お店に行く。欲しい物を手に取る。そのまま出る。だったら捕まるので、やっぱりレジに向かいます。
その時、たまにだがレジに「～円札が不足している」「～円玉が不足している」という張り紙が貼られていることがある。
何でそんなに用意がないの？と思いつつも、商売には色んな都合があるため色んな種類の銭や札が足りないこともあったりするのだろうと理解を示してあげる私ってば良い客。
丁度先日、とあるお店に行くと1000円札が不足している宣言を記した紙がレジに貼られていた。
人よりも小銭を多く持つ私は、釣りが出ないよう小銭できっちりと支払いしがち。しかも1000円以内の会計になりがち。一度の買い物はなるたけ3桁以内に収めたいちょっと臆病な質なのです。
その日は200円しか物を買わなかった。でも札が不足しているというなら、不足を解消するために協力するのもやぶさかでない。ここは札を出してやろう。
この時なのだが、この私としては珍しいくらい己の善行を周囲に向けて主張したい想いになるのだ。
なぜなのだろうか。マラソンや学校のテストで一等賞になっても鼻にかけることを考えなかった人間なのに、この札不足をなんとかするための活動に協力する時だけは、善意をめちゃ見せつけたい。まぁ善意なのだから悪くないよね。
他人に対して優劣の主張が少ない私が、最もガツガツとした態度に出る瞬間がここなのだ。意外だぜ。親も知らない我が心理における真実をここに告白しよう。
この時には、レジに並んでいた時からとっくに張り紙に気づいていたのに（なぜなら目が良いから）自分の番になった段階で気づいたふりをしてしまう。なんなら先に釣りのないよう小銭を握りしめてという小芝居も打つことがある。
で、「あっ、1000円札不足なのかぁ～。じゃあ」みたいな、相手に聞かせることを前提としたデカ目の独り言を言いながら札を取り出すのだ。
レジの都合を知った上で支払い方法を銭から札に変えてくれた。レジ店員に対してバカでも分かるようにそこのところの説明を行うちょっといやらしい行為だ。私のそんな出方を見て知ったからには、店員もありがたいの思いを込めた言動に出てくれる。
まぁわざとらしさがかなり表に出た誘導なんだけど、この言動に対して感謝されるとやっぱり嬉しい。
こんな超平和なやり取りで無性に満たされて気持ちよくなる。これによって心身の健康が保たれる。人が人からもらう感謝の言葉とか態度って、結構心の回復術になるんだよね。
我ながらなんてミニマムな生活の充実感を求めてちゃっかり得ているのだろうか。
日々を振り返ってこのレベルの平和な感想が出るあたり私の人生は平和。そして日本もまだまだ平和。
お店のお札不足を解消して広がれ、小さなの平和の連結で作るでっかい輪。
良い一日でした。乙。
スポンサードリンク
