーロー、ロボ、キャラの衣装、演出などなど、全体的に大変華がある作品でよろしい。

 ヒーロースーツがマジでテッカテカ。東映のスーツは色合いとテカリ具合が綺麗だな。皆が持っている剣もめっちゃ格好良い。あれはキッズが欲しがるだろうに。私だって結構欲しいもの。

 

 良き要素といえば、今回は昆虫をモチーフにしたヒーローデザインであること。これは珍しい。なんとスーパー戦隊で虫系コンセプトは初の試みだったそうな。戦隊は恐竜とか動物の感じがあるものな。

 なるほど、今回は戦隊モノでやる仮面ライダーカブトとかビーファイターとかカブタックって感じなのか。それで王様だからムシキング戦隊だな。ムシキングっていうコンテンツ、今はどうなっているのだろうか。

 戦隊ものでこそ取り入れてこなかったが、東映は虫系でやり慣れた会社だからな。だいたい仮面ライダーがそうだし。というわけで虫要素も格好良く取り込めていて良し。

 

 ビーファイターヤンマや仮面ライダードレイクが好きだったので、ここはトンボオージャー推しかもしれない。

 ビーザック、仮面ライダーザビーの蜂系戦士が好きだったこともあるから、ハチオーじゃーも良い。黒色の戦士も好きだし。蜂と特撮スーツって実は相性が良いよな。

 

 巨大昆虫ズの大進撃も最高に格好良い。これはもうビーファイターのマシンやないか。デカバッタが跳ねるのとかゼロワン以来の光景だ。

 ていうかドコを見てもCGが元気良すぎ。マジで映像技術が凄い。ちょっと前に平成一発目のターボレンジャーを見たんだけど、あそこから数えてまさかこんな事になるとは、ビックリ過ぎる。

 仮面ライダーよりもCGが凄いのではなかろうか。

 

 戦隊名としてのキングオージャーよりも先行して、ロボの名前としてキングオージャーのワードが出てくるんだな。これも何か珍しい設定かも。

 にしても今回のロボ、超格好良いじゃんか。このゴツさが良い。

 

 キャラの個性、各員の間で展開する会話劇も楽しい。

 キャラも良いな~。カグラギが一番良いかも。敵か味方か、なんともフラフラした掴みどころのない一風変わった王の矜持を示す点はミステリアスで魅力的。こういう何考えてんだか謎なやつってクラスに1人くらいはいるよな。で、いると楽しいよな。

 カグラギの妹も一筋縄では行かない曲者女で読めねぇ。この妹も良いキャラをしていた。

 

 ヤンマの設定も美味しくて面白い。

 ンコパソ国の王様ってことだが、国の名前はパソコンから来ていたのか。結構後まで気づかなかった。

 ヤンマはじめ国民全員喧嘩っ早いチンピラみたいに見えるのに、喧嘩をするならeスポーツというのが何とも平和的。総員eスポーツ選手なのが面白い。その内五輪種目にもなるらしいから今からでも注目したい文化だ。

 

 あのチンピラルックスで、変身システムやロボ関係の事は彼が究明しているという超インテリ要素があるのは意外過ぎる。王様戦隊の核はこいつだったのか。

 すごい科学力を集めた高性能ブーブークッションの罠にラクレスをはめるというしょうもないネタは想い出に残る。最初は不発するけど、まさか後の回でリベンジンのもう1回が来るのは笑った。

 

 リタも作り込まれたキャラ性で面白い。この子も濃い自分だけの世界観を持っているなぁ。

 王様をやりながら法の執行人としても働いているため、相当にストレスが溜まる日々を送っているようだ。悪質な転売ヤーをターミネートする彼女の仕事内容は素敵です。

 そんな彼女が取るストレスを溜め込まずに流す方法が現場で大声を上げること、そして白いモリゾーみたいなキャラに対しての推し活。

 クールなリタの急なうるさい奇声は初見だとビックリなアクションだった。

 

 一見ネタなこれらの設定だが、意外と世相や人間心理の真実性を反映した物にも見れる。

 人間として社会で生きていれば、誰でも一定量のストレスを溜めていくことだろう。それを上手いこと流して限界まで溜めないよう自分をコントロールする。これが実現出来れば良き社会人としてやっていける。リタはそこのところを上手くやっている。見習おう。

 私も実際にやったことがあるが、「声を上げる」ってのはストレスの発散なり溜まらないための防止にも最適。

 現場で気に食わないことがあれば、その場で大きな声を上げることがある。やれば確かにその場限りでスッキリする。声を上げられた向こうはもしかするとストレスになるかもしれないが、とりあえずこっちは助かるのだ。家に持ち帰って悶々とするならその場で言っちゃった方が良い。もちろん奇声でなく大声かつ理路整然とクレームをつけるってことね。

 まぁそれも相手がか弱い女子供老人である、人目が多いなどの条件に引っかからないのであれば、殴っちゃうこともありだけどね。 

 

 そして推し活。これも社会人生活の疲れを癒やすにはもってこいな方法だ。私も日々やっている。

 とにかく宵越しのストレスは持たない。その勢いで行くがよかろう。そんな学びがあるリタの生き方は推せる。

 

 ヒメノちゃんの髪型もすごいなぁ。さすがにカツラだよな。あれ、本物の髪ならどれくらいかけてセットするんだ。

 ヒメノがあの感じで名医なのも意外。総回診をする彼女はまるで女財前教授のようだった。

 ジジイにしか見えないヒメノの執事が25歳って設定も面白い。

 

 ジェラミーは物事の「行間を読め」という長生きしたヤツならではの教訓を発していた。これは良いことを言ってると思う。読めて損はない。

 最初はナレーションのお兄さんかと思ったら途中から本編に潜り込んで来る。この感じのキャラは仮面ライダーセイバーの時にもいたな。

 

 シュゴッタムの一般人の中に、ギラを悪者に仕立て上げるべく強めに煽ってくる小太りおじさんがいる。あいつ、重要度が低い割には結構目立つ良い味を出していたよな。彼のこともちょっと気になります。

 

 これまでの放送では、ギラとラクレスの兄弟間での争いが濃く描かれ、そこはギラが王座についたことで一旦落ち着いた。人間同士で揉め事をするターンが多かったが、本筋は化物のバグナラクの討伐だから、今後はそっちがもっと濃く描かれて楽しそう。

 

 続きもしっかり見よう。

 あやねるきっかけで見たら思いの外楽しめて良かった。私と同じ理由でこのコンテンツに遅れて吸い寄せられたヤツ、結構いるはず。

 

 これを見たら皆で良い国作りに努めようぜ。

 

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