「科学戦隊ダイナマン」は、1983年2月から1984年1月まで放送された全51話の特撮テレビドラマ。
先日ゴーグルファイブを見たところ、やっぱり昭和の戦隊も熱くて良いなと思い、次回作のこちらも視聴することにした。
チビの頃にスーパー戦隊シリーズの主題歌を集めたCDを親から与えられ、本編を見る前からもダイナマンのOP、ED楽曲は知っていた。どちらも格好良く空で歌える。
そんなダイナマン本編を初めて見たのは、レンタルビデオ屋のVHSでのことだった。全10巻が置かれ、全巻借りたにも拘わらず収録話数は30数話までだった。最終巻がまさかの尻切れトンボで後半回はビデオになっていなかった。「なんじゃそりゃ」となったのを今でも覚えている。
VHSの販売は途中で投げっぱなしになりがち。放送作品の一部しか収録せず映像コンプが不可能なパターンはコレ以外にも多く見られる。DVDなら最初からコンプリートで出すようにするから、ちゃんと最初からオチまでチェックできる。後にDVDという上位メディアが誕生してマジで良かった。
ジャシンカとの決戦のオチが見れないまま幾年が過ぎたわけだが、令和になってやっとそこの部分がはっきり分かった。
BDと比べたら画質の落ちるDVDを今回チェックしたところ、古い割りには結構綺麗に映像が残っていた。フィルムを残し、放送終了から何年も経って映像をリリースしてくれた関係者に感謝だな。
今回はその昔見ることが出来ずに悔しい思いをした後半回を特に注目して視聴した。
芸術だけでなく正義だって爆発だ。それがダイナマンの生き様だったぜ。
爆発的熱い想いを込めてダイナマンの思い出を書き殴る!
内容
その昔、地球に落下した隕石には、謎の生命物質が付着していた。小さな細胞レベルだったそれは、長年地下で繁殖する内に人の形となり強力強大な文明を得るまでになった。
そんな彼らには地上人と違って尻尾が生えている。尻尾の本数の多さが種族の身分階級を表す彼らを有尾人という。
有尾人一族からならジャシンカ帝国は、地下を這い出て地上侵略に打って出るのだった。
この危機に対抗して科学者の夢野久太郎は、若き学者の卵でもある正義の戦士5人を集め「科学戦隊ダイナマン」を結成させる。
ジャシンカ帝国の地球侵略作戦を打ち砕くために立ち上がった5人の戦士ダイナマンの熱き戦いの物語が開幕する。
感想
ダイナマン
ダイナマンのスーツの頭部は特徴的で、ヘルメットだけど野球のキャップのようにでっぱりがある。元々は野球選手をイメージしたスーツデザインで行く事になっていて、そのなごりとしてこうなっているとのことらしい。割りとシンプルで格好い。
前作ゴーグルファイブの基地が野球場の地下にあったことから、野球という人気要素をなんとかしてシリーズに取り込みたい作戦があったのだろうと見える。
名乗りが「爆発!科学戦隊ダイナマン!」なんていうだけあって爆発シーンが多い。OPからバカみたいにドッカンドッカン炎が上がっている。派手だし危ない。この時代は本当に景気よくリアル炎をあげる番組が多かったんだな。今だとこの火薬料量は危なくてGOが出ないだろう。
客員が名乗りを上げたらメンカラと同色の爆煙が上がるのも派手。ダイナマンと言えばカラフル煙と爆発だな。
メンバーは一応科学者の卵ということで、完成度としては低いものの、たまには新作発明を披露することもあった。
科学を武器にした戦隊であるが、単に武力で用いるのみならず、子供達の未来に向けて素敵な夢を見せるためにも科学を発達させなければならない。それが偉大なる夢野博士の教えである。
子供達に対して明るいメッセージ性があるのは、文明の大切さを謳った前作ゴーグルファイブと共通している。
やはりヒーローは、まずはアクションで魅せる娯楽性を、次には正義を掲げることから、見る者に教養を与えてこそなんぼである。ダイナマンも良い事を言ってる。
アクションシーンは以前にも増してキレがある。シリーズ初のクレーンを使用したワイヤーアクションを導入しており、浮遊感もアリアリなダイナミックなバトルが楽しめた。
アクションシーンの発展に貢献した春田純一が前作に引き続きブラックカラーヒーロー枠で出演している。彼のキレのある動きはやはり良い。
今回は忍者の里出身の戦士 星川 竜を演じている。忍者アクションを行う戦士で、くるくる回ってアクロバットを見せていた。危ないな~。
星川の出で立ちが微妙にジャッキー・チェンぽい。星川用BGMも微妙にジャッキー映画のそれっぽい出来になっていた。忍者だけど宇宙人やUFOが好きで、装置を作って交信している回はちょっと面白くて可愛かった。
イエローの南郷耕作は整ったイケメンで格好良かった。男前だけど星川あたりと共にコメディリリーフ寄りな戦士だったな。
ヒーロー達をメインに楽しむのは当然だが、夢野博士もかなり男前で記憶に残る顔だった。
表の顔は子供に人気の剽軽な発明おじさん。そして真の顔はキリリとした頼れる司令官。発明おじさんの時とボスの時とで顔つきがまるで変わっているから役者の役作りがしっかりしているな。
物語終盤に差し掛かると夢野博士が失踪し、ダイナマンにも隠していた重要な過去が明らかになるというまさかの盛り上がり要素もあった。
手負いで疲弊しきった中、ダイジュピターを飛ばしてダイナマンを助けに行く最終回の夢野博士は格好良かった。最終回のそのシーンでは、これが最後ということで、夢野博士視点から5人の戦士の1年間を振り返りが始まる。その時には、夢野博士が情感たっぷり、そして実に詩的に5人の紹介をしてくれる。あそこのセリフのセンスには、かなり光るものがあった。
ニュースーパーダイナマイト完成の物語
序盤は5人の合体必殺技「スーパーダイナマイト」で敵を駆逐していた。だが、後半からは敵がもっと進化してそれを弾かれるようになる。そこでもう一段階レベルが上の「ニュースーパーダイナマイト」を編み出すことになる。
これがいきなりの完成ではなく、戦士達が模索し特訓すること数話に渡って段階的に完成したことで、ドラマ性としての面白みが増した。
「ニュースーパーダイナマイト」考案前の数話は、その場の状況をフルに活用し、知恵でなんとか凌ぐという危ない展開もあった。
都合よくすぐにパワーアップとはいかず、戦士達が強くなるために奔走する点はちょっとリアルだった。
そして堂々完成した「ニュースーパーダイナマイト」だが、見た目としてはデカい米俵にゴウゴウと上がる炎をまとわせたような感じになっていて普通に怖い。これまた強烈にインパクトのある一撃が完成したものだ。
ダイナマンの全攻撃の中で一番喰らいたくない怖い技だった。威力は当然強力で、デカい火の玉ストライクを食らったが最後、あとは爆散して大地とさよならである。
タイトルにかけてダイナミック極まりないとんでもない技だった。この恐ろしい技は記憶に残る。
ダイナロボ
ダイナロボがここまでのシリーズだと一番格好良い。ゴーグルロボの時と違い、こちらはしっかり5人乗りになっている。
必殺の科学剣・稲妻重力落としは、高く空に舞い上がった所から落下の力を利用して更に切れ味を高めるえぐい破壊力を持つ技だった。技のバリエーションも広げてくるわな。ジャンプ斬りというわけでロボのアクションも幅が広がった。
稲妻重力落としの内容やロボットのデザインを見るに、ボルテスファイブを思い出す。デザインも近いし、Vの字斬りとも似た技だな。
強敵に対抗してのイレギュラーな作戦で、一度合体したのを敢えて解除して単機で戦う回もあった。マシン合体したら基本的にはそのまま敵破壊まで持っていく所を、合体解除するのは珍しい。逆回しすれば良いだけのことだが、合体解除シーンもみれて何かレアな気分だった。
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